1. アベンジャーズ/エンドゲーム
《ネタバレ》 前代未聞のエンディングを迎えた前作から1年。 巷では、指パッチンの力でサノス自身も消え去っていた説や、サノスのケツの穴から侵入したミクロ化アントマンが体内で巨大化してサノス爆殺説など、興味深い(?)考察も見られたが、遂に!遂に決着! 「インフィニティ・ウォー」はバトルに次ぐバトルで突っ走る、それはそれは凄まじい1本だった。しかし回答編である本作は、前作とは打って変わってしっかりとストーリー展開に時間を振ってくる。 その運びも衝撃的だ。何しろ怒りをぶつけるべき相手が、ヘロヘロの隠居生活でご飯を作っているのだから。 サノスを倒しても手遅れ、記録的大敗ムードに拍車をかける鬱展開。さらにそのまま無慈悲にも5年もの時が経とうとは、誰が予想し得ただろうか。 中盤のタイムトラベルもありがちに見えて実はトガっている。 某ユニバースでは「全部無かったコト」として新たな時間軸を生成した例もあったが、「アベンジャーズ」では都合の良い改変はできないらしい。サノスによって奪われた者を取り返すことはできるが、その前に死んでしまえばゲームエンドである。鑑賞者からすれば、ソウルストーンのもたらす確実な死を意識させるサスペンスフルな設定だ。 同時に、今まで何作と関連作を作り続け、おびただしい数のキャラを輩出してきたMCUだからこその重厚な見せ場としても機能している。 ロバート・レッドフォードやらフランク・グリロがまた出るとは… 個人的にはヒドラ万歳と耳打ちしたり(「ウィンター・ソルジャー」では、キャップはエレベーターで暴れている)、「一日中だってやれるからな!」を言わせる辺りが面白かった。 そんな魅力的なヒーローが大挙して押し寄せる最終決戦も文句なしの盛り上がりだ。今までタメにタメた「アッセンブル…!」もキマっている。 もうキマりまくって何が起きてるかよく分からんほどのヒーロー量。それでも、それぞれの見せ場も細やかに設けてあって嬉しいのなんの。 飛んでるヤツ、魔術を使うヤツ、さらには巨大化するヤツ 全軍が猛チャージでなだれ込む画の凄まじさったらない。 これが「アベンジャーズ」だぁ! 文句ナシに過去最大級のパワーで魅せてくれる一遍。 しかしながら、トニーやスティーブを中心としたアベンジャーズは終了してしまう。 映画史に残る一大エンターテイメントの1つの終焉に寂しさを感じる一方、エンディングの映像を眺めていたら、感謝の気持ちが湧いてきた。 思えば高校生の頃から観てきたのだ。 時に深い作品で、時に笑える作品で、時に熱い作品で。ずっと僕を楽しませてくれたMCU、そしてそんな作品を製作してきた現実のスーパーヒーロー達には感謝しかない。 3000回ありがとう。 [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2019-04-26 00:18:01)(良:9票) |
2. アクアマン
《ネタバレ》 マーベルのアベンジャーズに負けず劣らずの超大作シリーズながら、ザック・スナイダーのヴィジュアル作家性の影響で、どこか暗く地味な印象のまとわりつく「ジャスティス・リーグ」。 今回のスピンオフは「アクアマン」というこれまた地味目なヒーローをフィーチャー。 魚と話すだけの男に果たして映画一本務まるのか…?と疑問を抱いていたが、いざ鑑賞してみればサービス精神抜群のスーパー超大作に仕上がっている。 メガホンをとったジェームズ・ワンといえば「ソウ」で注目を浴びて以降、「インシディアス」「死霊館」など、ホラー映画を得意としてきたが、最近は超大作にも起用されているようだ。 そんなワン監督のスーパーヒーロー映画だが、監督が以前に車が出れば何をやっても良いよ的な「ワイルド・スピード」を手掛けたからか、本作はDCEUの中でも群を抜いて派手でハチャメチャ。凄まじい映像の物量で攻め立ててくる。 序盤こそキャラクターデザインの絶妙なダサさや(ブラックマンタなど原作に準拠しすぎだろう)、突然のBGMシガー・ロスなど、やりたい放題な感じに戸惑ってしまったが、アトランティスという名のネオン街で繰り広げられる潜水艦チェイスの辺りで、もうどうにも楽しくなってしまった。以降、トライデントの話はいいから変な映像をもっと見せてくれ!というスタンスで鑑賞したら、なかなか見所は多かった。 アクアマンだからと言って海中のシーンだけにこだわる必要はない。もちろん海中のハイスピードフワフワバトルも面白いが、唐突なインディ・ジョーンズ化、イタリアの明るい屋外の素晴らしいアクション・シークエンス、さらにはかわいいニコール・キッドマン、そしてキレイなウィレム・デフォーなどヤバい映像のオンパレード。 アーサーとアトランナの再会シーンに至っては、アトランナのプレデターみたいな衣装が気になって感動がブレそうではないか。ぶっ飛びすぎだろうよ、このビジュアル世界は。 ストーリー自体はアリガチで内容も薄いきらいはあるが、映像面に振り切ってくるアメコミ映画も個人的には嫌いではない。(シュマッカー版の悪趣味なバットマンとか僕は結構好きなのです) 次回のジャスティス・リーグではアクアマンのド派手な活躍を期待したくなる出来だ。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2019-01-20 19:50:39)(良:1票) |
3. アントマン&ワスプ
《ネタバレ》 「インフィニティ・ウォー」であれだけの衝撃エンド(他作品のネタバレになりますので詳細は避けますが)を叩きつけてられてしまっては、MCUがどんなテンションでシリーズを再開するんだろう…と、シリーズを見守ってきた側からすれば非常に気になるところ。公開された週末にそわそわと劇場に行ってしまった。 一体どんな展開が待ち受けているのだろうか…いざ見てみると…! これがもう拍子抜けするほど、ほのぼのとした作風でびっくり。 (ポストクレジットでアベンジャーズに繋がる形ではありますが…) 一応テクノロジーの争奪戦という大筋はあるものの、敵サイドのゴーストにも同情の余地があるし、ウォルトン・ゴギンズが演じるソニー・バーチについてもどこかトホホな雰囲気が漂う。 このスーパーヒーロー映画には、本当に凶悪な悪漢、或いは小難しい理屈を並べて善悪を問うような必要悪も出てこないのだ。大体のことはサンフランシスコの街の中で完結してしまうのである。 こう言うとユルユルのアクション映画に思える「アントマン」だが、逆にホームドラマとコメディを掛け合わせたような作風はマーベルの中でも異色のヒーロー象を確立出来ている。 映像面においても「モノの大きさを変えられる」「モノをすり抜けられる」というシンプルな設定で演出できる楽しさを突き詰めており、アイデアの豊富さには目を見張るものがある。 せわしなくサイズを変えながらの奇想天外な肉弾戦など序の口、サンフランシスコのカーチェイスでは坂の起伏までをしっかり考慮したクラッシュシーンで楽しませてくれる。 トラックをキックボード(?)のように使う巨大化アントマンも面白い。 ジャネット(ミシェル・ファイファー)に関してはどんな原理なんだよというツッコミもあるにしろ、ピム博士とスコットの二人がともに身近な家族のために奔走するという状態を作り出したのも巧いところだ。 先に述べたようにこの映画は1つの街と家族内の小さな小さな物語である。 しかしヒーローとは、多分、世界の危機を救ってくれる超人である必要は決してない。 大切な存在のために、大きくなったり小さくなったり。ただひたすらに頑張るお父さん。その熱さこそがお父さんをヒーローたらしめる。 「アントマン&ワスプ」はMCUの中でも特にコンパクトに描かれているが、ヒーロー映画の最もピュアで身近な心意気は、どのMCU作品よりデカく感じられる作品である。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2018-07-31 00:45:01)(良:3票) |
4. アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
《ネタバレ》 観賞後に呆然、「やべぇ…まじかよ」という語彙力ひっくひくな言葉しか浮かばないほどの衝撃。 MCUも10年目。 最近でもブラックパンサーの快進撃で不動の人気を見せつけたが、本丸と言える「アベンジャーズ」はなかなかに尖った作品に仕上がっている。 10周年の重みを感じさせる豪華キャスト、ヒーロー達が繰り広げる物語は、もう見せ場の飽和状態。 冒頭、中盤、終盤にアクションを入れ、その間にストーリーを語り緩急をつける。そんな基本はアベンジャーズには全く通じない。 バトルに次ぐバトル、全てがクライマックス。 ぶっ壊れレベルのストーリーテリングで鑑賞者の映画体内時計も異常を来たすこと必至である。 しかしながら最近のMCUは軒並みできが良かったこともあり、キャラの個性で押し通すやり方でも面白さを保てている。さらにこのカツカツ状態のなか、サノスだけはじっくり掘り下げたのも良い。 結末から考えると、やはりヒーロー映画としてはかなりの衝撃エンドである。 何しろヒーローの大半がたいした散り様も見せずに指パッチンで消えてしまうのだから。自分としては嫌いではないが、このような大作としては突っ走りすぎ感があるので賛否別れるかもしれない。 二部作にするにせよ、アベンジャーズが小さな勝利を納めて、なお余裕を見せるサノスというエンディングを用意するのが定石というもの。 前作「エイジ・オブ・ウルトロン」のアベンジャーズ無敵感から一転、この辺りはジョス・ウィードンから監督を引き継いだ「ウィンター・ソルジャー」「シビル・ウォー」のルッソ兄弟のシビアな作風が出たか。良い意味で「ええ~」となる幕切れでだった。 もちろんこのままでは終わるまい。 現実を改変する力を持つ設定のワンダまで死んでしまい、いったいどーなるの?と焦ったが、ニック・フューリーはキャプテン・マーベル(送信先に彼女のインシグニアが見られる)に望みを託したようである。 アベンジャーズのアベンジはここからだ。 サノスさんも黄昏てる場合じゃない。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2018-04-26 19:56:37)(良:1票) |
5. アサシン クリード
《ネタバレ》 ミラ・ジョボビッチの「バイオハザード」シリーズと同様、こちらもビデオゲームを原作とした作品である。ゲーム第一作を購入した時は、エルサレムを舞台にしたアクション・ゲームと思っていたが、いざ電源ONにするとアニムスやらアブスターゴやら近未来的な世界観にびっくりした覚えがある。 以降の続編を経て、もはや宇宙規模なんじゃないかというほど大げさになったストーリーは、まさにハリウッドで映画化するに相応しい。スモークマシマシでハッタリを効かせまくった中世スペインや、やたら進化した豪華版アニムスのデザインなどから、このゲームとハリウッド映画との相性の良さが見て取れる。 個人的に原作の好きな所と言えば、笑っちまうほど荒唐無稽なSF設定を、歴史上の人物だとか難しい科学用語とかで真面目かつ強引に押し通してくる世界観だ。 嬉しいことにここら辺は映画版でもしっかりと再現されていた。なにしろジェレミー・アイアンズ、マリオン・コティヤールが気難しい表情で意味の分からん絵空事を懇切丁寧に語ってくれるのだから、こういったトンデモ空気感の再現は上手く出来ている。 また映画化にあたり、アサシンVSテンプル騎士団の構図も、ハリウッドらしいアプローチで描かれている。自由意思と支配の確執、つまりは社会を形成するうえでどちらの主義をかかげるか。 無論、本作でテンプル騎士団は完全にイカれた集団なので、100%アサシン側に肩入れして観られる。しかし行きすぎた個々の自由は暴力や堕落を招くことも世の常。今回は導入編なのでシンプルな構成だが、これは同時に次作以降で深みを増すポテンシャルも秘めている設定である。(ゲームで言えば「ローグ」の部分か) 残念な点は、物語のほとんどが現代パートに集約されてしまっているため、過去パートがエピソードの羅列になってしまってることか。上映時間に限りがある映画故の決断か、過去パートをアクション中心で組み立てた潔さは買うが、強烈なキャラが過去編にいても良かったのではとも思う。 しかしアクションだけ見れば、パルクールの類が導入されて久しいハリウッドにおいても、なかなか良い出来だ。逃走からの剣戟など、ゲームのキモである部分も良く再現している。 原作ありきと言えど、映画シリーズ(になることを願う)1作目なので敷居は高くなく、それでいて原作の雰囲気も損ねていない。複雑さや深みは無いので批評家受けは悪そうだが、娯楽映画として2時間楽しませてくれたのは事実である。興行成績は振るわなかったようだが、続編は是非観てみたい。今後このシリーズがトンデモ方向に展開していくことを実は期待している。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-02-21 16:22:42) |
6. アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
《ネタバレ》 相変わらずどこを見ても大金がつぎ込まれていることがわかる、まさに超大作に相応しい映像だ。マーベル好きといういことも手伝い、それなりに楽しいのである。 しかしながら、これまた相変わらずツッコミ所も満載で、今回はそれが根幹部分に生じているみたいだ。 要するに、「これアベンジャーズのせいじゃね?」って思ってしまうのが痛い。 ハルクVSハルクバスターなんて、南アの皆さんは堪ったもんじゃない。せめて敵が仲間割れを狙っての精神攻撃とか言ってくれれば、まだ許容できたるのだが。(前作と被ってしまうか) また全てのヒーローに見せ場を設けるために、敵の描写が限りなく薄くなってしまった。アベンジャーズには最終的に3人も新キャラが増えるのに、敵はウルトロンとその他の雑魚である。デカいメカもなければ、手強い中ボスもいない。こんなメンツで超人や神に挑むんだから、敵の方が気の毒になっちまう。 このぬるい空気感は致命的か。凄い映像なんだが総じて薄味な印象の映画になってしまった。 マーベルヒーローをここまで育て上げたことが、本シリーズの強みであるし、拡大を続けるマーベルの宇宙は、ファンとしては非常にうれしい。しかし本作は、大ヒットシリーズというブランドに頼り切っており、本作独自の驚きや興奮が希薄なのだ。 大予算を懸けたハリウッド大作だ。続編映画で手堅くいくのは当然。それも分かる。実際ホリデーシーズンには各社こぞって続編系の大作を封切っている。 そして本作は期待通りに大作揃いの映画シーンで歴史的ヒットを記録した。それこそアベンジャーズのように敵を「蹂躙」する勢いでだ。 しかし興行が全てではない。30年ぶりに登場したMAXは、CGに慣れた観客の度肝を抜いた。トム・クルーズは前作超えの超絶スタントに挑戦し、シュワちゃんは自身の代表作に本気のカムバック。英国の諜報員は復活した敵組織と闘うはずだ。 無難な続編から脱しようと、そして心に残る映画にしようと、意気込む大作が今年は揃っている。 だからこそ興行的に大勝利を収めたアベンジャーズには、劇中のソーの叫びをそのまま言いたい。 Is that the best you can do!?(それで本気かこの野郎!!) アベンジャーズの本気はこんなもんじゃないはずだ。 [映画館(字幕)] 6点(2015-07-07 22:38:41) |
7. アウトロー(2012)
イーサン・ハントに次ぐトムのニューヒーローシリーズとして大々的に宣伝されてるし、トム様がプレミアで来日してるしで、ビッグバジェットの派手なアクションムービーかと思っていたら全く違った。画的には少々地味目だが、硬派でハードボイルドな仕上がり。アクションも盛り込まれているが、サスペンスやドラマに重きを置いたつくりになっている。完全犯罪と思われていた事件に、違和感を感じた主人公が巨大な陰謀を炙り出していくという、やたらと古典的な筋書きだけど、クリストファー・マッカリーの演出はとても丁寧で雰囲気がとても良くでてる。マッシブなカーチェイスも渋く決まってるし、いい具合にユーモアも盛り込まれてるので、個人的には楽しめた。また、自分はどことなく西部劇のような雰囲気を感じた。 原題の通り、この映画はジャック・リーチャーが物語りを展開させていく。主役ありきの映画ならトム様はうってつけじゃないのかな。クルーズ節炸裂で相変わらずかっこいい。主人公は町から町へ流れるドリフターであって、法規を越えて正義を追求する危険なアウトローなんだけど、結構古典的な主人公像で基本的には「いいヤツ」といった印象。ヒロインはいつも役に恵まれない印象の元ボンドガール、ロザムンド・パイクが演じているんだけど、本作は男ばかりの映画なので、紅一点としていいポジションを確保できている。でも初めて見た時よりはやっぱり老けたかなぁ。他の出演者は渋めのキャスティング。 個人的におもしろいなぁと思った演出は、モーテルでジャック・リーチャーが自分の服を洗濯するシーン。彼の人間像がさりげなく説明されていてちょっと面白い。冒頭で服を新調したきり、ほとんどずっと同じ格好てのも主人公のスタイルを確立させていていい。 ミッション・インポッシブルの新作も同監督とコンビを組むそうで、どうなるのか楽しみ。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2013-01-30 00:18:39) |
8. アンストッパブル(2010)
《ネタバレ》 メチャクチャおもしろい映画。「スピード」のスリルと「鉄道員(ぽっぽや)」(←無理矢理)のドラマ。内容は至ってシンプル、電車を止めるだけ。ただそれがおもしろい。尺も100分足らずとコンパクト、その割に熱い。男気に燃える。トニー×デンゼル映画は完成の域に達したと言っていい出来映えだ。冒頭で列車によってみたり、引いてみたり、ブレてみたりするカメラワークは100人が観たら100人が「こりゃトニーさんの映画やわ。」とわかる程の独特さ。全作の「サブウェイ123」では正直乗り切れなかったが、本作ではベストマッチ。素晴らしい臨場感を醸し出しており、不注意がめまぐるしく大惨事に発展していく様を活写している。クリスとデンゼルそのまんまの立ち位置の配役も良い。いがみ合う若手とベテラン(ただの若手・ベテランではなく、若手車掌のお陰で熟練作業員が解雇されていると言う付加設定が巧い。)が共に地獄をくぐって信頼を築く展開はアリガチだけど熱い。実は家族に問題を抱えているって事をサラっと紹介した後は、いかにもな馬鹿二人組の怠慢から生まれたあまりにも不注意な人為的ミスが事の発端となり、怒りは馬鹿二人組に集中。会社の上層部は社の利益ばかり考えて現場の事は全然だし、警察は役に立たないし(頑張りすぎてクラッシュ!)、ライアンはアッサリだし、頼みの綱は二人のぽっぽやだけ。罪のない天使のような子供達と善良なアメリカ市民が危ないとなればもう心の底から、時速100マイルのモンスターに立ち向かう男達を応援するしかない。圧倒的なスリルとスピード感に身を委ね、気づけばラストまで疾走し、痛快な大団円を迎える。事件が起きてそれを解決、誰しもが予想しうるエンディングだがこれでいいのだ。娯楽映画なんだから非日常に連れていってくれた後は、仕事も家族とも上手くいったデンゼルの満面の笑顔でいいのだ。ブサメン二人がやらかしたらイケメン二人が奇跡を起こしていいのだ。 [映画館(字幕)] 8点(2011-01-10 06:43:51)(良:2票) |
9. アデル/ファラオと復活の秘薬
《ネタバレ》 もともと僕はアメリカのコメディが好きだ。馬鹿で下品で不謹慎でシュールなアメリカの笑いが好きだ。なのでこのような、いかにもフランスっぽい、ウィットにとんだ優雅な、時に残酷な笑いは僕には合わなかったらしい。まったく笑えなかった。っていうか冒険物と思って観たので、そのスケールの小ささやくだらない脚本や喜劇的展開にも本気で笑えなかった。一つだけ笑ったシーンは、いや正確に言えばデヘッて感じでニヤけてしまったシーンは入浴シーンだ。これは万国共通なのか、突然のおっぱいに思わず笑顔。以上。 [映画館(字幕)] 1点(2010-07-21 13:28:58) |
10. アイアンマン
《ネタバレ》 アイアンマンってヒーローは、マーベルの中でもスパイディやウルヴァリンと違って、なんだか地味な印象だったんだけど、映像化されるとド派手で驚かされた。またダウニー・Jr.やグウィネス、テレンス・ハワードなどアメコミのコテコテ娯楽映画などには絶対に出そうにない顔ぶれが出演しているのも面白い。正直な感想としては自分の期待が異常に高かったためか、「普通」といった感じだった。テロリストに捕まってのアイアンマン開発のプロセスは原作をなぞっているのであの設備での「リアクター小型化成功」などにつっこんではいけないだろう。残念に感じたのはアクションの少なさだ。最初のアイアンマンが手作り感あふれる鉄の塊みたいなヤツなので、Mk.Ⅲのフォルムは相当スタイリッシュに見えるのではないか。故に最後の一騎打ちはもっともっと激しく戦ってほしかった。いい点としてはやはり俳優陣だろうか。彼じゃないと誰もが羨むトニー・スタークをあれほどコミカルにセクシーに演じられないだろう。またトニーとペッパーの関係は、ピーターとMJのストレートな関係にはない魅力が感じられ、「実は分かり合っている」という距離感は演技派の二人があってのことだ。物足りないと感じる部分もあるが、アイアンマンというヒーローをクールでカッコよく描写できており、娯楽作として、アイアンマンの第一作としては及第点ではないか。続編にも大いに期待できるし、アヴェンジャーズも楽しみだ。 [映画館(字幕)] 6点(2008-10-11 21:20:49) |
11. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 ヒューがはまり役でおもしろかった。演出もおもしろく飽きることなくと楽しめた。雰囲気も音楽もいい。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-30 14:23:55) |
12. アニマトリックス
《ネタバレ》 下らん。ストーリーは皆無、世界観を説明しただけ。まだ面白くできたのだろうが個々の(製作者が別々の)ストーリーに対して上映時間が短いためどの製作者もインパクトを与えようと「画」ばかり強調している。短い作品なのに「画」にかかるウェイトが多すぎる。話は陳腐(観たことあるようなもの)で内容はゼロ。ただみせられるだけのエロスと残虐描写にはウンザリだ。これはもはや自分達が持ってる最新のアニメ技術をひけらかしただけに過ぎない。気が滅入る。 [DVD(吹替)] 1点(2008-03-11 09:36:52) |
13. アメリ
《ネタバレ》 思い切って飛び込んでみれば人生はきっと楽しくなる、もし失敗してもやり直すことはできる。独特の世界観と映像、音楽に彩られた「アメリ」は人生の素晴らしさを教えてくれて同時に心を幸福感で満たしてくれる。誰が何と言おうと胸を張って「大好き。」といえる映画。大好き。 [ビデオ(字幕)] 10点(2008-03-11 09:19:32) |
14. アンタッチャブル
《ネタバレ》 冒頭から監督の演出が非常にうまくサスペンスを盛り上げる。ストーリーも一級品だが次はどんなデ・パルマ演出があるんだろうかと演出が一瞬たりとも見逃せない。そういった緊張感を持った演出が頂点に達するのはなんといっても駅のシーンだろう。スローモーションの中で展開する攻防は見事としかいいようがない。素晴らしい。またシブめの豪華キャストの出演により娯楽映画サイドに傾きすぎず作品を引き締まっているのもよかった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-03-01 20:12:01) |
15. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 何回もリメイクされている事もあり、完全に一人ではないという事は事前に知っていた。それでいて監督はコンスタンティンのフランシス・ローレンスなのでウィル・スミス版バイオハザードと思っていたがその予想はいい感じに裏切られたと思う。冒頭から荒廃したNYで黙々と規則的に生活するロバート。しかし夜になると何かを恐れ鉄壁の守りで固めた家に非難する。この見せ方が非常にうまく、「いったい何故?」と思わせスクリーンから目が離せない。しかし中盤、終盤ではこれまでうまく盛り上げていったわりにストーリーが安易に進んでいくので見応えには欠ける。それとCGの多用も評価するのは難しい。荒廃した町並みを描くのはいいが、ダークシーカーズとかライオンとかその他の動物にCGをつかうとやはりリアリティに欠けると思う。そういった中でこの映画の良い点はウィル・スミスと犬だろう。抜群のコンビネーションでこの究極の状況を演じている。サマンサが暗闇に入った時のロバートの脅え様からクリーチャーの恐ろしさが伝わってくるし、サマンサが彼の精神的支柱であることもわかる。故に支柱を失ってしまったロバートの行動も理解できた。自分の言葉を分かってくれる最後の存在を失い、マネキンに「僕にもハローって言ってくれ」というシーンは印象的である。ウィル・スミスの演技がよい。それだけに安直な展開が残念な惜しい作品。 [映画館(字幕)] 6点(2008-02-11 12:52:00)(良:3票) |
16. アメリカン・ギャングスター
《ネタバレ》 期待していた通りの重厚な犯罪ドラマで見応えは十分だ。主演二人は渾身の演技をみせ、美術や音楽は申し分なく脇を固める俳優も渋い。ただ演出的なトコロでフランクについてはもう少し残酷な面を強調してもよかったと思う。フランクが商売を始めてからは彼のスマートさの方が強く印象に残ったように感じた。それでもフランクの言葉に滲む狂気や恐ろしさまで感じさせるデンゼル・ワシントンの演技力は凄まじい。特に終盤、リッチーとフランクが渡り合うシーンは二人の演技が素晴らしく、息詰まる緊張感を醸し出している。リッチーが他の警官のように汚職にまみれておらず正義というルールに厳しい「男」だということに気付き始めたフランクの苛立ちや焦り、コーヒーを叩き落として激情するも、自分のコーヒーを静かに差し出してきたリッチー。この瞬間にフランクは「男」としてリッチーに完敗したと悟ったのではないか。静寂の中に一触即発の危険さを持つ、「男」と「男」の闘いはあの部屋の中で決着した。ドラマティックで鮮烈すぎる「男の世界」が体感できる緊迫の一幕だ。 実話物なので出来事をただ見せ続けられる展開はやや単調ではあるが、ラッセル・クロウとデンゼル・ワシントンという二人の巨人の圧倒的な存在感とリドリー・スコット監督の演出の力業には最後まで魅せられる。必見の一作。 [映画館(字幕)] 8点(2008-02-02 00:20:48) |
17. アース
《ネタバレ》 この映画の映像は美しいしすごい価値があると思うが、映画の観点から観れば少々見応えに欠ける。動物の描写が多すぎるわりには、残酷な場面はとばしていたり。物語も切り張りに感じた。でも見終わった後は地球ってすごいな、環境を大切にしないとな、と思った。 [映画館(字幕)] 4点(2008-01-19 21:29:16) |