161. アウトロー(2012)
《ネタバレ》 原題と邦題が気になる方が多いようですが、これ小説の「ジャックリーチャー」シリーズ第9作の映画化なんです。 で、小説の第9作は向こうのタイトルは「One Shot」なんですが、小説の邦題が「アウトロー」なんですよ。 という事で、すでに出版されている原作小説の邦題タイトルにあわせて映画も「アウトロー」。 …という経緯を知らないと「なぜアウトローなんだよ」という疑問が出るのは当然かもしれません。 なぜ第9作から映画化したんだよ…と思っちゃうわけですが、当然のようにジャックリーチャー本人の説明が薄く「何を考えて何を行動指針としてるのかわからない」結構謎なキャラになってしまっています。 まぁ主人公については「よくわからないけどありがちなスーパーキャラ」と認識して観ていればなんとかなるのでこれでいいような気も。 ラストも「ジャックリーチャーシリーズ」としてこれから映画作っていきますよ!という匂わせがすごいですし。 で、映画本編、前半は面白かったです。 特に狙撃のシーンね。 いまだにタワーからの無差別乱射事件みたいな報道がちょいちょい聞こえてくるアメリカですので、日本人が観ても「あぁアメリカの乱射事件だな」と想像上のリアリティを感じてしまう。 で、ヒロインが被害者にも接触する事を指示されて、それが実は「被害者側に秘密があるぞ」という意味だった…みたいな流れも面白いんですが…結局最後はただの撃ち合いですべて解決。 黒幕にはびっくり。囚人人間?いやおまえ誰だよ!トムクルーズの疑問は観客全部の疑問だよ!しかもその回答は無し!ある意味すごい! というか途中にあった風呂場のバッドとバールのシーンは、あれは面白いと思って撮ってるの?映画の雰囲気とあってる? 結局のところ良くも悪くもアメリカ的なトムクルーズ的な映画…という感じの映画でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-04 14:59:15)(良:1票) |
162. 悪魔の毒々パーティー
「悪魔の毒々モンスター」以来量産されている邦題「悪魔の毒々なんちゃら」の一つなわけですが。どれがどれだかわからない上に安直なタイトルだけで見る気がなくなるので邦題はもうちょっとなんとかした方がよかったんじゃないでしょうか。 原題のままのパーティオブザデッドでいいんじゃないかと思いますが、なんとかオブザデッドも多すぎますよね… 映画に限らずたとえば漫画でも「ハイスクールオブザデッド」とか「学校ぐらし」とかとにかく「青春」と「ゾンビ」の相性のよさは抜群。 当然作品も沢山あるわけで、これもいくつも作られている青春ゾンビ映画の一つです。 コメディ部分やキャラ設定は典型的アメリカB級物のそれで日本人的にはちょっと受け入れづらいわざとらしさが多いのが難点。 同じような青春ゾンビ映画としては「ゾンビワールドへようこそ」という良作があるわけですが、この映画は残念ながらそれの全面的下位互換。 あちらを7点にしてるのでこちらは2点マイナスで5点というところでしょうか。 映画の出来としてはそれくらいの差があるかな、と思います。 ヒロインの一人チアの子はまぁまぁ可愛くてそこは高評価。 [インターネット(吹替)] 5点(2020-06-02 20:10:40) |
163. マーキュリー・ライジング
《ネタバレ》 この映画が必要以上に?評価が低いのは「サバン症の子供に国家機密の暗号を破られた、さぁどうする?」で観客をワクワクさせといてから「いきなり殺す」という「それ絶対に何の解決にもなってないから」という展開になってガッカリさせる事が理由だと思うんですよ。 誰が考えても「一人が解けたんなら別の誰かが解けてもおかしくない」のはわかるわけで、殺しても何の解決にもならない。にもかかわらずいきなり殺しにかかるという…それだけは違うだろ、なんの解決にもならないだろ、と。 面白そうな前フリで期待値をあげてから「コレジャナイ」展開になるので裏切られた気分が強くなって必要以上に評価を下げてるんだと思います。 [地上波(吹替)] 4点(2020-06-02 14:30:09) |
164. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 多くの方が書かれているように、冒頭の逃亡シーンはものすごく面白いです。 単純なカーチェイスではないいままでの映画にないパターンで引き込まれます。 なるほど、これは評判通りおもしろそうだ…と思わせるわけですが、そこから強盗までの交流シーンがまずダラダラしてて長い。 で、強盗シーンになるわけですが、そこからは「スタッフが総交代したの?」とばかりの怒涛の残虐シーンでほとんどホラー映画。 (人間のかぶりものして無言で追い詰めていくとか怖すぎるでしょ) そして最後も、結局やった事といえばあのヒロインと子供の生活を守っただけで彼は去っていく…と、そこで僕は気づきました。 …あ、これ「シェーン」じゃん! 実はこの映画、ほとんど「シェーン」です。 違うのは主人公がサイコでいかれてて何を考えてるかわかんなくて不気味な事くらい… って、え、それ面白いの…?? とりまヒロインのちょうどいい可愛さはグッド。可愛すぎないのがいい。 あと欧州監督特有の「これおしゃれだろ」的な雰囲気は(音楽含め)、個人的には微妙でした。 冒頭の逃亡シーンの延長で本編が描かれていればものすごく面白かったんだろうな、とちょっと残念な映画です。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-01 18:01:05) |
165. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 狼よさらば(デスウイッシュ)以来伝統のビジランテ物なわけですが、このラストは確かに賛否両論あるだろうな、と思います。 多くの観客が感覚的にこうあってほしい…と思うオチなわけですが、しかしあの刑事本人が言ってるように法の番人は法の番人だから殺人が許されるんであって、一般人のリンチ許したらそれはもうダメだろ、とも(理性では)思うわけで。 でも本当に人間的な個人の感覚では、愛する人も自分も死ぬまで不当な暴行を加えられたら、そりゃ機会があれば復讐しますよね…理屈じゃなく。 で、それを見守る側も、法の番人の前に人間であれば許すかもしれません。 人間だもの 私の個人的な感覚では、ああいう目にあったら絶対許しません。殺します。絶対。当然です。聖人じゃないので。 ちなみにそうなったとき復讐の連鎖になるのも、映画や実社会でよくある話。 結局、人間って本質的にはそういうものなわけで、だから法があって法の番人がいるわけですけど、でもそれに納得できない被害者感情は…でこのテーマは無限ループになるしかないのです。 [地上波(吹替)] 7点(2020-06-01 15:40:52) |
166. アップグレード
《ネタバレ》 評判がよく尺も短かったのでジャンルすら見ずに鑑賞 先に結論をシンプルに書くと設定やシナリオに穴が多くていいとこ6点。 以下、観てる途中に思った事を箇条書きで。 〇ありがちな復讐劇のバリエーション…と思いきやこれもありがちなAI反逆物のバリエーション。違うのはAI側勝利ってとこですかね。 〇主人公が保守的で頑固で性格も悪い、そのくせあまちゃんという事で好感度が大変低い。主人公に感情移入できないのは致命的。 〇つかそもそもこの主人公が対象に選ばれた理由がほとんどない。あの理由ならほとんど誰でもいいわけで、もっと自由になる人いくらでもいたでしょ。 〇ステムが万能すぎる。てかステムがフィクサーなら手下のはずの天才科学者にシャットダウン権限があったりするのおかしいでしょ。 〇そもそもシャットダウンできるなら天才科学者が言いなりのわけながなくこの話自体成立しない。とにかく設定アラだらけで矛盾バリバリ。 〇デジタル機器のシャットダウンがあんなアナログにゆっくり起きるわけがない。操作されてるときのわざとらしい動き等も含めて映画的な誇張が鼻につく。 〇ナノマシンで殺されるバーの親父、最近のコロナの飛沫感染を思わせます。 〇嫁役の女優がアンハサウィに似てます。 そんなとこですかね。まぁツッコミながら観てると退屈はしません。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-30 14:41:30) |
167. ライト/オフ
《ネタバレ》 冒頭の父親が殺されるまでのシーケンスがべらぼうに怖い。 暗いところに得体のしれない何かがいる、というシンプルな怖さ。 人間が本能的に持ってる根源的な部分にグイグイくる怖さ。 これは久々にヒットなホラーか?と思って観ていると、あれあれ?どんどん陳腐になっていきます。 で結局はなんか普通のそういう系ホラーになって終了。 竜頭蛇尾という言葉がこれほど似合う映画もありません。 つかダイアナのキャラ設定かなりめちゃくちゃ。 なんでもできそうなくせに意外と出来ない事が多かったり。 灯りがつくものがあったりなかったり。 もうどうなのよ、これ。 調べたら、これもともと3分くらいの短編映画が大きな話題になり、それを長編化したのが本作品。 で、この映画で特に優れた冒頭部がその短編映画のシーケンスわりとそのままだそうで… そりゃそっから先は後からくっつけた長編部分だもの、設定甘くて尻すぼみするのも当然ですわな。 元がワンアイディアの短編映画ですから、長編化にはやっぱ無理があったって事でしょう。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-28 09:18:15) |
168. 名探偵ピカチュウ
《ネタバレ》 序盤から、これピカチュウの中身が実はお父さんってパターンだな(理屈はわかんないけど)とか、どう考えてもラスボスはビルナイだな、とか容易に想像がついてしまうわけですが、それは逆に、定番を外さない作りになってる、という事でもあるわけで、安心して観られる作品になっていると思います。 つか、ピカチュウの中身がお父さんとずっと予想してたにも関わらず、ライアンが顔出ししたときに「あ、ライアンレイノルズって声だけじゃなく顔出しもするんだ」と間抜けにも思ってしまったのは内緒です。そりゃそうに決まってるよ! 内容や観せ方だけを見ると最近のハリウッド娯楽映画の中ではごくごく普通で特に褒める要素はないのですが、この映画の価値はポケモンにどれだけ思い入れがあるか?その一点にかかっていると言っても過言ではありません。 特に思い入れがなければ6点くらいの普通の娯楽映画で、あとはポケモン加算がどれだけあるか…でしょう。 だから人によっては9点10点あっても全然おかしくない映画だと思いますし、それこそがキャラクタ映画の価値だと思います。 あと、ケンワタナベ、いてもいなくてもいい完全にどうでもいいキャラにしか思えないんですが、あの役の存在意義が僕には全然わかりません。 [地上波(吹替)] 6点(2020-05-23 20:19:15) |
169. ランボー/怒りの脱出
1作目からキャラだけ借りて全くの別物のアクション馬鹿映画となっているわけなんですが、一般に認識されている「ランボー」のイメージは実はこの第2作以降のものです。 そう考えればこのシリーズをヒットさせてランボーというキャラを確立させた功績はこの映画にあると言って間違いありません。 グレムリン2で「んーランボー!」と言いながらモグアイが真似をするのも明らかにこの2作目のランボーですし。 さて、そのようなパターンは実はわりと沢山あって、わかりやすいのがエイリアン。 宇宙船だのエイリアンだのいうギミックを外してみれば実は地味なソリッドシチュエーション密室ホラーである「エイリアン」を、派手なドンパチアクション馬鹿映画にしたのが「エイリアン2」 ターミネーターなんかも似たパターンで(まぁターミネーターはまだ1作目の要素を残していますが)、2作目で派手なアクション映画に変身させて成功した映画というのは実は沢山あるわけです。 まぁ2作目というのは1作目を超える必要があるわけで、そうするとどうしても派手めにするのはしょうがないわけですが、そういう作品の嚆矢となって成功した作品ってなんだろう…と考えると、実はこのランボー2なんではないか、と思うわけです。 それまではレイダース→魔宮の伝説のように、1作目の路線をきっちり継承して続編を作るのが普通でしたから(代表的なのは007シリーズでしょうか)、まるっきり路線を変えて成功させたというこのランボー2というのはもっと評価されてもいいんじゃないでしょうか? いや、僕が適当な事を書いてるだけかもしれませんが笑 [地上波(吹替)] 6点(2020-05-23 13:23:03)(良:1票) |
170. ギャングバスターズ
誰にでも楽しめる(そしてほろりとさせる)素晴らしい娯楽映画。傑作に近い佳作。 いい意味で「しょせんB級娯楽映画(最高)」 この監督について調べてもわからなかったんですが、タランティーノの弟子かなんかですかね? ゾーイベルも出てるし、タランティーノの映画にロドリゲス要素を入加えて、さらにコミック風にして今風にした感じの映画です(長いよ)。 悪党だけどとことん悪い奴じゃないって連中の人情風味を入れたアクション物ってわりとありますが、この映画はそれらの中でも最上級に位置づけできる映画になっていると思います。 おっかっけてくる連中のアホっぽさ、コミックっぽさといったらもうね。 娯楽作というのはこれくらい振り切れた方が面白いだろ、と言わんばかりです。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-22 17:09:25) |
171. 喰らう家
《ネタバレ》 原題は「We Are Still Here」なのに邦題は「喰らう家」 こんな邦題じゃ普通観る気になりません。パッケージデザインもセンスないし。なにがグゲゲゲだよ…日本の配給会社酷いよ。 さて、ストーリーや設定にツッコミどころが多く、例えばクライマックスで街の人がわざわざ危ない家の中に入ってきて自爆するのはどうなんだ?とか、呼ばれた友人一家(何も悪くない)の巻き込まれ感がひどいとか、ダグマー一家と悪霊とやらはどういう関係性なんだ?主体はどっちなんだ?とか、まぁとにかくツッコミはじめたらきりがなく、そして邦題は事故レベルの悲惨さではあるものの、しかし映画の出来はよくかなり面白いホラー映画でした。 映像が古く感じたのですが、これは1979年という舞台設定でその頃の雰囲気(その頃製作された映画の雰囲気含め)を意識したものだと思われ、そういうセンスはなかなかよかったと思います。 ホラー好きなら邦題にめげずに観ても損はないかと。 血しぶきはまぁまぁ飛びます。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-21 14:04:00) |
172. コロンビアーナ
なんだかんだで3回くらい観た映画なんですが、まだレビューを書いてなかったので。 とはいえこの映画については「リュックベッソン製作脚本」ですべてが説明できてしまう…で片付いてしまう映画であって特に語る事がありません。(僕の小鳥は戻る?という比喩会話はちょっとよかったですが) まぁ語る事がないからこそレビューを書いてなかったわけですが、しかし最近「家族を殺された少女が暗殺者になって復讐する」B級映画(リュックベッソン製作じゃない)を観たのです。 いかにもリュックベッソンぽい設定のその映画はしかしクソつまんなかったんですよ。 こんなの誰が作っても同じだろう…と思うわけですが、リュックベッソンが絡んでないその映画はほんとに駄作でした。 リュックベッソンってすごいのかも…その映画を観たとき私はそう思ったのです。 [地上波(吹替)] 6点(2020-05-20 15:41:58) |
173. リカウント
いまだに記憶にある2000年アメリカ大統領選挙のフロリダでの再集計(リカウント)問題を映画化した実話物。 アメリカ大統領選挙の不思議なルールについては日本でも毎回ニュースで取り上げられるのでご存知の方も多いと思いますが、あんな変なルールだからこんな問題が起きちゃうんだよなぁ、と。 一般投票で負けた側が大統領になっちゃうわけですからね。 観てて思ったんですが、沢山の人が出てきてひたすら再集計問題と戦う、というこの映画の構成はほとんどシンゴジラといっしょです。 当然シンゴジラ同様、人間がどうこうというのは描かれてません。 そういう意図の映画じゃないから当たり前なんですが、しかし「映画にはヒューマンドラマが必要だ!」という人には向かないと思います。 何しろ大量に人が出てくる上にそのほとんどが数分のシーンがあるだけ。主要な数人以外は誰が誰かわからないのですから、人間ドラマも何もあったもんじゃありません。 それでもこの映画は緊張感があり面白いのです。 誰かの判断一つが違っただけで、今の世界の歴史はもしかしたら変わってたかもしれない…という内容なんですから面白くないわけがありません。 さて登場人物の多くは存命の実在の人物なんですが、中でもただの困ったちゃんと描かれてるキャサリンハリスなんかはこの映画での描かれ方、これでオッケーなんでしょうか? ヘタすると訴訟レベルのひどい描かれ方をしてるので多分オッケーなんでしょうけど…これでオッケーとはある意味すごい人だな、と思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-19 18:49:27) |
174. エージェント・ウルトラ
《ネタバレ》 タイトルとジャケ写それに簡単なあらすじを読むと、よくある「冴えない男が実はスーパーエージェントで…」という感じのB級コメディを想像させるわけですが、全然そんな内容じゃありませんでした。 そもそもなんでR15なの?やっぱ裸とかあるから?と観る前に思ったわけですが、観たら一目瞭然。 血しぶきが飛び散るからのR15です。殺し方容赦ない…てか裸とかエロ要素は0ですよゼロ。ナッシング! さらにコメディ要素もゼロ。え、これジャンルにコメディとか書いてなかった?? とにかくただ田舎の街で不合理な殺し合いするだけの映画です。 なんだよこの映画?タイトル詐欺じゃねーか! しかもヒロインがぱっとしないしエンディングまでセンスなし 少なくとも僕には褒めるポイントみつからない映画でした。 [インターネット(字幕)] 3点(2020-05-18 23:15:11) |
175. リンカーン弁護士
面白い! 法廷物は潜水艦映画と並んでハズレが少ないジャンルだと思いますが、この映画もその期待を裏切りません。 というかこれ、法廷物というよりヒーロー物に近いです。 金になる事件を探してリンカーンで裁判所を回る怪しい弁護士。汚い事もやるし金にもうるさい。 刑事にも嫌われてる。 乗ってるリンカーンのナンバーはNTGUILTY。 しかしほんとの悪は絶対許さない。 ってな感じで、この映画の構図は法廷を舞台にしたダークヒーロー物のそれです。 マシュマコノヒーは非常にハマってます。 シナリオの細かい伏線と回収は精緻だし、いやな奴はちゃんと負ける。 だから観た後に爽快感がある。 これぞ正しくヒーロー物です。 そしてこういう映画にかかせない小粋なパートナー。この映画では運転手ですな、彼がいい味だしてます。 変な前知識をもたずに観ていただけると吉です。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-05-17 14:19:24)(良:1票) |
176. マッド・ナース
原題にあるとおり、これ3D映画なんですよね。 ピラニア3Dとかもそうですが、エログロ系は相性いいんでしょうか? で、映画の内容は終始無茶苦茶。特にクライマックスはもう何がなんだか…だし、オチも無理あるけど、でもまぁここまで無茶苦茶だと逆にいさぎいいっていう。 主人公役、完全に男顔で美人でもなく顔は全くそそらないわけですが、体はすごいです、ええ。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-16 17:14:18) |
177. ミリオンダラー・ベイビー
ヒラリースワンクが自身の代表作「ザコア」の次に選んだ映画がこれ。なんかものすごく役作りしてこの映画に挑んだんだとか。(←この文章の誤りを指摘してください【配点5点】) 孤独で癖のある2人が…という、毎度おなじみのイーストウッド節全開の映画。 たとえばこれと「グラントリノ」を観比べたときに、そのテイストが全く一緒なんですよね。 それはつまり監督の作家性がはっきりしていて安定感がある証拠でもあるわけで、同監督の映画が好きな人にはたまらないのかもしれません。 いい映画だとは思いますが、僕個人としてはこの彼流ヒューマンドラマにほとんど面白みを感じる事ができません。 何しろ主役2人の生活や感覚があまりに僕と違うんですよね。 それでヒューマンドラマと言われても「ヒューマン」として感じる基本的な部分が違うわけですからヒューマンドラマも何もあったもんじゃないわけです。 アメリカンな彼と日本人の自分ではやはり基本的な感性に違いがあるって事なんでしょうが、それこそがイーストウッドの作家性なわけですから、それはそれでいいんじゃないでしょうか。たまたま僕と相性が悪いだけです。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-15 22:43:07) |
178. ハッピー・デス・デイ
《ネタバレ》 この映画を観た直後に続編のハッピデスデイ2Uを観て、あまりの面白さに勢いで2のレビューを先に書いてしまい…なんとなくそこから逆に1のレビューは書きづらかったので放置していたのですが2を絶賛しているのに1のレビューを書いてないのもおかしいだろ、という事で再見してレビューを。 再見して思ったのは「話わかってても面白いな」という事。 ストーリーがわかった状態で観ても細かいところで新たな発見もあり、なかなか面白く観る事ができました。 これが出来の悪い映画だと1回目は勢いで「面白い」と思っても再見してみると「ん?」と思う事もあったりするんですが、この映画でそんな事がなかったのはおもしろい映画の証拠かな、と。 で、再見して思ったんですがこちらの1作目に関しては肝心の「そもそもなぜループするのか」という事についての理由付けを徹底して排除してるのがいいと思うんですよ。 そこに変な理由付けをしても、なんか安っぽくなってがっかりするのがほとんどなわけで、だったらもうそこについては一切スルー。 起きてる事はもうそういうものだと割り切ってストーリーを紡いでいくというのは手法としてありかな、と。 たとえば「僕だけがいない街」とかなんで戻るのか原理について語られてませんよね。 ただその能力が存在しますという前提だけで話を紡いでいきますが、もともとありえない仕様なんですから、それでいいんじゃないでしょうか。 (結果として話を作るために都合よく能力が発動してるんじゃね?と思ってしまうところもあるんですが) 「CUBE」なんかあの構造体はなんなんだよ、という事については一切語られませんが、でも面白いわけですし。 もちろん「その理由のディテールを面白く描いてストーリーに組み込めれば」それに越した事はないわけです。 たとえばバックトゥザフューチャーの「タイムマシンは原子力による膨大な電力で動いている→過去に戻って原子力機関を動かせない→さぁどうする?」なんかがその典型です。ストーリーの一つの軸になってますから。 ついでに言えば「タイムマシンがなぜデロリアン→かっこいいから」みたいな細かいネタも忘れないからあの映画は傑作なのですが。 しかし、それが語れない(あるいは語る必要がない)のであれば、もうそこは「そういうものだ」と割り切ってしまうのも一つの手です。 この映画はそれで成功してると思うんですよね。 さらにこの映画が成功しているのはキャラ造形が魅力的な事。 (さんざん言われてる事ですが)ビッチな主人公をいつのまにか応援してしまうっていうのは映画の出来がいいからこそです。 多くの映画で「主人公が魅力ない映画が面白いわけがない」という経験をしているだけに、その真逆、ビッチな主人公をいつのまにか応援してしまうこの映画が面白いのはある意味当然だと思います。 で、この映画について言いたい事がひとつあるとすれば。 「この映画がちょっとでも面白いと思ったら(あまり間をあけずに)続編も観てね」 これにつきます、はい。 [インターネット(吹替)] 8点(2020-05-14 22:16:30)(良:2票) |
179. ローン・サバイバー
ブラックホークダウンの系譜につらなる実話系戦争映画。いや戦闘映画か。 とにかく映画からの圧が強すぎて呼吸困難になりそう。 比較的最近の事件で関係者はほぼ存命、主人公である当人の手記を元にしてるだけに、内容的にはちょっと大げさなだけのドキュメンタリー映画。 映画的な細かいツッコミとかはもう野暮でしょう。 中盤以降終始圧倒されるシーンが続くだけの圧の強い映画です。 このあと、同じ監督、同じ主演でパトリオットデイ、バーニングオーシャンと実話系映画が作られていくわけですが、出来でいえばローンサバイバーには及んでないのは(事件の規模からして)しょうがないのかもしれません。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-05-12 17:13:26) |
180. マリアンヌ
《ネタバレ》 非常にシンプルで観ている側がそうなるんだろうなと予想する通りのラストを迎える予定調和なストーリー。 観終えた後に思ったんですが、これ監督の手腕でどうにでもなる映画だと思うんです。 例えばもっと感傷的な撮り方をすれば「号泣必須のラブストーリー」になるわけですが、一方で「感動の押し付け」「安っぽい映画」という批判も受けたんじゃないかな、と。 で、ゼメキスは、この話を割と冷めた視点で淡々と撮ったわけです。 そうすると全体に風格みたいな物も出るし、感動の押し付けにならないのはいいんですが、一方であまり感情移入せず客観的に映画を観ていた客は「あぁやっぱそうなるよね」と淡々と思うだけになる。 冒頭古い車が走ってくるシーンで何の説明もなく年代をわからせ、劇中さりげないセリフでここがカサブランカだとわからせ…という見せかたは非常にうまいと思いましたが、そういう小粋さを重視するあまり感動的な要素が薄まってしまったんじゃないか、と。 なかなか難しい匙加減だと思いますが、映画には見栄というか外連味がやっぱ必要だと思うので、この映画に関してはもうちょっと大げさに感動的に撮った方が面白かったんじゃないかな、と思います。それこそBTTFのように。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-11 09:02:00)(良:1票) |