21. ドッペルゲンガー
当然フライシャー「絞殺魔」を観ていなければこの作品の真価は到底分からないのだけれど、それにも増してこのサスペンスフルな緊張と、笑ってしまうほどめちゃくちゃな展開には度肝を抜かれる。一つ一つのショットが洗練されており、ハンマーでの「ゴンッ」という音や、突き落とすときのタイミング、ユーモラスなドッペルゲンガーなど、素晴らしいカットには枚挙に暇が無い。ラストのロードムービー的な展開は黄金時代のハリウッドを意識しているに違いない。踊りながら海に落ちていくロボットとそれを後ろで見つめる男女。素晴らしい構図だ。男と女と車がいれば映画ができる。ロボットが居ても映画はできるということを黒沢清は証明した。 [DVD(邦画)] 8点(2014-08-18 20:09:50) |
22. サマータイムマシン・ブルース
ラストのセリフが最も素晴らしいことは言うまでもない。 [DVD(邦画)] 8点(2012-12-24 22:15:01) |
23. ウォーターボーイズ
これは笑いのセンスは別にしても玄人にしか撮れない映画。水中の映像やシンクロのカット、テンポといい、こだわる所にとことんこだわってる。コメディのツボもしっかりおさえ、いかにも青春スポ根映画になることを避けている。そういう意味では完璧だと思う。この映画をあと30分長くして「説得力」や「ディティール」を付け加えるべきだろうか? そんなことは馬鹿げている。 [DVD(邦画)] 8点(2012-07-08 02:28:18)(良:1票) |
24. EUREKA ユリイカ
セピア色の映像しか見ることのできない私たちもまた、有効な言葉を持つことができない兄妹と同じ立場におかれている。よくいわれるように暴力を容認するような映画では決してなく、むしろその対極だろう。暴力が生み出す悲惨さを抱えて、そこから立ち直る映画である。それを肯定も否定もする必要はなく、それらは無意味でさえある。この映画を物語る者は居ない。ただ経験がそこにあるだけである。 彼らが何かを発見したのか、それとも私たちが彼らを発見したのか。私は後者だと信ずる。 [DVD(字幕)] 8点(2012-02-14 00:04:32) |
25. プチ・ニコラ
素晴らしい。こういう毒のない幸せな映画もたまには良いもんだ。とはいえそれだけの満足を与えるだけに平凡な作品ではありえない。オープニングのポップさはそのままに、実は巧みな脚本、構成であるし、子供たちは勿論、オトナたちののキャラクターもそれぞれ立っている。10人近くを見事に独立させ、役割をもたらすのはそう容易なことではないし、くすりとさせる王道のコメディ要素もいっぱいだ。いやな気持ちになるシーンが一つもなく、いい意味で気を抜いてほっこりとした気分になれる。逆にここまで徹底的に毒を抜けるのは画としてもストーリーとしても困難だろう。監督の力量が問われる難しい作品だったと思うが、見事である。個人的にはいつも食べている小太りの少年が面白すぎて好きだ。美しいフランス語の響きと共にどうぞ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-09-21 19:21:49)(良:1票) |
26. パリ20区、僕たちのクラス
原作者が主演やってるってことかな? すごい映画。教室での授業シーンがこれほど画になるとは思わなかった。ただの授業のはずなのに、生徒一人ひとりが浮き上がってくるかのような錯覚。それに合わせて教師フランソワもたまにムキになったりして、一つの小さなコミュニティが生まれてくる。小さな社会にも関わらずなんという深遠さか。教師とは大変なものだと思わされる。それにしても映画的な演出がほとんど無い割に、映画として観させるこの作品はものすごい潜在力を持っている。まったくわざとらしくない。かといってドキュメンタリーほどナイーブな視点を持っているわけでもなく、ただありのままを写しているように見えるが、なにかねらいがあるのだろう。 [DVD(字幕)] 8点(2011-09-20 22:53:28) |
27. リミッツ・オブ・コントロール
何も語らずただ点数を献上するのみ。そんな映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2011-09-02 01:06:52) |
28. 誰も知らない(2004)
この映画はまた再評価というか、再検討されるべき映画だと思う。一年というスパンでの撮影や、映画ともドキュメンタリーともつかない絶妙なバランスなど、映画そのものを捉え直す契機になりうる作品。 [DVD(字幕)] 8点(2011-06-06 14:21:22) |
29. 父親たちの星条旗
普通はこちらのほうを先に観るようだが、日本人であれば先に「硫黄島」を観てからこちらを観たほうが、自国側そしてそのいわば舞台裏(アメリカ側)という意味でしっくりくるような気がする。そして兵士の葛藤や、イーストウッドの扱う「死」、それも単なる死ではなく、「生」の下に埋もれる無数の死を描く本作は見ごたえがあった。ハリボテの山に星条旗を立てる、というこの上ない茶番の際に三人がフラッシュバックとして死を思い出すのは偶然ではない。どんな茶番であれ、生きていることは無数の死体を土台とするのだという教訓の象徴としてあのシーンは存在する。逆に言えば、生を規定しているのは過去の死であり、それは誰も覆すことはできない。「英雄なんていない」というセリフを、「硫黄島」に当てはめるならば「英霊なんていない」とするのがぴったりであるし、そうすることがイーストウッドのしたかったことであろうと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-19 00:08:57)(良:1票) |
30. 第9地区
面白い。 [DVD(字幕)] 8点(2011-04-14 01:29:54) |
31. ゴーン・ベイビー・ゴーン
イーストウッドの強い影響を感じた。 [DVD(字幕)] 8点(2011-04-04 23:04:50)(良:1票) |
32. ぼくのエリ 200歳の少女
《ネタバレ》 こぢんまりとした映画のようでいて、実はこれは玉手箱であった。きれいにまとまりつつも緩急をつけたストーリーは勿論、美しい映像、巧みな構図や大胆な演出という面でも見所満載。「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」を思わせる雪景色と少年。しかし少年はいじめられており、ナイフを持ち歩き、夜には自分のいじめを自分ではない誰かに対して反復する。ある種屈折した人間像。対してヴァンパイアのエリは自分を認め、現実を受容するある種素直な性格である。それゆえに完全な理解さえ求めない。エリは出現の方法や外見からして超越的ではあるが、それをやりすぎていないところが好ましい。ヴァンパイアと少年との恋(しかもモールス信号)なんてベタというよりも、コメディになることを恐れたが、この絶妙のバランス! これはひとえに、描いてしまうと「やりすぎ」感のあるシーンでは婉曲的な表現を多用しつつも(例えば空を飛ぶシーンや壁を登るシーン)、インパクトのあるシーンはしっかりと撮る大胆さ(例えば朝日を浴びて女が燃え上がるシーンやエリの襲撃シーン)の功績である。そしてなんといってもプールのシーンと、血まみれのキスシーン。これほど素晴らしいホラー描写とキスシーンは久しく観ていない。紛うことなき傑作。 [DVD(字幕)] 8点(2011-03-02 09:55:03)(良:1票) |
33. ローラーガールズ・ダイアリー
単純に面白い。定番ものだが、女性の物語という点で新鮮で、そして演出のセンスとキャスティングで抜けている。母親のタバコや父親のバンなど、ファクターをいかにもという感じで使っていないのも好感が持てる。一番はやはりエレン・ペイジの演技力だろう。父親役も良かったけど。 ただ試合の描写や、所々編集が「あれ?」って思うところが多く、それは今後がんばってほしいところ。うまく言えないが、なんか違和感を感じることがある。慣れてないってことなのかな。王道はしっかり作ればやはり面白い。 [DVD(字幕)] 8点(2011-02-27 16:03:08)(良:2票) |
34. ショーン・オブ・ザ・デッド
おもしれー。本家ゾンビを観てから観ましょう。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-04 01:14:34) |
35. ぐるりのこと。
ここぞというとこの長回しと、他愛もない描写に注がれる暖かい視線は素晴らしい。構図も一つ一つ工夫していていい画でした。ストーリー自体はハッシュに比べるとオリジナリティには欠けますが、似て(?)非なるものであったハッシュと違い、夫婦を正面から扱っているあたり、監督の成長というか意識の向くところからすると必然の題材選択だったのかもしれません。最初はだめだめに見えるリリーフランキーのダメさ加減が段々いい感じになっていきます。木村多江の堅さと溶け合っていくかのようでした。いい映画でした。 [DVD(邦画)] 8点(2010-11-17 23:36:30) |
36. 東京ゴッドファーザーズ
今氏のアニメの中では、ストーリー、ビジュアル共に傑出している。「ストーリー」に不満を持つことが多かっただけに、今回は満足できる。徹底したご都合主義はあそこまで確信犯のようにやられるとかえって気分が良く、めまぐるしい展開に身を任せるのを良しとさせる。クリスマスの奇跡in 東京というテーマを存分に消化している。東京を描いたアニメもなかなか良い。 [DVD(邦画)] 8点(2010-10-16 09:16:56) |
37. 戦場のピアニスト
エイドリアンブロディは痩せこけてみすぼらしい役をやらせるとハマりますね。最高でした。音楽。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-19 17:36:33) |
38. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
さて、サントラ買おっと。 [DVD(字幕)] 8点(2010-08-19 00:48:27) |
39. デス・プルーフ in グラインドハウス
あー面白かった! あんだけ怖かったのに「助けて!勘弁して!」と泣き叫び、しかもボッコボコにされるカートラッセルに爆笑。カーチェイスも他のと違ってなんだか面白い。タランティーノの才能としか言いようがない。 中身がないのがタランティーノです。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 09:40:23) |
40. チェンジリング(2008)
すごくいい映画でした。飽きさせないという点だけで評価できる。アンジーすごい。イーストウッドの撮り方はうまいなぁ。 [映画館(字幕)] 8点(2009-08-26 23:26:44) |