1. 居酒屋兆治
《ネタバレ》 あの小さな居酒屋に出入りしている人たちにも、それぞれ色々な人生があることが描かれている。決して皆望んでそうなった訳ではないが、その立場を受け入れている。私だったら、やはり、大滝秀治演じる校長先生のような生き方をしてみたい、と思った。いや、まあ映画の話である。映画、といえば、この映画の役を演じるのであれば、勿論、平田満がやった役を演じたい。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-11-02 23:15:11) |
2. アンタッチャブル
《ネタバレ》 オデッサの階段シーンがすごい、パクリと言われようが、非難されようが、このシーンいただき、という割り切りがすごい。何もここまで正確に再現しなくても。でも「戦艦・・」を知らない人には新鮮な感じなんでしょうね。恐るべし何でもありのデパルマ。それは兎も角、コネリーの最後のシーンは泣ける。さすがオスカー俳優、って言うか、このシーンで貰ったようなものか。演出が冴えるシーンですね。殺し屋の憎たらしさを、これでもかと見せて、最後は溜飲を下げる演出も、またハマッてしまう。デ・ニーロの法廷での足のバタバタはやり過ぎかなあ。で、主役のイモっぽさが、それなりに純粋さにマッチしていたのが良かったんですかね。主役の・・・誰だっけ? [ビデオ(字幕)] 9点(2008-03-15 23:01:31)(良:1票) |
3. 男はつらいよ ぼくの伯父さん
《ネタバレ》 満男は伯父さんに憧れている。その確かな気持ちが表れている作品だ。憧れる理由は、寅さんが自由であることに他ならない。浪人の身の満男は、両親からのプレッシャーだけでなく、自分自身の迷いやこだわりにより、本来の居場所がわからなくなっている。迷える子羊の身近にいる、悩み無用の伯父さんは心強い存在だ。悩みは伯父さんなりに有るのだろうが、満男には頼りになる存在になる。誰でも大人になれば、社会的地位にいる非難されない居心地のよさと、束縛のない個人の開放的な気軽さの対比はいつも感じる。普通は妥協しながら社会の一員になる努力をしてしまうのだろうが、今の満男はそこに悩みがあるのだろう。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-10 00:17:51) |
4. 男はつらいよ 知床慕情
《ネタバレ》 男はつらいって、こんなに辛い男の告白もないなあ。男、しかも世界の三船が公衆の面前で告白するのだ。いい年もいい年。離婚した娘がいるくらいにいい年。しかも相手は、昔は美人でも、かなりのお歳。これはつらい、言うまでが。言った後は天国だ。皆が幸せになるんだなあ、いい話だ。寅さんは恋のキューピット役。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-12 23:07:54) |
5. 男はつらいよ 幸福の青い鳥
志穂美悦子は、あの健気な少女だったんですよ。じゃあマドンナになれないよ。若すぎるし、変な不良に気持ちがいっているし。しかも、不良は芸術家に見えない。絵描きはこんな悪がきじゃない。ひ弱な青白い顔じゃないとね。ミュージシャンなら分かる。ミスキャストだなあ。まあ、長渕はミュージシャンだからそれなりの形にはなっているけど。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-05 20:54:48) |
6. 男はつらいよ 柴又より愛をこめて
《ネタバレ》 栗原小巻はマドンナらしい女優なんですが、明るさがないですよね。暗くしっとりしている。カラっとした爽やかさがない。そこが良いところでもあるが、二十四の瞳そのまんまじゃあねえ。で、川谷拓三がいい味出しているんだが、絶対結婚しないタイプの中年オヤジなのに、何を思ったかプロポーズしてしまう。ははは、とギャグが決まったと思ったら、栗原小巻が、何を思ったかOKしてしまう。あれ?笑うに笑えない展開に、寅さんの出番かと思いきや、逃避行の旅へと。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-05 20:45:42) |
7. 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾
けっこう落ち着いてきてしまって、恋をしているというより、若い衆の面倒を見ている雰囲気ですよね。歳もそうだし、いくらなんでも盲目の恋は似合わないのかな。マドンナらしいマドンナなんだけど、寅さんが引いてしまっては、話も盛り上がらずというところかな。結局失恋してないし。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-10-22 23:22:36) |
8. 男はつらいよ 寅次郎真実一路
大原麗子は、前作よりずっと良かった。頼りなさそうで、自立するタイプじゃないところが何となく作品の雰囲気を作っていた。展開がいまひとつ感はあった。猛烈サラリーマンの悩みは確かにこういうところにあるんだけど、ハッピーエンドにすると甘すぎる印象はある。傷は残るよなあ普通。いい人ばかりじゃないんだよ、世の中。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-10-22 00:19:45) |
9. 男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎
そんなに悪くないけどな。中原理恵に美保純って、そういえばいたなあ。確かにトニーはないな、どっちかと言うとジョニーだろう(?)。熊のぬいぐるみを出すより姿を見せないほうがリアル感は出たろうな。喜劇っぽくしたかったんだろうがね。のぼると佐藤B作のエピソードはけっこう良かった。有り得ないストーリー展開のなかで、急に現実に引き戻される。喜怒哀楽のツボは押えている。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-10-08 13:17:03) |
10. 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎
博の親父さんのお墓参りに来て、寺に居座り、住職の代わりになり、法事での騒動という一連の流れは、強引な展開にもかかわらず笑いの数珠繋ぎで、マンネリ感を脱した余裕が感じられる。けっこう本気の朋子にあっさりケリをつけてしまう寅さんにも余裕が感じられる。悲壮感がないのは頭では理解しているからか。わかっちゃいるけど惚れてしまうという感じか。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-24 21:26:19) |
11. 男はつらいよ 旅と女と寅次郎
都はるみは歌はうまいが演技がねえ。で、ローマの休日か。う~ん、すべってはいないが、このあと普通のおばさんになってるという事実が、妙にかぶってしまう。設定とかストーリー展開は余裕が感じられるようになりました。さすがにツボとかパターンも上手い。量産過程ではマドンナ候補を探すのも大変なんだろうな。それは判る。だったらリリーをもっと出せばよかったのに。満男が重要なパートになりつつありますねえ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-24 12:48:39) |
12. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
《ネタバレ》 ゴッド・ファーザーより前に製作されていたら間違いなく絶賛されていたんだろう。謎解き自体は単純なんだが、三つの時代が複雑に交差するから、そこに乗り遅れると中に入っていけず退屈してしまう。どん底から体をはって這い上がっていく緊張感あふれる映像は見事だ。子供時代のエピソードも付け足しにせずじっくり描いている。友情と愛と裏切りの男の美学がデ・ニーロの名演で堪能できる。最後の笑いは謎だが、この世界から足を洗えると思った開放感と、資金を独り占めできると思った喜びなのか。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2006-09-24 00:17:09) |
13. 勝利への旅立ち
訳ありで引退したかつての名コーチがダメチームを蘇らせていくパターンの感動作。保守的で考え方を変えない町のオヤジ達やアル中ダメ父親(デニス・ホッパーが熱演)といった要素で上手く味付けしている。ただ、生徒達とコーチの心の葛藤はサラリとしていて物足りない。したがって、すんなり勝ち進んでいく印象も。主人公達の挫折や悩みが観るものに丁寧に伝われば感動は盛り上がる。いつもながら、邦題もいかがなもんでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-09-18 13:42:30) |
14. 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
沢田研二と田中裕子の結婚はこの作品の共演がきっかけなんですか。寅さんのマドンナというよりは口下手の純粋な青年のあこがれとして登場しますが、その家庭も微妙に不安定な設定で、スッキリしないままに話が進んでいきます。相変わらずスッキリしないまま旅に出る寅さん。日本人的な曖昧な態度と自己犠牲による決着のつけ方が、寂しさと心地よい余韻も残すのだが。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-12 22:36:17) |
15. 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
作品の感じとしては繊細な恋心を随所に表現した芸術的なもの。陶芸や京都、鎌倉のあじさい寺と、女性が好みの要素が多いせいかもしれない。しかしながら、寅さんらしさが少ない分、マドンナの暗さが目立ってしまっている。それが良さともいえるのだが。今後、満男の出番が多くなることを予告するものともなっている。味わい深い作品ではある。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-02 23:47:26) |
16. 男はつらいよ 寅次郎紙風船
岸本加代子のエピソードが効いていて深みのある作品に仕上がっています。珍しく一歩手前まで行くのに、惜しい。が、しかし、マドンナに華がないのが気になるところかな。約束とはいえ相手の気持ちもあるしな、辛いところです。シリーズとしては余裕の展開になっている。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-27 00:29:04) |
17. 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎
ちょうど娘が受験真っ只中の頃、大阪に出張があったんで、仕事の合間に通天閣に行き、ビリケンさんに合格をお願いしました。御蔭様で合格できたと感謝しております。話が横道にそれましたが、その通天閣の通りでのシーンで、寅さんと芦屋雁之助が恋愛論を語る場面は、隠れた名シーンですね。寅さんが語る粋な気配り(だから振られる)と雁之助が説く一途な恋愛(これも問題が多い)が、両方とも説得力があるから不思議だ。この四角い顔と丸い顔が画面いっぱいに広がり、さりげなく恋愛を語るとは。迫力満点。マドンナの設定も満点。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-20 09:07:48) |
18. 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌
蘭ちゃんは、マドンナと言うにはあまりにアイドルそのまんまだし、歳がねえ。やっぱり、マドンナの娘という設定が正解ではないでしょうか。単調な展開と感じたのは、もう一つドタバタ絡みのエピソードが足りないからか。あき竹城なんか、もったいない使い方です。唯一、母親が訪ねてきた場面はさりげなく心に響く場面だった。娘の言葉は正しいんだけど、母親にも言い分はあるだろうし、電柱の陰で泣いている場面はねえ、辛いよなあ。女も。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-08-13 00:00:35) |
19. 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
女が病気で寝込んでいたり、ましてや入院などしたら、飛んでいくのが男だ。重病でなければ、多少遅れても、みまいは必要だ。花でも持って。と、ここまでは良かったんだが。まあ、しかし、ちゃぶ台ひっくり返すリリーも魅力的だ。それくらい元気になっていれば、まあいいか。女心をわかったら、独身でいるわけない。たとえ、所帯を持っても、分かれるよなあ、この二人。こう考えると、結婚するには、勢いと、あきらめと、自制心が必要なようだ。寅と博の違いか。どっちが良いかは本人が決めることだが。しかし、リリーだったら男はみな同じ気持ちだろう。違いますか、寅さん? [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-06 00:11:28) |
20. キネマの天地
オールスターキャストで、豪華な雰囲気は出ているけど、主役が不在のような焦点を絞りきれない感は残りました。藤山寛美をもったいない使い方で活かし切れていないと感じたんですが、せめて、寅さんとの大喧嘩ぐらい設定してほしかった。さくらは相変わらずいいね。旦那も健在で息子の満男も中学生か。時々、昭和初期の時代設定かなと感じるところもあったが、高度経済成長前ならこんな時代だったんだろう。しかし、そうすると寅さんが死んでしまうのはおかしい。寅さん映画の番外編としては矛盾する。製作者の真意を知りたいところだ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-07-30 23:39:56) |