1. 天井桟敷の人々
《ネタバレ》 多くの洋画ベスト10(100)で1位に輝いてきた作品。ついに観ました。ガランスを愛する4人の男たちの他、登場人物がすべて自立しており彼らが何かするたび、彼ら、そして彼らのいる世界、つまり作品全体が浮き彫りになり立体的に膨らんでいく感じ。力強い。ディテールがしっかり作りこまれているのに、小細工性は微塵も感じられない。人間ドラマ映画としてその作劇は完璧に近い。他の方たちの感想聴いてたら、人によっていろんな見方ができる奥深さがあるようです。しかしそれは決して曖昧だからではない。ナチス占領下というマイナスがあったからこそ完成された映画とも思いました。今日視聴した自分にとってのマイナスはやっぱ「古い」ってことですかね。それはあくまで時代の差かもしれませんが、やっぱりそこは映画の場合、免れないかもしれない。もっとも私にとってのマイナス要素であって、この作品の欠点では決してない。 [DVD(字幕)] 9点(2015-06-01 23:55:41) |
2. 犬神家の一族(1976)
ゴムマスク、菊人形のクビとか、湖の逆立ち死体とか、横溝作品の中では、映像化に向いた作品だったので、インパクトあった。ゴムの匂いが本当にした。 [地上波(字幕)] 8点(2005-09-05 01:12:30) |
3. ブルース・ブラザース
むちゃくちゃ笑えるというほどではないかもしれませんが、コメディーとしては珍しく全体のストーリーのわくわく性とディテールのバランスがとれていて非常に充実した楽しい作品だと思います。ただ、バランスがいいだけにやたらめったらモノを壊すアクションシーンはハリウッドお約束的にとってつけたようでちょっと雑音に感じました。 8点(2004-03-05 20:55:59) |
4. 砂の器
「ゼロの焦点」以来の松本清張の、今は栄華の人の悲惨な過去をめぐって起こってしまう殺人事件もの。もちろん刑事(探偵役)がそれを探っていくうちにそれが浮き彫りになっていくという松本清張ならずとものお決まりミステリーの定番展開。それも結構強引な展開。正直、昭和の時代にライ病の父が息子とお遍路さんの格好で放浪の乞食旅に出るって、時代錯誤で済まされぬ大ファンタジーすぎゃあしませんかね???(←ここ受容できるか否かはこの映画の是非の分かれ目だと思う)元田舎の駐在さんが伊勢参りの際に偶然、映画館でそのかつて育てようとまでしたその乞食の子の成長した姿を見て、その子だと気づくのも出来杉クン。しかもその子、名前変えてるのにやでー。「宿命」って曲も芸術というより、それこそまんま映画音楽みたいだし、鑑賞者に自動良心的解釈装置でも頭についてないと受け入れがたい。「砂の器」ってタイトルもよく分からない。大体松本清張はタイトルのセンスあまり良くないと思うけど、この映画の内容ならタイトルは「宿命」でいいんんじゃないの。もっとも本当にこの映画で描いているのが「宿命」だったのかどうかは知らんけど、「宿命」って言葉にこの作品のテーマを託しているのは確かなんだから。でもこのオオゲサな音楽がお涙頂戴の力技になっているのは確かで、単純に感動するミステリー映画が見たいって人にはお勧めできるかも。 [DVD(邦画)] 7点(2016-10-05 21:00:51) |
5. 生きる
《ネタバレ》 自分は黒澤の大ファンであるが、この作品は世間が評価するほどいい映画と思わない。テーマであるヒューマニズムが観念的で、シナリオも瑕疵が多いように思う。たとえば主人公の生き方の転機となった役所の部下の若い女の子はいかにもストーリーの都合上作り出した登場人物……なのはいいが、未消化のまま動かされてるという印象を持った。あんなに楽しそうに主人公と遊びながら後日はつっけんどんな態度に豹変する。そんな態度の中での自分のオモチャ工場の仕事について「日本中の赤ちゃんと友達になった気がする」という台詞は、やや不自然であった。凝った構成として評価されている後半の葬式からの回想シーンも、主人公が公園建設に立ち回るという具体的展開を見せるのが難しいと考えたので(実際主人公は他の部署に頭を下げ回っているだけである)、断片、抽象的で済む回想シーンに切り替えたという印象を持った。どちらにせよこの回想シーンへの突然のスイッチは「生きる」から役所、及び惰性人間への批判へとズレた感があり、今までの積み上げをもったいなくしている。またその葬式のシーンで、ただひとり主人公の行動を真摯に受け止める青年がいるが、彼はラストシーンで視点役にもなっているのだから、もっと前から出すべきではなかったか、あるいは出さないでよかったのではないかと思えた。唐突な人物が最後に視点者になることで、主人公の時間を共有していたはずの鑑賞者から主人公の余韻が拭い去られてはいやしないか。全体的に、死ぬことを知った人間が今までのダメ人間から生きがいに生きる人間になるというヒューマニズム……というよりアイデアが先行している堅苦しさを感じた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-25 01:31:59) |
6. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
映像アクションの麻酔効果はグッドとしても、多くの方が指摘しているようにアナキンの闇落ち過程の説得力のなさはちょっとシラけた。「ベイダーになる前のアナキンはメッチャカッコよく!!」という方向性が、すでに出来上がっていた悪の象徴ベイダーというキャラとの折り合いをつけれなくさせてしまった感じ。スターウォーズは叙事詩であって人間性の深い問題ということには関わりはない作品なんだろうけど、アナキンの変質は全6作を通じてもっとも大きなターニングポイントだから、もう少しきっちり作りこんで欲しかった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-25 11:48:34) |
7. 未知との遭遇
《ネタバレ》 デザートのケーキの馬鹿デカさだけに驚かされました [映画館(字幕)] 7点(2011-05-13 23:46:37) |
8. 天国と地獄
《ネタバレ》 医者が儲からない時代があったんですね [地上波(邦画)] 7点(2011-05-13 23:42:36) |
9. フルメタル・ジャケット
《ネタバレ》 あのオデブちゃん、いわゆる集団による「イジメ」にあっちゃうけど、あれって比喩でなく日本の小中学校の「イジメ」と全く同質のものだと思った。日本の学校の教育方法って、軍隊式ですものね~。作品全体は戦争映画の割りには、悪く言えば淡白、良く言えば透明感があり、新鮮だったです。でも最後のスナイパーが女の子だったのは見せ場っぽくしてましたが、別に驚かなかったです。 7点(2004-06-12 19:47:16) |
10. ラスト サムライ
このレビューでの「パール・ハーバー」に対する日本人観客の反応を見たハリウッドがあわてて総力を挙げ制作した起死回生の大作! 7点(2004-05-31 02:24:24)(笑:2票) |
11. 地下鉄のザジ
なんか、明るいんだか暗いんだか、素直なんだかひねくれてんだか、コメディなんだか真剣なんだか分からない作品。まあ、シュールっていやあ、シュールで、それがこの映画の魅力かもしれませんね。映画作品に即物的な「意味」を見出さなければ気のすまない人はダメでしょうね。私は結構面白かったけど、もう少し言いたいことが整理して欲しかった感じはする。なんか元気で、どことなく青春感じるところがいいです。 7点(2004-04-07 20:48:53) |
12. カプリコン・1
《ネタバレ》 見てて画面に釘着けになるほど面白いのは面白い。ただ、国家的権力とか、宇宙の暗さとかいったこの映画を構成する冷たく暴力的な要素が、もっと前に出て強調されてたら、ラストの緑の中を走りぬけるスローモーションがもっと感動的になったと思う。今見るともう、ちょっと映画としての密度をあげることができるストーリーなだけに、なんとなく画面のスケール(予算)が小さいのが気になります。 7点(2004-03-06 05:37:56) |
13. 地獄に堕ちた勇者ども
ヴィスコンティの映画はどれ見てもおもうんですけど、これもちょっと映像展開の流れがギクシャクしていてスムーズじゃない気がします。(演出より編集が今風じゃないのかな?)舞台内装、衣装、性的、にといろんな意味で「濃い」のもあってその分、ちょっと疲れるし、すぐにピピンと来ないところがありました。邦題の「勇者ども」の部分がよく意味が分からないです。それとヘルムート・バーガーって人は、私はなんか行儀がいいというか育ちがよさそうであまり退廃的に見えないです。ラストの制服は似合ってました。 しかし、上流階級のリアリティは圧倒的です。 7点(2004-03-06 05:19:51) |
14. 君の名は。(2016)
真っ先の感想は「想像していたよりずっとオタク臭かった」ってこと。演出も台詞回しもキャラ造形も見慣れたアニメ紋切り型。しかしアニメの人気作品って「この作品はオタク向けじゃなくて老若男女の観賞に耐えうる!」みたいな風評が流れることがあり、この作品もそうだっただけに「へえ、オタクっぽくないんだ~」と期待を持って観た私がバカだったのかもしれない。 ストーリーはといえば、男女入れ替わり、彗星隕石類の衝突、いつか出会える幻の恋人って全部すでにあるものばかり。それはいいとしても詰めこみすぎて、視点がぼやけ、納得できない感が残留している。田舎少女が都会(のイケメン)に憧れるところなのか、男女が入れ替わるところなのか、危機的災害が近づいてきているところなのか、どこが物語の立ち上がり部分か分からないため、作品全体の輪郭が不明瞭になっている。そんなだから、主人公二人の関係も、恋愛というより、超能力仲間(同族意識)、地球防衛の同志といったような印象を受ける。 ともあれ一番気になったのは、この作品、及びこの監督が一番表現したかった強いものが何か、どこか分からなかったことだ。これが既述のオタク的紋切り型と、詰め合わせのどれが発端か分からないストーリー、主人公ふたりの関係の不明瞭さに対する総合的感想になる。 しかし、入れ替わり時の男の子の女の子っぽさ、女の子の男の子っぽさに萌えたので6点! [地上波(邦画)] 6点(2018-01-03 23:40:54)(良:1票) |
15. ゴジラ(1954)
燃える夜の東京に黒い巨大な影がうごめくという絵は凄かったけど、恋愛ドラマが不調和だと思いました。人間ドラマを交えるなら、人間のせいで出現した怪獣という部分から引き出したドラマの作り方が他にあったと思います。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-11-25 00:09:06) |
16. 用心棒
ほとんどヤクザしかいない街が静かになったところで・・ [地上波(邦画)] 6点(2011-05-14 00:03:34) |
17. 椿三十郎(1962)
話が台詞で進行するところが大きくて分かりづらい。俺をコケにしやがって。 [地上波(邦画)] 6点(2011-05-13 23:57:54) |
18. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
オマエワ、タンジュンカ? [映画館(字幕)] 6点(2011-05-13 23:52:16) |
19. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 「人魚姫」もそうですけど、異種のものが人間になる、というのは、変わりたい情熱などとともに、必然的に周囲がつくっている壁、自分自身の心の弱さに負けそうになるとかの試練とか葛藤とか悩みとかがついてくるものだと思います。この映画は、その設定が内包する必然的な問題を避けて通った分、話に説得力と訴求力が欠けて、魂にまで食いこんできませんでした。 ただそういう葛藤がないだけに、全体の印象は無垢できれいでさわやか。映像のイメージもシュールできれいだし、子どもたちもかわいく子ども声優さんも違和感感じさせないで上手。観てるあいだの100分間、その世界に浸って、すべてを忘れれるというあの映画の効果なら絶大です。 [映画館(邦画)] 6点(2008-08-03 11:14:22)(良:1票) |
20. ペイ・フォワード/可能の王国
いい話版「リング」 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-04-26 14:20:08) |