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《ネタバレ》 とても余韻の残る作品だった。こんなに力のある日本映画は久々に観た気がする。所謂 銀残しなのだろうか、プライベートライアンのようなザラついた画像がこの映画の「昭和感」を表現するのにぴったり合っていたと思うし、その画面から溢れ出るような暑苦しさがとにかく素晴らしい。公式HPなどにも記されている「この国には牙のない男が増えすぎた。」という宣伝文句が表すように、これはもう明らかに製作者側が意識してやっていることである。つまり「牙のない男」を「映画」に置き換えて、「最近の日本映画、おかしくないか?」という作り手が感じているフラストレーションをそのまま叩きつけたような迫力があるのだ。それが画面から溢れ出てくるのだから本物の力となって観客に伝わる。要は、痛いものはちゃんと痛く、エロいものはちゃんとエロく、酷いものはちゃんと酷く見せなくてはいけないという、ある意味至極当然の事が、最近の日本映画は全然できてないんじゃないの?という、現代映画界に対する見事なカウンターである。(まあこれは日本映画に限ったことではないのかもしれないが・・)一点、最後の方に、日本人が大好きなお涙頂戴の、殆ど演歌的とも取れる演出があって、そこは流石にやりすぎというか、捻くれた私からするとさーっと一瞬引いてしまうシーンがあるのだが、まあ気になったのはそこくらいで、後はとにかく色んな意味で痛快に観れた。テレビ放映は難しいと思うので、やっているうちに劇場での鑑賞をお勧めする。
【rain on me】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-06-12 22:05:37)(良:2票)
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