1. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
結局、クレイグ・ボンドは全ての作品が繋がっているのですね。本作鑑賞前にできればカジノロワイヤルから、せめてスカイフォールからの予習は必須です。さて本作、クレイグの集大成で気合入ってます。ストーリー・演出・アクションとほぼ文句なしで大満足。一時期ボンドがスーパーすぎてファンタジー映画か!というようなこともありましたが、クレイグの人間臭いボンド、素直に素敵でかっこよかった。お疲れさまでした。惜しみなく拍手を送らせていただきます。 [映画館(字幕)] 9点(2021-10-05 20:49:00)(良:1票) |
2. プロミシング・ヤング・ウーマン
《ネタバレ》 何の予備知識もなく鑑賞。まさかのリベンジもの。もう少し前向きな明るい映画かと思っていた。全体の流れはまずまず。ただ、すぐ復讐に入らずに何年も放置していたのは何故?とか男誘って制裁って云ってるけど、男に実害ないし普通逆切れで襲われるだろ、とか気になる点もちらほら。演出面に残念な点が多く、特に親友の映像を出さない意図が解らない。事件のシーンを描く必要はないが、仲の良かった姿を描けばもっとがっつり感情移入できたと思う。なかなかの脚本と秀逸な演技を演出面が足を引っ張ったやや残念な作品。 [映画館(字幕)] 6点(2021-08-17 19:55:12) |
3. ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
《ネタバレ》 重厚感と緊張感のハンパない久々に観応えのある秀作。スピルバーグの演出は解りやすい上に説得力があり、最早云うことはない。更にストリープ・ハンクスの演技、美術、音楽等全てが高いレベルで維持されている。国と新聞社の表現の自由をめぐる抗争を軸に、仕事へのプライド・家族愛などを絡めたかなりの感動作。ちなみにここまでアカデミー作品賞候補作4作を観たが、この作品がダントツである。 [映画館(字幕)] 8点(2018-04-01 22:54:17)(良:1票) |
4. スリー・ビルボード
《ネタバレ》 先の読めない全編にわたる緊張感の維持は称賛もの。俳優陣の演技も素晴らしく上質な作品に仕上がってる。一方、個々の人物の行動があまりにも過激で、やや現実感を失い興ざめ。放火・傷害何でもありでしかも全く捕まる気配もないって・・・この土地の警察はいったい何をやっているんだ。そりゃレイプ犯も捕まらないはずだよ。もう少し現実味のある範囲内での脚本であればさらに高得点だったのだが、やや惜しい。 [映画館(字幕)] 7点(2018-02-01 21:49:50) |
5. エイリアン:コヴェナント
《ネタバレ》 タイトルの出方といい想定外の未知の惑星着陸といい1stエイリアンを意識しているのは明白。この時点で点数はかなり甘めになる。エイリアンの世界が現在のビジュアルで描かれている時点でかなりの満足感。主人公の女性はタフさはないものの、知的な部分とかリプリーと重なり好印象。一方、最後のオチがあまりにもわかりやすいとか、エイリアンがアンドロイドによって創造されてたとかスケールが急速に小さくなってしまっていたり、欠点も多数。中でも未知の惑星に宇宙服も着ないで降り立つのはSF的に大減点。宇宙服を酸で溶かして侵入とかにした方がはるかにリアルで面白かったのに。あと、エイリアンがぴょんぴょん跳ね回るのも軽薄で好みではない。1stのようにじっくりじわじわ怖がらせてほしかった。もちろん腹を食い破って出てきたのがチェストバスターでなく小さなエイリアンだったのは大不満。あまつさえ両手を挙げて愛嬌振りまくなど以ての外! [映画館(字幕)] 7点(2017-11-18 18:24:08) |
6. ダンケルク(2017)
《ネタバレ》 まずはさすがにノーラン、全編にわたる緊張感と迫力はかなりのもの。その手腕で撤退戦全体を描けば壮大な映画になっていたと思うのだが、描かれるのはごくごく一部の人たちだけのなんともスケールの小さな映画。1週間・1日・1時間とストーリごとに時間を区切っているのも、ほぼ何の役にも立たず、むしろ全体が1時間程度の出来事かと錯覚してしまい、スケールの小ささを助長している。生に執着し自分勝手な行動をとる人々を描くのはとても人間臭くてよいのだが、最後の英雄表現との整合性がとれておらず違和感を感じる。思い返すと残念な点ばかりが目立つ、いろいろな演出がことごとく失敗に終わった作品。 [映画館(字幕)] 6点(2017-09-17 00:26:49) |
7. フューリー(2014)
《ネタバレ》 戦車映画をほとんど観たことのなかった身としてはなかなか迫力のある戦闘シーンが堪能できた。しかし、それよりも戦時下の人の心理について考えさせられた。配属された新兵は全く使えず、あまりのヘタレっぷりにイライラするが、人を殺せないというのは平時では当たり前のことであり、戦争は狂っていないととてもできない事だと改めて認識させられた。戦術が結構行き当たりばったりで、どこらへんが名指揮官なのかよく判らなかったり、十字路の重要性が充分に語られなかった為、最後の戦闘がただの無謀なものに思えたりと演出上の不備はあるものの、全体的には楽しめた。あれだけ味方を殺しまくった敵をドイツ兵が見逃すのはちょっと無理がある。 [映画館(字幕)] 7点(2014-12-28 22:27:20) |
8. インターステラー
《ネタバレ》 そこらへんのおちゃらけSFではなく、実に硬派なSF映画。会話の内容は所々理解できないし、一般人にはよく判らないのをいいことに(私だけ?)、ブラックホールとか5次元とかを都合よく使い過ぎの感はある。しかしながらこの映画は約3時間、あまりにも壮大な宇宙旅行へと連れて行ってくれた。相対性理論はよく判らなくても、有り余るリアリティでぐいぐいと映画の世界に引き込んでくれる。クリストファー・ノーランという監督、いったいどこまで行ってしまうのか。今後も期待せざるを得ない。余談ではあるが、最後のスペースコロニー、“おおっ、サイド3だっ”と思ったのは私だけか。 [映画館(字幕)] 8点(2014-12-23 20:17:17)(笑:1票) |
9. それでも夜は明ける
《ネタバレ》 奴隷税度という黒人に対するあまりにも理不尽な制度の悲惨さは理解できた。が、この制度に対する知識が全くない私がいけないのか、そんな時代に身分証明書を持たずに出掛けるってどうなの、とか、手紙1通で助かるならいくらでもやりようがあったんじゃない、とかどうにも感情移入ができない。期待していただけに、何とも平凡な出来にがっくし。史実だというので仕方のないことかもしれないが、もう少し演出や脚本で何とかしてほしかった。 [映画館(字幕)] 6点(2014-05-18 15:59:08) |
10. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 テーマパークのアトラクションとしては上々の出来。映像は美しく、3Dも適度。無重力感は充分に堪能できます。が、私は映画を観たかったのだ。行く先々で爆発や火事に遭遇し、何故かわからんがそれらを無事やり過ごし、あまつさえ簡単に大気圏突入して無事帰還する話。そこにはストーリーも感動も理由付けも何も無し。体験型の映像がとても良くできたので、それのみを前面に押し出したのだろうが、映画なんだからもうちょっとちゃんとしようよ。これ、お家のTVで2Dで観たとしたら、2点くらいしかあげられない。 [映画館(字幕)] 5点(2014-01-03 19:16:29) |
11. ビザンチウム
《ネタバレ》 なんたら帝国の何やら云う剣にそれほど意味がなかったり(要は首を落とせばいいのだろ)、あれほど娘に執着していた母親が男が出来たとたん解放してみたりと、ストーリーに整合性がとれない部分が目立つのが難点。また現在と出産前後の時代しか描かれないため、200年のスケールが感じられないのが残念ですかね。それでもこの監督の画質とバンパイヤの相性は良いらしく、独特のまがまがしい雰囲気にじっくり浸かることが出来たので、結構満足しました。 “招かれないと家に入れない”というバンパイヤの特質って有名な話ですか? [映画館(字幕)] 7点(2013-10-05 20:15:17) |
12. レ・ミゼラブル(2012)
《ネタバレ》 舞台やミュージカルを映画化する場合、絶対的条件となるのが映画ならではの良さが加わり、一部分でも元を超えていること。この作品を見た感想が“舞台を観たら感動するんだろうな”だった私にとって、これは1本の映画としてのレベルに達していない。さすがに楽曲はよい物が多かったが、よかったのはそれくらい。貧乏人の犯罪者上がりが唐突に富豪になっていたり、宿敵の警官がよく判らない理由で自殺してみたりと映画にすると目立つ粗になんのフォローもなく、延々映し出される顔のアップにも辟易。舞台を気に入っている人がその付属物として楽しめば価値があるかもしれないが、独立した作品としての評価は低い。 [映画館(字幕)] 5点(2013-01-06 17:10:02)(良:2票) |
13. 007/スカイフォール
《ネタバレ》 1本の映画ととしてはそれなりの質かもしれないが、007の映画としては残念感が残る。致命的なのがスケールの小ささ。これまで数多くの壮大な敵とやり合ってきたボンドだが、今回の敵はMの命を狙うだけの被害妄想元諜報員。しかも、結果だけ見れば任務失敗。ボンドガールにも華がなく、なんか全体的に地味。所々ににやりとさせられるシーンがちりばめられているものの、全体的評価を上げるまでには至らず。ボンドにはもっと大きな敵と知力・体力・運全てをフルに使って戦って欲しい。 [映画館(字幕)] 6点(2012-12-23 13:05:01)(良:2票) |
14. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 密度が濃すぎて説明不足の点がいくつか有ったり、黒幕の正体があまりにも唐突であったり難点はいくつか有るが、大きな期待を裏切ることのないあまりにも壮大な映画。平穏・昂揚・悲愴・壮絶・虚脱、そして・・・。バットマンという世界観の中、全てのキャラクターが見事に息づいている。ビギンズとのつながりを強くすることで、3部作としても壮大なドラマを創り上げている。3部作を通じ、最高の時間を堪能させていただいた。なお牢獄でのリーアム・ニーソンはジェダイマスター クワイ・ガンにしか見えなかった。。。 [映画館(字幕)] 9点(2012-08-04 21:52:43)(良:2票) |
15. ゴーストライター
重厚な作り、いい感じの独特な雰囲気。良い映画だとは思うのだが、それほどのめり込むことが出来なかった。前半のテンポがものすごくゆったりし過ぎていて疲れてしまったという事もあるが、最大の理由は、政治色の強い内容が自分に合わなかったということですね、きっと。合う人が観ればかなり面白い映画なんだと思う。この監督さんの他の映画をちょっと観てみたくなりました。政治っぽくない奴で。。。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-06 21:44:11) |
16. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 最近のアカデミー賞作品の中ではまぁまぁ良い方です。出演者の演技は素晴らしく、またクラッシックを基調とした音楽が醸し出す雰囲気も良。とり立てて悪いところも見当たらないのだが、際立って良いところもないという何とも普通の映画。“スピーチ下手の王様がスピーチ教師の下練習を重ね親交を深める”という規定の内容からほとんどはみ出ることがなく最後までストーリーが進行するため、意外性や感動を受けることも無く・・・。まぁ史実だからしょうがないんですかね。 [映画館(字幕)] 6点(2011-04-05 12:17:15) |
17. インセプション
《ネタバレ》 いや、面白かったですよ。ただ、やや説明不足の感は否めず、よくわからない部分がそこかしこにあり。また、せっかく夢の中なのにさほどはちゃめちゃな部分がない。夢の中ならではの無茶がもう少しあればもっと面白かったかな。それでも2時間半の長尺とは思えないほど夢中で観ることができたので、充分に評価できる作品です。こういうオリジナルな映画がもっと出てきてくれることを期待。 [映画館(字幕)] 8点(2010-08-18 18:50:35) |
18. グリーン・ゾーン
これが架空の戦争を描いたものであれば良い。膨大な調査の上築き上げた、真実の話というのであれば感嘆する。しかしこれはつい最近起きた戦争を背景にした架空の話である。話としては面白いかもしれないが、実際に命を懸けて戦ったアメリカの兵士の人々や未だ癒えぬ傷を抱えたまま生活しているイラクの人々に対しあまりにも無責任で無礼な話であると思う。どんなに面白い話であっても他者に敬意を払っていない映画は評価できない。増してや、それほど新鮮なストーリーでもないし。 [映画館(字幕)] 4点(2010-06-12 20:15:19) |
19. Dr.パルナサスの鏡
《ネタバレ》 久々にギリアムが爆発している映画だった。未来世紀ブラジルを初めて観た時の感覚に似ている。この映画は観る人によって極端に評価が分かれるでしょう。そういう私は微妙な点数・・・。私にはびっくり箱のような展開に置いてきぼりになること暫し、ついて行くのがやっとでした。そんな中気になったのが、やはりヒース氏が亡くなったことが影響しているのか、トニーが必要以上に目立ち、パルナサス博士の存在が軽く感じられ、その偉大さが今一伝わってこなかった。そのことが映画全体の印象をおかしな方向に持っていってしまったような気がします。ま、落ち着いてもう一度観てみたくなる映画ではありますが。 [映画館(字幕)] 6点(2010-02-12 22:11:54) |
20. アバター(2009)
《ネタバレ》 この作品の最も素晴らしいところは3D映像などではなく、その独創性である。続編やコミック原作映画の氾濫する中、これだけの世界観を1から作り上げたことは賞賛に値する。久しぶりに全く知らない世界を堪能できた。多少のパクリはご愛敬。 ただストーリーに映像ほどの奥行きがないのが残念。地球人は何故それほどその鉱石に拘ったのか?それがたとえば人類存続のために不可欠なものだったとすれば、ジェイクは圧倒的に人類の裏切り者である。そこらの葛藤や苦悩が全く描かれていないので、ストーリーが全体的に軽くなってしまっている。 一方3Dの使い方は理想的。不必要にものが飛び出すアトラクション的ではなく、あくまで映像に奥行きを与え、臨場感を増していた。 3Dがこれからの映画の主流と云う方がいるが、私にはそれほど不可欠なものには感じられなかった。眼鏡は邪魔だし、画面は暗いし、目疲れるし、高いし。そんなものはなくても、映画本来の感動は充分に味わえる。むしろCGの時と同じく、それのみを売り物にし、全ての演出技術を放棄したようなくず映画が氾濫する事の方が心配である。 [映画館(字幕)] 8点(2010-01-09 15:36:21) |