81. エンド・オブ・ホワイトハウス
《ネタバレ》 いろいろ突っ込みどころはあるものの、素直に楽しめた(予想以上に)。やっと繋がった奥さんとの電話で、トラブルに巻き込まれているのが分かっているにもかかわらず当たり障りのない会話に終始する様が、声高に心配する会話よりお互いの信頼感や愛情を上手に表現していて印象に残った。あと、ホワイトハウスを知悉しているはずの大統領の息子がもう少しストーリーに絡んでくるのを期待してたのにあっさり退場とはあっさり過ぎるよ。せっかく面白い設定だと思ったのに。アクションシーンは、カメラワークが揺れすぎていて映画館で観てるとほんとに酔いそうだった。やりすぎ!好み40/50、演出10/15、脚本8/15、演技7/10、技術6/10、合計71/100→7/10点 [映画館(字幕)] 7点(2013-07-09 23:02:35) |
82. ジュマンジ
ボードゲームの内容が現実となるというありそうでなかった設定が素晴らしく、楽しいはずのゲームが恐怖の対象となるさまは、ある種のトラウマにさえなりそうだ。ゲームが中断されていた26年の間ずっとジャングルにいたアランの苦労は相当なものだろう。しかし基本コメディの本作では深刻には語られない(本人は盛んに言うが深刻に聞こえない?)。最後には参加者同士の絆はもちろん、アランの父親の絆も深まる展開がほっとさせる。好み40/50、演出12/15、脚本13/15、演技6/10、技術8/10、合計79/100→8/10点 [地上波(吹替)] 8点(2013-05-15 23:52:56) |
83. スラムドッグ$ミリオネア
スラムでの壮絶な人生をなぞるかのようなクイズの問題。冷静に考えればそんなうまく問題が出てくるのか?と思わないでもないが、そんなご都合主義をも吹き飛ばすかのような勢いがある。世界中でブームとなった番組フォーマットを上手に使い、過去の体験だけでなく現在進行形の純愛まで絡め素晴らしい作品に仕上がっている。3つのライフラインのうち2つは序盤で軽く扱われていたので忘れていたが、残った「テレフォン」が最後に実にいい仕事をしており、つながった瞬間、思わずこぶしを握り締め目に涙が滲んでしまった。インド映画の実力を実感させる作品であった(あれ?イギリス映画だっけ)。好み45/50、演出13/15、脚本14/15、演技7/10、技術9/10、合計88/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-15 23:51:22) |
84. ゲーム・プラン
ストーリー自体は過去に何度も作られている父子関係の再構築ものであり、目新しさは何もない。しかし、よくできたユーモアをアメリカ人の大好きなアメフトに絡めながら上手に作ってあるコメディーだ。気軽に観ることのできる佳作である。冒頭で、ワイドオープンに関わらず無視されたレシーバーに最後の試合で決勝パスを送るなど、伏線の回収もソツがない。本作品でただ一人幸せになれなかった(思い通り行かなかった)代理人のオバサンが、些細なことにも金の渦巻くNFLを象徴していて滑稽さが際立っていて面白かった。好み35/50、演出11/15、脚本10/15、演技7/10、技術8/10、合計71/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-15 23:47:26) |
85. ターミネーター2/特別編
よく出来ている大作である。前作からの流れを見事に受け継ぎ、スケールアップし、矛盾や破綻のないストーリーでVFX技術を巧みに用い、あるはずのないT-800との心の交流まで描いてみせる。僕の減点法の評価では減点要素が見つからず、ほぼ満点にせざるを得ない。タイムマシンものにありがちな荒唐無稽さがなく、上手に作ればこれだけ上質なSFが作れるというBTTFと双璧をなす好例だ。本作があまりにも完璧すぎて、gdgdとの評判も聞かれる続編を観る気にさせないところが欠点か(笑)好み45/50、演出15/15、脚本15/15、演技9/10、技術10/10、合計94/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-15 23:45:56) |
86. マディソン郡の橋
《ネタバレ》 大筋だけ観れば不倫の話ということで賛否が分かれるのは十分理解できるが、それを差し引いても、素晴らしい映画と言える。それはなんといってもフランチェスカを演じたメリル・ストリープの名演に尽きるだろう。ふと感じる日常への疑問、ロバートとの出会いによる心境の変化、不安、喜び、逡巡、そして悲しみが表情、しぐさ、台詞により時にダイレクトに時に間接的に観る者の心情を揺さぶる。単純なストーリーを名画たらしめているのは彼女の演技ゆえだと断言できる。雨に濡れるロバートの姿を見つけ今にも車を飛び出そうかとノブを掴む手の動き、何度観てもこのシーンで号泣してしまうのだ。また、フランチェスカの遺品(=ロバートの遺品)など小道具にも配慮が行き届いていて好感が持てる。これら思い出の品に気を使いしっかり観せることによって、二人の4日間が本当に永遠のものであったことが無理なく表現できているのである。好み50/50、演出14/15、脚本12/15、演技10/10、技術9/10、合計95/100→10/10点 [DVD(字幕)] 10点(2013-05-15 23:44:33) |
87. 人生の特等席
《ネタバレ》 こういうわだかまりのあった親子が絆を取り戻していくドラマに弱いんだよね。でもクリント・イーストウッドではすでに父親じゃなくて祖父の歳だよ。感じの悪いボーをガスが選ぶことはないだろうと思ってたがドラフトでは結局GMの判断でボーを獲得してしまい、どうオチをつけるのかなと思って観ていたが、ミッキーがモーテルの表で無名の新人をあっさり見つけてしまうのは唐突過ぎでご都合主義だ。しかしながらそれ以外は、いいストーリーだったしガスもミッキーも逆転で名誉を回復する大団円で、鑑賞後はいい気分で帰ることができた。クリント・イーストウッドが大好きだからあえて言うのだが、このひとは監督せずに俳優に徹した方がいいよね。好み45/50、演出13/15、脚本9/15、演技9/10、技術7/10、合計83/100→8/10点 [映画館(字幕)] 8点(2012-12-13 22:46:36) |
88. マーシャルの奇跡
《ネタバレ》 ほぼ全滅してしまったチームの再建に意気込む人たちと、大事な人を失い悲しみから立ち直れない人たちの姿が対比的に描かれており、ただの感動ものとは一線を画する。関係者の尽力によりチームは再建され、勝利も獲得するが、それだけですべての人が救われ悲しみが癒されるわけではないということを感じさせる深い映画だった。結局、遺族たちが立ち直っていく描写は明確になされていないが、悲しみに立ち止まっているだけではない姿に観てる側も励まされる。好み40/50、演出13/15、脚本13/15、演技6/10、技術7/10、合計79/100→8/10点 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-13 22:00:08) |
89. リプレイスメント
《ネタバレ》 ひと癖もふた癖もあるメンバーがストで出場拒否してる選手たちに替わってNFLの舞台に立つ。最初はまとまりのないチームだが、馬鹿にされてるうちにその反発心からまとまりを増していくさまは違和感なく、勝利を重ねていく姿にも不自然さはない。最近、浮浪者のような姿の写真がよく撮られているがキアヌ・リーブスのかっこよさを改めて感じられるし、シーン・ハックマンは渋いし、チアのブルック・ラントンはキュートだし、想像以上にいい映画だった。素材がアメフトということで観る人を選ぶけどね。好み45/50、演出13/15、脚本12/15、演技9/10、技術7/10、合計86/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2012-11-21 23:14:32) |
90. エクスペンダブルズ2
映画の出来を云々言うのはナンセンスである。まさにこの顔ぶれをノリに任せて気楽に鑑賞するのが正しい観方であろう。相変わらずカメオ出演が豪華であり、チャック・ノリス・ファクトが本人の口から聞けたり、シュワちゃんが溶鉱炉で溶かすぞと脅されたりと、見てるだけでニヤリとしてくる。それぞれの登場のしかたが何の脈絡もなくても全く気にならない。それどころかその唐突さが逆にこの映画らしく割り切れてて好感が持てる。ストーリーなどは前作よりも分かりやすく、展開にも無理が少ない。続編もあるようだが、この路線を何のためらいもなく突っ走って欲しい。好み40/50、演出8/15、脚本7/15、演技6/10、技術6/10、合計67/100→7/10点 [映画館(字幕)] 7点(2012-11-21 23:13:09) |
91. トップガン
私が戦闘機好きになる大きなきっかけといえる作品。トムキャットがかっこいいし、久しぶりに観直して見るとトムクルーズが若くて爽やかでカッコいい!四の五の言わずこのこれらのかっこよさに身を任せてノリで鑑賞したい1本だ。多くのヒット曲をミュージックビデオのように使ったりと、その後の映画製作に与えた影響も大きいだろう。好み45/50、演出13/15、脚本8/15、演技6/10、技術10/10、合計82/100→8/10点 [DVD(吹替)] 8点(2012-11-21 23:11:14) |
92. 長い灰色の線
50年もの長きにわたり士官学校に尽くし教え子に慕われたマーティー・マーの自伝的映画。さすが士官学校(=米国陸軍)の生き字引だけあって、著名な軍人の名が出てくるし二度にわたる大戦などがストーリーに絡んでくる。最後の美しい分列行進はマーティの人柄を偲ばせジーンと来る。教え子に慕われるだけの理由があったのだろうが、劇中における説得力のある描写が少し不足気味だ。著名な教え子たちとの交流のエピソードがもう少しあると良かったと思う。私がこの作品を鑑賞したのは、アメフト史上、フォワードパスが戦略として始めて登場した歴史的なノートルダムとの試合が描かれているとの情報を得てレンタルしてみたのだが、その描写も驚くほどあっさりと描かれていてその点も少し残念だった。好み25/50、演出12/15、脚本9/15、演技9/10、技術7/10、合計62/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-21 23:10:23) |
93. プレシャス
ハーレムでの虐げられた暮らし、希望を失いがちな過酷な環境にあって将来に希望を失わず教育を受けようとするプレシャスの姿には心を痛めながらも応援せずにはいられない。また、それを受け止めてくれるいい教師に出会えたことは彼女にとって大きな僥倖だった。最終的にその生活環境が大きく改善されるわけではないにしても、彼女の前向きな強さがあれば一歩一歩ゆっくりと歩いていけるのだと思わせてくれるあったかい映画だった。余談ではあるがマライア・キャリーが結構重要な役で出ていたのはクレジット見るまで気づかなかったよ。好み30/50、演出11/15、脚本9/15、演技8/10、技術6/10、合計64/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-21 23:09:22) |
94. インヴィンシブル/栄光へのタッチダウン
70年代のフィラデルフィアといえば「ロッキー」しか頭に浮かばないロッキーファンの筆者にとって、この映画でロッキーのアパート風の建物が出てくる時点で条件反射で目に涙が浮かんできます。映画観ててもロッキーのことがちらついて頭から離れません(笑)。ヴィンスのポジションが劇中で明確に示されてませんが、主にスペシャルチームでリターナーへのタックルを求められていたようです。アメリカ人には特に説明は不要なのかもしれませんがこういった分かりにくさが日本未公開の理由かもしれません。最終的には好プレーでチームに貢献する結末は予想通りですが、元妻から愛想をつかされていく描写や、相手にされてなかったチーム内で信頼を獲得していく描写がもっとあれば、より良いドラマになったような気がします。好み35/50、演出8/15、脚本10/15、演技8/10、技術7/10、合計68/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2012-11-21 23:07:00) |
95. マダガスカル3
美しいアニメーションとテンポの良い展開で安心の子供向け作品だ。フランス系カナダ人が動物のいないサーカスをヒットさせていることなどにチクリと皮肉ったり子どもには分からないような笑いも盛り込まれており、大人が見ても楽しめる内容でもある。それにしても相変わらずペンギンズがかっこよくて面白い。ペンギンズ主役のスピンオフアニメが作られているのも良く分かる。この作品を見てますますペンギンズファンになってしまったよ。好み30/50、演出12/15、脚本10/15、演技7/10、技術9/10、合計68/100→7/10点 [映画館(吹替)] 7点(2012-08-19 23:56:29) |
96. アポロ13
月探査も2,3回目となると民衆の興味も薄れていくだろうが、皮肉にも深刻な事故を起こしたことにより再び全世界の耳目が集まることとなる。そのなか、次々と起こるトラブルに敢然と立ち向かっていくパイロットたちと地上スタッフのさまは、はらはらどきどきしながらも感動さえ覚える。このような巨大プロジェクトというのは目立つ人たちだけでなく、縁の下の力持ちも含めて表に出ない多くの人たちが必要不可欠に関わってるんだなと実感させる。好み40/50、演出13/15、脚本14/15、演技7/10、技術9/10、合計83/100→8/10点 [DVD(字幕)] 8点(2012-08-19 23:54:09) |
97. ゴッドファーザー
ゴッドファーザーの存在感の大きさが画面を通してひしひしと伝わってくる。それは老い衰えたあとも変わることはない。また、最初甘やかされた末っ子というイメージだったマイケルが裏の世界に足を踏み入れて以降の変化、つまり態度だけでなく顔つきや目つきの変化が際立っており、ある意味恐ろしくさえ感じた。名優たちの迫力の演技を楽しめる映画である反面、ストーリー展開は冗長な感が否めなかった。好み30/50、演出11/15、脚本9/15、演技9/10、技術8/10、合計67/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-19 23:51:30) |
98. ブロークバック・マウンテン
《ネタバレ》 同性愛に免疫のない筆者にはどう咀嚼しどう理解すればいいのか戸惑うところが大きかった。ただの男同士の恋愛と捉えるのではなく、世間からは理解されない境遇のカップルの純愛ものとしてみることが出来ればなんとなく腑に落ちる気がした。美しい自然の中で逢瀬を重ねる二人だが、周りの人たちがかわいそうで仕方なかった。アルマもとうぜんだが、ラリーンもおそらくは二人の関係に気づいていて心を痛めていたのだろう。(←明確には描かれなかったが) 保守的な地域では男二人で暮らすことなど不可能であったのだろうが、ジャックが死んで初めて20年越しで一緒になれたときの心情を思うと、本当の愛情を抱いていたのだなあと痛感する。好み25/50、演出12/15、脚本9/15、演技8/10、技術9/10、合計63/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-19 23:48:40) |
99. リンカーン弁護士
《ネタバレ》 高級車を乗り回し、その中をオフィスにしているという破天荒な弁護士を想像させるが、その設定は映画ではあまり強調されず、いたってまともな敏腕弁護士像が描かれる。しかし小説が原作という脚本はよく練られており裁判の最後の最後までどう決着が付けられるのか予断を許さない。主人公に自分が真犯人だと示唆する依頼人だが、日本では馴染みのない「秘匿特権」(観賞後急いでググったw)に縛られて依頼人に不利な弁護をする事の出来ない主人公のジレンマが法廷での緊迫したやりとりと共にテンポよく描かれる。事前に打っておいた布石がピタリとはまった法廷での結末は、主人公と同じジレンマにイライラしていた視聴者をスカッと爽快にさせること間違いない。好み40/50、演出13/15、脚本14/15、演技7/10、技術7/10、合計81/100→8/10点 [映画館(字幕)] 8点(2012-07-17 22:24:32) |
100. タイタニック(1997)
《ネタバレ》 大作であり良作には違いない。その割りに主演の二人の演技が印象に残らない。それだけが残念だ。二人ともいまはいい役者になっているので当時はまだは発展途上だったのだろう。逆に100歳を超えた方のローズ役のお婆さんはいい表情をしていた。もっと観たいと思わせる目をしていた。ジャックとの約束をたがえず残りの人生を全うした年老いたローズがいたからこそ、タイタニック号沈没の悲惨さ、虚無感、知られることのなかった2人の一瞬の邂逅が際立ったのだと断言できる。本作で一番大好きなシーンは、舳先で腕を広げる場面でもジャックが沈んでいく場面でもなく、実は年老いたローズが最後にダイヤを海に投げ入れるシーンなのである。本当に女は海のように深い秘密を秘めているのだ。好み45/50、演出15/15、脚本11/15、演技6/10、技術9/10、合計86/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2012-07-11 22:34:40) |