441. 寝盗られ宗介
《ネタバレ》 こりゃ、落語だね。 成金親父のドラ息子が、親父の死ぬ前に結婚式をあげるという、簡単な話。 しかし、嫁が一筋縄でいかない。 原田芳雄演じる座長に惚れていながら、別の男と次々関係もってしまう、 素直になれない色気たっぷりの女性を藤谷美和子が演じる。 さぁ結婚式が始まった! 新しい間男と行ってしまった、藤谷演じるレイコは、果たして式場に来るのか!? スリル満点の結婚式の場面。 原田芳雄ショーも炸裂!愛の賛歌の場面は、こんな凄い俳優が日本にいたのか?と度肝を抜かれる。 結末は?・・言わない(笑) 是非、本編を観ましょう♪ [ビデオ(邦画)] 10点(2021-03-10 23:47:00)(良:1票) |
442. エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事
《ネタバレ》 ニューヨークっ子のスコセッシならではの題材。 ホントにスコセッシってアメリカ映画に愛されてるよなぁ・・ 商業的じゃない映画もドンドン撮るものね。 さて、この映画、日本では明治時代の頃の、アメリカNYの社交界の話である。 まず、ヨーロッパからの文化を持ち込んだとはいえ、豪華なハイソな生活。 小道具(食事も)に至るまで、時代考証を徹底的にしたかのような贅沢な映画。 ヨーロッパから来たサミシイ女性をミッシェルファイファーが演じる。 そのサミシサに心が揺れる男性をダニエルデイルイス。 そして何もかも見通したうえで、家庭を築こうとする、賢明な女性をウィノナライダーが演じる。 移民だらけの国を、いかに秩序だたせるかという、固い社交界のなかの3人の模様を描いた映画。 スコセッシがこんなラブストーリーをつくるのも驚きです。 素晴らしい! [ビデオ(字幕)] 8点(2021-03-06 23:45:06) |
443. TENET テネット
《ネタバレ》 面白い! 前半と後半に分けて、観ると、分かりやすい。 まず、逆行というものがタイムマシン(古い言い方ですが)によって、存在するという前半。 これは、なぞの格闘シーンの解明で、頂点に達する。 後半は、もう逆行は選択肢としてアリという前提で、話がどんどん複雑になる。 味方、現在の敵、逆行の敵、逆行の味方、と軍事行動など何が何だか分からなくなるが、 ここは未だかつてない映像体験を楽しめばいいのだ。 奥さんが撃たれた時点で、一週間前に行って、手当てすればいいだけの気もしたが、 事態はどんどん複雑に・・ しかし、ノーランはやはり映画作家だった。 最後は、分かりやすい展開で、う~むと唸らせて、我々を満足させてくれる。 最高! [DVD(字幕)] 9点(2021-03-06 15:46:00)(良:1票) |
444. ランボー/ラスト・ブラッド
《ネタバレ》 うおおおおお。 やられても、やられても、立ち上がってくるロッキーのようなスタローン。 もう、ゆっくりお休みください・・ しかし、殺して殺して殺しまくってるランボー。 96時間のようにハッピーエンドにはならない。 最後は、前作のランボーで目覚めた、このシリーズのグロさが 思いっきり、味わえます。 うわ~~~、もういいです、スタローンさん・・ [DVD(字幕)] 7点(2021-03-05 22:46:35) |
445. ランボー/最後の戦場
《ネタバレ》 映画のシリーズものは侮れない。 いい例がロッキーである。 毎回、それぞれ人生の課題を描写していて、面白いシリーズである。 そのスタローンのもう一つのシリーズもの、それがこのランボーである。 このシリーズも、同じような話は創らない。 ランボー3が、あまりにも人間の域を越えて、漫画みたいな話だったので、 もうこのシリーズは終わったかのように見えた・・が、続くのである。 今、ミャンマーはクーデターが起きて、大変なことになっているが、 民衆があれほどまでにデモを起こすのは、以前の軍事政権が無茶苦茶だってことが、この映画を観て分かる。 これほどの非人間的な描写が許されるほど、世界はミャンマーの軍事政権に 戦慄していたのだ。 おとろしい・・。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-04 22:23:51) |
446. 21世紀の資本
《ネタバレ》 分かりやすく、考えさせられる。 よくできたNHKスペシャルといった感じ・・ いつの時代にも、警告を発してきた人はいる。 でも、その警告は、遠からず当たってきた。 この映画の警告が、その通りなら、恐いですね。 [DVD(字幕)] 7点(2021-02-24 10:45:22) |
447. ジョジョ・ラビット
《ネタバレ》 面白い! ナチにも人間味のある将校はいたわけで、それが少年兵を指導する彼だったわけだ。 最後の、ジョジョを守るための芝居は泣ける。 普通、映画等でユダヤ人の受けた史実を知っていれば、ドラマとしては、憂鬱な展開だ。 ヒットラーに憧れる少年兵の家に、ユダヤ人の少女が匿われてたわけだから。 でも戦争が終りに近づいてきてるという話の流れで、ホッと一息できる。 10歳の彼と、ユダヤ少女の交流。 そして、そこにいきなりゲシュタポが来る展開。 そこで将校の粋な、知らん顔がいい。 しかしお母さんが殺されるのは痛い展開だ。 しかし、一気にドラマは、ドイツの敗北へ。 心の友であったヒットラーは、母を殺した人間でもある。 そして彼は心の友を捨て、少女への愛へと傾く。 ドラマなら、この後、大変な苦労があるだろうと予測されるが、コメディなので、これでいいのだ。 ナチの太った女性指導者が、ラスト、機関銃をもって、突撃していくのが、スゴイ・・ 才能の片鱗を見せる場面がいくつもあり、今後、スゴイ監督になっていくのでは。 [DVD(字幕)] 8点(2021-02-20 20:23:35)(良:1票) |
448. ラストレター(2020)
《ネタバレ》 岩井俊二らしさがよく出てた。 さわやかで、それでいてヒリヒリと・・ 初恋の傷に、塩を塗り込むように、ヒリヒリと・・ でもそれを女性全部で受け止めるといった感じ。 「Love letter」のさわやかさと「スワロウテイル」のヒリヒリさ。 なんて新人が現れたろうと思ってたら、その二面性を保ったまま、 どんどん新作を発表していく、不思議な感じの作家だ。 「リップヴァンウィンクル」てドンと構えたかと思ったら、 本作で、またさわやかな風を吹かしてくれた。 本当に次回作が楽しみです。 [DVD(邦画)] 10点(2021-02-20 03:06:00) |
449. 大怪獣東京に現わる
《ネタバレ》 CGでリアルな怪獣映像があふれるなか、 怪獣がまったく画面に登場しない、怪獣映画があった~! 東京や日本各地が怪獣被害で無茶苦茶になるなか、福井のある地方の町では、 町民が勝手に興奮して、みんな感情が燃え上がるというお話。コメディですね。 最後は原発問題にまで触れ、令和の今では、多分再評価されにくい映画ではあるが、ストーリーとしては面白い。 これってコロナで都会が騒然となってるときに、意外と田舎の方では、 日本おしまいじゃねって盛り上がってたのかな、とか・・ (まぁ俺も中都会だから、何も言えないか・・失笑) [ビデオ(邦画)] 7点(2021-02-12 00:03:01) |
450. カナディアン・エクスプレス
《ネタバレ》 映画を好きになった80年代頃のアクション映画。 「ダーティハリー」とか、この映画のジーンハックマンとか・・ とにかく観まくってた。 この映画は、公開当時気にはなっていたが、30ン年経って、鑑賞。 何より分かりやすいよね。 今の世代には、予測可能なんて馬鹿にされるかもしれないけど、 迫りくる殺し屋におもちゃの銃で反撃開始とか、列車の屋根でのクライマックスのアクション。 正体怪し気なデブが実は味方だったり、うるさくつきまとうオバちゃんが敵だったり、とにかく楽しい。 新しいものに疲れたときには、この頃のアクション映画が癒しだったりする。 [ビデオ(吹替)] 7点(2021-02-11 20:26:22) |
451. その日のまえに
《ネタバレ》 大林さんらしい、ファンタジックな映像世界。 死と乙女は、大林さんの世界では、よく扱われるテーマ。 大林演出がスピード感を増して、伸びやかになってくる頃である。 続く「戦争3部作」への予感が十分に感じられる。 乙女のようなお母さん、永作博美。 子どものような青年のお父さん、ナンちゃん。 初恋のまま、夫婦になったような二人である。 そこに宮沢賢治の世界が被さる。 最後は、汽車が空を飛ぶかなぁと思いましたが・・(笑) [DVD(邦画)] 7点(2021-02-08 00:46:38) |
452. 男たちの大和 YAMATO
《ネタバレ》 戦艦大和の模型を作っていると、必ず驚かされるのが、 側面の機銃の多さ。 この映画は、その機銃部隊の話である。 小さい頃、戦艦大和に誇りを持ち、そしてその最期に、皆、ショックを受ける。 帰りの燃料のない旅に出る、そのドラマを丁寧に見せる。 飛行機の時代と分かっていたのに、どでかい戦艦を作ってしまう日本という国。 戦闘シーンは、なぶり殺しの感すらある。 アメリカはそれにしても、やりすぎっちゃ。 P.S.戦艦大和のどでかい模型を使った映画は、ほかに「連合艦隊」。 こちらは、さだまさしの唄が心に刺さる。 [DVD(邦画)] 7点(2021-02-06 20:44:05) |
453. 明日の記憶
《ネタバレ》 泣きました。ホントに・・ 前半1時間は、病気が発症してから、仕事についていけなくなるという サスペンスタッチ。 娘との結婚式のスピーチで、クライマックスを迎えます。 一転、後半は、家族との静かな病気との生活が始まります。 そして奥多摩での妻との思い出の陶芸教室での幻想体験。 そして妻が迎えに来るのですが、そこでとうとう最愛の妻さえ忘れてしまうのです。 その時の樋口可南子の静かな嗚咽。 もう泣きました・・ 純愛映画としても記憶に残る映画でした。 [DVD(邦画)] 8点(2021-01-31 19:28:00) |
454. 罪の手ざわり
《ネタバレ》 中国に急速に入ってくる欧米文化。 その文化同士の衝突による化学反応をジャジャンクーは、描く。 でも考えてみれば、日本もそうなんだよね。ただゆっくり入ってきたから、 こんなに分かりやすい反応はしなかっただけで・・ 「世界」ではテーマパークを、「長江哀歌」では都市開発によるダムなどの環境の変化を、 ジャジャンク-は、中国のとまどいをクローズアップして描いてきた。 この作品は、欧米の銃やジャックナイフなどの武器、企業経営による雇用される側の非人間的対応を迫られる辛さ、それらを4編のオムニバスで描く。 最後、罪を犯した女性が中国歌劇の「罪を認めるか」と言う歌を聞くシーンは、こういう金による支配、欧米のハンディな攻撃武器がなければ、女性は罪を犯したか?という問いを監督は言っているのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-30 22:59:14) |
455. 水の声を聞く
《ネタバレ》 イカサマ宗教の破滅を描いている。ラスト、教祖の女性がヤクザに暴行受ける場面などあり、不快な気持ちになった。集中して観ることができなかったが、済州島の歴史など描かれており、ただの破滅映画ではないのかも・・。 教祖の女の子が段々正義に目覚めていく過程など、集中して観れば、また感想が変わったかも・・。 ラストの後味の悪さは、本当に人生分かったうえで表現しているのか、映画の見すぎで安易に思いついたのか、一度キネ旬の評論を読んでみたい。 [DVD(邦画)] 7点(2021-01-30 22:55:44) |
456. マーウェン
《ネタバレ》 どうやって撮影したんだろう?そればっかり気になってた。 人形はCGにしても、顔の表情は、まるで人のよう。 イラストレーターが暴行を受け、人形アートにのめりこみ、 その世界観を写真にしている、という実在の人物がいる。 実話なのだ。 監督自身の作品「バックトゥザフューチャー」のオマージュもある。 なにより、正攻法のストーリーで挑むゼメキスらしく、 話をひねることをしないで、人形CGの世界を楽しく(と言っても暴行の ショックで過激な内容だが・・)映像化している。 面白い! オタクが現実の恋愛でふられるとこは、自分の古傷がヒリッと来た(笑) [DVD(字幕)] 7点(2021-01-30 22:49:18) |
457. よこがお
《ネタバレ》 女性の復讐ものである。 しかし、悪いのは男性ではない。 女性である自分を好きになってしまった女性への復讐である。 そこが新しいところである。 筒井真理子が好演してる。 今まで地味で、ノーマークだった女優だが、 普通のおばさんがちょっとしたことでどん底に落ちていき、 そこからの演技が凄まじい。 もうベッドシーンあり、犬になったり、 それはもう女優魂だろう。 面白かった。映像技術があがって、 こんな地味な素材でも、観客が集中できる絵に仕上がってる。 [DVD(邦画)] 7点(2021-01-30 22:47:20) |
458. 海よりもまだ深く
《ネタバレ》 是枝監督作品の中でも好きな作品だ。 何より、小説家志望のくたびれた男(阿部寛)に共感できるし、 彼の家族(樹木希林もまた!)の話す台詞が、とても心地よく刺さる。 いつもの是枝時間の中に、今回は台風という時間が入ってる。 「歩いても歩いても」と似てる映画ではあるが、両作とも好きだ。 リリーフランキーもいて、是枝組、真骨頂である。 [DVD(邦画)] 8点(2021-01-30 22:19:14) |
459. 最強のふたり
《ネタバレ》 気持ちのいい作品に仕上がってる。 これは、ドリスの気持ちのよさから来てる。 ズケズケ言ったりもするが、基本、頭のいい好青年である。 フィリップも、もともと人の上に立つべき教育を受けてる、頭のいい人だ。 頭のいい二人が波長が合って、いいコンビになったんだろうね。 障害者としてではなく、人と接したから、というより、頭のでき具合がピッタシだったという要素が強い気がした。 最後、文通の女性があらわれて、コンビ解消か・・ ちょっと寂しかったね。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-30 02:43:50) |
460. 空気人形
《ネタバレ》 是枝監督は、静かな映画をつくる監督だ。 その静かな映画でできる素材を常に探している感じだ。 今回のは、静と俗。 セックスドールが心を持ち、世界の美しさに触れ、恋もする。 そこで失恋の気持ちも味わい、 「ココロヲモツコトハセツナイコトデシタ」とつぶやく。 東日本の前の作品で、日本全体が、閉塞感で心を失っている頃の作品で、 まさに時代の作品だと言える。 今の子たちには分からないかもしれないが、オジサン連中には 心に沁みる映画です。 心を持ったセックスドールが、恋した相手を殺してしまうことで、 また心を手放す・・・?というか、あまりラストに意味は感じなかった。 でも「エクスマキナ」も同じような素材の映画だが、 アメリカの作品は、結末が荒いし、是枝さんの作品がはるかに上と思った。 [DVD(邦画)] 8点(2021-01-23 17:28:32) |