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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 
 もう、アカデミー作品賞を獲る前にレビュー書いとかなくちゃだわ。公開日に見たのにダラダラと過ごしてしまったわ。   映画を見ていてその設定から連想したのは『ザ・ワン』と『マトリックス』だったのね。でも見終わった後に思い出したのは『アバウト・タイム ~愛おしい時間について』。それは家族についての可能性の物語。  宇宙規模というか全次元規模で描かれる、最近流行りのマルチバースに前世紀末に流行ったセカイ系を足したような世界で描かれるのは、でもたった1つの家族の物語。  人生には様々な可能性があって選択があって、その小さな分岐が大きな結果の差になってゆく、その数多の可能性と結果の中でそれでも大切にすべきモノ、守るべきモノって?ってそれを面白おかしく綴ってゆくわ。ただし、大量に盛り込んだ要素によって映画は激流の如し。落ち着かず猥雑で莫迦げていて狂騒的。振り落とされないようについてゆくのが大変。  そしてそこを楽しめるか否かがポイントな気がするのだけれど、意外と弾まないというかハンパなパロディが散りばめてある感じでオリジナリティで楽しませる、って感覚には欠けてるように思うわ。『バビロン』にしてもそうなんだけど『2001年宇宙の旅』出してくるのってなんていうか、王道っていうかベタ過ぎちゃってて、もうやめない?って思っちゃうのね。カンフーやアニメもそりゃ東洋的なるモノって考えるとどうしたって出てきちゃうのでしょうけど、それはこの映画自体の持つ魅力とは違う、別のところからやってきてるモノだからねぇ。   演じてる人たちはみんな魅力的ね。ミシェル姐さんは様々な、本当に沢山の姿を演じ分けて魅せてくれるし、あの懐かしの(ショーティ、データ)キー・ホイ・クァンさんもすっかり大人になりつつ、でも表情とか声の感じとかあの頃のまんまじゃない?って懐かしく。  それにしてもジェイミー・リー・カーティスさんは凄かったわね。っていうか気付かなかったの。映画を見終わってもどこに出てたの?ってあんなにタップリ出てたのに。自分の中で彼女は『ハロウィン』『プロムナイト』『大逆転』のイメージのままで、この映画の彼女に結びつかなかったのよね。アタシもアップデートしなくちゃだわ。   引いちゃうような下品なネタもあって面白いには面白いけれどアタシ的には特別ってカンジはしない、アカデミー賞独占!って言われても俳優部門は納得できるけれど、みたいなくらいかしらね。アカデミー賞も近年ポリティカル・コレクトネスの波が押し寄せているので、そこら辺も勘定に入れつつの受賞作ですよ、って見るのが良いかしら。
[映画館(字幕)] 6点(2023-03-14 15:26:57)
2.  映画 ゆるキャン△ 《ネタバレ》 
 テレビシリーズでは2期25話かけて女子高生たちの晩秋から初春までのほんの4~5か月の出来事を描いていたのね。描かれたのは数回のキャンプ。それもみんながひとまとまりになって、ではなくてソロだったり特定の人数だったりとわりとバラバラ。何か大きな出来事がある訳でもなく(軽装備過ぎて凍死の危機!っていうのは大きな事件だったかな)、ただキャンプを楽しむ姿をじっくりと(特に料理の描写には拘って)見せていたわ。   で、いきなりそこから10年くらい経過しちゃってるのが今回の映画版。みんな社会人になってあちこちで一人暮らしして車持っててお酒飲んで。正直なハナシ、飛躍し過ぎでしょ!って思ったわ。あのゆるキャンの世界にはもう戻らないの?って喪失感みたいなの抱いて。  それに今回は大きな目標が設定されて途中で障害や挫折があって山あり谷ありのドラマティックな展開、そこからはかなり『ゆるキャン』の持っていたユルいのんびりとした感覚がスポイルされてしまったわ(一切、ではないけれども)。  放置された公有地をキャンプ場として再生する、そのために休みを利用して遠方メンバーは名古屋や昭島から山梨まで通う、のだけれどもボランティアで多分ガソリン代も自費だわよね。どうしたってやりがい搾取感が漂ってしまうわ。キャンプが大好きだから、って大前提があるにしてもそこはキチンと筋が通されるべきじゃないかしら。なんか自治体の方は計画にGOを出しながら具体的な予算や資材人材なんかまるっきり放置って感じに見えるのだけど。  その上で遺跡が見つかって計画が白紙に戻って、って波乱万丈状態になるあたりでどんどん「らしさ」から遠ざかってゆくわねぇ、って感じちゃって。   ただ、だから駄目、とは言い切れないのよね。高校時代とは違ってそれぞれ社会人になって社会との接点が出来て立場が生まれて責任も生じて。成長した中で趣味に向き合う、変わらなくちゃならないもの、変わらないもの変えないもの、そんなことを描いていて。世界を先に進めました、という映画なのね。テレビシリーズが過去になってしまうのは淋しいのだけれども、それもまたあり方の1つね。  もう少し各キャラのゆるく明るい時間を見ていたかったのがホンネではあるのだけど(「ウソやで~」がどうにも不発だったのがなんとも)・・・
[映画館(邦画)] 6点(2022-07-03 18:30:55)
3.  エターナルズ 《ネタバレ》 
 主人公(いちばんメインになってる人)が大久保佳代子似でずっと「大久保さん・・・」って思いながら見てたのだけど、途中から少し印象が変わってきたわ。平野ノラにも似てるわね、って。   さて、映画の感想なんだけど、アベンジャーズ後にコレって、なんだかパッとしないわねぇ、って感じ。キャラクターにあまり魅力を感じられなくて、アクションシーンは少な目、ドラマに尺を取ってるけれど単に長いわ。  そうね、壮大なスケール過ぎちゃってて(冒頭の説明、中学生が考えた凄い世界、みたいなカンジね)、これまでのマーベルシネマティックユニバースと上手い事イメージが重なってゆかない、もう神様っていうか天使みたいなモンだから(ソーすらガキ扱いよ)、アベンジャーズを含む人類なんてアリンコ状態だわね。で、壮大なクセにごく小人数のゴタゴタでうら淋しい風景を舞台に物語が進んでいって、そのまま終わる、みたいな。『IT』の宇宙規模版っていうか『ファンタスティックフォー』リメイク版の人数多め版っていうか。   さすがにクライマックスのアクションシーンは魅せてくれるのだけど、でも各人の能力が大体他の作品で見たようなモノだし、ツッコミどころもあって(てくてく歩いてゆかずにあのフラッシュ属性のお嬢さんに押して貰えば良かったんじゃ?あれだけのスピードがあるなら別に彼との戦いに拘り続ける必要はないでしょ?)この作品ならではの魅力ってところまでには到達してないように思ったのよね。   IMAXでドーン!ってカンジの最後の方のアイツのスケールデカい画なんかは圧倒的・・・と言いたいところなのだけど、そう、アレは『エヴァ』で見ましたわね。っていうか『プリキュア』シリーズの最終ボスってあんなカンジのが多いわ。愛の力で超デカいヤツを鎮圧するとかプリキュアっぽいわ。日本のアニメは進んでるって誇っていいわね。   ちょっと気になったのはチラリとDCキャラの名前を出して、アチラは創作、こちらはリアル、みたいな線引きをしてみせた点ね。やっぱりマーベルのキャラの知名度はスーパーマン、バットマンの両巨頭には敵わないと思ってるのかしら?   ちゃんと終わらないし、アベンジャーズとは違う次元に生きてそうだし、これからのマーベルシネマティックユニバースがちょっと心配になるカンジだったわ。   でもドンソクは楽しかったわ。韓国で暴れてるおっちゃんそのままなのに天使です、みたいで。
[映画館(字幕)] 5点(2021-11-07 20:17:05)
4.  映画大好きポンポさん 《ネタバレ》 
 ツイッターで評判になっていて、映画好きならば当然心の底から楽しめるのでしょう、と期待していたのだけれども、どうやら何千って映画を見てゆくウチにアタシはつまんない映画オタクへと堕してしまったようね・・・。自分でも驚くほど響かなかったの、この映画。   これって映画についてのアニメ映画なのだけれども、あくまで映画の言語ではなくてアニメの言語で描かれているのね。そりゃアニメ映画なのだから当たり前なのかもしれないわ。ヘン顔とか汗とか。だけど劇中劇(というかアニメ映画内映画)までもがアニメの言語で描かれてしまっていたら、それは違うでしょうと。そこはあくまで映画としての括りで描かれていたのだから。  追加の脚本部分、アレは本当にポンポさんが書いてしまったの? 主役でもなければ語り部でもない追加の登場人物がいきなり心の声を響かせてしまう、そんなアニメの言語で描かれたようなモノが通用するのかしら?   それにピアノの前の老人の黒い禍々しい影と瞳の光のエフェクト、アレも無しよね。そんなアニメアニメした即物的表現(あるいはマーベルとかDCとか怨霊モノとか)が必要? 編集画面にきっちり描かれていたのでアレはあくまで素材そのものに刻まれたモノよね。  それがラジー賞ならともかく最優秀作品賞とか最優秀脚本賞とか獲れるの?あの題材、あの撮影素材が果たしてそんなに素晴らしいものなの?っていう疑問はともかくとしても。   登場人物が揃いも揃って影を持たず、ポンポさんは天才で、物事は全てポジティブに進み(銀行の件など困難ではあってもネガ方向のベクトルではないわ)、映画製作の裏に存在する闇などなくて、でもそれはそれで現実の投影である必要はない、観ているみんなに希望を与えるものであってもいいでしょう。でもどうにもアタシにはそれがムズムズと居心地の悪い、キモチの良くないモノなのね。みんな仲良し馴れ合いワールドで映画ができました~・・・やっぱりキモチ悪いわ。アタシマジダメなオタク。   でもアタシ的に楽しめたところもあったわ。  頻出するフィルムの絵、アレに光学式サウンドトラックとドルビーデジタルのデータはハッキリ確認できたけど、SDDSのデータは微妙で(多分無い)、DTSの同期信号は無しだったとか。  女優の顔さえ綺麗に撮れていればそれでいいというのはアタシが前からレビューによく書いているコトなのでバリバリ共感したり。  飛行機のシーンでのベクトルを観察したりとか。西海岸からヨーロッパ方面に飛ぶ飛行機をどっち向きに描く? 客席は進行方向に向いているべきだけど、どうだった?  あと作ってる映画を自分ならどうする?って考えたり。前半のコンサート部分はタイトルバックに詰め込んで本編いきなりアルプスから始めるとか。コンサートからアルプス以前までの出来事は回想として断片化するとか。老人が屋根から落ちたら笑えないでしょ?むしろ心配でしょ?だから切る、とか。   映画についての映画だけど、五月蠅い映画オタクとかシネフィルとかいった存在は意識してたのかしら。むしろ切り捨てるべきと考えたかしら。映画って出来上がった作品が総てだからそこは判らないわね。   そうね、だからアタシはダメな映画オタクだけどさ、1本1本の映画はこうして真剣に真面目に見てるのよね。そこについては認めてね、と自己弁護しておしまい。
[映画館(邦画)] 5点(2021-06-18 20:16:52)(良:1票)
5.  映像研には手を出すな! 《ネタバレ》 
 嫌な予感はしてたわ。  監督は『トリガール!』『3D彼女 リアルガール』と「オタクを題材にしながらオタクを見下した視点」で映画を撮る人だから。その不安はこの映画でも解消されてない。  メイン以外の様々な面倒なオタクを笑いモノにしてみせるし、メインにしたところで、その情熱のカタチの表層を描くことはしても、その対象への姿勢、そして努力の末に結実したものをキチンと見せる事はしないわ。ゴチャゴチャと盛り込んだ(多くはただ映画を賑やかすための)要素によって掻き消されてしまったモノも少なくないのね。  『映像研に手を出すな!』が描いたものは、こんなガチャガチャとしたバカ騒ぎ(オタクには厳しいクセに一方で『踊る大捜査線』のパロディの、お決まりのセリフの脇で室井さんのモノマネしてるなんてところまで拘るのよね)じゃなくって、アニメーション(アニメでなく。この映画はその違いすら理解できないままに描かれるんじゃない?と思っていたけれど、それ以前の問題だったわ)についての真っ直ぐな情熱を描いた物語なハズじゃ?って。   それでもコレを酷い映画と切り捨てる事ができないのは、乃木坂46のメイン3人が、ちゃんと浅草氏、金森氏、水崎氏に見えたから。っていうか、それ以外の何者でもない、そこに3人がいたから。再現度とかなんとかってレベルじゃなくて、今のアイドルに疎いアタシにはその3人が映像研の3人としか思えてなくて、生きた彼女達の姿を見ているコトが単純に嬉しかったのね。斎藤飛鳥氏、梅澤美波氏、山下美月氏の功績は大きいわ。   あと、音響部が繰り出す音、アレは映画館って環境があればこそ。5.1chをガンガンと鳴らしてみせて、少なくともそこには映画化の意味があった感じね。   彼女達がアニメーションに向ける情熱と、その結果としての作品の全貌は、アニメ版を見て補完するのが吉ね。『未来少年コナン』の再現も含めて湯浅政明監督のアニメーションに向ける情熱がシンクロして映像研の目指したモノが完璧なカタチで見られるから。
[映画館(邦画)] 6点(2020-09-29 20:40:18)(良:1票)
6.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》 
 ツイッターで大々的に話題になっているのだけど、ネットでの大騒ぎがこの映画にとって幸福なコトだとは思えないのね。作品への感想・評価が大袈裟過ぎて、ここに登場するキャラたちが持つココロと乖離しまくっちゃってる状態じゃない。「何気ない佳作」くらいがちょうどいいポジションだとは思わない?   映画を見るに当たって身構えてしまったけれど、幼い子供向けだけにワリとシンプルね。前半、絵本の中に入ってバリエーション豊かな展開をする割にはどうにも単調で見てるのが結構キツいわ。キャラ1人1人のドラマを深読みしようと試みたけど、それぞれの成り立ちに背景はありつつも基本みんな仲良し良いコ状態なので特に深い闇を見せてくれるとかいう訳ではなくて(当たり前)。ナレーションで全部説明してくれちゃう映画だし。   後半の展開は感動的に描けていたわ。ただ、こういうほのぼのシンプルなデザインのキャラで怒涛の泣かせの展開に走る点に意外性があるわけで、その設定そのものはありがちと言えばありがちね。   ネットで取り沙汰されてる『攻殻機動隊』とか『ジョーカー』とかって、真面目に受け止めない方がいいわ。アタシ個人の印象として近かったのは『学校の怪談』シリーズね。  尺も短いし、何か凄いモノを期待して見るのは間違いかしらね。っていうか平日昼間の新宿ピカデリー、子供はちょぼちょぼ、大きいお友達で溢れかえってたわよ・・・
[映画館(邦画)] 7点(2019-11-14 19:38:24)(良:1票)
7.  映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ 《ネタバレ》 
 『プリキュア』の映画。映画をいっぱい見てきてる中でも最も敷居もハードルも高くて、これまで手が出せなかったわ。想像してみてよ、トシ食ったオカマが女児達に囲まれて一体どんな顔して見てられる?  テレビの『プリキュア』は(ニチアサ総じて)これまでなんとなく映ってた的な、見てるってほど見てはいない状態ね。『プリアラ』のあきゆかにはヅカみが感じられて、あきゆか回はわりとしっかと見てたけど。  『HUGプリ』も最初はキャラがキラキラ綺麗な、あとは毎度のプリキュア程度の印象だったのだけど、えみるとルールーが出てきて、その二人がアンバランスなコンビを形成してゆくあたりから注目し始めたのね。抑圧されたプリキュアファンの小学生と敵が送り込んだスパイのアンドロイド。その二人がプリキュアになるに至って、もうのめり込むようになって。   『HUGプリ』は徹底的な自己肯定の物語。その攻めの姿勢は大人が見てびっくり。いじめや差別や固定概念を否定し、ジェンダーフリーを高らかに謳うのね。「女の子だってヒーローになれる!」がキーワードの作品の中で、主人公が言った「男の子だってお姫様になれる!」というセリフ、世の中のどれだけの男の子が救われたことか。今日の放送では遂に男の子のプリキュアが誕生して、その姿勢を更に確固たるモノにしたわ。   映画版は『HUGプリ』と初代の『ふたりはプリキュア』をメインにした作り。歴代プリキュア55人が登場!とは言っても全員が物語に絡んで大混乱、みたいなコトにはなってなくて。過去作のファンには物足りないかもしれないけれど。  オリジナルな物語にはちゃんとドラマがあってメッセージがあって、1つの作品として完結してるのね。テレビシリーズにあるような攻めの姿勢は抑え気味だけれど、新旧プリキュアの競演は感動的。  クライマックス、怒涛の55人プリキュア大競演の盛り上がりは『レディ・プレイヤー1』のクライマックスをも凌駕するわね。心で応援して(応援グッズ、大きいお友達は貰えないのよね)リアルで涙ダダ漏れ。  マシェリ(えみる)とアムール(ルールー)の出番は少なかったけど、あの美しい変身シーンを大きなスクリーンで見られて感激。ルールーのネジネタ笑えたし。  ミデンの世界の間、フルCGになるのだけれど、そこはキャラをゆらゆらと動かし過ぎな気がしたわね。リミテッドな手描きシーンに合わせちゃダメなのかな?   でも、テレビシリーズと併せて、この眩しく煌びやかな世界が東映動画の魔女っ娘モノから変身ヒロインモノに連なる大きな歴史の到達点だと思うと感動もひとしお。『魔法使いサリー』から『HUGっと!プリキュア』までその歴史に立ち会えてる自分って、もしかして幸せなのかも。『プリキュア』のある世界に生まれて良かったわ。   ちなみに平日の昼間に見たので、女児より大きいお友達の方が多くて身の置きどころ無し!ってコトはなかったけど、映画終わって涙目で「プリキュアのパンフレットください」って言うのは最大のチャレンジだったわね・・・
[映画館(邦画)] 9点(2018-12-02 20:27:04)(笑:1票) (良:1票)
8.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
 亜流がいっぱい出た『エイリアン』ですが、ここまで来ると本家もまたその亜流たちとさして印象変わらないようなモンで『ライフ』と比べたってどっちもどっち、くらいなモンで。相変わらずプロフェッショナルにしてはお粗末、お馬鹿な方々が出てきてはエイリアンが出たー、ギャー、ってのを繰り返すばかり。   ヒロインには決定的な何かが足らないし(映画背負って立つほどの存在感の欠如とでも申しましょうか)、各人意味もなく勝手気まま、バラバラに行動してるようにしか見えないエピソードのブツ切れっぷりだし、結構引っ張るけどオチは丸見えだし(いやもうアッチだって判ってるしYOU早くバラしちゃいなよ)。   アンドロイド同士で創造主について語ってる時点でレプリカントやりたいんか、『ブレードランナー』に繋げたいんか、って思いましたが、そこ、この映画の中でも特に面白くないところで。ダレまして。でも、そういう起源からの変遷を語るのならば、その先、人類が進化してアンドロイドとエイリアンを克服してゆくか、或いはアンドロイドかエイリアンが人類を凌駕して宇宙を支配してゆくか、そういうところまで描いてこそなワケで。広げた大風呂敷の結果が『エイリアン』~『エイリアン4』だと、それはそれで小さくまとまって終わる事になるんだなぁ、と。今考えてみれば『4』のリプリーにはその予兆みたいなモノはあった訳ですが。   エイリアンの基本設定はもう変えようがありませんから手詰まり感たっぷり。ジェリー・ゴールドスミスにオマージュ、な音楽も1作目に対する回帰志向を強調しているように感じられて後ろ向きな印象。  もっと変化したエイリアンをやるには歴史を先に進めるしかないんじゃないかと思います。大風呂敷をしっかとたたんでみて欲しいところで。
[映画館(字幕)] 5点(2017-09-25 21:47:19)(良:3票)
9.  映画 妖怪ウォッチ/空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! 《ネタバレ》 
 CGとの合成を前提として撮られている実写パートがかなりぎこちないとか、アニメパートの作画がテレビアニメレベルのお手軽さとかっていう明らかな難点はありますが、もっと基本的なところで「この映画は大丈夫なのだろうか?」って心配になりました。   アニメのキャラクターがこちら(現実)側の世界の存在になってしまう事に対する違和感、異常さを描いているわけですが、それはつまり『妖怪ウォッチ』という作品そのものがアニメの世界の話である、現実とは違う世界の物語であると主張しているんですよね。こちら側を毛穴世界(アニメのキャラクターには毛穴がありませんから)と呼ぶ主人公を始め、全てのキャラはあちら側の存在であり、そこには明確な境界が存在しているのですよ、と作品をメタ化してみせます。  更にこちら側の人間が逃避という形であちら側の(アニメゆえの)飛躍的に自由な能力を獲得し、あちら側のキャラはこちら側に来る事で現実に引っ張られて能力が極端に低下するという描写によって、その差異を強調してみせた上で、現実を生きるための努力が必要ですよ、アニメに逃避してちゃダメですよ、と釘を刺してきます。  それが劇場に来ていたメイン層である未就学~小学校低学年の子供達に受け入れられるのかどうか、ちょっと心配。むしろ人間側ヒロインの15歳という設定年齢、そのくらいの世代の人に向かって発信されているようにも思えます。大人に向かって社会と自己とに向き合ってゆかなければならない、そんな時期の人。  夢の側から「夢は夢として現実を生きろ」と主張してくる、なかなかに辛辣で侮れない作品だったりするのでした。   まあ、私なんかは遠い昔に手遅れになってますが。CGジバニャンかわいー。
[映画館(邦画)] 7点(2017-01-05 22:24:13)
10.  映画 聲の形 《ネタバレ》 
 耳が聞こえないというのは、この映画では障害ではなく個性であるのだと思います。これは障害者の映画ではなく、いじめの映画でもなく、個人と個人についての普遍性を持った映画、なので障害やいじめに固執すると矮小化してしまう、そこを山田監督は真面目に丁寧に、バランス良く描いています。   それぞれの自分を守るための戦いが生む摩擦、その戦いから逃走する事で更に生まれる摩擦、ひたすら繰り返される闘争の傷とその痛みの容赦の無さ。映画はそこに真正面からぶつかっています。他者のパーソナリティを受け入れると共に自分のパーソナリティも受け入れる、それがどれだけ大変な事か、どれだけの傷を乗り越えてゆかなければならないか、その闘争について映画もまた表現の闘争を繰り広げている訳です。ゆえに受け手は見ていて古傷が痛む訳ですが、映画が戦っている以上、受け手もまたその戦いに向き合い、見届ける必要があって。   そんな映画の心を示す映像表現の数々が秀逸です。アニメならではの心象風景とリアルとの共存を端的に示す、顔の上のバッテンマークは勿論ですが、足だけ、顔が欠けている、誰かが収まっていていい筈なのに空いている、そんな不安定な構図が重ねられて、ほのぼのとした絵柄とは裏腹なヒリヒリとした痛みを伴う緊張感をずっと投げかけてきます。   同じ監督と脚本家、そして同じ京都アニメーション製でありながら、この作品とは正反対に位置しているとも言える『けいおん!』(摩擦は意図的に最小限に抑えられています)では複数のキャラのモノローグによって人称がブレて、流れがおかしくなってしまう箇所も見られましたが、今回はモノローグにも制限が与えられ混乱をきたす事がない点も成長が感じられます。   決して心地良い時間を運んでくれる映画ではありませんが(そもそも主人公のパーソナリティを受け入れられない人もいるかと思います)、そこに向き合う事に大きな意味のある作品です。その闘争の真摯な姿勢を高く評価したいと思います。
[映画館(邦画)] 9点(2016-09-26 21:05:11)(良:4票)
11.  エベレスト 3D 《ネタバレ》 
 IMAX3Dでドーン!と立体感溢れる峰々が、って、どうして大ロングの景色に立体感付けちゃうとミニチュアにしか見えないってのが判らないかなぁ。遠くの景色ってのは左右の視差なんて殆ど生じないわさ。   映画自体は「撮るの大変でしたね」って状態は伝わってくるのですが、地理が明確じゃないの。一体それはどの部分なの?っていうのがまるで判らない、っていうかそもそも判るように描かれてないんです。  その上、みんな似たような風貌になっちゃうので「誰が誰やら」って事になって、エベレストのあちこちに大変な事になってる人が散りばめてあります、って状況ばかりがあって、物語としての流れは諦めちゃってる感じ。実際に何があったのかはネットで調べないとちゃんと見えてこないっていう。  災難に遭った人達に寄りそう事で「臨場感こそが大切、状況の把握なんて出来ないからこその恐怖なんです」とでも言いたいのかな? でも特定の人とポイントの間でシーンがポンポンと飛ぶのでエベレスト全体が大して広くも高くもない、ごくごく限定された空間に映ってしまって、それは大きな間違いなんじゃないかなぁ。  そこにある筈の大自然に対する畏怖とか人間の非力さとか、そういうのは案外伝わってこない、だけどそここそがこの映画では大切なんじゃない?   いや、最大の問題点は見終わって結局人は何故山に登るのか?って事に対してなんの答えも見いだせなかったところですか。利己的な人達が他人を巻き込んで自滅しました、っていう状況ばかりが見えてきて。それじゃ実際に亡くなった人達が浮かばれないわ。   それでも難波康子さんのエピソードはやはり日本人として胸に迫ってきました。でも、最終キャンプ地からわずか300メートルのところで亡くなったっていうのは映画じゃ判らないんですよね・・・。
[映画館(字幕)] 5点(2016-04-07 20:55:26)(良:1票)
12.  映画 暗殺教室 《ネタバレ》 
 面白かったです。でも、それはもうひたすら設定の面白さ、原作未読ですが、多分原作自体の持つ面白さ。   「月を破壊し、地球をも破壊しようとしている謎の生物が何故か落ちこぼれクラスの担任になる」  そのぶっ飛んだ設定だけで楽しめます。しかもバカだけど生徒思いの良い先生。途中『HK/変態仮面』みたいに単なるネタ集状態になっちゃいますが、それもまた楽しく。   でも映画としては結構シンドいデキな部分もあって。  クライマックスでの脱出のシチュエーションを抜く事で説明すべき事を放棄しちゃってます。  鉄塔での戦いでの、いかにも後からCGをハメ込む事を前提として演技してます、ってぎこちなさは手描きアニメとの合成で制約の多かった『メリー・ポピンズ』や『ロジャー・ラビット』の昔よりもずっと未熟。  結局「続く」になるラストも投げっぱなし感がハンパないですし。  生徒達の家庭なんかどうなってるのよ?とか、殺せんせーの存在が国家レベル以外の外部の誰にも気付かれないってあり得る?とか、まあ、そこら辺は割り切って見る部分だとして、もう少しキャラにリアルに生きてる感が欲しかったかな。   結局、マンガを読む代わりにお金払って映画にして見せて貰いました、みたいなモノで、でもまあ最近すっかりマンガ読む気力が無くなってる(アレも気力よね)私には便利なシロモノでした、みたいな?  それが今の邦画の最大の問題点だとも思うんですけどもさ。マンガの映画化ばっかりだもんねぇ。じゃないと商売にならないっていう。
[映画館(邦画)] 6点(2015-05-21 21:26:46)
13.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
 有村架純ってこんなに可愛かったっけ?って。『女子ーズ』や『ストロボ・エッジ』ではそこまでじゃなくって、じゃあ、その2作の撮り方が下手だったのかな?とも思うんですけど、とりあえずこの映画は彼女の可愛さだけで半分勝っちゃってるようなもので。その魅力だけで映画を楽しむ推進力になりますもんね。   物語はダメな女子高生が頑張って慶應大学に合格する話(ここでは省略されちゃってるサブタイトルが付いてますが、その時点でネタバレしてます)、でも、宣伝展開から受けるイメージよりも実際の映画はヘヴィな話で。  主人公には複雑な家庭環境があって、息子だけを偏愛する父親と、二人の娘に愛情をかけ、身を粉にして働く母親と。父親と断絶し、母親の溺愛によってダメっぷりを発揮するヒロインと、父親の期待に押し潰されそうな弟と。バラバラに壊れそうな危うい家族の姿を描いた映画としての側面が強かったりします。  また、ヒロインは学校の教師からはクズ扱いされ、ただ友人達との時間だけが生きがい。  そんなヒロインが進学塾に行き、生徒に理解を示す真面目でひたむきな講師との出会いによって変化してゆく、その講師とのコミュニケーションは軽妙で楽しく、幾つもの対比構造の中で輝きを放つパートとなっています。ここら辺、計算されているなぁ、って感じで。   前記の通り、有村嬢が大きな魅力を放っていたのですが、吉田羊もとても印象に残る母親を演じていて、幾つもの感動を誘います。   講師の言説は理想論に過ぎる感もありますし、いい人なイコン伊藤淳史を起用しているあたりからも、あまりに善悪のイメージを描き分けし過ぎていて、やや鼻白む面が無きにしもあらずですが(このあたり原作本をヨイショし過ぎって感じ?)、ここまでしょーもなく生きてきた私から見たら、大人が子供の可能性を潰しちゃいけないのも、子供が目標を持って頑張るのも、全く正しい事だと思うのでした。   ネタ映画のように思えて、実はとても真っ当な青春映画なのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2015-05-05 20:57:55)(良:1票)
14.  エイプリルフールズ 《ネタバレ》 
 決してつまらない訳ではなかった、長所と言えばそれくらいでしょうかねぇ。   ポスターの絵柄にモロに表れているように、『ラブ・アクチュアリー』とか『ニューイヤーズ・イブ』とか『バレンタインデー』の邦画版をやりたかったんでしょうね。幾つものドラマが同時進行で描かれ、それぞれが繋がってゆく、っていう。  だけどこの映画には、構成や繋がり方にそれらの映画ほどの感心させる技巧は感じられません。元々の基本となる各ドラマに無理があるために、繋がりもまた無理を重ねているだけのように思えて。   タイトルを挙げた映画達と違って、この映画は最初に現実的ではないバカ映画ノリ、どちらかと言えば『ハングオーバー!』だとか『メリーに首ったけ』だとかに近い感覚のドタバタ演技、エピソードを重ねてゆきます。そこからシリアスなドラマを生み出そうとしているのがおかしな気がして。登場人物の誰もが「お笑い用に作られたキャラ」に見え、言動に全く説得力が無いので、そこで感情移入して泣いて下さいと言われても、心を重ねてゆける部分がなかなか見当たらないという。   それでも散らばったエピソードをどんどん畳み掛けてサッと〆てみせれば、面白いモノを見たって感覚も生まれたかもしれません。ところがこの映画、大体のエピソードの繋がりが見えてからが長い長い。実質的にはエピローグな部分に延々30分くらい。何度も何度もクドクドと各エピソードの行く末を念押ししまくって、ここで映画の流れが崩壊してしまいます。感動させよう、盛り上げようとタメまくって無駄なカットと時間を重ねて映画の価値を下げるという、日本映画の悪いクセがここで存分に発揮されちゃっててゲンナリ。10分以内で描きましょうよ。   あと、水商売、風俗を差別的に、人間の中でも下位のものとして描いているのが気になりました。そこで働く人々にも心はあるのです。   次々繰り出されるバカな小ネタを楽しむ映画としての価値はあったので、下手に感動ノリに走らない方が良かったんじゃないかと思います。大体、ここで描かれる感動ネタそのものはどれも古典的過ぎちゃってて。  大勢のスターが演じるバカキャラ、この映画の価値はそこにだけあったんじゃないかと。つーか、この映画、みんなそんなに嘘ついてなくない?
[映画館(邦画)] 5点(2015-04-07 22:53:14)
15.  エクソダス:神と王 《ネタバレ》 
 ドラマ的には微妙な感じで。兄弟のように育ってきた二人の対比、その愛憎があーんまり見えてきません。二人ともただ状況に流されてゆくだけのように見えて、ある意味、哀れな存在のようにも思えます。  まあ、それもあんまり感情移入できないレベルなんで、むしろ「馬が~仔山羊が~」ってとこに感情移入しちゃってましたが。   それにエピソードもブツ切れの飛び飛びで、ヘブライ人の子だ!~追放~放浪~結婚~9年後、って怒涛の展開に「早っ!」みたいな。後半になるともう神の力を免罪符に更に展開が強引になっちゃいますしね。   でも、ヘンな意味で面白かったです。中盤に訪れる天罰シーンで70年代のB級パニック映画群を思い出しちゃって。『スウォーム』とか『世界崩壊の序曲』とか『世界が燃えつきる日』だの『吸血の群れ』だの『巨大生物の島』(SFが付かない方)だののノリを思い出して、リドリー・スコットは現代に甦ったアーウィン・アレンか?みたいな。  でもやっぱりどうせなら「海が割れるのよ~道ができるのよ~」って映像が見たかったかな。ヘタに「津波です」って事にしちゃってるので物理的にそれってどうよ?って画になっちゃって。   映画が進むにつれ、チャンベルがどんどんヘストン似になっていったのは御愛嬌?   でも、どんなに真面目に生きてようが信仰心が厚かろうが、所属する国のトップがダメだと思いっきりとばっちり喰らいますってのはしっかり現代に繋がりますね。恐い恐い。
[映画館(字幕)] 6点(2015-02-11 22:16:02)(良:1票)
16.  映画 ST赤と白の捜査ファイル 《ネタバレ》 
 ドラマ版は第一話をなんとなく見て終了状態だったのですが、映画版、面白かったです。ひたすらキャラものとして。   【以降、映画の仕掛けそのもののネタバレになりますのでご注意を。】   脚本的には結構無理があって。そもそも赤城が逮捕され脱獄し追われるという展開にかなり無理があるので追う方の警察がひたすら無能&お遊び状態に思えてしまい。そこにもちろん裏がある訳ですが、それを事前に100%把握していた人間はごく一部なわけですから、やっぱり無能&お遊びは否定できないんですよね。   それに犯人が犯行の妨げになるSTの解散を目論んだ、っていう設定も疑問。STさえ存在しなければ捜査能力が低下するなんて考えるものなのでしょうか?   大体、ウィルスソフトをばら撒いてワクチンソフトを売りつけるって、そもそも商売として無効化するのが明白なので誰も入札しないんじゃ?   で、だけどキャラが面白くて。赤城・百合根コンビのバカみたいなテンションはアリだと思いましたし(ドラマはあまり見ない私ですが、日頃映画でお馴染みなお二方なわけで、この二人のハイテンション演技が楽しく)、STメンバーや脇キャラも個性的で楽しく。途中、道中を共にする事になる女の子の毒舌っぷりがまたいい感じ。  ユースケ・サンタマリアは毎度のつまんない演技してて、この人ってこんなのしかできないの?とか思っちゃいましたが。   サスペンス映画としてはともかく、キャラものとしてかなり笑わせてもらったので見終わってスッキリ爽やか。なので甘い評価になりました。テレビシリーズをちゃんと見たい感じ。  それにしても、この監督さん、『ガッチャマン』ではなんでこの感覚が全く出せなかったんですかねぇ? 『ガッチャマン』こそはキャラものの基本中の基本ワールドでしょうに。
[映画館(邦画)] 7点(2015-01-25 23:03:44)(良:1票)
17.  エクスペンダブルズ3 ワールドミッション 《ネタバレ》 
 東京国際映画祭で鑑賞。   スターの出オチ映画だった1作目に対して2作目はそれなりに物語を作ってみせていた感じですが、3作目の今作はすっかりキャラもの映画に。毎度おなじみのキャラの活躍をご覧ください、と。寅さん化。   で、今回はまた脚本がB級ワールドです。大きな問題点は2つ。  1つは新旧チームの対立を描いているものの、その意味が薄い事。中盤から旧チームを排除して新チームでの作戦を描き、その危機に旧チームが救いの手を差し伸べるのですが、新旧の対比構造が上手く機能しておらず、単純に人数が増えて全員の出番が分散したために新旧どちらも存在が薄くなっちゃいました、という印象。  むしろクライマックスの見せ場はハン・ソロの再現な3番目のチームがさらっていった感がありますし。   もう1つの問題点は悪役の凄さ、恐ろしさを上手く描けなかった事。何が具体的に脅威なのかは全く判りませんし(経歴? 組織力? 残虐さ?)、形勢逆転はGPSに気付かなかったというあまりに単純なミスによるものでしかありません。その上クライマックスでのマヌケっぷりはB級映画の悪役並みでメル・ギブソンが可哀想。罠を張っていたのはいいけれど、敵が思ったよりもずっと強くてオロオロ、って。   全体的にちょっと低空飛行気味な印象は否めませんでしたがクライマックスの力技で結局コレで満足だろ?とばかりに押し切ってる感じで。とにかくアクションシーンの積み重ね、ゴリ押しでぐいぐいとねじ伏せて。このシリーズってそれでいいんでしょうね。とやかく言うだけ野暮というもの。  個人的にはいつもの映画と大きく印象の異なるバンデラスの面白さが儲け役って感じました。   あと、なんかオフィシャルな腐ってる系カップリング設定はどういう事なんでしょうかねぇ。あれ、誰を喜ばせようというのかしら?
[試写会(字幕)] 6点(2014-10-29 21:45:24)(良:1票)
18.  X-MEN:フューチャー&パスト 《ネタバレ》 
 シリーズをちゃんと真面目に見てるとは言い難い状態ですが、面白かったです。   お馴染みパターンの歴史改変モノなので最後はどうなるのか、っていうのは最初から見えてるような状態なのですが、何しろあのメンバーじゃそこに至るまで絶対に一筋縄ではいかない、波乱に富んだ展開になっちゃうのが予測できるのでハラハラドキドキ。  結果的にウルヴァリンは終わり良ければとは言うものの、散々なメに遭ってましたが。   ただちょっと、じゃないや、大いに気になったのがセンチネルによる虐殺描写。見ててドン引き。  そして、それは『X-MEN』のテーマと矛盾するんじゃないかと。ミュータントが惨殺される映像は、あれ、ミュータントだからOKなわけで、もしあれが生身の人間だったら確実にR-15+です。もげた首を更に踏みつぶすとか、胴体真っ二つとか。ミュータントで半分モノと化している状態なので惨殺されても画的には大丈夫でーす、って。  元々ミュータントへの差別や迫害から生じた闘争を描いたシリーズなわけですが、映像表現でミュータントと人間とを差別しちゃってますね、この映画。それでいいのかいな???
[映画館(字幕)] 6点(2014-06-25 21:09:23)(良:1票)
19.  エージェント:ライアン 《ネタバレ》 
 テンポ良くラストまで全く飽きさせず引っ張ってゆく感じは良かったと思います。ですが、この映画独特の個性、魅力があったか、っていうと、そんなには・・・  世にエージェントモノが色々と出ている中で、他に無い「コレ!」と言った決定的な個性がエピソードからも役者からもあまり感じられないのですよね。   ライアンは大学で論文を書きつつ海兵隊で英雄的な活動をしたって事で、頭もキレるし体も動くし、でも、それが映画をフツーにしちゃってます。  予告編で描かれていた「なんで分析官がスパイの真似をしなくちゃならなくなっちゃったんだ?」って危うさ、それが実際の映画には殆ど無くて、いきなり襲われても勝っちゃうし、潜入しても上手くやっちゃうし。もっと「助けられつつ」ってところを強調した描き方にして欲しかった感じ。前半はドジ踏みっぱなしくらいでね。結局ずっと上手くいきまくりなわけで。   後半、婚約者にさっさと正体がバレたり、その婚約者が危険な任務に協力したりするあたりの甘い設定はともかく、ロシアからアメリカに戻る過程でテロの実行犯に迫ってゆく展開は、いくら頭がキレるって言ったって、あれじゃ魔法みたいで。メチャクチャハイテンポな展開は「いやいや、ちょっとその推理は待って」っていうツッコミを入れさせないため?   国家対国家が背景にある事件の、そのテロ実行犯の意外なまでの計画性の無さ、杜撰さもツッコミどころ。いよいよその時が来た、とか言うわりに危機に陥ったところで誰からもフォローされない孤立無援状態じゃ、そりゃ失敗もしますわ。   ケネス・ブラナーの演出は人物シーンの表情の捉え方、空間の中の人物の置き方がイイ感じですが、アクションシーンになるとゴチャゴチャして見辛くなっちゃってます。   最後に国家にとっての英雄として持ち上げられるライアン、アメリカの危機は世界の危機、アメリカの正義は世界の正義とオチを付けられた映画の監督がイギリス人なのは、そこに何らかの皮肉が混じっているのかしら? いや、どうか混じっていて欲しいものですが。
[映画館(字幕)] 6点(2014-02-16 15:24:18)
20.  エリジウム 《ネタバレ》 
 予想外の凡庸さ。   こういう貧富が二極の世界で描かれるSFって定番じゃないですか。最近でも『TIME』『トータルリコール』『アップサイド・ダウン』なんかがあって。  で、この映画からそれらを越える独自の魅力が感じられたか?っていうと全然。むしろダサいというか下手というか。  なんでこの程度の表現力で定番に手を出しちゃったかなぁ?   デザインがモロに『HALO』を思わせるのはこの監督での映画化がポシャったゆえかもしれませんが、にしてもイコール既視感バリバリ、あのリング状世界のビジュアルは既知のものとして驚きが無いわけで。   更に悲惨な地上はこってり描いても、エリジウムの人々の描写はスカスカなので対比構造が成立していない感じがしますし。   そもそもエリジウムがサイズ小さすぎであれでは社会が機能しないんじゃないかと思いますが。(脳天気な)ラストの医療システム、あんな小さな空間から飛び立ったあれが世界全体をフォローできるわけはありませんよねぇ。   あの医療システム自体が都合のいい、魔法のような存在であるがゆえに、お話しがファンタジー化しちゃってる感じもあります。   もう少しエリジウムが成立している背景や、その均衡が崩れてゆくさまを見せて欲しかったのですが、映画の興味はアクションシーンにあるようで、バイオレンスたっぷりのアクションシーンが連続、だけどそれも既視感たっぷり。   でも何と言っても残念なのはジョディ・フォスターの勿体ない使い方。彼女が抱えたもの、その人物を形作った背景、そんなのが全くすっ飛ばされているので、基本誰が演じてもいい役。演じた人なりの雰囲気が出るだけ。   結局『第九地区』で引き出しの全てを晒して、新作と言ったところでそれ以外は特にありませんといった印象でした。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-22 21:39:09)
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