141. 時をかける少女(1983)
《ネタバレ》 薬師丸ひろ子がそうだったように、原田知世の魅力を余すところなくお披露目した映画。 ただ、「セーラー服と機関銃」は脇を固める俳優陣が実力派揃いだったのに比べると、こちらは尾見としのりが頑張っているくらいで、少々心もとない。 原作は筒井康隆で名作に間違いはないのだけれど、映像化はやはりなかなかのハードル。 でもなあ。 この映画だと、魅力的に思えるのはどう考えても尾見としのり君の方なんだよなあ。 ストーリー性より映像重視、な感が否めない野心作。 もちろんキュートな原田知世に加点。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-07-27 14:43:08) |
142. ディスタービア
《ネタバレ》 デヴィッド・モースって役者はすごいなあ。 虫も殺さないような善人もできれば、人をバラバラにするような殺人鬼もできる。 そしてそれがごく自然に見えてしまうという演技力の高さに脱帽。 ストーリーはティーン向け。どんでん返しもなく、犯人はやっぱり犯人そうに見える隣人。 こういう時の主人公の相棒役って、アジア系がばっちりはまる不思議。 そして相手役の女の子がどんどんキュートに見えてくるから不思議。 この子じゃなかったら後半興味を失っていたかも、くらいの破壊力。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-03-25 13:44:08) |
143. ポルターガイスト(1982)
《ネタバレ》 身の回りに起こった超常現象的なものを、「ポルターガイスト」と言わせてしまうほど影響力のあった映画。CGも当時としては最先端だったんじゃないかな。 ただ、結局CGに頼りすぎてしまった感が強く、墓場を住宅地に造成するために掘り起こさずに墓石だけ移動した、ということがわかった時点で急激に恐怖が遠のいてしまったのは残念。もう少し謎解きを丁寧にやって、恐怖を煽って欲しかったかな。 ラストで死者たちが地中から光とともに蘇り、空中を飛び回るシーンはまさに「スペース・バンパイア」で、トビー・フーパーの真骨頂。まあ前後の整合性はほとんどなくて、ただこういう風な絵が撮りたいんだ、という思いだけで作ったシーンの気はするけどね。 でも、公開当時、観る人を恐怖に陥れ、その後も呪われたシリーズとして名を馳せた、歴史に残る一本。観て損はなし。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-03-15 07:54:31) |
144. ダーティハリー
《ネタバレ》 子どもの頃はテレビで何度も流れていたんだけど、今はいろんな規制があってなかなか放映できないのかもしれないが、ハリー・キャラハンって名前はやっぱりかっこいいぜ。 正義漢なんだけど、無骨。 こういう役やらせたら天下無双のイーストウッド。 ラストは伏線もきっちり回収して、悪党を撃ち抜く。 バッジなんていらねえぜ。 当然字幕で観たんだけど、子どものころの記憶としては、山田康雄さんの吹替えが本当にはまっていてかっこよかった。 ジャッキー・チェンの石丸博也さんと並んで、できれば吹替えで観たいシリーズ。 いや、いい映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-13 07:58:42) |
145. ジュマンジ/ネクスト・レベル
《ネタバレ》 ダニー・デヴィートはまあそれなりなのだが、やはりダニー・グローバーの老いが気になる。映画上の演出だけとは思えない歳の取り方に寂しい気持ちがしてしまった。 リーサル・ウエポンシリーズの頃が懐かしい。私自身も歳を取ったということなんだろうね。 もとい。 ゲームだし、誰も死なないという安心感が、逆に映画としてのスリリングな部分をだめにしてしまっている気がする。前作はそれでもそれなりの危機感があったのだが、今回は登場人物間の人間模様に主眼が置かれていて、オリジナルの「ジュマンジ」とか「ザスーラ」なんかのいったいどうなるんだ的な緊迫感が欲しいところ。 特筆すべきはカレン・ギラン。「ガンパウダー・ミルクシェイク」から彼女にはまっている私には、あらためて魅力的な役者。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-10 07:39:31) |
146. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 DVDも持ってるし、何度も観た映画なんだけど、時々観たくなる映画の一本。 コメディタッチのゾンビ映画もあるし、最近はそっちの流れが主流(もう最近でもないんだが)に思えるのだが、ちゃんと作るとしっかり怖い、ということを思い知らせてくれる映画。 まあでもこれは、オリジナルのロメロ版がいかにゾンビ映画として優れていたかということの証左なんだろう。ロメロ版には、どうしようもない閉塞感とかやり切れなさがあるのだが、本作はやはりアクション映画としての要素が強く、ドキドキハラハラ感は相当なレベルになっている。その辺は他のゾンビ映画の追随を許さない完成度があると思うのだが、そのプラスマイナスをどう捉えるか、だと思う。 サラ・ポーリー様の信者である私は、のっけからアクション満載の彼女の体当たり演技は素晴らしいと思うし、映画としての完成度も高いと思う。結局最後に残ったのが若いカップルの方だったということに、この二人では生き残れないだろうな、と思わされて希望の見えないラストになってしまったのが少々残念だが、映画としては、ポーリー様の相手がゾンビに噛まれてしまう方が断然ドラマティックだし、ロメロ版でもそうなってるんだからまあ仕方ないか。 走るゾンビ映画としては、「28週後」と並ぶ名作。 [インターネット(字幕)] 9点(2023-03-01 07:47:42) |
147. ブレイン・ゲーム
《ネタバレ》 面白かった。連続殺人の被害者の共通点が判明するあたりの緊張感は抜群で、ぐいぐい引き込まれてしまった。アンソニー・ホプキンスが手玉に取られるなんてなかなか見られないシーンじゃないかな。彼がもう少し若かったら、もっと良かったのかなとは思ったが、FBI の女性捜査官とのコンビもなかなかの見ものだった。彼が娘を苦痛から救うために安楽死を選ぶシーンは切なかったな。 ジェフリー・ディーン・モーガンは「ウォーキング・デッド」のイメージを完全に払拭することに成功している。私が言うのもなんだが、渋いいい役者。刑事役にははまる。 犯人が後継者を求める理由、おそらく不治の病だろうが、それが明らかになるともっと良かったかな。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-02-21 08:01:28) |
148. エスケープ・ルーム(2019)
《ネタバレ》 筋立てはよくある話。 命まで奪われるのは、結局金持ちの道楽のため、というのがもうひと捻り欲しかったかな。 なぜ、どうして、何のために、という設定ではもともとないので、純粋な脱出ゲームを楽しみたい人にはお勧め。私は上下が逆転した部屋あたりから謎解きについて行けず、ただ観ているだけになってしまった。 登場人物は「CUBE」を彷彿とさせるラインナップ。 生き残った二人は結局賞金も手にできず、今後もずっと命を狙われる羽目になったのかな。 そこのところはきちんと筋を通すべきだと思うのだが。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-02-20 08:59:11) |
149. バタリアン2
《ネタバレ》 バタリアンはバタリアンとして徹底的に楽しむ。という心意気がない人には全くおススメできない映画。ゾンビ映画にはいろんな楽しみ方があるけれど、そりゃないだろ、と画面に突っ込みを入れながら文句は言わずに気に入るポイントを探す、というのがこのシリーズの醍醐味かと。 怖くて笑えて奇想天外。 私はもちろん大好きだ。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-02-17 07:44:35) |
150. サスペクト・ゼロ
FBIの知られざる過去の心霊部門?の話。 連続殺人の被害者に共通点を見出すあたりの緊迫感は面白かった。 それに何より私はアーロン・エッカートが好きだ。彼の割れた顎と声が好きだ。 無骨な中に優しさを秘めた彼の魅力と、クールなキャリー・アン・モスのバランスが良かった。 「サスペクト・ゼロ」というタイトルの響きも期待感を膨らませてくれる。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-02-15 07:52:03) |
151. ザ・インタープリター
《ネタバレ》 筋立ては少し複雑なのだが、観ているうちにどんどん引き込まれてしまった。 バスが爆破されるあたりの緊張感はかなりのものだったのだが、逆にラストの大統領に復讐を果たすのか否かのシーンに迫力が足りなかったのは残念。英語だからよくわからないのだが、主演二人の演技力に少し問題がある気がした。二人とも名優だと思ってるんだけどね。 それにしても、ニコール・キッドマンのこの世のものとは思えない美しさにただただ圧倒される映画だった。正直この映画の一番の見どころは彼女だと思う。加えてキャスリーン・キーナーの要所を押さえる演技も素晴らしかった。 最後に物申したいのは、ラストシーン。ショーン・ペンがガードレールらしきものに終始腰かけているのだが、二人の身長差を隠す効果しか与えていない。それならベンチでもよかったのでは?と思ってしまう。そこが残念。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-02-15 07:42:41) |
152. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 メリハリが効いていて見応えのある映画だった。 まあほとんどメラニー・ロラン目当てで観たのだけれど、ほかのキャストも素晴らしい。 ナチスのランダ大佐も憎たらしくて最高のはまり役。酒場での銃撃戦も最高の緊迫感。 ラストの映写室でのやり取りも、メラニーの真紅のドレスが映えて悲しくも美しい。 史実に基づくかどうかはさておき、映画として面白かった。 メラニー・ロランはいいね。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-02-14 07:48:51) |
153. 罪の声
《ネタバレ》 あの事件で自分の声を録音された子どもは、今どうしているんだろう。 あの当時はそんなこと思いもしなかったのだが、この映画を観て、彼らのその後を考えずにはいられなくなった。 父と姉を殺され、母親を見捨てざるを得なかった少年の転落の人生。 翻訳家になる夢を断たれ、命まで奪われた少女。 大人になるまでその事実を知ることなく、幸せに暮らしてきたテーラー。 革命家たちが言う「正義」のなんと薄っぺらいことか。 記者として彼らの人生を取り戻させようとする小栗旬の演技は素晴らしかったし、脇を固める俳優陣も渋い人揃いで良かった。のだが。 ただ一つ、宇崎竜童はちょっと疑問符が付く。革命家然とはしているものの、自らの行動に疑いをもたない愚かさがやはり伝わらない。そこだけが残念。 [インターネット(邦画)] 8点(2023-02-08 09:55:03) |
154. テルマエ・ロマエ
《ネタバレ》 まず配役が絶妙。男性の主要登場人物をすべて日本人でやってしまうチャレンジ精神に拍手を贈りたいし、それが見事に成功している。 日本の銭湯や家庭風呂がいかに至れり尽くせりの快適な空間であるかを再認識する驚きと喜びもあり、精神的にも満足感の高い映画。 現代日本でのドタバタをもっと見たかった気もするが、一応ローマ人は日本語を話せないという縛りがあるみたいなので、難しいのかな。二作目ではそこにもっと挑戦していて欲しいという期待も込めて、この点数。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-02-08 09:36:10) |
155. 先生、私の隣に座っていただけませんか?
《ネタバレ》 黒木華主演に釣られて鑑賞。 柄本君も嫌いじゃない。 ただ奈緒さんはちょっと演技過剰な気はしている。 現実と漫画の世界の境目がはっきりしない展開で最後まで楽しめる映画。 惜しむらくは、教官とサワちゃんが惹かれ合って求め合うシーンが薄いことかな。 漫画的に限界があるのだろうけど、もっと激しく愛し合うシーンがあるとドラマとしての重みがぐっと変わって来ると思うのだが、女優としてもキスシーンが限界なのかな。 そこらへんが日本の多くの女優の限界なのが少し残念。 黒木華は、控えめそうに見えつつ、意外とさっぱりしていてそこが魅力。 そして風吹ジュンが要所を押さえる名脇役として配されているのも良い。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-01-31 10:43:04) |
156. ディセント
《ネタバレ》 時々観返したくなるホラー映画、というジャンルがあると勝手に思っているのだが、この作品もその一つではないかと思う。 未知の洞窟に踏み入る女たち、おまけに地底人、なんて忘れた頃に観たくなるもの。 そして期待通りの適度な恐ろしさと緊迫感。 と言っても、ラストの助かったと思わせた後の実はまだ洞窟の中、は完全に忘れていたので、大満足のどんでん返し。 人間の記憶力ってつくづく当てにならないのね。 もう一度観たくなるのは何年後かな。いや、佳作。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-01-28 07:27:18) |
157. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 どっちが先に作られたのかわからないけど、「ワールズ・エンド」とほぼ同じ展開。 この監督この作風が好きなんだろうね。 いや、もちろん私も嫌いではない。 サイモン・ペッグが優秀な警官、という時点でコメディが成立しており、ニック・フロストが脇を固めた時点で面白いことが確定していると言っても過言ではない。 心には残らないけど、時々「あの映画また観たいな」と思わせる映画。きっと観るたびに新しい発見があるんだろうなあ。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-01-21 08:11:50) |
158. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
《ネタバレ》 衝撃のラストと言ってもいいのではないか。 タイムボカンシリーズで正義の味方が悪に敗れた時くらいの驚きがあった。 世界を救うためのミッションを完遂し、仮にボンドに島を脱出する時間が残っていたとして、彼は果たして脱出しただろうか。 愛する妻と娘を抱きしめることができない人生に何の意味がある? ダニエルボンドにしびれ続けてきたけれど、今回は最高にしびれた。 彼一人に世界の運命を背負わせるのはちと酷な気もするが、ボンドの死の代償はそれぐらいでかくないと割に合わない。世界を救ってもらった代わりに、我々はジェームズ・ボンドを失うのだ。 かっこよかったぜ、ダニエル・クレイグ。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-01-21 08:01:57) |
159. シン・ウルトラマン
《ネタバレ》 まあとにかく熱の感じられない映画だった。 劇中の会話も、対話というより登場人物が単独で話しているかのような印象しかない。 地球の運命がかかっている時に、その大事な会議に参加して数式を出しているのが若い物理学者一人という設定も、全く臨場感とか切迫感とかが感じられない。 観ていて感情の起伏がほとんどない映画だった。 長澤まさみも無駄に巨大化している。 ゼットンの解釈だけは新しい。が、倒す方法が難解すぎて逆に説得力もなく、帰ってきたウルトラマンを温かく迎えようという気になれなかったのが返す返すも残念。 [インターネット(邦画)] 3点(2023-01-18 08:01:53) |
160. サラの鍵
《ネタバレ》 恥ずかしながらフランスで第二次大戦時にこのような事実があったことを知らなかった。 迫害されたユダヤ人はもちろん、ドイツ人以外の欧州の人々も心に大きな傷を負い、自らの在り方に疑問をもちながら生きることを余儀なくされたのは、戦争の残した大きな惨禍と言える。 弟を匿うつもりが結局死に至らしめてしまった姉。 強制収容される中で追い詰められていく両親も怒りのやり場に困り、彼女を責め、彼女自身も弟を救おうと必死の逃避行を行う。 収容所から逃げる手助けをする兵士。 自らを危険にさらしながら彼女を匿う老夫婦。 自分自身、戦時下であのような勇気を持てるだろうか。 そして納戸の扉を開けた時の彼女の絶望。 本来ならナチスだけを恨めば済んだはずなのに、自分自身も責めなければならなくなった彼女の人生のなんと痛ましいことか。 そして彼女が抱え、決して語ることのなかった過去を、彼女の死後知ることになった家族。 戦争がいかに無益で悲しいことか、突きつけられる映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-01-17 08:00:56) |