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《ネタバレ》 ホロコーストの悲惨さが淡々と進むモノクロの画面からひしひしと伝わってくる。
金儲け主義でユダヤ人を利用しているにすぎなかったのに私財を尽くしてもユダヤ人を救おうとした主人公。 最初から聖人君主でないところが人間臭くて良い。 ただ、クライマックスとなるユダヤ人労働者へのスピーチは、それほど胸に染みてはこなかった。 嘘ではなくても演説で訴えると、見慣れた政治家の偽善のように感じてしまうからだろうか。 それでも史実の重みを感じる大作であるのは間違いない。 人を人と見なさない時、その相手にどこまで残虐になろうと害虫を駆除するのと同じで心に痛みは感じなくなるのだろう。 個人主義が行き渡ると他人はどうなろうと知ったこっちゃないという傾向になりがち。 人との関わりの中で自分のこととして捕らえることがどの範囲までに及ぶかで、その人のスケールが知れる。 自分自身とせいぜい家族まではその範囲であることが多いだろうが、友人、会社、共同体、果ては人類にまで及ぶ人もいる。 シンドラーは自分の会社に関わった人には最終的に全財産を投げうってでも責任を持った。 救えなかった犠牲者が600万人ということを考えれば無力感に襲われそうだが、あの時代での行動は素直にすごいことだと尊敬するしかない。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 8点(2014-01-12 20:26:55)(良:1票)
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