1. エイリアン:コヴェナント
なんとまあ、薄気味悪い映画でした。 終盤の映画ならではのワチャワチャはありとしても それと相反する、なんともいえない気味悪さ。 映画は娯楽の要素が強い。 でも、この映画は哲学のような。 難しいですわ [インターネット(字幕)] 8点(2025-03-29 05:16:19)《更新》 |
2. メランコリア
《ネタバレ》 フォントリアーの映画は疲れます。とっても。後味も何とも言えないのが多い。 でも本作は、ちょっと雰囲気が違ってました。 それまでは迷惑で厄介な鬱病患者としての存在だったジャスティンは、 いろいろなものが見えすぎてしまって苦しんでた。 理解者もいないし、自分が異能者であることもわかっていて。 メランコリアが衝突するとわかってみんなが絶望する中で 唯一、魔方陣のような木のテントを作ればって助かるんだよって、 終焉しかない地球に、希望はあるよって幼い子に信じさせようとする最後が悲しかった。 絶対に助かることはないって伝えず、どこまでも希望はあるんだよって、 一緒に魔方陣を作ろうって、彼に木を削りくみ上げさせて 絶望を共有させず、希望を持たせ続けようとした。 僕が作った魔方陣に大好きな母親も入って、きっと僕が守れるんだって信じさせて。 助けて欲しかった絶望の中で生きてきたから その絶望が消えることはなくとも、希望を持たせてあげたいと思ったのか。 終焉を受け入れるジャスティン。 最後まで希望を信じさせてあげて欲しいとジャスティンに目で伝えられで、必死で涙をこらえるクレア。 そしてきっと僕が作った魔方陣の中にいるみんなは大丈夫だって信じてる子の穏やかな微笑み。 とても綺麗なラストでした。 [インターネット(字幕)] 10点(2025-02-19 18:54:13)(良:1票) |
3. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 何度も再見してのレビューです。 こんな綺麗なエンドシーンの映画を見たことがない。 そう言っても過言ではない。 一緒に脱走するはずだったドガが、俺には無理だと言っても、 それでいい、それでも俺は行くよと、何度も抱擁するパピヨン。 そう、それが君らしい、それが君だよ。何度もうなずくドガ。 そうだ、それが君だ、いけ、行くんだ微笑みながらも、波に翻弄される姿を見て不安そうな顔をする。 そしてまた海を泳いでいく姿に、そうだ、君なら出来る。行け、パピヨンと。 波間にパピヨンの姿が消え、視界から消えていく。 大丈夫かと不安そうな顔をしながら、でもパピヨンは望みを叶えた。 ここから先は俺が考えても、何も出来ない。パピヨンは望みを叶えた。それでいい。 と海に背を向け去っていくドガの後ろ姿。 これほどの友情を綺麗に言葉姿にのせて描いた映画は見たことがないと言えるくらい、 ゴールドスミスの音楽と相まって、あまりにも美しすぎるラストシーンだと思います [ブルーレイ(字幕)] 10点(2024-11-26 04:17:40) |
4. 植村直己物語
《ネタバレ》 先月でしたか、アメリカの登山家が デナリ(旧名マッキンリー)の山中で見つけたとされる遺体は植村直己ではないか?という話題がネットに出ていました。 植村直己さんとは、本当に小さいころにお会いしたことがあります。 父の友人の知人の方(遠いw)が植村さんと親しい方で、僕が植村さんにあこがれてると知って機会をいただきました。 すごく穏やかで優しい方の印象があります。 サインを求めたら、なんでか僕の名前が右上で、中央に書、左下に控えめにご自身のお名前を。 そんな方でした。 遭難されてからも、しばらくは生きてる、帰ってくる、って言い張って 学校で良くケンカをしたりしたものです。 ウィンダムヒルの透明感のある音楽と山々の姿。 西田敏行さんの好演もあって、大好きな映画のひとつです。 植村さんのご冥福を、あらためてお祈り申し上げます。 追記 西田敏行さんが鬼籍に入られ再見。 西田さん演ずる植村さんを観ながら、初めて植村さんご本人にあった日のことを思い出しました。 声も小さくて所作も控えめで、子供の僕にも丁寧に接してくださり、あんな大冒険をするような人には見えなかった。 そんな植村さんの印象と、西田さん演ずる植村直己と重なり涙が自然と流れました。 海外の高峰こそ登ってはいませんが、冬山登山も含め日本の3000メートルを超える山は全て登り、 見たことのない美しいものを沢山見れたのも植村さんのおかげだと思っています。 植村さん、そして西田さんの安らかな眠りを願ってやみません。 ありがとうございました。 [DVD(邦画)] 8点(2024-10-18 15:23:01)(良:1票) |
5. あんのこと
《ネタバレ》 知人に勧められて見たのですが、こんなに苦しい映画は久しぶりでした。 何を描きたくてこの作品を作ったのか色々考えては考え直しで答えは出ていませんが、孤独であることの苦しみがあまりにも辛い。 孤独で生きる意味など見失っていた少女が、人との繋がりが生まれて、守ってくれる人がいるという喜びで輝くような笑顔を見せていたから、また孤独に追い込まれていく様が痛々しくて、中盤で一度、視聴を止めて気持ちを立て直さなければ最後まで見るは難しいくらい苦しかった。また演じている女優さんが、あまりにも自然体に主人公に溶け込んでいて、荒みや喜びや苦しみが直に伝わってくるようで、なおさら観ているのが辛かった。 多くの人に見て、感じ考えて欲しい映画ですので10点でも良いくらいですが、見る人によっては耐えられないと思うところで8点に留めさせていただきます。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-09-24 10:34:48) |
6. THE BATMAN-ザ・バットマン-
《ネタバレ》 長すぎるという意見も多いが、個人的には全く感じないまま終わった。 スーパーマンと戦ったり、スーパーヒーローのバットマンになりつつあったが、本来の陰鬱で重~い原点に回帰したような作品で個人的にはとても好きでした。最後のアサイラムで話しかけるジョーカーであろう存在以外にも、レッドフードやトーマスエリオットらしき映像がチラッと写っていて、それもおっ、と思わせる。もしかしたら、他にも片鱗を見せていたキャラがいたのかも。今度は探しながら見てみよう。キャットウーマンはブルードヘイブンに去って行ったし、いろいろとスピンオフも含め連作化していくんだろうな。 アクションシーンも、圧倒的なガシェットとかに頼らず格闘寄り。ガシェットも古典的な基本装備。 格闘内容もそうですし、孤児院とかサイスバーグラウンジとかの場所の映像も、なんだかゲームに寄せてる気がしました。僕は大好きなので、おっ、と思いながら見ておりましたが。 連作の展開を期待して、今作は9点で。 次作はアサイラムが中心で展開するのか。とても楽しみです。 [インターネット(字幕)] 9点(2024-09-24 04:24:05) |
7. コンスタンティン
《ネタバレ》 とにもかくにもビジュアルと内容がバッチリ過ぎて。 コンスタンティンはもちろんなんだけども、ルシファーとガブリエルがバッチリ過ぎ。 初めて見たのはずっと前だけど、ルシファーとガブリエル見たさに何度も見てしまいます。 Tスウィントンは、ビーチとかフィクサーとか、こういう狡猾で美しい役がホントに似合いますね。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-08-26 03:26:31) |
8. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 初回上映に映画館で見てボロボロ泣いた想い出。 もちろんブルレイも持っていて、何度も何度も見たのに、 何気なくつけたBSでやってて、途中からだけど没頭。 面白い映画、迫力のある映画、感動する映画、楽しい映画、考えさせられる映画。 他にもいろいろある映画の中の、綺麗な映画。 この映画は本当に綺麗だ。映像も物語も。 Kコスナーは綺麗な映画が多い。 ファンダンゴ。ダンスオブウルブス。パーフェクトワールド。 まるで絵画を見るような映像。 この映画もしかり。 満足したように去っていくドクター。 嬉しそうにトウモロコシ畑に消えていく作家。 父との再会。 ふりかえった目に映るブランコに揺られる妻と子供。 どれもが綺麗な絵のようだ。 そしてキャッチボールをする二人。 全てが美しいく愛おしく慈しみ深い。 そしてAマーディガンの美しさと言ったら。 余計な口も挟まず、出しゃばりもせず、ただライトを灯し 幸せそうに二人のキャッチーボールの姿を見送る。 ケビンコスナーの映画はなんでこんなに綺麗な作品が多いのだろう。 この映画が好きな人で、ファンダンゴを見たことがない人は見て欲しい。 きっと大好きになると思う。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2024-08-12 14:58:06) |
9. あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
《ネタバレ》 この礎の上に今があることを改めて教えてくれる作品。 ちょっと説明不足で雑なところはあるけど、終盤の嬉しそうな嬉しそうな母親の顔。 幸せでいっぱいの母親があふれてました。 当たり前だと過ごしても、幸せっていろんな思いの上になりたってる。 ちょこちょとと、本当の特攻隊員の言葉や仕草が残っているのも悲しい。 女の子のお人形を連れて出撃した人。 特攻の時に怖いといけないからって、自分の方を向けて胸に入れてたんだよね。 優しい人だったんだと思う。 良い映画だったからこそ、特攻隊員たちの気持ちをもっと伝えて欲しかったなぁ [インターネット(字幕)] 8点(2024-08-06 01:20:17) |
10. パール・ハーバー
《ネタバレ》 日本人として評価が難しい映画です。 エンタメとしての映画では高い評価に値する映画ではないと思います。 アメリカ映画なので、アメリカヒーロー、日本が悪役になるのも仕方ないかと。 ですがパールハーバーのシーンは考えさせられました。 戦史で言えば、たとえばアリゾナが撃沈したといわれますが、その船に乗っていた無名の人達。 その人達が泣き叫んで亡くなっていく。戦争に希望はなく、悲しみと絶望に溢れてる。 戦争がもたらす幸せはひとつもない。 それが描かれていると思える映画です。 残念なのはエンタメに偏って、アメリカ万歳にしてしまったこと。 パールハーバーのシーンは、戦争という手段しか選択肢が無くなってしまった日米それぞれの悲しみや絶像と、 それに巻き込まれて行く人たちがしっかりと描かれていたのに。 久しぶりの視聴でしたが、パールハーバーのシーンだけなら10点。 でも、前後を再見する気がしないので、でも、パールハーバーの無名戦士に8点です。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-07-20 09:02:49)(良:1票) |
11. 荒野の七人
《ネタバレ》 幼いころから大好きな映画。 何度も繰り返し見たけど、少し時間があいて、 そして、久々に見ました。 いや、もう、カッコイイ。 時間を経ても、やっぱりカッコイイ! 敵役のカルベロも含めて、全員がカッコいい。 こういう人になりたい! そう、思った幼い初見の出会いを思い出しました。 今の自分が、そう、なっているかは、 周りの人が決めることだらから自分ではわかりませんw この映画には憧れがいっぱい。 歳を経て、大人になっても、 やっぱり憧れはそのままでした。 追記 久々に見たけど、やっぱりかっこいい。 ラスト、そうだろってチコに送るクリスのアディオス。 そして無言で指を立てるヴィン。 痺れました。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2024-06-23 22:52:25) |
12. 灼熱の魂
《ネタバレ》 すごいどんでん返しありの社会派映画だよ、と勧められて見たけど、 はぁ?としか思わなかった。 まさか、こんな落ちじゃないだろうなと、まさかまさか、そんなわけないだろう。 そんなわかりやすい終わりないよなと思って観たら まさかの、まさかのそのまんまのオチ これのどこが社会派の映画なのだろうか。 途中途中で色々な紛争の混沌やジレンマが入っていたから、どうなるかと期待していたら。 はぁ、結局、そこに落とすの?と、目が点になりました。 宗教というものの難しく深い諍いを感じられるところに加点ですが 社会派映画と勧めた友人には説教ですな。 [DVD(字幕)] 4点(2024-03-18 23:28:55) |
13. アメリカン・クライム
《ネタバレ》 映画も含め、現実社会でも常に思い出すのは 「人間が最も愚かで残虐になるのは、自分が正義だと思った時だ」という言葉です。 何で見たか、誰の言葉かは覚えてないですが、 この言葉は自分の中で忘れてはいけない言葉だと思っています 虐待を描いた映画で、虐待の悲惨さを描いてはいますが、 メイン演出はそこではない。 なんだろう? 本質的には自分の行為に何も悔いてない感じ? 子供を守るためと言いながら、結局子供は子供自身の行為だった。 私のせいではないと普通に言える感じ? 私は辛かった。苦しかった。でも正しく真面目に生きてきた。 結果がこうなっただけで、私は間違ってはいない。 自分が正しいと信じ切ること。 それがどれほど怖いことか。 実話をベースにして(調べたら実際はもっと悲惨でした)描かれているからこそ もしかしたら自分も無意識に同じ場所に陥っているかもしれない。 自らの言動がどうなのか、しっかりと戒められました。 [DVD(字幕)] 10点(2024-03-12 15:24:02) |
14. シックス・センス
《ネタバレ》 とても久しぶりに見た。やっぱり面白かった。 どんでん返し映画的な評価が高いけども、 当時の宣伝文句がどんでん返しがあるから、見た人は誰にも言っちゃダメみたいな煽りが多すぎて、 個人的には途中で、あ、そういうどんでん返しね、と気づいてしまった苦い思い出がw でも久しぶり見返してみると、とっても優しくて優しくて優しい映画。 愛されているか不安に思っても、必ず誰かが愛してくれているという思いにあふれる映画でした。 もちろん映画として、反する人や表現もあるけど、 伝えられなかった思いや、死してなお愛し続けている思い。そして死者への慈しみ。 エンディングに向けて、優しく柔らかく軟着陸するような、 そんな余韻を、ゆっくりと残してくれる映画。 [インターネット(字幕)] 10点(2024-02-08 23:01:35) |
15. ニューオーダー
《ネタバレ》 これはなかなかシビアな展開。 軍政財の癒着と腐敗が民衆の嫌悪と怒りが生んだ暴動。 政情は混沌を極めるなか、それでも富裕層としての暮らしは揺らがない。 花嫁になるはずだった女性が巻き込まれていても。 荒唐無稽とは思えない内容。 現代日本で生きている立場では想像すらしないことだが、 今も、近い将来にも、これが現実に起きていることを想像させるに余りある。 誰が何を企んでいるのか混沌としているが、 ただ無垢で正直な人間が犠牲になって成り立つ世界がある事実。 それだけがクッキリと浮かび上がるような気持ちでエンディングを迎えました。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-02 20:41:49) |
16. アリス(1988)
《ネタバレ》 子供って大人が思っている以上に残酷で不可思議な世界で生きてるのかも。 何の迷いもなく虫を踏みつぶしたり、蟻が出入りする入口を埋めたり。 人を傷つけるような発言も行為も迷いなくしたりするし。 道徳とか倫理とかがない幼年の世界はこんな感じだったかな、 と自分の幼年期を回想しても思い出せない。 物心がつくというのは、そういう世界から出ることなのかもしれませんね。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-01-31 12:40:59) |
17. 小さな悪の華
《ネタバレ》 さすがの幼女性愛映画大国フランス。 悪口ではなく、自分は知ってるという無知を好奇心が上回る。 そういう幼さを理解して映像化して、それを認める国らしい映画でした。 ゲインズブールのわかっていてあえてする悪意のある曲のような映画でした。 ただ無知と好奇心が混在する子供の世界を、サタン信仰に置き換えたのが残念でした。 理由もなく虫を殺したり、花をむしり取った子供時代を覚えている人は、 この映画を否定しきれないと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-01-30 20:56:39) |
18. M3GAN ミーガン
《ネタバレ》 ハイテク版チャイルドプレイですかね。 ラストの決着も含め、いろいろ想像でき過ぎて、 あまりハラハラドキドキとはしませんでしたが、まあ安心して見れました。 でも、これって近い未来で本当に起こりえることかも。 テクノロジーが、人の想像や想定を上回ることがないと断言はできない。 数十年前の映画で描かれた未来が、今、現実になっていることは数多くある。 そういう意味では本当に怖い映画なのかも。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-01-11 01:44:41) |
19. ベネデッタ
《ネタバレ》 結構、ガツンとやられました。 以前よりエログロと嫌味、皮肉、悪意の塊を作品として成立させる稀有な監督だと思っているのですが、 今回はキリスト教がターゲットで、大丈夫かいなと。 もともとキリスト教系の作品では思うことが多く、 大きなところでは、スコセッシの「最後の誘惑」や「沈黙」なんかも いわゆるキリスト教視感とは異なる内容で物議を醸しだしたりしました。 それら作品にもいろいろ考えさせられた上で、 大丈夫かいなと、今作を不安と期待で視聴。 結論として 信仰や宗教に関わるのが人間であるという生々しさで、 ヴァーホベンの斜に構えた問いかけに圧倒されて見終えました。 ベネデッタがキリストの使途であるような、 ただの妄想や権力にとらわれた女性なのかは明確に描かれず、 でも否定的に振るまっていたフェリシタ前院長は迷うことなく ベネデッタを信じて火に身を投じる姿が印象に残ります。 批判されることが多い監督ですが、信じて観て良かったと思える作品でした。 [インターネット(字幕)] 10点(2023-10-08 21:36:24) |
20. グラディエーター
《ネタバレ》 誰からも信頼され愛されるマクシマスに自分の力が決して及ばないことを自覚するが故に どんな汚い手を使おうとも負けまいとあがくコモドゥスの苦悩が ただ否定できるものでもない気もします 英雄マクシマスの物語で、コモドゥスは悪役ですが 個人的にはコモドゥスへの情を禁じえません それにしても リドリースコット監督の画は、どのカットをみても美しいなぁ 追記 久々に見ての追記 やっぱり、どのシーンを切っても美しい。 そしてカリスマって何だろう。 生まれついてのものなのか、後からついてくるものなのか。 コモドゥスが嫉妬してやまなかったのがマキシマスのカリスマならば、 それがコモドゥスに与えられなかったのは何故なんだろう。 欲しくて仕方ないものが満たされない絶望が悲しいと思いました。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2023-07-13 19:47:25) |