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《ネタバレ》 若干の予備知識ありで鑑賞したにも関わらず、スーパーに立てこもる人々に迫り来る脅威にドキドキしながら引き込まれた。
「霧」という舞台装置を上手に使い、見えざる脅威を少しづつ明らかにしていく展開は秀逸と評価できる。 この手のシチュエーションホラーではよくある展開だが、本作でもはやり非常事態における「人間同士の諍い」をメインテーマに据えている。 特にある狂信的な女性が、危機が深まるにつれ群衆の共感を得ていく様子は、私たち日本人には異様に映る。 自然現象のほとんどを科学的な理解の内にいれている(と思い込んでいる)人ほど、人智を超える現象を目の当たりにしたとき、一種宗教的な感情に引き込まれやすいことを本作では上手く表現している。 また人々が不安と恐怖に陥る状況下で、その場にリーダシップをとれる人物がいるかどうか、またその人物が冷静な判断ができるかが実際には重要な鍵を握るわけだが、本作ではそれが決して簡単ではないこともよく表現できている。 本作の主人公は一見そのリーダータイプと思わせながら物語は進行していくわけだが、本作ではそうした予定調和に納めないところに独特のユニークさがある。 話題になっている救いのないラストの展開だが、妻も犠牲になっており、頭上を闊歩する巨大な異生物を見てしまった主人公の絶望の後では、十分にありえる行動だと納得できた。 そうした意味で、本作はどのジャンルにおいても類似性を見ない、特異なサスペンスホラーとして一定のクォリティーをもっており、佳作といえる。 ※蛇足だが、ダラボン監督ということもあり、後の「ウオーキング・デッド」のキャストが数多く出演していることは意外な発見だった。 【田吾作】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-02-21 11:21:59)(良:2票)
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