1. ローマの休日
グレゴリー・ペックは長くアメリカで大根役者と言われていたけど、この映画の記者役はドンピシャはまっていたと思います。他の誰が演じてもここまでせつない映画にはならなかったでしょう。天使のオードリーに迎えられて今ごろどんな会話を交しているのかな(合掌) 10点(2003-06-14 09:14:02)(良:1票) |
2. 裏窓(1954)
何回観たかは覚えていませんが、ストーリーがわかっていても危険なところでは観るたびハラハラして手に汗握ってしまいます。妖精みたいに可憐なくせに、最初から最後までジェームス・スチュワートをふりまわすグレース・ケリー。彼女の暴走に胸をかきむしられながら、追いかけて抱きとめることもできないジェームスの苦悩の表情がまたセクシー。もちろん上質のユーモアもたっぷりで、少しも退屈させません。名作です。 10点(2003-06-04 21:45:11) |
3. 12人の優しい日本人
トヨエツが大好きだった頃、真夜中にテレビでやってたのを観ました。トヨエツどこ?っていうくらい芸達者揃いで、ストーリーもひねりが効いていてほんと面白かったです。これってパロディなんですか?全然知らなかった。元ネタを後から観るっていうのもアリですよね。三谷作品は映画もドラマもほぼ五分五分位ではまってしまうのが不思議。関係無いけど妻(小林聡美)の書く文章も好きです。 10点(2003-05-31 21:01:47) |
4. 素晴らしき哉、人生!(1946)
子供の時からクリスマスシーズンになると放映されていた名作をもう一度ビデオでじっくり観ました。やっぱりいいな~(じ~んTT)悪役じいさんは見事に悪役顔だし、2級天使はお茶目、アメリカの良心夫妻は額に入れて飾りたいほど美しい。ラストがわかっていても涙がこぼれます。そうそう悪役じいさんが最後は改心して友情が芽生えるなんてことにならなくてよかった。夢物語でもあまりに嘘っぱちは許されないと思うから。あ~ビデオ返却前にもう一回観て泣くとしよう。 10点(2003-05-22 18:57:22) |
5. バベットの晩餐会
もう理屈抜きで好き。なんでかよくわからない位自分的にはまってしまって、小劇場に3度通い、NHK放映分をビデオに撮って数え切れないほど観ました。抑制の効いた映像、音楽、ナレーション。宗教的ではあるけれど決して啓発ものでもなく、上品なユーモアがそこここに溢れていて・・・とにかく好き~(*^^*) 10点(2003-04-15 13:38:58)(良:2票) |
6. 砂の器
公開当時、ハンセン氏病の知識もないほんのガキンチョだった私ですが、画面から受ける圧倒的な迫力と、胸苦しいほどの哀しさに涙しました。子供のくせに加藤嘉さんの大ファンになったのもこの映画を見て以来。生き続けることは、もしかしたら死ぬことよりも苦しいのかもしれない、でも生きているというだけで尊いということが、理屈ではなく感覚として迫ってきたんだと思います。 9点(2003-07-08 21:22:45) |
7. ニュー・シネマ・パラダイス
突然映画が好きで好きでたまらなくなった頃、ちょうどリアルタイムでこの映画に出会い、「はああ~~~~これだから映画は止められない」と芯から思った感動作です。完全版の必要性はいまだによくわかりません。なんでも説明すればいいってもんでもないし。ともかくせつなくて暖かくて愛しい。男の子が火事で大焼けどして動けないアルフレードをずるずる引きずる場面、そして有名なキスシーンのフィルム、思い出すとまた胸がしめつけられます。 9点(2003-07-04 19:09:41) |
8. 未知との遭遇
この世には人智を超えた何かがある、と感じるようになった原点のような映画。スピルバーグの作品では一番好きです。「レミドドソ」の交信では心底ゾクゾク。しかし光りに吸い寄せられていく人達はともかく、残された家族は哀しいぞ。 9点(2003-06-05 19:26:17) |
9. 小さな恋のメロディ
金髪の巻き毛、初恋の子のバレエ、ブルーのギンガムチェック、かじりっこしたリンゴ。う~んノスタルジーかもしれませんが、どれもこれも決して大人には手が届かないシャボン玉のようで、できるならば自分もあの場所にいたかったと思わずにいられません。印象的なのは黒髪の男友達。友情より恋を選ばれた時の痛々しい顔、忘れられません。 9点(2003-06-04 21:59:42) |
10. 東京物語
笠智衆の老け役・・どうしても若かったとは思えない・・素晴らしいですね。原節子は今こういうタイプの孤高の美女っていないから、すごく貴重な感じがします。小津映画は時々小劇場で特集組まれるけど、もっと頻繁に観たい!ひとりで観て、ひとりで余韻に浸りたい。感想を誰かと語り合いたくないのが私の中の小津映画です。 9点(2003-06-01 22:53:58) |
11. バック・トゥ・ザ・フューチャー
本当に構成が上手い!一度目ドキドキワクワクするのはもちろんだけど、二度目は細部に目をうつして「あ、ここがこう変化したわけか」とか「刑務所のおじさんがこの赤ちゃんで」とかチェックするのがまた楽し~♪♪続編も悪くは無いけど一話目にはおよびませんね。マイケル・J・フォックス可愛い^^セクシー^^♪恋人役のジェニファーもチャーミング。この間洋画劇場で再確認してどっきり。 9点(2003-05-31 13:32:09) |
12. スタンド・バイ・ミー
リバー・フェニックスって得がたい存在感があったのに惜しい。(涙)名曲がこの映画のせつなさにトドメをさしましたね。細部は残念ながら忘れたけど、いい映画です。 9点(2003-05-30 16:25:06) |
13. 魔女の宅急便(1989)
ジジを運ぶ風、焼き立ての美味しいパン、町の住人たちのささやき・・・そんなディテールがとても丁寧に描かれていて胸がトキメキます。こどもより、むしろ大人の方がこの映画の空気感好きな人多いんじがゃないかな?きらきらした瞬間をつかまえる感性がこどもの頃より鈍くなった分、映画の中でそれを再発見する喜びは大きいです。メッセージを得るかどうかは観る人次第。わたしは押しつけられるメッセージは苦手だから「もののけ」より「千尋」より・・「宅急便」がイチオシ。 9点(2003-05-29 16:12:25) |
14. 黄昏(1981)
キャストがまず素晴らしかったです。キャサリン・へプバーン扮するところのおばあちゃまが何とも美しい。魂の輝きが外見に溢れています。凛として、自由で、子供も夫も孫も深く愛してはいるけれども、それと同時に自分の人生も愛しエンジョイしている女性。私の永遠の憧れです。父と娘の確執は自分も身に覚えがある分ちょっと痛かったです。愛し合うのは単純で複雑だ~~~!!! 9点(2003-05-27 22:38:26)(良:2票) |
15. 萌の朱雀
邦画とは思えない(誉め言葉です)けど、まぎれもなく日本を映している不思議な映画でした。次こうくるだろう、とか次こう言うだろう、というこちらのステレオタイプの思考を見事に裏切って、最後まで淡々と進んで終わったことが嬉しい。お父さん役の俳優はものすごくアクが強い印象なので、最初「え?この人出てこの映画の雰囲気壊れないのかな」なんて失礼な事を思ってしまったのですが、しっかり溶けこんでいたし、この人がいなければ「映画」ではなく「ドキュメンタリー」になってしまうギリギリだったと思います。う~ん・・とにかく美しい! 9点(2003-05-27 14:06:43) |
16. ペーパー・ムーン
小粋なコメディ。ナマイキ顔のテータム・オニールがたまらなくチャーミング。お札を数える仕草とか、大人の女にライバル心を燃やす表情なんかとても演技とは思えません。テータム・オニールの作品を他に何本か観た記憶があるのですが印象深いのはなぜかこの1本だけ。あんなに上手なのにブレーンに恵まれなかったのかな? 9点(2003-05-22 19:12:28) |
17. ドライビング Miss デイジー
もうモーガンフリーマン氏うますぎ!泣かせすぎ!氏が出てくるだけで私はノックアウトされてしまうのでした。もちろん映画も素晴らしかったです~ 9点(2003-04-15 14:14:17) |
18. セロ弾きのゴーシュ(1982)
のどかな田舎の風景にクラシックが重なって、とても気持ちの良い映画でした。ただ背景の水彩画のような繊細さが素晴らしかっただけに、人物のクッキリした色遣いに違和感を感じたり、ゴーシュ役の声優さんの笑い声などがカン高くて純朴さが足りなかったのは残念。同じ宮沢憲治原作なら「注文の多い料理店」という15分位のアニメーションを観た事がありますが、これは本当に全体が一枚の絵画のように美しかったです。とはいえ動物たちの愛らしさにはクスクス笑いがこぼれて、特に子狸なんてほんとに「食べちゃいたい」くらい愛らしかったです。音楽+背景+動物達=8点ということで・・・ 8点(2003-07-16 10:26:54) |
19. 森の中の淑女たち
おおまかな設定だけはあっても脚本というものは無いんですよね。演技経験も無いご婦人達の会話や動きだけで成り立っている映画といわれても、にわかには信じられないほど完成度が高いことにまず驚かされました。歴史を語るモノクロの写真が随所にはさまれるんだけど、それがなんとも形容し難いせつない気持ちを呼ぶんです。年齢を重ねても「変わらない」ものがいかにたくさんあるか。少女にも悪女にも聖女にも変化するご婦人達の表情、素晴らしいです。 8点(2003-06-11 17:13:44) |
20. スーパーの女
食に関するウンチクは膨大にお持ちで、ご家族は自然食をながらも自分の食べるものには無頓着だったらしい伊丹監督。人生を大切にしてほしかったな・・って脱線しかけましたが、この映画素晴らしいと思います。「マルサ」のようなスケール感や「お葬式」のようなカルトなおもしろが少ないから評価は低いかもしれませが、毎日毎日スーパーに行く主婦にとっては目からうろこの部分や「そうそうそうそう」とうなずく場面たっぷりありました。目線の下げぐあいが伊丹監督ならでは。最初にホームランバッターのイメージを定着させてしまうと、シングルヒットやセーフティバントでは許されないのが人情というところでしょうか。個人的にはたとえ「ふり逃げ」でも最大限面白く凝った逃げ方でセーフにしてしまう伊丹映画は邦画界の財産だったと思うのです。 8点(2003-06-03 09:31:11) |