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アラジン2014さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 678
性別 男性
自己紹介 ソフト化されたタイミングでのレビューが中心です。2008年、子供の頃から夢だった自宅シアタールームがついに実現しました。(100~110インチ程度、音響2.1ch)できるだけネタバレせずに書いていますので文章がおかしい場合もあると思いますが、暖かい目で見守ってやってください。(2014初登録)

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61.  ザ・ドライバー 《ネタバレ》 
TV録画、吹き替えで見ましたがドライヴ(2011)の元ネタがあったなんて知りませんでした!ライアン・ゴズリングのドライバーも寡黙で素敵でしたが、2011ではスト―リー的にちょっと凝り過ぎていてイマイチ判り難い部分もありました。で、本作ザ・ドライバー(1978)ですが、こちらはドライバー役のライアン・オニールと賭博師役のイザベル・アジャーニがCoolすぎて痺れた。ストーリーはシンプルで判りやすいものの、終盤のカラクリ的には少々矛盾していてご都合主義感は強めです。  ライアン・オニールといえばバリー・リンドンのバリー役が有名ですが、大根役者だと思っていましたが本作を見て大根役者が確定しました。でも、しゃべらずに意味ありげな目つきで見つめる異様な様は迫力があって心底素晴らしかった。この演出はバリー・リンドンでも見られ、言葉を発しない絶妙な間とどっしり落ち着いた目つきで凝視するその貫禄は彼独特のものですが、迫力があって妙な怖さを感じます。 イザベル・アジャーニも22歳という設定&実年齢も23歳。この年齢にしてはあまりにも不自然過ぎる落ち着き具合と、そして異様なまでのクールさとトーンの低さ。この異様な雰囲気を醸しまくっている二人のカップルが赤いピックアップトラック(シボレーC-10)に乗って、敵の車(トランザム)を突っつく様はカッコよすぎてそれはもう痺れる。  この映画が人気なのは上記二人の異様なまでクールさと対比する形で見せる刑事役のブルース・ダーンの上手さでしょう。この人がお笑い担当というか、刑事なのにかなりはみ出していて際どいギリギリ悪人風情の刑事を演じているおかげで躍動感が生まれています。正直駒として利用するチンピラより悪人でしょコレ(笑)彼のラストの振る舞いも素敵。(でも終盤のカラクリは少々疑問符が付きますが・・)  今風のCGや細切れ撮影にはない、古き良き時代のカーアクション映画の名作です。45年後の今見ても結構普通に見られるので点数は甘めです。
[地上波(字幕)] 8点(2023-07-31 11:40:26)
62.  ティファニーで朝食を
TVで放送されていたので2023/7月、公開から62年の時を経て今ようやく鑑賞しました。オープニングの美しさ、ヘップバーンがスクリーンに映っているだけで絵になる。道端でクロワッサンをパクつき、バルコニーで歌う彼女のなんと可憐なこと。皆さん同様、管理人枠の日系人は意味不明だし無しのほうが良かったですが、まあ本編をスポイルするほどではなかったです。  確かに、、ドロドロした部分が綺麗さっぱり排除されていて生温い恋愛物に成り下がっています。でもヘップバーンのリアルな濡れ場とか見たいですか?お人形のような彼女のそういった部分を想像したいですか? 要するに、男女のドロドロした部分をよく理解、知っている大人がそれを判った上で上澄みの綺麗な部分だけをすくって見るおとぎ話が本作ではないのか。と私は解釈したいです。 ティファニーの対応と図書館の対応の対比も素晴らしく、そういった部分からもとてもキレイな映画になっています。再度書きますが、大人には当たり前であるドロドロした男女の部分を上手に避けてあるからこそ、本作は名作と呼ばれるのだと思います。(でも決して隠してはいないし、むしろ十二分に前面に出しているのに生々しい部分を見せないウマさ)これはこれで正解だったと思います。本当に素敵な映画。  PS 去年見た「プルートで朝食を(Breakfast on Pluto)」は本作をもじったものでしょうね。素敵なのは当然本作(Breakfast at Tiffany's)のほうですが、意外にもプルートのほうも内容的には深いモノがあって印象的でした。(あちらのほうが平均点は高い)なぜatとonの違いがあるのか?まあそれは今度調べてみます。
[地上波(字幕)] 8点(2023-07-20 16:35:40)
63.  ハウス・オブ・グッチ 《ネタバレ》 
世界のトップブランド「Gucci」の内部崩壊を超大物たちの手で恥ずかしげもなく描いた話題の作品。超大物監督リドリー・スコットと超一流俳優らてんこ盛りで制作された、まさに観客冥利に尽きる作品としか表現のしようがない映画でした。アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジャレッド・レト、アダム・ドライバー、そしてこの大物揃いの中で主役を務めるのがレディー・ガガと、終始ニンマリしっぱなしという状態です。  脚本もよく練られていて、グッチというハイブランドの商品と一生縁がない末端の素人衆が見ても悩まなくて済むよう、かなりシンプルかつ丁寧に作られていたという印象を受けました。話の本筋はレディ・ガガ扮するパトリツィア目線で彼女がいかにGucci家に食い込んでいったかという部分が描かれていて判り易いものです。株の話がシンプル過ぎて不自然だという意見も見られますが、確かにGucciの筆頭株主であることが物語上重要な駆け引き要素となっていますが株の仕組みにまでは言及されておらず、単純に「Gucciの筆頭株主」=「直系の家族である証明」という程度の認識でOKだと思われます。  ただ、これだけの超豪華俳優陣を使って非常によく作りこまれているにも関わらず、物語の起伏はいまいち盛り上がりに欠けるものとなっています。いえ、実際にはパトリツィアが壊れていく過程と共に物語は終盤に向け確実に盛り上がってはいくのですが、なんというか、、淡々とした印象を受けます。もしかしたらGucciというハイブランのイメージを意識した高貴な(抑えた)演出が裏目に出たのかもしれませんが、しかしながらアダム・ドライバー扮するマウリツィオが命を含め全てを失う流れは十分に見ごたえがあるもので、エンドクレジットの「1995年株式公開、現在人気が回復したGucciにはGucci家の人間は一人もいない」という言葉は何とも皮肉でした。個人的にはアル・パチーノ&ジャレッド・レト組のパートをもう少し見ていたかったという気持ちもありましたが、総じて良くできた作品だったと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-26 11:19:57)
64.  ウィッチ
これはなかなかの映画でした。ちょっと暗すぎるという意見もありますが森の奥に住む魔女、また暗闇に巣食う悪魔を取り扱った作品なので致し方ないところです。それよりも何よりも、このジットリまとわりつく湿気のような陰湿さこそがこの作品最大の特徴であり魅力でもあります。全体的にとにかくリアルなのです。この暗さと陰湿さがリアル感をより強調していますが、追い打ちをかけるように要所要所で使われている不協和音が不安感を煽ります。ただ、たまに挿入されている打音を使って驚かす点は少々あざといといった印象も受けました。  キリスト教に明るくない日本人にはかなり感情移入がしにくい作品なのは事実ですが、単純に「宗教に支配されると人間はダメになる」ということは理解できます。この映画の登場人物は凝り固まった理念や形式的な価値観のせいで、自分自身や愛する家族を追い込んでしまいます。(ピューリタン=清教徒は、特に厳格な宗教観を持ったグループと考えて差し支えないと思いますが、その理念を間違って解釈したような家族として本作は描かれます)  キリスト教の基本的な教えとしては「心を尽くしてあなたの神、主を愛しなさい。そして隣人を自分のように愛しなさい。」といった感じです。自分以外の者の為に愛を尽くしなさいというのが基本理念であって、決して罪と罰を追求しなさいとは教えられていません。そう考えるとこの映画に登場した家族は全くそれが出来ていなかったことが見て取れます。赤ちゃんの失踪を機に原点に立ち戻り、家族で力を合わせて助け合っていればこのような結末にはならなかったかもしれません。実はこの基本的な価値観に宗教観は特に関係なく、色んな意味で非常に奥深い作品だったと考えることもできます。また、主演のトマシン(アニャ・テイラー=ジョイ)が本当に素晴らしくて、驚異の演技力をみせている点も見逃せません。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-10 10:26:40)
65.  ダウントン・アビー
ゴージャスな同窓会!正しくこの言葉がぴったりの作品でした。もちろん私は全シーズン鑑賞済みでダウントン・アビーの大ファンです。出演陣も欠けることなく(ローズ=リリー・ジェームズが居なかったけど元々ゲスト的な扱いでしたし)、エピソード詰め込みまくり&役者大量投入&120分という制約があったにもかかわらず、優雅に時が過ぎていく演出とストーリーは本当に素敵でした。  バロー(ロブ・ジェームズ=コリアー)の過去の顛末を考えると、彼も一応それなりに幸せな着地点を見せましたし、バイオレット(マギー・スミス)もある意味正しい着地点を見つけたようです。メアリー(ミシェル・ドッカリー)がちょっと年食っちゃっててチト残念だったのですが、それはまあラストシーズン前くらいから気になっていた点ですのでしょうがないでしょうか。。(この映画の撮影時まだ38歳なんですよねぇ・・) 本作ではトム・ブランソン(アレン・リーチ)が大活躍で、今後彼が中心となって話が回っていきそうな予感がします。あ、もちろんイーディス(ローラ・カーマイケル)は全くお変わりなく安定の美しさでうっとりさせられました。彼女が天真爛漫に活躍しそうだったラストシーズンを考えると、これから羽ばたく可能性は残っていますね。。  映画版の第二弾(「Downton Abbey: A New Era(ダウントン・アビー 新たなる時代へ)」もまもなく公開されますし、本作で宙ぶらりんだった問題も綺麗に収めていただきたいですね!というか、これくらいノリノリ&たくさんの俳優さんが前向きに考えてらっしゃるのでしたら、まだまだドラマ版が作れそうです。淡い期待を込めて甘めの点数です!
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-08 15:55:03)
66.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 《ネタバレ》 
正直なところマーゴット・ロビー(トーニャ役)はあまり好きな女優ではありません。でも本作の彼女はとてもよくハマっていて、ほとんど本人に見えるくらい同化していました。今思い返すと「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の当時の私はハタチくらいで、オリンピックも襲撃事件も軽く流す程度でした。大分叩かれまくっていたトーニャご本人ですが、同年代ということもあってか「普通に可愛いんだよなあ」といった印象が今も残っています。映画ではどこまでが真実でどこまでが作り物なのかはよく判りませんが、エンディングでのリアル映像を見比べると関係者全員非常に良く似ていますね。  この映画を見て最初に感じたことは「やっぱり教育が全てだよなぁ」ということです。もちろん母(アリソン・ジャネイ)の育て方は間違っていますが愛が無かった訳ではなさそうです。旦那のジェフ(セバスチャン・スタン)も同様。全ての登場人物にいえる問題は「教育が行き届いていなかった」ということに尽きます。教育がゆきとどいていない人間が母になり、そして実子を教育しようとしたことが全ての元凶で、当時、もし3歳のトーニャをコーチ(ジュリアンヌ・ニコルソン)に委ねておけば、もしかしたらもっとまともな人間に育ったかもしれません。  映画の展開は本当に素晴らしかったです。ストーリーの展開のさせ方も素晴らしいのですが、最初から貫くインタビュー形式の構成は最高でした。たまにあるカメラ目線やセリフも素晴らしいし、何よりリアル本人と雰囲気がそっくりなほどの完成度の高さです。襲撃の緊張感、その後犯行が見つかるかもしれない緊張感を保ちつつほころびが広がる感じも上手くて、トーニャだけが「またオリンピックに出られるわ♪」と喜んでいるいびつな構図もよく観客に伝わっていました。何度も見たい映画ではありませんがボクシングのシーンも含めて〆も文句なし!私は恥ずかしながら存じ上げておりませんでしたが、、グレイグ・ギレスピー監督は本当に素晴らしい仕事をしたと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-08 14:54:55)(良:1票)
67.  ラブリーボーン 《ネタバレ》 
酷評が多いですね。私もビデオ化された当時非常に楽しみにしていた作品でしたが、、鑑賞してみるとイメージと異なっていてチョット落胆した記憶があります。十数年ぶりに再鑑賞してみましたが、落ち着いて見てみるとなかなか奥深くよく考えられた作品だったと思います。もっと世に広く認知されるべき、高評価に値する作品ではないかと考えを改めました。  世間の不評を買っている最大の理由がラストのアレと金庫が沈んでしまう点でしょうか。おそらく私も当時は「あり得ん」と切り捨てた記憶がありますが、10年の時を経て、今改めて見返してみると、誰の視点で物語に入り込むべきなのか?これが最も重要であったことに気が付きます。本来、観客は無意識のうちに第三者視点になっていて、客観的視点から勧善懲悪の物語を望むものです。でもこの作品は違うのです。オープニングで語られている通り、スージーの視点から見たスージーの物語。彼女がどう考えたのか?彼女がどうしたかったのか?これがこの映画の全てです。 あの年代の無垢な少女というのは、自分の気持ちを支配している脳内全ての事柄がラブリーでキラキラしたものだったハズです。14歳の少女といえばまだまだ子供だし恋愛や綺麗なことが人生の全てだったハズ。そしてスージーが今最も気になっているのが初恋の相手とのファーストキス。彼女にとってはこれが一番素敵な出来事だったハズなのです。そんな素敵で理想的な物語が叶わなかった無垢なスージー。これがこの映画の全てといっても良いでしょう。  ボトルの帆船が割れる描写、ろうそくの灯が別々に揺らぐ描写、その他多数の不穏な描写の数々が哀れにも素敵すぎました。しかしスージーがとどまっていたあの悪夢のような雰囲気は辛かったです。死んでからあの底冷えがするような不気味な感情を乗り越えて天国に行かねばならないのかと思うと、やはり穏やかに死にたいものです。  ギレルモ・デル・トロも関わっていますし、制作サイドとしてはバッドエンドにしたかったのは明らかです。あくまでモヤモヤしたままで終わらせたかったのでしょう。大人になって見返してみると、金庫が沈むからこそ良かったと思います。観客感情に配慮して”一応”ラストに犯人の転落死の描写を入れてありますが、明らかにアレは蛇足です。遺体は見つからないし犯人も見つからない。だけど家族は前を向いて生きていくしかないし、被害少女たちも昇天するしかないのです。どうにもならないこともあるのです。 成長した妹がノートを見せるか否か一瞬戸惑いますが、あの感情が全てを物語っています。残された最愛の家族の気持ち考えると、今更蒸し返すのが正しいのかどうか。。つまりはスージーは、これで良かったのです。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-02 12:29:10)
68.  グリーンマイル 《ネタバレ》 
個人的にトム・ハンクスがあまり好きではないこと、キング原作のショーシャンクが大嫌いということ、そしてとても長尺であるということなどから、本作「グリーン・マイル」も20年以上無視してきました。キング原作といえばリアル路線が多い印象でしたが本作はかなりファンタジー路線で驚きました。しかも今まで見ていなかったことを後悔するほど素敵な作品で、見て良かったなあと素直に喜べる映画体験でした。  しかしレビューを書こうとすると途端に解釈が難しい作品で、結局何が伝えたかったのかよく判らない映画だったとも感じます。実際、もの凄く感動的ではあったのですが、だからどうした?と言えなくもなく、Webの考察ページを読み漁って初めて納得がいくような映画であるのもまた事実です。その考察で目に付いたのはどうやらキリストの再来とか、そういった類の解釈が最もシックリくるのではないかということです。私も含め、キリスト教に疎い日本人には表面的なただの感動ファンタジーに成り下がってしまう可能性もあって、そういった意味では非常に勿体無い作品だなと感じます。 無神論者の私にはこの映画の素晴らしさの半分も理解できたか怪しいところですが、ジョン・コーフィー(マイケル・クラーク・ダンカン)がとても良い味を出していて、彼のラストは泣かせます。冤罪だった件はどうなっているのかが大いに気になりましたが、同時にネズミがCGなのかどうかも非常に興味深いことだったりもしました。  導入部が妙に丁寧なわりによく判らない感じになっていますが、エンディングまで見るとまさかの伏線回収があって楽しくなります。そして後に再度あのモノクロの活動写真のワンシーンを見ると泣けてきます。3時間越えの長尺ですが捨てシーン一切なしの素晴らしい作品でした!
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-01 17:28:10)
69.  マネーボール
メジャーリーグのことを少しでも判っていれば10倍は楽しめますが、あまり詳しくなくてもきちんと楽しめるように作られています。(私はそんなに詳しいほうではない)  データを重視してチーム編成に取り組んだ、アリーグ、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー「ビリー・ビーン」(ブラッド・ピット)の半生を描いた物語ですが、これが非常によくできています。40代以上の人にはセイバーメトリクスというより野村ID野球(ちょっと違うが)といったほうがピンとくるかもしれません。しかし野村ID野球よりももっと根本的なチーム編成自体をデータ任せにしたのがこの理論の凄いところです。今では当たり前ですが、いわゆるビッグデータ的な情報解析・情報分析を元にしてチーム自体を再編成した訳で、やはり2~30年前ではかなり思い切った無謀理論を追求した人物だったといえます。  自身もかなり気性が荒いビリーですが、周りの無理解、マスコミなどの過激な煽りなどプレッシャーやストレス、過去の後悔などを心に抱えている気難しい人物を非常にウマく表現したブラピはかなりのハマり役でした。元来この手の抑えた役柄が好きなブラピですが、本作のビリー役はキャリア中でもベストなものではないかと思われます。 また、脇も超一流で反抗的なハウ監督にフィリップ・シーモア・ホフマン、気が強い元嫁シャロンにロビン・ライト、気弱なハッテンバーグにクリス・プラットらと非常に豪華です。脚本もレナードの朝やシンドラーのリストのザイリアン&手直しにはザ・ホワイトハウス、ソーシャル・ネットワークのソーキンと、地味な映画だったと切り捨てるにはあまりにも勿体無さすぎる布陣です。さらには何気に開幕式でエレキで国歌を演奏するジョー・サトリアーニ、劇中内TVのみ出演のイチローなどなど、とにかく超絶に豪華なので多方面に考察できる人には非常に奥深い作品に仕上がっています。(ただ、他の方もご指摘ですがセイバーメトリクスを追求する映画なのに、、これ以上ないってくらい高額でメジャーな連中が集まっているのもある意味皮肉で笑えたりもします)  娘の歌声に突き動かされる音楽CDの流れも最高に素敵ですが、レッドソックスから暗転で現在の状況を説明するラストも非常にスマートでリアル。MLBのトレード事情やアリーグ・ナリーグのことなどもっと勉強して再度鑑賞したい、静かなる名作だと思います!
[インターネット(吹替)] 8点(2022-08-04 15:48:06)
70.  レナードの朝 《ネタバレ》 
いわゆる”死ぬまでに一度は見ておけ”シリーズの典型作品ですが、まさかの未見でした。昔から思っていましたが、ディカプリオアプローチや(トム)ハンクスアプローチと比較して、デニーロアプローチは本当に素晴らしいと思います。デニーロは一生懸命やっているように見えないのにきちんと役柄に根付いている点が素晴らしく、彼特有のはにかみ笑顔や彼の雰囲気がシッカリ残っている点も素敵です。  本作には大物役者が多数出ていますが役がバッティングすることもなく、自然な作品に仕上がっています。セイヤー医師(ロビン・ウィリアムス)はいうに及ばず、ポーラ(ペネロープ・アン・ミラー)とのダンスは本当に素敵でしたし、上司のカウフマン医師(ジョン・ハード)も嫌味を言いつつも優しい素顔が見え隠れする存在感を放っています。後に有名になるピーター・ストーメア、ブラッドリー・ウィットフォード、ヴィン・ディーゼル、マックス・フォン・シドー(こちらは大御所)ら、脇もかなり豪華です。  ダンスの後に窓辺に歩み寄るシーンは泣けます。その後は予想通りの展開になる訳ですが、どこが真実でどこが創作なのか興味が尽きません。医師としてはセイヤー氏は少々無責任でやり過ぎたといえるシーンもありますが、それでも人として親身に行動しているという行動原理自体は正しかったのではないかと感じます。家族を大病で失いかけた経験がある方でしたらかなりの部分まで許容できるのではないかと感じましたし、またセイヤー医師の存在はかなりありがたいのではないかと思います。  映画としてもすこぶる綺麗にまとまっていて、名作の名にふさわしい手堅い作品です。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-07-19 12:09:47)
71.  アメリカン・ビューティー
非常に面白くて奥深い作品ですが、レビューを書こうとすると途端になんとも表現しにくい映画だったりもします。  アメリカの(ちょっと変わった)中流家庭のどうでもいいような日常が描かれている作品ですが、不思議なことにそれぞれの立場なりに結構共感できちゃったりします。精神的に大人になれば今まで経験してきたことの記憶や後悔などから、それぞれの年齢なりの状況がそれなりに理解できるものです。パパのガキっぽさ、ママのめんどくささ、娘のやるせなさ、隣のパパママ息子の異常な状況を他人事のように眺めてしまったり。。それぞれのキャラクターに割と簡単に共感できてしまうのは、やはりこの映画が万国共通認識である「家族愛」や「DNAに組み込まれた人間の感情」を描いているからではないでしょうか。  映画が好きな人間にはリッキー(ウェス・ベントリー)の美への価値観などは判りやすいかもしれません。また、世のおっさん連中にはレスター(ケヴィン・スペイシー)の感情はドストライクかもしれません(笑) アンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)が可愛くて、まさかのアノ展開に・・ ありがちといえばありがちですが、最後に大人の感情を見せたレスターには拍手と共に、(本心では残念な私は)なんと大人げないことかと・・   色々書くと面白さが半減してしまうので、前知識無しで気軽に鑑賞したほうが良いと思います。共感と共に笑えるシーンも多くて見どころ沢山です。どんな人間にも表と裏の顔、表と裏の感情があるものですが・・ でも、シコシコはやっぱり笑えるのです(笑)
[インターネット(字幕)] 8点(2022-04-23 16:07:38)
72.  マシニスト 《ネタバレ》 
【ネタバレしているようなしていないような・・ なので一応ネタバレ有にしました】 ラスト5分になるまで全てが訳ワカメな作品ですが、シニカルかつ暗~い雰囲気はなかなか嫌いじゃない・・ いや、むしろ結構好きでした。全編を通してほとんど意味不明ですが「激やせ」「長いこと不眠症」「何かに追われていそう」そして、「ハングマンゲームのメモ」で、およそ察しがつく感じです。何となくイレイザーヘッドなどの方向性も感じますが、アレよりはずっと意味がありそうな話が続きますのできちんと映画の体を成しています。  ウェイトレス親子とのデート、遊園地の乗り物、ブルースが流れるバーの雰囲気、冷蔵庫の中身などなど、意味深でイミフなシーンの連続が妙に心地よい。この全編に渡って流れる意味深かつ意味不明な空気感の理由がラストで明かされる訳ですが、意外にもシンプルなオチで驚きます。この種のタイプの人間には一切共感できませんが、反面、何だか凄く理解はできるといった妙な感覚がありました。考えようによっては、こういう状況に陥っている人間の心理ってこんな感じなのかもしれません。そういった意味では非常に興味深く鑑賞することができました。  総合的に考えると大して面白い映画ではなかったと思いますが、でも何だか凄く印象深くて忘れることができない作品に仕上がっています。後で考えると確かに伏線は沢山散りばめられていて、ほとんどネタバレしているようなシーンも少なくないです。点数をつけるのが非常に難しい映画でしたが雰囲気が素晴らしかったので少々甘めです。  PS. 個人的には辛うじてギリ若い時代のJ・J・リーに出会えて嬉しかった。彼女が娼婦を辞めるといって甘えるシーンは妙に生々しくて素敵でした。(2004年の作品なので40歳くらいかな?)
[インターネット(字幕)] 8点(2022-04-19 11:48:13)
73.  イレイザーヘッド 《ネタバレ》 
有名なのになぜか今まで見ていなかった作品。第一印象は「あらまあ・・」でしたが、なぜか翌日に再鑑賞。そしてレバーを操作する人と食卓のシーンがもう一度見たくて三日連続の鑑賞に至りました。  難解だと名高いこの作品ですが、解説サイトなどを読み漁ると意外にも伝えていること自体は非常にシンプルで分かり易いことが理解できます。見る側が各場面をきちんと判って鑑賞すればイレイザーヘッド氏が愛らしくも見えてくる。もしかしてこれって案外良い映画じゃない? 個人的には隣人とお戯れになった際のラジエター娘は理解できますが、再登場時のラジエター娘の立ち位置がイマイチ理解できませんでした。同様になぜ首が取れて消しゴム頭になるのかもイマイチ理解不能。最初と最後に出てくるレバーを操作する病んだ人も意味不明ですが、アレはなんだか悪夢を見ているようで個人的には非常に好きなシーンです。  完全に理解しているとは言い難いですが、個人的には高得点としておきます。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-12-31 12:48:20)
74.  トイ・ストーリー4 《ネタバレ》 
パート3で綺麗に完結していたものを続けたということは、今後エンドレスで続けるんだろうなということが理解できます(BD-BOXセットが欲しかったのですが買うの見送り)。4作目なのに毎度おなじみのドタバタ劇が飽きさせない作りになっているのはさすがとしか言いようがありません。 個人的には今作の悪役であるギャビー・ギャビー嬢とその取り巻きであるベンソン達が、前作のイチゴの香りがする熊さん(ロッツォ・ハグベア)を超える愛らしさでした。またボニーの表情を見ているだけでなぜか涙が出そうになるのは不思議です。ピクサースタジオは表情や仕草をよく研究していて、とても上手に見せてくれますね。素敵です。  この手のアニメ映画は基本的に吹替で見ることが多いのですが、ギャビー・ギャビー(新木優子)が非常に良い。夢破れて箱の中で拗ねてるシーンは最高でした。今作は特に絵が綺麗で、まるで実写のように見えるシーンも沢山ありました。パート1から凄い進化ですよね。意外にもファンの間では不評な今作ですが、私は今まで同様に十分に面白いと思いました。シリーズが好きな方なら見て損はないと思います。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-12-31 12:38:31)
75.  おとなの恋は、まわり道 《ネタバレ》 
原題は旅先や今後など掛けた題名だと思われますが、邦題はちょっと退屈な映画を連想させてしまっていて残念。内容のほうはビッグネームの成れの果てという感じであまり期待せずに鑑賞しましたが、思った以上に会話が洗練されていてとても楽しめました。会話は序盤から既に面白いのですが、開かないスナック菓子のシーンでこの映画の虜になってしまいました(笑)  プロット自体は無理やり設定も目立ちますが、二人の変人具合の設定は妙にリアルで生々しい。耳鳴りなのか痰が絡むのか判らないが奇声を発する男、植物に自分の息(二酸化炭素)を吹きかけるメンドくさそうな女。アラフォーこじらせ男女をイメージしたキャスティングかと思いましたが、おそらくリアルに50歳前後のかなり終わっている男女を見せたかったのでしょうか。撮影時、リアルキアヌは55歳くらい、リアルウィノナは45歳くらい。二人とも年齢の割にはかなり見た目が若くて頑張っていますね。  他の方も書いてらっしゃいますが二人の絵だけで90分持たせる脚本は素晴らしいし、彼らが語る昔話や持論は妙に納得&目に浮かぶしでなかなか面白いものがあります。他キャストの会話を全て無しにしてあって、語りが主演二人の口からだけなのもよく考えられていて面白いです。野っぱらでのあのシーンは痛々しいですが、この難しいシーンに面白い会話を入れてあるおかげでなかなか笑わせてくれます。(こじらせた後の恋愛ではSEXに持ち込むのが本当に難しいんですよねえ) フランク(キアヌ)の異父の愛人の件、フランクが実父から撃たれた話からリンジー(ウィノナ)が自分の幼少期を振り返る件など爆笑モノの話がてんこ盛りです。  結果的に「だから何なの?」の典型的な作品ですが、妙な哲学を持ち込んでいないのは映画としては本当にハナマルです。チョット長めに差し込まれる風景も素敵ですし、主演二人のファンでなくても会話劇や屁理屈が好きな人・アラフォー以上でリアルにこじらせてる人にはかなりお勧めな一本です。(あ、当然のことですがこの映画は完全なる会話劇ですので吹替版がお勧め。字幕と比較しましたがやはり吹替のほうが断然面白かったです)
[インターネット(吹替)] 8点(2021-03-12 15:44:23)
76.  グッド・ライ いちばん優しい嘘
記念すべき500作品目のレビューですが素晴らしい作品に当たって良かったです!  前半の重苦しさはすさまじいものですが、それを感じさせない彼らの強いハートには感動しかありませんでした。一転、後半パートの笑わそうとしてないのに笑ってしまうシーンの数々も非常に興味深いもの(電話の件は面白い)でしたが、前半の苦悩を知っているだけに心から笑うこともできず、健気に生きようとしている彼らを敬うべきとすら感じる流れはさすがでした。 まだ新しいのに食品を捨てるシーン、ライオンとの一件、彼らがハマったジョーク、牛に会いにいくシーン、姉とのシーン、兄とのシーン、そして予想外のラスト。全てが深くて素晴らしいものですが、冷静に考えたら第二次大戦以前の日本にも普通にあったであろうシーンばかりだと気付きます。そういう意味では実直な日本人には馴染みやすい映画かもしれません。  「何もないアフリカに生まれて可哀そう」そう思っていましたが、実は違うということに気付かされてハッとさせられます。彼らにとっては牛がいて、土があって、そして自分の肌の色が黒いことが当たり前なのです。平和ボケした我々にはグサリと突き刺さる描写の数々、また、スーダンの彼らもアメリカの彼らも皆平等でイイ人達ばかり、どちらが上とか下とかいう陳腐な描写が無かったのも良かったです。しいて挙げれば難民キャンプに取り残された「ロストボーイズになれなかった友人」の顛末が描かれていないのが少し残念でした。  全体的に起伏のバランスもよく、題名の伏線回収もスムーズです。哀しい映画ではありましたが勇気を貰える映画でもありました。まさに心が洗われる素敵な作品、今の日本人がいかに幸せなのかを再認識させられる映画です!もう少し話題に上るべき作品です。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-04-23 13:46:50)(良:1票)
77.  ウォールフラワー 《ネタバレ》 
ローガン・ラーマン(チャーリー)ってエマ・ワトソン(サム)より年上なんだな(笑)  非常に良かった。この年代特有の心の悩みが上手く表現された素晴らしい映画だったと思います。私の妹が15歳から10年間アメリカに住んでいたのでこのような苦労をしたのかな?と考えると単純に凄いなって思います。(多くは語りませんが現在の妹から想像すると、少なくともチャーリーの立ち位置とは正反対だったハズ)  日本でも陰湿なイジメが存在しますが、アメリカの場合はいかに自己主張できるかが鍵で、恥をかいてでも自分の殻を破って自分の存在価値を自分で示さなくてはなりません。マイノリティかどうかは全く関係なく、あくまでその世界で自分に存在価値があるかどうかを示すことが重要です。そういった意味では高校生の時点で既に世知辛い世間の荒波に揉まれるという経験をさせられるアメリカは非常に手厳しく、裏を返せば現実的な国であるともいえます。 妹の話では高校の卒業パーティが一つの目安になっていて、そこへは正装をしてパートナーを連れて行くのが常識とされているそうです。パートナーが居ても同伴できなかったら一人で会場に行くか、一人で家に居るしかないのが現実です。(もちろん皆にも知れ渡ります)  この映画はそんな手厳しい高校生活が上手く表現されていますが、更に一歩踏み込んでチャーリーの心の病、マイノリティであるエズラ・ミラー(パトリック)のことまで描かれています。これらの点がこの映画の素晴らしいところだと思いますが、しかし残念ながら日本の義務教育を経た若者たちがこの映画を見てもほとんど共感できないと思われます。多方面から観察できる大人、荒波に揉まれるようになってから鑑賞しないと楽しめない映画ともいえます。(そう考えると日本人がいかに精神年齢が低いかがわかりますね)  友達の大切さと共に個の強さも描かれた映画です。映像的に見せすぎない点や音楽の使い方、脚本の落としどころも素晴らしいです。エンタメと文学性のバランスがとれた素晴らしい作品です。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-04-06 12:10:51)
78.  プリズン・サバイブ
この映画が日本未公開&ビデオスルー(ビデオスルー=公開もレンタルもされずにひっそりDVD発売のみされること)であるのは驚きです。  過剰にカメラが揺れること以外はおおむね文句のない仕上りで、コンパクトで完成度の高い脚本でした。おそらく画質の粗さとカメラの揺れはドキュメンタリータッチな作風を狙ったものと思われますが、その狙い通り非常にリアルな作品に仕上がっています。キャステングに関しても出演者全員文句のない配役で、副看守長のハロルド・ペリノーなど二面性が凄まじく非常にねちっこく描写されています。対するゴードン役のサム・シェパードはとても温和で柔らかい雰囲気を醸し出していて、緩急のつけ方が絶妙です。ジョン役のヴァル・キルマーの貫禄はすさまじく、AB(アーリアン・ブラザーフッド)の最高幹部と並んでも遜色ない風貌だったのもお見事でした。  感情を表現することに重きを置いたせいなのか(もしくは低予算ゆえなのか)、全体的にキャストのアップ映像が多くて若干情緒に欠ける作りになってしまっています。しかしその分主人公の心情に訴える感覚はすさまじく、徹底的に無駄をそぎ落とした脚本と相まってまさに弱肉強食の世界なんだということがまざまざと映し出されています。アメリカの刑務所は無法地帯、暴力に自信がない、人を見抜く力がない、このような人間は1日でも生き残れない本物の地獄であることが理解できる映画になっています。  しいて文句を書けばラストのカラクリが若干わかり難かった点と、主演二人が長い間一緒にいたという具体的な描写が無いせいで深い友情を育んだようには見えず、ラストの手紙の文面には若干の?マークが付きました。序盤の過剰防衛も割と雑な感じなのでそれらの点が少し残念だったといえます。しかしリアルな脚本&シンプルな構成がお好みな方には強くお勧めできる映画です。凄く良かったと思います!
[インターネット(字幕)] 8点(2020-03-24 10:40:22)
79.  ローマの休日
「名作」これ以外の言葉が思い浮かばないくらいの映画です。最初の靴のシーンから最後のThe Endの文字までずっと目が離せなくなるのはオードリーマジックでしょう。俳優陣の表情から仕草、映画の構成からカメラワークまで全てが本当に素晴らしい。(古典という意味であって、かなりワザとらしい安っぽいシーンもあったりします)  マンセーするばかりではつまらないので一つだけ屁理屈を。素直に見れば確かに純愛で奥深いストーリーですが、裏を返せばスレたブン屋が純で世間知らずな王女をたらし込んだだけともいえます。したたかなジャーナリストであれば無垢な女性を落とすのはさぞかし簡単だったことでしょう。  しかしながらブン屋とカメラマンは全く強引じゃなかったし、コミカルで優しく、宮崎アニメに出てくるキャラクターのように憎めない奴らです。この映画が名作と呼ばれる所以はやはり最後の記者会見でしょう。彼ら三人のラストの判断は素晴らしく、とても深い余韻が残ります。アン王女の表情を見ているだけで涙腺が・・ ああ、やはりまぎれもない「名作」ですコレ(笑) 監督と俳優とヒロインの全てに拍手!(ブルーレイ化&カラーバージョン求む!)
[DVD(字幕)] 8点(2019-11-29 20:32:35)
80.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 
なかなかの拾い物でした。いつまでたってもドイツ=悪者と同じ構図で中東=テロとして描き続けるのもどうかとは思いますが、歴史上それだけ大きな事件が何度か起きていますので仕方がないところでしょうか。(平和な市民には気の毒ですが)  結局動物は全て自分本位な生き物です。私は無神論者ですが、宗教というものは基本的に自分の心の中でのみ育て敬うものであるべきです。これをどんな形であっても他人に押し付けてはいけません。あくまで自身の心の支えとして宗教があるべきで、世界の人たちがこれを忠実に実践できればこの映画のような不幸で不毛な争いは起きないはずです。  全体的な緊張感や臨場感はなかなか凄かったです。特に序盤のテロシーンのリアル感は凄いです。ただ中盤のサスペンスパートが簡単に解決しすぎで、若干緊張感に欠けたシーンになってしまってます。【ネタバレ】終盤誰が死亡するか判らないギリギリの緊張感は素晴らしかったです。サウジの警官だけ死亡するのはご都合主義満載でしたが、しかしサウジが助かりアメリカが死亡してもそれはそれで偽善だとか色々叩かれそうで、難しい判断だったと思います。(エンタメ作品としては今作のラストでベターかとは思いますが、子供との握手は不愉快では?)  総じてこのテンポの良さと緊張感、誰が敵が見えない怖さはなかなかGOODです。メッセージ性があるようでない感じもライト層向きで、ラストの決めセリフも双方ともよくハマっていました。エンタメ&ちょっと社会派として見て損のない作品だと思います!
[インターネット(字幕)] 8点(2018-10-19 11:46:01)(良:1票)
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