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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1781.  ソウ3 《ネタバレ》 
(本作及び前2作のネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください。)アマンダには理念が無かった。“何かを犠牲にすることで命は助かる“というゲームの大原則を、前作から彼女は無視しています。彼女が設定するのは、脱出要件が存在しない仕掛け。言い方は変ですが程度が悪い。そこでジグソウはゲームを使って彼女に問うた。後継者としての資質を。「憎い相手でもルールはきちんと守りなさい。ゲームに勝ったならば、助けてあげなさい。」ここで大切なのは、”命のありがたみを知る“から”憎い相手を赦す“にゲームの勝利条件が移行していること。そこにジグソウの心の変化が見える。末期の癌患者である彼が、最初に意識したのが命の大切さ。いよいよ死期が迫ってきたことで、今度は赦しを求めたのではないか。何者かから(広義の)罪を、あるいは死への恐怖を、赦してもらいたい。死を目前にした人間の心理。”何者か“は一般的には神でしょう。しかしジグソウが赦しを乞うた相手は、ゲームのプレイヤーだった。彼らしい。ですからジグソウ自身も本作ではプレイヤー。“赦してもらうこと”が目的。真のゲームの主人公は、ジェフでも、女医でも、アマンダでもなく、ジグソウ自身。ここで忘れてならないのは、彼自身のゲーム開始要件が“アマンダがゲームに敗れる(女医を射殺する)”であること。彼女の性格を知り尽くしているジグソウならではの悪魔のゲームプラン。更に念入りにも彼は、ジェフを挑発している。挑発しなければ、おそらく首を切られずに済んだ。しかし憎んでもらわなくては、赦してもらうことも出来ません。もっとも、今までジグソウがしてきた行為を考えれば、彼が赦される道理がない。それを一番分かっていたのは、実は彼自身だった気がする。だから“あえて”挑発したのではないか。ところで監禁されていた子供は本当に死ぬでしょうか。赦しを乞う人間が罪のない子供の命まで奪うとは思えない。また前作でも人質の子供は、プレイヤーの選択とは無関係に開放されています。子供は助かると考えていいと思う。子供を殺してもジェフには恨みしか残りません。ジグソウは、“赦しの必要性”を最後の最後まで訴えたのではないか。ただし、ジェフが理不尽に妻を失った事実は変わらない。ここまでくると、ジグソウの行為は滑稽にしか見えません。そして虚しさだけが残る。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-12 19:09:00)(良:1票)
1782.  ジョニー・イングリッシュ 《ネタバレ》 
イギリス名物といえば、『ビッグ・ベン』『クリケット』『レインコート』『マズいめし』。あと『ロビンマスク』に『英国ちょうちん』『英吉利に行ってきました饅頭』。学のない自分には、こんなところしか思い浮かびません。そうそう大事なのを忘れていました。『007』。スパイを忘れちゃいけません。本作はその本場のスパイコメディ。Mr.ビーンでお馴染のローワン・アトキンソンが、お間抜けエージェントを演じています。やはり女王陛下のいる国。下品だけれど、どことなく品がある。ケツ丸出しでもイヤらしくない。まるで沢尻エリカみたい。ただし、品がありすぎて物足りないです。ご指摘の方もおられるように「キミノムスメサンタチニ、チイサイチンチンガツイテイマスヨウニ」は紛れも無い名台詞。誰なのでしょう、こんな日本語を教えたのは?その人には10点差し上げたい。
[DVD(字幕)] 5点(2007-07-11 18:52:03)
1783.  DEATH NOTE デスノート the Last name 《ネタバレ》 
前編に当たる部分の原作は既読ですが、本作の原作部分は未読。そういう立場での感想です。映画版デスノートが大方の原作ファンに受け入れられた理由。それはほぼ忠実に世界観を再現出来ているからだと思いました。マンガ原作の特性。それは観客が視覚情報を共有していること。月やLの容姿はみんなが知っている。だからキャスティングが重要です。イメージとかけ離れていては、誰も受け付けてくれません。超がつく原作の美形キャラに、誰をキャスティングするか。その部分を外さなかったことが、本作最大の勝因だった気がします。『NANA』の中島美嘉なんかもそう。あとは支持されている原作の流れに沿えばいい。ファンは概ね好意的に受け取ってくれる。原作に対する好意が、そのまま映画の評価についてもプラスに作用した。そのように感じました。では、そういうアドバンテージを外すとどうか。Lの捨て身の賭けには唸りましたが、それ以外はピンとこないというのが正直なところ。月は極めて論理的、合理的に思考するキャラ。そして狡猾で慎重なはず。その彼が切り札(デスノート)を手放す危険を冒すとは思えない。騒動のための騒動に見えてしまいます。そう思えるのは、キャラクターの描き込みが不足しているからとも言える。彼の“心のかたち”が見えれば、納得できる展開なのでしょう。世界観、すなわち上辺はキレイに繕ったが、中身には手をつけなかった。そんな印象です。原作の知識で足りない部分を補完できる人には満足出来ても、そうでない人には厳しいと感じました。ところで月は、デスノートに「夜神総一郎は、身近にいる甘党を銃殺したあとに自殺した」と書けばいいと思ったんですが、それってダメ?
[DVD(邦画)] 5点(2007-07-10 18:33:39)
1784.  バッドサンタ 《ネタバレ》 
“昔はワルかったけど、今は更生したんです。偉いでしょ”的な元不良の美談は大嫌い。グレなかった人の方が100倍偉いから。本作にも、そういうニュアンスが無いとは言いません。ただ主人公の場合は、ワルというよりダメ人間。子供もいじめられっ子。ダメな人間の成長には、心を動かされてしまいます。それはもう理屈じゃなくて。どうしようもなく好きなのです。それだけでなく、あらゆる要素が自分のツボにはまりました。まずキャラクター。主人公、相棒、死にかけ(失礼)ばあちゃん、そして悪徳セキュリティ。性格だけでなく、ルックス的にも濃いキャラが揃っています。中でもピカイチだったのがデブの子供。その登場シーンのインパクトたるや絶大。規格外の体格に鼻水、透き通った瞳。パンチ風天然パーマ。チョコバーを持っていなかったのが不思議なくらい、典型的な白人デブ児童キャラです。でも、そこいらの子役とは格が違う。もう一目ぼれ状態でした。脚本もちょっと凄い。というかヒドイ(笑)。仮にも“サンタ”がタイトルに入っている作品とは思えない下品さです。ファッ○棒ですよ。○ァック棒!普段の生活では、まず出てこない単語ですもん。子供の「ア、ハーン」連発にクスクス。1%刻みの分け前交渉に爆笑。ばあちゃんのサンド攻撃には降参しました。そしてメインとなる主人公と子供の交流。彼らの境遇に同情はしません。結局ダメなのは自身に責任がある。ただ、一人で立ち直れというのも酷な話です。人の手を借りればいい。そういう人との出会いは大切です。主人公と子供は、互いに助け合ったのだと思います。それはクリスマスのプレゼント交換のようなもの。木彫りのピクルス(このセンス最高!)に、血染めのゾウのぬいぐるみ(結果的に紫っぽい!)。金銭的な価値はゼロでも、生きる力や勇気に変わるものがある。もうウルウルでした。ハッピーエンドというより甘々の結末。主人公があれで死んでないなんてウソみたい。でもクリスマスの奇跡に感謝します。あの天然パーマ君に謹んで10点を捧げます。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2007-07-09 18:30:22)(良:1票)
1785.  ビッグ・リバー
ビッグリバーは、グランドキャニオン。形作るまでに要した膨大な月日を思い遣ると、意識は現実から遠のいていくよう。雄大な大河の流れと対比するように描かれる小さな小さな人の生。川の支線が交わるように、3人の人生は交差した。旅は各人にとってひとつの契機だった。無類のロードムービー好き(©『マネーの虎』吉田栄作)の自分としては、嫌いな作品ではありません。ただあまりにも淡白すぎました。また作品へ望む姿勢も良くなかった。ビックリバー→びっくり・バー→サプライズ・棒と深読みして、「キーアイテムは、何か棒のようなものにちがいない!」と決め付けていたところ、全くそれらしき棒は出ずじまい。無理矢理、棒的なものを探そうとすれば、下品なイマジネーションしか湧いてこない始末。こんな紛らわしいタイトルを付けた監督が悪いのか、はたまた自分が悪いのか。もちろん100%後者でございます。せっかく作品登録していただいたのに、こんなアホコメントとは。本当にすみません(反省)
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-07-09 18:26:03)(笑:1票)
1786.  ビーン
お馴染のビーンが巻き起こす大騒動。彼の振る舞いは、TV版と何ら遜色がないように感じます。しかし印象は大分違います。ひとつはシチュエーションの違いでしょうか。TVの場合、視聴者は傍観者です。自分とは関係ないから深刻さがない。でも本作では学芸員という、観客自身を投影させるキャラがいます。そのため、笑いよりも居た堪れない気持ちが勝ってしまう。各エピソードの深刻さ(被害の大きさ)も、そのことに拍車をかけます。もうひとつは、ビーンのキャラ付けの問題。本作のビーンからは悪意(イタズラ心)があまり感じられません。どのエピソードもアクシデントと言っていい。毒がないから物足りない。確かにタイトルには、Mr.の冠はありません。すなわち、本作のビーンは“大人ではないよ”という意味。“子供のような大人”と“大きな子供”の違いは大きいと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-07-08 17:43:28)
1787.  ハイテンション 《ネタバレ》 
「こういうホラーが観たかった!」と声を大にして叫びたいくらい面白かった。叫びながら逃げ惑ったり、安易に敵にアドバンテージを与える展開のホラーに辟易していただけに、ガッチリハートを掴まれました。ほんと面白い。男を仕留める瞬間は爽快感すら感じました。それだけにあのオチには腹が立つ。全てが茶番と化してしまいます。整合性も取れているとは言いがたい。でもタネ明かし手前まではホントに楽しめたので、結果的にはアリということで。満足満足。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-07 19:26:32)(良:1票)
1788.  フォー・ルームス 《ネタバレ》 
絶対無いだろうけど、もしあったら面白そうな(現実離れしすぎていない)シチュエーションがいい。主人公の性格も実にいい加減で笑いを誘います。毒気は強く、かなりお下品ですが、個人的には嫌いじゃない。オッパイが見られればOKの1話目と、オチが全ての4話目は別にしても、『間違えられた男』と『かわいい無法者』は膨らませても面白そうだなと思いました。なお、4話が微妙に繋がっていても、物語として大胆に絡んでこないのはもったいない。単発での満足感は、たかが知れています。散発のジャブよりもコンビネーションブローの方が遥かに効きます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-07-06 18:33:10)
1789.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 
タネが明かされた瞬間は、正直ガッカリしました。何だ、結局妄想オチかと。でもエンディングを見ているうちに、考え直しました。鉄塔から落ちるまでに市川が目にしていたものは、全て手帳に感化された妄想との解釈が可能です。だだし、4回目のサイレン後の行動は、それでは説明がつかない。彼女が手帳の続きを見ていない以上、殺戮を始める必然性がありません。別の要因があるはずです。目まぐるしいカット割りのエンドクレジット。その中で異質だったのが『人魚伝説』のくだり。島民が人魚を食べて不老不死になった御伽話が,再度強調されます。人魚は英語で「SIREN」。人魚伝説は本物だった。市川(阿部)は、殺された人魚に成り代って、島民(の末裔)に復讐を果たしたという見方が妥当でしょう。赤い衣をまとった高橋真唯は人魚の霊。彼女の姿を目にしているのは、島外者である森本と市川だけです。それなら辻褄が合う。ただ腑に落ちないのは、高橋に足があったこと。それは人間である証。では伝説はデタラメなのでしょうか。いや全てがウソとは思えません。島民が若い女性をなぶり殺しにした事実はあったのかもしれない。島には偶像崇拝の風習があります。流行り病が引き金となって、集団凶行に及んだのではないか。魔女狩りと同じです。鏡に映るとDOGはGOD、LIVEはEVILに見えるように、島民の目に彼女はどう映ったのか。自分たちの行動を正当化するために人魚伝説は生まれたのだと思います。惨劇は人魚の呪いではなく、少女の恨みによって引き起こされた。彼女にしてみれば、島民は全て化物に見えたでしょう。断末魔に耳にしたであろう“サイレン”は、民衆の狂気の叫び声か。終始物悲しい表情の彼女が一瞬だけ浮かべる笑みに、震えます。
[DVD(邦画)] 7点(2007-07-05 18:12:46)(良:1票)
1790.  助太刀屋助六
こういう人情もの大好きです。結末も気が利いている。お話だけで言えば、9点、10点付けたいくらい好み。でももうひとつ乗り切れませんでした。ケレン味の強い芝居、演出に違和感を覚えました。鈴木京香の言い回し、真田広之のオーバーアクション、小林桂樹の芝居。どれも居心地がわるい。テンションが自分と合わない舞台を観ているような感覚。落語のイマジネーションをそのまま映像化すると、こんな感じでしょうか。慣れればきっと、悪くないでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-07-05 18:10:46)
1791.  好きだ、 《ネタバレ》 
ポイントは顔の描写。序盤多用されるのは横顔の画。例えば宮崎姉。観客が見るのは、ほとんど彼女の横顔です。そこから見えない部分を想像するしかない。それは反対側の顔であり、正面の顔、そして心の顔。大切な人を失って少し増えた笑顔の理由を、私たちは想像するしかありません。瑛太の場合も同じ。彼の描写もほとんどが横顔です。横顔は、すなわちその人の半分。見せない部分がある。そこに心の壁を感じます。この2人と宮崎は少し違う。彼女も2人同様に横顔が多いものの、正面の顔を幾つか見せてくれます。半分ではなく全部をさらけ出している。その分彼女は少し強い。表情から読みとる彼女の心。口には出さなくても、彼女の振る舞いや眼差しから想いは伝わります。西島の場合も同じ。野波を助けたときの、加瀬に対する哀れみの気持ち。その想いは伝わってしまった。このときの彼は正面の顔です。大人になって強くなったということ。ただ、結果的に悲劇を呼ぶことになってしまいます。伝えたいのに、伝えられない気持ちもあれば、その気が無いのに伝わってしまう想いもある。なんて面倒なのでしょう。だからこそ、声に出して伝えることに意味がある。長い歳月をかけてやっと言えた言葉が、胸を突きます。それを口にしたのは永作。やはり女のほうが強い。“想い”に形はありません。色も匂いも質量もない。あやふやなものを頼りに、人は生きている。そんな曖昧な存在に形を与え、ときに色や匂い、重さを与えるのが言葉なのかもしれません。「好きだ、」はやっと辿りついた言葉。そしてそこから始まる。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-03 18:51:00)(良:3票)
1792.  ハルク
ある年代以上にとって『ハルク』といえば、テレビドラマの『超人ハルク』。そうは言っても自分の場合、怒ると緑色のマッチョに変身という設定以外あまり覚えていません。CGの無い時代ですから、ハルクは全身を緑色に塗ったごく普通のムキムキ男。アクションもそれ相当のものでした。そんなドラマ版と比べると、本作のハルクは「凄まじい」の一言。大地を蹴って大ジャンプ。戦闘機に飛び乗って大気圏突破。その爽快感は素晴らしい。アメコミをそのまま実写化したような演出も面白いです。ただ物語に中身がない。主人公は何を受け入れ、何を放棄したのか。特異体質を手に入れた若者の苦悩が見えてきませんでした。映像は確かにスゴイけど物足りないです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-07-02 18:03:26)
1793.  ターミネーター3 《ネタバレ》 
“作らなければ良かったのに”続編だとは思います。前作までの余韻を見事に打ち消しています。ただ、もし続編を作るなら、この結末しかなかったとも思います。B級でありながら優れた娯楽性を有した1作目、液体金属のCGに驚愕した超大作の2作目と比べるとさすがに厳しいですが、本作単独で観るならば十分な出来だと思います。初見はDVD、2度目はCS、そして3度目は地上波吹替え版と都合3回観たのですが、結末を知っていても楽しめる作品と言えそうです。こうなればいっそ、審判の日以降を描いた4作目も観たいです。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-01 19:24:32)
1794.  身代金 《ネタバレ》 
本作のポイントは、主人公が身代金支払いを拒否し、そのお金を誘拐犯検挙への懸賞金に充てたこと。何故彼はそう決断するに至ったのか。その発端はFBIの失態。犯人を射殺してしまうなんてあり得ない。しかも失策を悪びれる様子もない。これには心底腹が立ちました。彼がその怒りの矛先を犯人に向けたことは想像に難くない。また、無秩序なマスコミの報道姿勢も彼を傷つけたでしょう。結局、誰もあてには出来ない。自分が息子を助けるしかない。そう考えた上での懸賞金だった。息子を助けだすための最後の賭け。そういう側面もあるでしょう。ただ、彼が求めていたのはストレスから解放であった気がします。息子は死んだと思い込むことが(言い方は変ですが)一番気が楽です。あとはその怒りを犯人にぶつければいい。彼は地獄の苦しみから逃げたのだと感じました。それは人間として正常な心の動き。世間の非難なんて、所詮気楽な立場からの物言いです。彼の境遇には同情します。しかしそれでもなお、彼の選択には異を唱えたい。死ぬほど苦しくても、子供の命を救うために最善を尽くして欲しい。(彼の選択が、彼が思う最善策ならば文句はありません。でもそうは見えなかった。)もしかしたら、その考え方自体が幻想なのかもしれない。でも主人公には、人である前に親であって欲しい。そう願います。懸賞金のアイデアは面白いですし、最後まで手に汗握る娯楽性にも優れています。ただ、肝の部分を受け入れられなかったのが惜しい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-30 21:08:20)(良:1票)
1795.  3-4X10月 《ネタバレ》 
間(ま)が絶妙。それは時間の間。空間の間。2つの間の取り方が、キタノ映画の空気を作っています。この感覚は天性のもの。やはり北野武の映画監督としての才を感じずにはいられません。さて本題。事前に得ていた知識は、タイトルが野球のスコアを表しているということ。観終わってみれば、確かに逆転劇を食らったような。積み重ねてきたものが、最後の最後でひっくり返されました。ただ、主人公の頭の中だけのお話だとは思いません。本作のキーワード「振らないと始まらないよ」に意味が無くなってしまうから。主人公は確かにバットを振った(行動した)のだと思います。では、どこまでが現実で、どこからが妄想か。怪しいと思うのは、沖縄に到着した時点。喫茶店から、いきなりダンカンの野グソ。この端折り方は乱暴です。餞別を渡したダンカンが一緒に沖縄にいるのも変。たけしがらみで非現実的なカットも挿入されます。つまり沖縄のくだりから爆発までは、彼の願望ではないかと。ただし、全てが妄想とは限りません。現実が混在している可能性もある…。彼の現実は動いています。それは夏から秋へ、季節の移ろいから感じ取ることができます。ヤクザとの揉め事は解決していません。だから彼は復讐のシナリオをトイレの中で想像した。それはただの妄想だったのか、はたまたイメージトレーニングだったのか。ラストシーン、主人公から受ける印象は冒頭とは全く異なります。ちょっと走っただけなのに、積極性と自信が感じられる。その自信はどこから湧いてきたのでしょう。そして積極性は何に対して向けられるのでしょう。タイトルの×印は、野球の“サヨナラ”を現しているだけなのでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-27 18:27:02)(良:1票)
1796.  あなたに降る夢 《ネタバレ》 
天使を介在させることでファンタジー色を強調。好感度の高い(?)ニコラス・ケイジの起用により、上手く美談に仕上げています。ただ、自分はいいお話だとは思いません。とくにオチがいけない。みんなの善意が主人公カップルを救ったという結末ですが、その必要性を感じません。2人が得た大金は所詮あぶく銭。それを失ったところで元に戻るだけです。ニコラスは愛情がない妻と縁が切れたわけですし、ブリジット・フォンダも誠実な夫を手に入れた。2人はこの出来事から、十分な恩恵を受けています。お金以上のものを手に入れた。何も無いところからでも、2人は前を向いて歩こうとしています。それでいい。それが素晴らしい。だのに、この期に及んで援助が必要でしょうか。新聞記事に煽られて寄付をした人たちに言いたい。自分の善意を満足させたいなら、ユニセフに寄付したほうがよほど有益だと。赤十字でもいい。愛の小鳩事業団やカンガルー募金、ドラえもん募金だってある。北への支援米は止めておいてね。本当に援助を必要としている人たちへ、その善意を向けて欲しい。強欲妻へのお仕置きは、無いと締まりが悪いでしょう。ただ、金タライの一つも頭に落としておけば十分だと思います。正直、彼女に良いところは見当たりません。でも極悪ってわけじゃない。誰よりも人間らしいのは、実は彼女なんじゃないかと。よく見ればライス国務長官よりもちょっとカワイイし。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-26 18:07:57)(良:1票)
1797.  300 <スリーハンドレッド>
シネコンの中でも一番キャパが小さいスクリーンで鑑賞。狭い空間のせいもあったでしょうが、張り詰めた空気を感じました。多くの観客が、物語に引き込まれていたと思います。事実、非常に堪能しました。絶望的に不利な状況。その中で鬼神のごとき強さを見せるスパルタの戦士。戦闘シーンの見事さは特筆に価します。システマチックな集団戦にはリアリティがあり、個の闘いにおける華やかさは、格闘技マンガを読んでいる感覚に近い。あるいはシューティングゲームをプレイしているよう。手や首はバンバン飛びますし、血しぶき出まくり。しかし、壮絶な殺し合いの描写に目を背けたくなるような事はありません。絶妙なセピアの色合いが、痛ましさを緩和していました。言葉は適切ではないかもしれませんが、面白い。不謹慎かもしれませんが、楽しい。それが率直な感想です。ただ、こういう注釈を付けざるをえないところが、本作の弱点だとも思います。何故素直に「面白い」「楽しい」と言えないのか。それは、物語の体裁が紛れもなく戦争映画だから。コメディ以外で、楽しい戦争映画というのは、やはり無理がある。痛みが伝わらないから、薄っぺらく感じます。なまじ史実に基づいているから尚更です。娯楽に特化した弊害がここにある。ただし戦闘シーンが出色の出来映えであるのは間違いありません。ですから題材を変えれば相当イケるはず。三浦健太郎の傑作漫画『ベルセルク』をこの手法で是非とも実写化していただきたい。
[映画館(字幕)] 7点(2007-06-25 18:08:06)(良:2票)
1798.  ウォーターワールド 《ネタバレ》 
この世界では土が貴重品。その発想が凄く新鮮でした。唯一、土を調達できる主人公は、いつでも大金持ちになれるんじゃないかと思いました。ドライランドは意外と近くに存在。思った以上に狭い世界での物語だったことに驚きました。本作鑑賞の前に、『日本以外全部沈没』を観てみるのも一興かと。10年くらい前に一度観たっきりの作品にコメントすると、こんな感じです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-06-24 18:21:35)
1799.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
前作があまりに良かったため、比べると見劣りしてしまいますが、単品のアクション作品としての出来は標準以上。楽しめました。警官の職務から来る責任感、そして妻を助けたいという想い。この2つが両輪となって、マクレーン刑事に力を与えます。それは覚悟の力。離陸直前の飛行機に飛び乗ろうなんて普通は考えない。ただ、前作ではパウエルという精神的なサポート役がいましたが、本作では孤立無援状態。アクションのスケールもアップしたために、余計にスーパーマン度合いが増しました。普通の中年男であることが彼の魅力。その範疇を超えてしまったのは、いささかマイナスだったと感じます。最後の旅客機爆破は、いくら極悪人相手でもやり過ぎか。妻をはじめ多くの人命を助けることにつながったのも、多分に結果論的ですし。ただ、この大味加減も作品の魅力のひとつなのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-23 00:37:24)
1800.  陰謀のセオリー 《ネタバレ》 
妄想か、はたまた陰謀は存在するのか。両方の可能性を残しつつ物語は推移します。観客は疑心暗鬼のまま行く末を見守ります。二転、三転する展開。明かされた真実に、はたと膝を打つ…となれば良かったのですが、スッキリしません。それは、メル・ギブソンの告白のみに事件の真相が委ねられているから。彼の告白を裏付けるものがない。もちろん状況証拠から考えれば、彼の証言は理にかなっている。そもそも寝返ったのでなければ、組織から追われることもないでしょう。でも彼が洗脳されていたという事実や、しどろもどろの告白に疑惑の目を向けてしまいます。ここで注目したいのが、真相の告白シーンで常套とされる回想シーンがないこと。ここに意味があると思う。一つは、彼に記憶がないことの示唆。覚えていないから回想映像がない。実際、彼の言い回しは妙でした。都合のいいように記憶を捻じ曲げているようにも見えます。そしてもう一つの意味。それは、“真実とは所詮その程度にあやふやなものだ”というメッセージ。もしそうならば、それなりに納得できます。ただし、もっと腑に落ちないのは、ジュリア・ロバーツのほう。何故、彼女はメルの証言をアッサリ信用してしまったのか。彼の言葉の中に、信用に足る事実が含まれていたとは思えない。(意味ありげなワードは、「コーヒー」と「ベイビー」くらい。)ただ、彼女がメルを愛してしまったのであれば、説明はつきます。彼を助けるために、真相を知るX-メンを射殺した。真実を知るのが怖かったのから。いずれにしてもこの結末で、事件の真実が明かされていくとは思えません。陰謀は暴かれないから陰謀。それがセオリーということでしょうか。モヤモヤ感は残ってしまいます。これが余韻を狙ったものであるならば、脱帽ものです。ただエンディングのジュリアの笑顔をみていると、そうは思えない。単に説明不足なのだと思います。メルの洗脳のメカニズム(暗殺の指令を抗えるのかどうか)、ジュリアの父子の関係、ジュリアがメルに好意を抱く過程、このあたりが描かれていれば、スッキリしたと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-22 18:33:35)
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