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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2526
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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361.  マネーボール 《ネタバレ》 
古臭くて疲弊した世界ってのは日本のプロ野球界にも通じるところがあって、今、世間を騒がせている読売ジャイアンツの内紛なんかも当事者以外から見れば野球の娯楽から遠く離れた、とてもみっともない事だったりして、でも、この映画は実のところ、データに基づいた理論的な野球こそが時代に相応しいのである、って言ってるのではないんですよね。野球の本質的な魅力、楽しさって一体何処にあるんだろ?って考えた時に、ブラピ演じるGMの勝利のための徹底した理論的合理的割り切りこそにあるという訳ではないというのは、あの大切な試合で放たれたホームランで判ります。本来彼に与えられた使命は四球で塁に出る事であって、あの一発は理論の中に組み込まれていた訳ではなく、そしてあそここそが長嶋終身名誉監督言うところの「メイクドラマ」であったりするワケです。その言動こそ尖っていて過激にも思えるGMの、実は輪の中に馴染めず、小心者で神経質という姿(ロングの画の中に一人だけというショットの多さは彼の孤独を物語り、ラジオやテレビの電源のオンオフを繰り返す姿は彼の心の弱さを物語り)を通して、本当の野球の愉しみに目覚めてゆく過程を見せてゆくのは、一見地味なドラマに見えつつエンターテイメントの王道という感じ。それゆえ、意外に判り易くて深みは足らないな、って思うのは贅沢ですか。GMというちょっとジミな立場から見た、だけど王道な野球映画という感じでした。でも、ちなみに私はアンチジャイアンツで西武ライオンズファンで、「あにやん」という名前は松沼(兄)から来ていて、だけどこの十数年、野球から全く興味が無くなった状態だったりして、今の日本プロ野球界には色々と幻滅状態。
[映画館(字幕)] 7点(2011-11-24 20:52:07)(良:2票)
362.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
長いこと父親の介護をして、最後の数か月は認知症に相当悩まされた事をリアルに思い出す映画でした。ただ、父を救いたいという理由から生じた主人公の一連の軽率な行為に共感する事はできず、更に登場する人々からはことごとく人間的な魅力が欠落しているようで、一方で人間らしい表情や仕草を与えられたお猿達、これはひたすらお猿に意識が向くように作られた映画という感じです。「お猿頑張れ!人間をやっつけろ!」という視点で見てしまう事が正しいのかどうかは、良識的にも『猿の惑星』的にも微妙なカンジがしないでもないですが、それが面白いっていうのは抗いようのない事実ですからねぇ。技術的には大変なことをしているワリに映像はジミです。何しろモンスターではなくてお猿ですから。でも、かつての特殊メイクでは限界があったお猿の表情や仕草による感情表現が、ここではCGという技術によってとてもリアル(いや、現実のお猿とは違ってとても人間的、と言うべきでしょうが)に迫ってくるという状態は凄い事ですし、だけど皮肉な事ですし。行き過ぎたテクノロジーが人を圧倒してしまうっていう物語が、人が演じるよりCGの方が凄いよ、って状態で描かれてる訳ですからねぇ。物語は結局『バイオハザード』じゃん、って感じでもう少しオリジナリティが欲しかったところですが、ジミながらも魅せる映像があって(並木道の枯葉の移動なんて、ユーモラスでありつつ独創的な美しさ)、娯楽映画としての見せ場もいっぱいあって、楽しめる作品でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-10-09 16:40:08)(良:3票)
363.  エイリアン 《ネタバレ》 
ジョーンズかわいいわぁ。スクリーンで見るのは今回が初めて。『2』以降は全て公開時に見てるのですが。って言うか、これだけは、ちゃんとしたものを見る事自体が初めて。ビデオやDVDでも見てなくて、テレビ放映のカットされたバージョンを何度か、って。戸田恵子の声で「おふくろさん!」ってヤツ。テレビで見ただけの状態では、ただのSFホラーって印象が強かったのですが、こうしてスクリーンで見ると、美術の素晴らしさに目を見張ります。さすがにコンピュータやディスプレイ周りのセットには時代を感じるものの(ブラウン管に出力された映像関係は特に)、エイリアンを始め、宇宙船、工場のようなノストロモ号内部、巨大なエイリアンの化石、宇宙服等々、画面の隅々まで意匠を埋め尽くしているような感じでホレボレします。『2』以降も美術的には凝って魅力的なカラーを見せていますが、『1』は別格。なんで宇宙船の中があんなにも蒸気だらけ?って思いはしますけど、そういうものだ、っていう確固たる主義の元にデザインされている感じ。リプリーの言動が実のところアッシュ以上に不可解だったり(3人になった時点で残りの2人と何故わざわざ別行動するかねぇ?)して、人のドラマの部分はそんなには印象に残らないのが難点ではありますが。ジョーンズ探しを繰り返すのもねぇ。リプリーにとっては2人よりもジョーンズの方が大切でした、ってのはネコ飼いとしては判らんでもないですけど。エンディングに流れるジェリー・ゴールドスミスの美しいメロディも印象的でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-10-02 14:32:12)(良:1票)
364.  カンフー・パンダ2 《ネタバレ》 
前作は擬人化された動物達が、なんだか妙にマジメにカンフー映画してみましたって感じがどうもしっくり来なかったのですが、今回はアクションシーンに高低差やスピード感を駆使した様々なパターンを盛り込んで全く飽きさせません。前作が『酔拳』のアニメ版ならば、今回は『プロジェクトA』のアニメ版みたいな感じで、スケールも大きくなって。ただ、主人公を苛ませる過去の暗い記憶は、映画全体のトーンを重くしてしまっている感じがしますし、そういうドラマを堪能するほどにはキャラクターに魅力があるとは思えないのですよね。それは前作でも感じた事なのですが、今回、前作で既に作られたイメージがあるためか、パンダ以外にキャラクターをもう少し掘り下げてくれるという事は殆どしてくれてなくて。タイガーの過去が思わせぶりに暗示されはしても、それはまた続編で?みたいな状態ですし。元々ジャック・ブラックって人があまり好きではないがゆえに、その人に寄ったキャラクター造形であるって時点で上手く馴染めないのかもしれませんが。一方で映像表現に関してはもはや言う事のないレベルではあります。影絵タッチのオープニングとエンドクレジットの雰囲気もいいですし、本編の描き込まれたCG世界を3Dで駆け抜ける感じも見事。ドリームワークスアニメーションの3Dは効果的な見せ方を判っている感じで常に他より一歩先んじているように思えます。競いあって成長してゆくアメリカのCG業界は凄いなぁ。
[映画館(吹替)] 7点(2011-08-21 14:35:18)(良:1票)
365.  モールス 《ネタバレ》 
オリジナル未見という、ちょっと不勉強な状態で触れる事になりましたが、良い作品だったと思います。ホラー映画としての恐怖と、切ない淡い恋の物語とが、抑制されたタッチの中で程よくマッチしていて。決して悪趣味に走り過ぎず、少年が出会う事になる正義と悪、美と醜、愛と憎悪の価値観の相対的な揺らぎをじんわりと描いています。パナビジョンレンズが生み出す青い横線なレンズフレアを強調する70年代風な画面(舞台設定は80年代ですが)と、クラシカルなホラー音楽(美しくも物悲しいメロディとダンダン!と打ち付けるショッキングなサウンド)がマイケル・ジアッキノの作という事で『スーパーエイト』とイメージがかなり被っていて、エイブラムスファミリー、懐古主義に走りまくりという印象が無きにしもあらずですが、同時代に思い入れのある身としては素直に受け入れてしまう訳で。ただ、突如として発動するCG丸出しのメタモルフォーゼポイント、アレが「笑わせたいのか?」というくらいに雑にシャカシャカ動くシロモノで、あそこでいちいち興を削がれてしまったのが残念です。アレは現代に作られた映画としての烙印として存在しているとでも言うのでしょうか? あれらは別にカメラの視点を逸らしても良いくらいの映像だったと思うのですが。全編を貫く、中性的な二人の醸し出す退廃的な儚い美しさの中にあって、アレだけは特異過ぎてしまって。時代を意識してまで作品に求められた純化に濁りを与えてしまったのが時代性だったというのは皮肉な話ではあります。
[映画館(字幕)] 7点(2011-08-16 20:25:57)(良:1票)
366.  人生万歳! 《ネタバレ》 
毎度、神経質なニューヨーカーである自分を自嘲的に(でもその自嘲すらも気取って)披露してみせるアレン節にはウンザリ、なのですが、今回は本人が演じてない分だけ楽しめました。これ、アレンがやってたらウザくてウザくて仕方なかったでしょうねぇ。彼は偏屈と言うよりは卑屈に見えるだけだもの。バカみたいに生きていても、その輪の外からシニカルに俯瞰してるよりは楽しいよね、っていうワリとシンプルな話というところが良かったです。主人公は達観しているように思えながら、そして、周囲に影響を与えていったように見えながら、実のところ、主人公の方が影響を受け、生き方に変化をもたらした、男と女の常識に囚われていたのは主人公だった、っていう。南部の保守的な一家を襲う激しい変化、その跳躍っぷりこそが主人公が老いてもなお獲得できていなかったものなのかもしれません。だからオチは喪失から跳躍する事で得られたモノを描いてたりするワケですが、そして、それはインチキくさい話ではあるのですが、まあ、そういう運もまた人生、という。タイトにまとめた軽妙なコメディゆえ、いつものクサ味に辟易する事なくスッキリと見られた一編でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-18 15:45:24)(良:1票)
367.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション 《ネタバレ》 
とても面白かったです。ちょっと前半、話が飛び飛びになるので、どうなってるのか咀嚼しきれないところもあったのですが(恥ずかしい話、エリックとショウがごっちゃになってて、途中で「あれ?」って)、話の全体像が見えてくると、正義VS悪ってシンプルな構造ではない、元々は同じ立場の人々が、袂を分かってゆかねばならない悲劇が伝わってきて。『X-MEN』でさんざん説明されてはいても、元々は共に生きた、っていう物語をここまできっちりと見せてくれると、シリーズ自体の見方がこれまでと違ってくる気がします。ドラマ中心なこの映画を、ジェームズ・マカヴォイ(@タムナスさん)がいかにも人当りの良さそうな人物(ゆえに心が読めるクセにちょっと人の暗部に疎い)を好演して支えている感じ。ただ、ナチやソ連に「悪」を求めきれず、「悪の根源」としたケヴィン・ベーコンが結局はミュータント側の存在である事によって、『X-MEN』というのは、その起源からしてひたすらミュータント同士の内輪揉めの話であった、ってカタチになってしまうのがねぇ。旧人類こそが彼らを迫害・弾圧する悪しき存在である、っていうのを明確にしきれないあたりは、この物語の限界ですかねぇ。って、そこまでしちゃうと『デビルマン』になっちゃいますか。とにかくこの映画、見応えのあるドラマと能力を発揮する見せ場の面白さとで『X-MEN』の魅力の底上げをしてみせた作品だったと言えます。1作目と『ウルヴァリン』しか見てないんですが、早速シリーズ通して見てみよう、って気にさせましたもの。
[映画館(字幕)] 7点(2011-06-14 20:15:41)
368.  グリーン・ホーネット 《ネタバレ》 
古い古い原作ながら、お金持ちの社長がヒーローとか、偉大だった父親との確執とか、ヒーローものとしてのネタ的にはかなり出遅れてやってきたシロモノのようにも感じます。だけど、社長がバカと言うか単細胞的な人間であるがゆえに、グダグダとつまらない苦悩をしたりせず、「悪」と「正義」という単純なワードに突き動かされてゆくような感じで。最近の、嗜虐趣味を露悪的に披露しながら絶対的な正義も英雄もないと叫んでみせる、却って幼稚(中二病的?)じゃない?ってアメコミヒーローものが幅を効かせてウンザリしている中で、久しぶりにヒーローにスッキリさせて頂きました。「悪いヤツは悪い!正義は勝つ!」それがヒーローにはなれない現実の中でヒーローものに求められるごくごく当たり前のカタチじゃないかなぁ。「正義」に目覚めるエピソードが足らない、動機が弱い気はしましたが、金持ちだけどダサい主人公が、強いけどちょっとオタクな中国人の力を借りてヒーローとなってゆく姿は、様々なヒーローものの主人公の中でも親しみをもって見られました。ラストのキャメロン・ディアズとのドタバタもヒーローものとしてカッコ良くオチてないあたりがイイ感じで。映像的には3Dの効果はアクションシーンの一部とエンドクレジット以外はイマイチでしたが、マルチ画面になって、次々増えるフレームの3D感がバラバラになってゆくって趣向は挑発的でワクワクしました。それにしてもカトーはかつてブルース・リーが演じた『グリーン・ホーネット』のカトーに、『ピンクパンサー』シリーズのカトー(ケイトー)が激しく混じっちゃってる状態でしたが、あれ、絶対ワザとですよね。ご主人様と部屋の中で大乱闘って。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-23 16:00:08)(良:1票)
369.  マチェーテ 《ネタバレ》 
ロドリゲスのセンスってどうにもこうにも好きになれないですし(ごく一部だけシュミがガッチリと合うところがありはしますケド・・・)、「まだ『グラインドハウス』ノリを引っ張るワケ?」とは思ったのですが、ちゃんと娯楽映画になっていて楽しめました。ワザとB級なノリを出して馬鹿馬鹿しさをメインにしていたり、毎度の常連さんを出して内輪ウケを狙ったりはしているものの、キチンとその馬鹿馬鹿しさを楽しめ、そしてこれまでに色々見ていれば見ている分だけ更に楽しいと。デニーロが狙撃される政治家を演じ、だけどクライマックスにはタクシー運転しちゃう、みたいなネタを楽しめるのならば、美味しいご馳走に溢れた映画と言えます。なんだかすっかり『二十世紀少年』の石ちゃんみたいな風貌になっちゃったセガールの省エネバトルもネタと思えばまた楽し。あくまで負けたりしないですしね。無敵のセガールが「殺されて終わり」であるハズがありませんもんね。もっとも、やっぱり個人的には「セクシー姐さんカッコいいウハー!」ってところにこの映画の価値の大部分があったりするワケで(そこだけは毎回ロドリゲス最高ですわな)、だからクライマックスの馬鹿馬鹿しいほどの姐さん達の活躍っぷりに、「マチェーテ、肝心のクライマックスにパッとしない」って欠点も些細な事にしか感じなかったりするのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-16 11:05:15)(良:2票)
370.  リトル・ランボーズ 《ネタバレ》 
『ランボー』を元に映画を作ろうという少年達の一連の行動はコミカルで楽しいのですが、映画の芯に流れる姿勢は謙虚で真面目。厳格な教義と堕落の間で揺れ動く少年の姿を、イマジネーション豊かな内面表現と共に描いた秀作でした。自分にとって本当に大切なものを見つけてゆく、その喜びと共に痛みも伴った道程を、彼を取り巻く環境を克明に描く事で浮彫にしてゆきます。私も中学1年の頃にみんなで映画作りをして、そして挫折した経験があるので(あの頃はまだビデオではなくて8ミリでしたが)、懐かしい感覚に包まれました。ただ、よくあるマジメで大人しいタイプと不良タイプが出会う物語、映画の視点はその双方をフォローしようと揺らいでしまい、さらにフランスの交換留学生とその取り巻きにも色気を出し過ぎた感があり、どうも今一つ映画にノレてゆけないもどかしさがありました。特にクライマックスで調子に乗ってしまった主人公が発した言葉、更にその行動は「さすがにそれはないわ」と思ってしまい。そこでこの映画のテンションも切れてしまった感があり。ラストシーンの盛り上がりに繋げるための引き算ではあるのですが、結果的に計算高い映画の作り方ゆえに大切なものを大切なまま描ききれなかったんじゃないかって気がしました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-14 16:28:37)
371.  ナイト&デイ 《ネタバレ》 
またトムの俺様映画かな?と思ったら、どちらかと言うとキャメロン・ディアスを立てている映画でした。ボンドガール願望映画とでも言いましょうか。何しろ意識を失って目覚めたらウルスラ・アンドレスになっていて、次に目覚めたら今度はダニエラ・ビアンキになってた、みたいな映画ですからね。最後にはボンドガールじゃ物足らないとばかりに女ショーン・コネリーまで行っちゃった感がなきにしもあらずですが。映画はあくまでコメディの姿勢を崩さず、だから真剣にサスペンスや謎解きを楽しむ事ができるようなシロモノではないのですが(一応、陰謀やウラはあるのですが、とても判り易い、謎にもならないような状態で)、お気楽アクションを楽しめればそれで十分でしょ、って割り切り方がいっそ潔い作り。肝心のケリのつけ方にいまいちカタルシスがない状態だったのが残念ではあるものの(あれって臨界になる時刻まで把握してたワケはないですよねぇ)、構造の逆転のためにはああいう流れも仕方ありませんか。トム主演のスパイアクションものとしても楽しめない事はないけれど、むしろキャメロン・ディアス主演のラブコメディものの系譜に属する映画として楽しめました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-10-09 22:50:07)(良:1票)
372.  ゾンビランド 《ネタバレ》 
楽しい映画でした。大筋でも細かいネタでもゾンビもののお決まりパターンを踏襲しつつ、全てがあくまでポジティブ。ゾンビとの戦いも、人間同士の諍いも、ひとつひとつキッチリ笑いに変換されてゆきます。ゾンビ映画お馴染みの、悲劇的な展開を逆手に取ったネタに、しっかり見てるこちらまで騙されたりして。いやしかし、ゾンビがウロウロしている中で、姉妹はあのネタを仕込んだの? 練習とかしてたのかなぁ? 他に生存者がいるという前提に立ってた訳だし・・・まあいいや。遊園地ネタなんかは無理矢理です。別になんの必然性もありません。絵的に面白いだろうなぁ、ってノリで作られたようなもんで。でも、それがイイ。ゾンビとキラキラした遊園地のコントラストがステキ。もはや人類お終い、って世界であくまでマイペースを貫く人々の、実はちょっとハートウォーミングなお話し。メチャクチャなキャラ達(このゾンビワールドだからこそ、生きてゆけるような不器用な人々)に、だけどなんだか愛着が湧いてきて、見終わって心がほっこりしてくるゾンビ映画です。いや、マジで。限りなく前向きな、愉快な終末映画ではありました。ちょっとツッコミを入れておくと、彼的には『ガーフィールド』ではなく『チャーリーズ・エンジェル』が正解だと思うのですが。ソニー・ピクチャーズ的に自社作品の名前は出せなかったのかな?
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-26 16:41:13)
373.  ダブル・ミッション 《ネタバレ》 
過去作の映像を流す冒頭から安さ爆発で印象悪く。本編の画も安っぽく、ジャッキーも老けたし、アクションは物足りません。ちょっとしたアクションですらワイヤーで吊ってるのが判ってしまう動きだったりして、もう往年の動きを望むべくもなく。だけど、実はこれが意外な面白さで。ジャッキー映画の永遠の弱点とも思えた物語の魅力、そこを楽しめる作品だったりします。シングルマザーの子供達とのドラマは『ホームアローン』のようなファミリー向けコメディ映画(舞台は『E.T.』や『ポルターガイスト』を思い出す郊外の住宅街)、これまでのジャッキー映画には全くなかったテイスト。昔のようにアクションが映画を動かす事には無理がありながら、アクションスターとしての強力なブランドゆえ、なかなかそこから脱却できなかった訳ですが、今回は肩の力を抜いてお話で見せる映画になっています。3人の子供とのそれぞれのエピソードが微笑ましく、敵役のコミカルな味付けも心地良いヌルさで。ちょっとした感動も入れたほのぼの系は、無理したアクション映画よりもむしろ今のジャッキーに向いているんじゃないでしょうか。見終わって単純に面白かったぁ、って映画でした。ネコと豚が途中でどっかに行っちゃったのが気になりましたが。
[映画館(字幕)] 7点(2010-06-21 15:32:08)
374.  プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 《ネタバレ》 
『プリンス・オブ・ペルシャ』のゲーム版の雰囲気は意外によく出ています。あ、初代の2Dのヤツではなくて。あれは首取れたり、串刺しになったり、堕ちてグシャ!っとなったり、とてもディズニーブランドで映画化できるシロモノではありませんしね。3Dになってからの、アスレチックゲームみたいな方で。アクションシーンはなかなかに面白く、だけどドラマ部分はちょっと退屈。父殺しの汚名を着せられてから、あちこち物語が飛びまくり(編集の繋ぎも悪くて)、あまりにせわしなく展開するのでかえって一本調子になっちゃってるという。結局いろんなキャラが延々と逃げる追うを繰り返し続けるばかりの展開ですからねぇ。ですが後半、共闘してから俄然映画が弾み出して、ドラマティックな展開にワクワクさせられました。時間を戻すという超便利ネタを、あえて制限キツくしてここぞというところで見せる事で「何でもあり」による物語崩壊を防いでますし、最後のリセット型ハッピーエンドもファンタジーとしてはアリだよねぇって。ジェイク・ギレンホールってこれまであまり印象に残らない人だったのですが、ここでは独自のヒーロー像を作り上げていて好印象。絶世の美女なハズのヒロインは果たして美しいのかどうか、って疑問はありますが、ゲーム版のヒロインもああいう感じです。ゲーム原作ではありますが、原作の雰囲気を生かしつつも、ちゃんと独立して楽しめる娯楽映画になっておりました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-06-20 16:59:48)(良:1票)
375.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 
パピヨンの自由への渇望、脱獄に賭ける執念は、無実の罪であるという事(それが実際にはどうだったのかは語られませんが)から生じていると言うよりも、中盤の独房での、一切の自由を奪われ、生きていながら死んだも同然の状態を味わったからなのかな、と思いました。自分は生きているという存在証明のための脱獄、みたいな。最後の地など楽園のようで、もはや彼を苦しめる存在もなく、だけどそこからすら脱出しなければならない、生存が困難な道をあえて選ぶ、それは彼の名前、刺青に象徴される蝶のように、自ら羽を広げてこそのパピヨンだったのでしょう。ジェリー・ゴールドスミスの美しいテーマ曲と共に、マックイーンとダスティン・ホフマンの存在感が強烈な印象を残す映画です。ただ、全編陰鬱なムードが漂い、結構キツい映像が続出する映画ゆえ(ギロチンとか虫食べたりとか)、何度でも見たいとは言えない映画ではありました。海や空は綺麗なんですけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2010-06-02 13:37:49)
376.  第9地区 《ネタバレ》 
アパルトヘイトのみでなく、第二次大戦下のゲットーやベトナム戦争を思わせるような映像で、マジメに差別問題に向き合っているようにも見えますが、これ、基本的には現代を舞台にしたSF設定でマカロニウエスタンをやりたいってボンクラ映画ですよねぇ。実はそんなに裏とか奥行きとかがある映画ではなくって。今の時代にこういうのをやろうとしたら、徹底的に多面的で今日的な描写で埋めてゆく事で大嘘にリアリティが生まれるって感じで計算されていて、全く飽きさせません(後半、アクション映画に突っ走り過ぎた感はありますが)。超辛口『アバター』って感じですけど、アレと同じような気持ちで見に行くとそのグロい描写続出に痛いメに遭います。初日の六本木、途中退場者が二桁に上りました。私もこの映画のグロ趣味は好きではありません。あれ、リアリズムとかではなくて単に好きでやってると思いますし、そういう趣味は私にはないですし。あれこれ理屈をこねくりまわして難しく考えるよりも、ワリと単純に楽しんでこその映画って気がします。つーか、宇宙人出てきてロボット出てきて人体バラバラ!みたいな映画でマジメに差別問題を考えるのってよーく考えたらヘンだと思いません? 『モンティパイソン』や『サウスパーク』程度のモンと捉えるのが吉。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-17 19:47:06)
377.  NINE(2009) 《ネタバレ》 
フェリーニはもちろんですが、いちばんステキだった時代のイタリア映画とフランス映画の知識がしっかりあったらたっぷり楽しめる映画なんじゃないでしょうかねぇ。私は不勉強なものだからハンパに楽しめました、みたいな感じになってしまって。それでも絢爛たるミュージカルの世界を大スクリーンで堪能する悦びを存分に味わえました。中身なんてあってなきが如きモノですけど、ミュージカルなんてそれで正解だと思いますし。いやいや、亡き母の存在を引きずったまま女達を翻弄し、また翻弄されてゆくグイドのイタリア男っぷりも面白いのですけどね。だけど、六本木ヒルズの7番スクリーンを前側ブロックのど真ん中で、って状態で見ながら、これが35ミリなんかじゃなくて70ミリの湾曲スクリーンで、ドルビーデジタルのチャカチャカした音じゃなくて磁気式6チャンネルの音響で見られたら、もっともっとイイのにねぇ、ってすっかり私を懐古モードに突入させたこの映画は、今の映画の世界から失われてるモノを懐古しているような感じもして、映画も私もそれなりにトシを取ったよね、ってちょっぴり切なくもなるのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-23 15:45:08)
378.  しあわせの隠れ場所 《ネタバレ》 
出来過ぎなハナシではあります。マイケルを受け入れる一家の悪意なき善人っぷりときたら、見ているこちらの方がハラハラしてしまいます。まるで人を疑うという意識が欠落している人々のように見えて、危険な場所にいちいち飛び込んでしまうシーンにドキドキ。かと言って、上流の人々の常識知らずっぷりをシニカルに笑う映画って訳でもないんですよね。一方でマイケルにしても悪い事をするでもなく素直な性格で。しかもこれが実話だっていうのだから、アメリカ人って良くも悪くもおめでたいと言うかなんと言うか・・・。もっとも、そこにあえて色々な疑念を抱くよりは、素直に映画を受け止めてこそ吉ではあるのだろうと思います。本当は周囲に渦巻く偏見や悪意だってもっとキツいものだったでしょう。でも、あえてそこをサラリと流したあたりに、この映画の狙いがあるのでしょう。無償の愛を与え、また受け入れた先にこそ、夢や理想が花開く世界があると。そのピュアっぷりを消化して堪能してこそな映画(その分、ラスト近くの尋問から家出あたりのエピソードがジャマではあるのですが)。もっとも、最大の問題は、映画化が早過ぎるのではないの?という事。この映画の存在が、ここに描かれた実在する人々のこれからの人生を縛り付けやしないのかな? そんなの余計な心配?
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 17:34:58)(良:1票)
379.  バレンタインデー(2010) 《ネタバレ》 
登場人物が多過ぎで、シーンが変わるたびに「この人は誰と繋がってて、どういうドラマを抱えてたっけ?」って頭の中で整理しながら見る感じ。この手の多重エピソードが同時進行してゆく映画としては構成力にやや難アリな感じがしました。それに大スターがいっぱい出ておりますが、多くは顔見せ程度の出番、出演者目当てで見に行くと物足りなさが残ると思います。でも、バレンタインデー1日を通して、小学生から高校生、若いカップル、老夫婦、そして・・・まで、様々な愛のカタチを盛り込み、ほかほかとしたキモチにさせてくれる点で、やっぱり安心ハリウッド定番ラブストーリーの世界はいいなぁ、って感じで。1日の時間の進行が判りづらかったり、1日の間でその気持ちの変化はどうなのよ?ってツッコミを入れたくなるエピソードがあったり、そういうところは確かに難アリなものの、頬が緩む微笑ましさも、爆笑もいっぱいあって、そしてもちろん甘いラブストーリーも沢山で楽しい映画に仕上がっておりました。「そう来たか!」ってオチの数々もまた楽しく。でも、アメリカって日本以上にバレンタインデーって大騒ぎなんですねぇ。そして、そんな状況に批判的な人もいっぱい、っていうのも日本と同じなんだなぁ、と。
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-26 15:55:18)
380.  50歳の恋愛白書 《ネタバレ》 
またこの配給会社。タイトルが内容とまるっきり一致していません。本当、ダメダメ。さて、映画の中身は「あー、これは判るわぁ」と。人生の半ばをとうに過ぎ、枯れた環境で老いた夫と過ごす日々に自らもそのまま朽ちて終わってゆくような感覚、立場は大きく違えどワリと似たような状況にいた自分には痛いくらいに伝わってきました。主人公を精神的に束縛する自分の母親の人生、夫の前妻の呪縛、見失った未来。結局のところ、状況の変化が彼女を解放に導く訳で、彼女自身の積極的な行動によって抜け出す訳ではないのですが、まだ、終わりじゃない、っていう解放の物語に、少し前向きな気分にさせて貰いました。ただ、ウィノナ・ライダー、モニカ・ベルッチ、ジュリアン・ムーアが揃ってしょーもない役柄だったのが難点と言うかお笑いどころと言うか・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-16 17:03:07)(良:1票)
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