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《ネタバレ》 原作は未読であるが、理想をいえば先に原作を読み、そのイマジネーションの映像化を本作で楽しむのが適している作品といえるだろう。ご他聞にもれず、私も単純に「トラと漂流した少年の物語」と思いきや、最終盤でもう一つの物語が提示されて終わるという、なかなか憎らしい構成に鑑賞後は頭が少し混乱した。映画を見慣れている人ほど展開の意外さやテーマの深さ、また観たくなる内容であるゆえに高評価となりやすい作品ともいえる。一方で神や信仰に疎い日本人には感覚的に理解しづらい内容なため、作品の意図がどこまで理解できたか正直良くわからない。そもそも考えさせる事自体が目的なら既に達成されてるかもしれないが…。海難事故で家族を失い、太平洋を漂流してしまうという極めて特異な体験を通じて自分自身と神を再発見した物語と一応は理解してみたものの、それによって自身の考え方に変化を生じさせるところまではいかなかったのも事実。とはいえ、貨物船の難破から漂流、精密なCG技術による動物の生き生きとした動き、そしてファンタジックな自然の描写など、映像的には特筆すべき点が多い作品であり、秀作であることは間違いない。
【田吾作】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-01-12 15:16:11)(良:1票)
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