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《ネタバレ》 ファミリー向けアドベンチャーものかと思っていたら、最後でひっくり返された。
虎との同舟、ミーアキャットの大群、夜になると水が酸性に変り動物を溶かしてしまう食人島――。 だんだんとリアリティが怪しくなり、途中でこのおじさん(主人公)話を相当盛ってるなと感じてはいたが、まさかそういうオチだったとは。 最初の疑問は、シートの下には虎もいたはずなのにハイエナが生きていたのはどうしてだろうということだったが、深く考えずに物語世界に入っていた。 見終わると、引っかかっていた疑問もああそうだったのかと腑に落ちる。 虎との漂流話で映像美とその迫力に圧倒され、それが主人公の創作だったことにはある意味拍子抜け。 突然提示された二つ目の物語に混乱し、なかなか整理がつかない。 でも、終わった後に物語に隠されていた意味を考え始める。 そして、もう一度見ていろいろ確認したくなる。 隠喩の多い映画は映像と理解にタイムラグが出るので好みではないのだが。 どんでん返しも咀嚼するのに時間がかかる。 最初は夢オチと同じような肩透かし感があったけど、哲学的、宗教的な意味もあって思ったより深かった。 すごい→何じゃこりゃ?→やっぱりすごいかも、と不思議な鑑賞体験。 人間は心の中に虎を飼う――中島敦の「山月記」がふと浮かんだ。 アン・リー監督の他の作品も幾つか見たが、なんだか印象に残る作品を撮る監督だ。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 8点(2014-08-02 14:24:33)(良:1票)
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