21. エル・マリアッチ
ロドリゲス監督はこの映画の制作資金を得るため、怪しい新薬テストの実験に参加し、1ヶ月間隔離されている間に脚本を書き上げたという。機材もタダ同然で借り、友人や知人に出演を頼み込み、監督、脚本、撮影、編集、その他やれることはすべて自分でこなし完成された映画である。 良い映画とは何なのか。 これは完全に持論だが、大作でも自主制作でも、制作費が安くとも、ヒットしなくとも、賞に無縁でも、いや、たとえつまらなくとも、誰からも評価されなくとも、平均点が1点でも、そんなことが映画の価値を決めるわけではないんじゃないのか。 むしろ映画の価値に差などはない。 面白い映画とつまらない映画はあるが、良い映画と悪い映画は無い。 映画に正解など無いのだから、最終的には作り手が表現したかった事、語りたかった事、見せたかった事、それをどれだけやり抜けたか、だれも判ってくれなくとも胸を張って自分の映画を愛していられるか、それこそが映画が存在する意味なのだと今は思う。 この「エル・マリアッチ」からはロドリゲス監督の、映画への情熱がムシムシと伝わってくる。自分の作品への愛がギラギラと反射してくる。カメラも、フィルムも、こういう男に使われる事を心底喜んでいる気さえしてくる。 こういう人間がいる限り、面白い映画が尽きる事は無いんだろうな。 そして、映画を観ているうちに、自分でもやってみたくなるから面白い。 これが錯覚なのかどうかは知らないが、恐らくみんなちょっとはそう思うんじゃないか。 取り敢えず次の休み辺りに友達に電話して、「ハリウッドに行かねぇか」と口説いてみることにした。 6点(2004-06-17 21:12:27)(良:3票) |
22. フォー・ルームス
《ネタバレ》 むかしスチュワーデスやってた人が言ってたんだけど、アメリカの空港で日本行きの飛行機に乗ろうとしたら警察がやってきて、そしたら「昨日あなたが泊まった部屋のベッドの下から死体が見つかった」って言われたそうです。 結構あるらしい。ホントに。 7点(2004-06-17 17:50:03) |
23. ナチュラル・ボーン・キラーズ
殺人を犯した小学生をネット上でアイドルとして祭り上げる。 日本の今の現実として、この映画を笑えない状況が間違いなく存在する。 「人が人を殺してはいけない」なんていうのは肉食の人間が勝手に作り出したルールだけど、俺らは人が死ぬ痛みを知っているわけで、牛や鳥の死体をガッツいて喰いながらも人が死ねば涙する。 けどその痛みの感覚を失った、あるいは麻痺した、もしかしたら生まれた時から持っていなかった人間にとっては、ムカつく人を殺すなんてのはナンテコト無いのかもしれない。 やっぱり幸せな家庭をつくって、そこで育つべきなんだよ。そしたら家族を失うことの、人を失うことの痛みが分かるだろうから。 人殺しは映画の中だけで充分。これ、薄っぺらく聞こえるかもしんないけど、俺は大マジなんで。 6点(2004-06-16 21:52:13) |
24. トゥルー・ロマンス
《ネタバレ》 俺たちに明日はあるっ!! 7点(2004-06-13 22:18:52)(良:1票) |
25. デイ・アフター・トゥモロー
7点満点の6点。何か書こうと思ったが、帰る途中に忘れてしまった。 6点(2004-06-06 20:16:59)(笑:1票) (良:1票) |
26. 21グラム
Life goes on. 絶望しようが憎もうが、泣き叫ぼうが喚こうが、それでも人生は続く。 どれだけ悔やんでも、許す事が出来なくても、それでも人生は続く。 だから進むしか無い。 踵で過去を踏みしめ、爪先を未来に突き出し、一瞬の”今”の上でバランスとりながら。 空を飛ぶ鳥と同じ、止まった瞬間に墜ちてしまうから。 悲しみも、憎しみも、愛しさも、何もかもを引き連れて。 だけどこの映画は違う。その時間軸は自在だ。 決して戻る事の出来ない過去も、暗闇の先に広がる未来も、順不同に次々と襲いかかる。 愛する人たちの数と、自分を愛してくれる人たちの数。 それを「21グラム」に掛ければ、それが"heart"の重さだ。 行き場の無い感情たちの乱交、灰色の涙が乾いた大地を濡らしていく。 8点(2004-06-06 19:55:20) |
27. ストレンジャー・ザン・パラダイス
数秒間の黒い空白に仕切られた、四角いモノクロの映像たち。 一つのカメラに映されたそれらが、何て事の無い日常を映し出していく。 喩えるならばアルバムを開いている感覚。 6点(2004-06-01 20:07:18) |
28. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 海を照らす太陽が余りにも眩しい。その瞬間、そこには確かに希望が存在していた。ゾンビになるのも死ぬのも嫌だが、それが避けられなくなったとしたら、自分も愛する人の為に死んでいきたい。そして世界の終焉で、愛を叫ぶ・・・。/こうやって見るとバスに群がるゾンビたちも、ぺ・ヨンジュン来日に群がるオバさんたちも、大して変わらないもんだな。(両A面レビュー) 8点(2004-05-21 20:20:29)(笑:1票) (良:1票) |
29. ビッグ・フィッシュ
A Perfect Day for Big Fish. 大人になって、自分の子供に見せたい映画第四位。 7点(2004-05-16 16:34:52) |
30. トロイ(2004)
満を持して登場した、男たちの超大型スペクタクル英雄叙事詩。 乾いたギリシアの大地、地平線まで覆い尽くす黒い軍勢。大地を揺るがす足音、槍と盾のぶつかり合う金属音、馬の嘶き、男たちの叫び声。二つの津波がぶつかり合う時、そこに生じる史上最大の戦い。兵士と兵士が、剣と剣が、怒りと怒りが、魂と魂が衝突を繰り返す。そして残るのは死体と血と涙と嘆き。その全てが、全てが俺の”男ゴコロ”を揺さぶり狂わすんだ。 原作に登場するワガママな神の要素をほぼ消した事で、神話が史劇に生まれ変わった。圧倒的な映像のパワー、そしてパワー。女たちは華麗に咲き誇り、男たちはその美しい花を守るため、無惨にも愚かにただ散ってゆく。俺たちは格好良く生きるために闘うんじゃない。格好良く死ぬために闘うんだ。トロイア戦争で燃え尽きた英雄たちの魂が、燻ること無く三千年後のスクリーンで再び炎を上げる。その赤い残像が、俺の黒い瞳孔に宿り続けていく。 8点(2004-05-15 21:53:25)(良:2票) |
31. フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
タランティーノが『キル・ビル』の参考にした映画、ということで観たが・・・。このサンダとガイラの容貌じゃ一般受けはしないだろう。フランケンシュタインの意味もよく分からないし。けれど現に、公開から40年近く経った今でもこうして語られている映画である。強作だ。 5点(2004-05-05 08:42:51) |
32. パッション(2004)
鼻がつまった状態で食事している感じ。無宗教の日本人である自分は聖書の知識がゼロに等しく、この映画の意味するものがよく分からない。味が伝わってこない。イエスの体が血に染まるほど、隣の客が涙を流すほど、この疎外感は強まっていった。これは観る前から予想できていた事だし、この映画が信者に対する作品だという事も分かっている。ただ、この凄まじいエネルギーが溢れた映画に真っ正面から身を浸したとき、そこで自分は何を感じるのか。そんな興味が拭い去れないのも事実。逃げの5点。 5点(2004-05-02 16:34:50) |
33. コールド マウンテン
プラス7点。ニコール・キッドマンが段々レニー・ゼルウィガーに見えてくる面白さ。だけどジュード・ロウの前では元の美しい姿に戻る。女性っていうのは素晴らしいね。 7点(2004-04-25 17:57:53) |
34. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 ウマ・サーマンよ、この俺を殺してくれ。さぁひと思いにバッサリと。 血と汗と涙の壮絶な復讐劇の果てに、ふと抱いた些細な夢想。 Vol.1と明らかにテイストが違うとか、映画の文法がどうとか、タランティーノはそんなこと微塵も考えていない。第一、俺はそんなものに感動しているのではない。スクリーンを通してヒシヒシと伝わってくるその魂に。そう心意気だよ、ココロイキ。だからこそ教会でブライドが見せる笑顔の輝きに惹かれ、生き埋めと暗闇の閉鎖感に潰されそうになり、パイ・メイの修行に燃えて、ワゴンカーでの鍔迫り合いに息を呑みながら、この『キル・ビル』にシビ・レルんだ。 『キル・ビル』にはワクワクが満ちている。一秒先への期待感が溢れている。これぞ紛れも無い映画体験だ。映画の喜びに満ち満ちている。客に笑みを、映画に拍手を。 頭の中の妄想をぶちまけたタランティーノは、恐らく世界一アタマの良いバカだろう。言うなれば天才バカボン。バカほど純粋な人間はいない。この冷めた世の中で、将来の夢すら持ちにくい現代で、一人の映画オタクが中学生のハートのまま天下を取った。それだけで無性に顔がニヤけてくるじゃないか。 先日ニュースで見たが、どこかの学者がメスのマウスだけで子孫を造る事に成功したらしい。もしかしたらこの世界に、もう男は必要ないのかもしれない。そう思ってしまうほど『キル・ビル』の女たちには胸が震える。ブライドもオーレンも、GOGOにもエルにも。そして残念ながら男たちは死に逝くだけだ。刀で斬られ、毒を食わされ、目玉を抜かれてツボを押されて。 そう、だから、だからこそウマ・サーマンよ、ブライドよ、ブラック・マンバよ、ベアトリクスよ、ママよ、この俺を殺してくれ。ひと思いにバッサリと、もしよければ必殺の五点掌爆心拳で。俺は血まみれの後ろ姿を、いつまでもずっと見続けていく。薄れ行く記憶の中で。霞みゆく瞳の先に。 9点(2004-04-24 20:35:25)(良:2票) |
35. オーシャン・オブ・ファイヤー
あえて何かを書くとしたら、音楽が『ロード・オブ~』そっくり。 3点(2004-04-19 00:31:58) |
36. 処刑人
これがクールなら、タモリだってクールだ。 5点(2004-04-14 20:50:25)(笑:2票) |
37. エレファント
「エレファント」の銃弾が、僕のココロを撃ち抜いていく。 7点(2004-04-08 19:36:34) |
38. めぐりあう時間たち
俺もハリウッドに行って、ちょっと鼻を高くしてもらいたいな。ちょっとね。 5点(2004-04-01 18:07:47) |
39. スティング
騙されるコトに快感を覚える、唯一の生物ヒト。何とも不思議だ。 7点(2004-04-01 01:36:44) |
40. マッチスティック・メン
《ネタバレ》 「血液検査」とニコラス・ケイジが言った瞬間、アンジェラの表情が一瞬曇った。その瞬間に先が読めたが、出演者の怪演や小気味よいテンポ、笑ってしまう掛け合いはかなり楽しめた。素敵なラストも好きだ。 7点(2004-04-01 01:34:09) |