741. クリムゾン・ピーク
《ネタバレ》 ギレルモデルトロの映画と言われなきゃ、ちょっと分からないくらい デルトロ色が薄い。 でもこの映像美! 特に圧巻なのが、屋敷のなかの映像。 もうミステリアスな雰囲気にどっぷりつかって、 家族の歪みを描いている。 なんというか、ちょっと前に大量に創られていたアメリカの猟奇殺人事件ものにうんざりしていたが、 このような世界観の中で描かれると、見応えある映画体験ができるものだと感心。 クリーチャーのあまり出てこないデルトロ映画。 でも見応えあった! 唸っちゃったよ。 [DVD(字幕)] 8点(2018-09-29 17:41:35) |
742. DESTINY 鎌倉ものがたり
《ネタバレ》 素直に楽しめた。 山崎監督のは、素直に楽しめますね。 ただ小栗康平監督が映画は痛切が大事だ、と言ってるんだよね。 難しいことだろうけど、心に残る映画って観るのが辛い映画が多いのも事実。 パティシエの創ったケーキみたいな映画だったけど、山崎監督には 生きてる辛さみたいな映画も撮って欲しい。 それをVFXで撮るとどんな映画か、観てみたい。 ギレルモ・テル・トロみたいな味わいも欲しいなぁ。 [DVD(邦画)] 7点(2018-09-28 12:30:57) |
743. まほろ駅前多田便利軒
《ネタバレ》 面白かった。 松田龍平の「捨てられた子犬」ようでいて、実は奥さんもいるし、大きな実家もあるというのが平成風でいい。 瑛太の人情家のようでいて、実は子どもを亡くしてる辛い過去があることも・・ まほろとは、町田市がモデルのよう。 東京にいたとき、確かに町田市の知り合いは懐かしいにおいがしてた。 うなづけてしまう。 面白い着眼だと思う。 東京に近いながらも、地元密着志向の町が舞台とは、東京でも地方でもない、新しい世界を見せてくれる。 「探偵はBARにいる」とは、また違う平成日本の顔を見せてくれる。 [DVD(邦画)] 7点(2018-09-24 23:48:36) |
744. 夢売るふたり
《ネタバレ》 女性監督ならではの、松たか子の描写だろう。 松たか子って美人なんだけど、暗さを乗り越えた美人っていうか、 場面によっては、どす暗い表情も見せるので、とてもこの映画にマッチしてる。 若くして店を持つ夫婦の健気な奥さんが、店が焼けてから、旦那がひねて「過ち」を犯し、 そこでどんどん陰険になっていく女性役にまさにピッタシ。 最後、刑を終えて、魚市場で夫婦で働くその姿に、救われる感じだ。 フォークリフトから食堂の旦那を見つめる彼女の表情は、もう陰険ではない。 いい映画でした。 でもこの夫婦にふりまわされた女性たちも気の毒な話だよなぁ。 [DVD(邦画)] 8点(2018-09-24 18:51:59) |
745. ダラス・バイヤーズクラブ
《ネタバレ》 元よりテキサスのカーボーイ。骨があるはずだよなぁ。 女好きのヤバイ遊びからHIVに感染した男が、 病院の使う薬の方が死を近づけ、国の認めてない薬が延命に効くことを発見。 HIV患者たちへの会員制クラブをつくる。 そしてやはりやはりの国側との対決。 裁判は訴えを棄却されてしまうが、仲間から賞賛を受け、大好きなロデオにも出場。 レビュワーさんも書いているが、まさしく主人公がHIVになってから人間的成長をしていく内容である。 人間、どんな生き方が大事か、考えさせる1本になってる。 HIVへの偏見を突き返す、アメリカらしい骨のある映画だった。 どこかポールニューマンの「評決」を思い出させた。 社会派シドニールメットが生きてたら、この映画の監督をしていたかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-24 14:14:43)(良:1票) |
746. 人生の特等席
《ネタバレ》 い~ですね~。 イーストウッドの味が美味く生かされてます。 本物を見切る目利きの老スカウト役をいぶし銀で好演してます。 シブいっす! でもやはり時代の波を読んだか、もうこの頃から 監督業に専念するようになるんですよね~。 だけどイーストウッド主演の映画を楽しむ目利きもおりますぜ~(笑) イーストウッド主演映画の、女性と分かり合っていく映画が好きです。 「恐怖のメロディ」「白い肌の~」などの女性蔑視映画に出てた頃の言い訳みたいで ファンはニンマリしてしまいます。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-24 00:53:43) |
747. gifted/ギフテッド
《ネタバレ》 非常にだれることのない、面白い佳作。 このDVDの予告編が映画のストーリーを見事に言ってのけてたので、 終始、安定した気分で観られた。 それも面白く観られた原因かも・・ 確か次のような解説が予告編であった。 「一番大切なのは人を愛する才能でした」とか・・ ネタバレもたまにはいいか(笑) [DVD(字幕)] 7点(2018-09-16 00:57:09) |
748. スリー・ビルボード
《ネタバレ》 アメリカ南部の田舎町。 ある事件がきっかけで、小さな田舎町全員が傷つく。 このクビになった警察官の描き方がいい。 小さな町では、同じ人間がイヤな奴になったり、人情ある味方になってくれたりするのだ。 最後の代理復讐という展開を思いつくあたり、神の信仰がベースにある国だと思った。 ラストの車内の会話がいい。 代理復讐が気乗りしないとお互い正直に言うと、「まぁ道々考えよう」と言うくだりが 映画に余韻を持たせている。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-16 00:51:20) |
749. ドリームガールズ(2006)
《ネタバレ》 ドリームガールズというより、エフィが主人公のような映画ですね。 ネットで調べると、実際のエフィはグループを離れて、若くして死んじゃうんですよね。 現実はキツイ! あと劇中の「クレオパトラ」は、ルメットの「ウィズ」だとか・・ あれは・・ミュージカルとしてはどうかなぁ・・ 社会派映画の趣の方が強かったと思うけど・・ それにしても、この映画を観てて、役者さんの目がどれもいかしてるなぁと感心。 ジェイミーフォックスもダニーグローバーもエディマフィーも、 ビヨンセも、そして一番が、ジェニファーハドソン! 彼女の目つきは、セクシーだわぁ。 健康的で、いやらしくもない彼女の目にただただ釘づけ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-09 00:44:37) |
750. 15時17分、パリ行き
《ネタバレ》 主役の3人、本人なんだね~。 それを知ってからでは、映画の印象がガラリ。 とてもじゃないが、恐れ多くて、マイナスのコメントなど言えないです。 いくら軍で鍛えられてるからって、銃を構えてる人にタックルなぞ・・・・俺は無理だなぁ・・ もし弾がひっかかってなかったら、確実に撃ち殺されてるのに・・ 強運というか・・ それにしてもイーストウッド監督は、前作「ハドソン」から アメリカ人の勇気を称える映画を創り続けてますね~ っていうか監督は、よく考えると、どの作品もアメリカ万歳だね。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-02 22:41:06)(良:1票) |
751. レディ・プレイヤー1
《ネタバレ》 オタクの祭典! 個人的には大歓迎。 会話や出てくるキャラクターの一つ一つがしびれるもんになってる。 面白かった。 ラスト、スピルバーグ流「書を捨てよ町へ出よう」。 [DVD(字幕)] 8点(2018-08-28 13:01:14) |
752. Dolls ドールズ(2002)
《ネタバレ》 幸せ薄いカップルを三組、人形浄瑠璃の悲恋もの「冥途の飛脚」(※自分はよく知らない話です) とかぶせて、現代アートとたけしさんのセンスがブレンドされ、 不思議な映画になっている。 最後の崖にひっかかって陽がさしてるシーンが美しかった。 菅野美穂の最後の方のネックレスを持っての表情が次々変わるシーンが 印象的。 きれいな映像と、それに似合わぬ暴力的なシーンもあり、 そこを久石さんの音楽がつないでるといった感じか。 [ビデオ(邦画)] 7点(2018-08-26 17:53:53) |
753. TAKESHIS’
《ネタバレ》 うん?何故か笑ってしまった。 考えるんじゃなくて、感じる映画ですかね。 タダでさえこんがらがってる脚本を、さらに編集で切ったり貼ったりするうちに こんな混沌な映画ができてしまった。 たけし版「8・1/2」という感じでしょうか・・ でも映画を見せる技術は、本当に引き出しの多い人ですね。 フェリーニの方は映像画面の演出で見せたけど、 たけしのこの映画は、笑いやエンタメ、バイオレンスの演出で最後まで 見せますもんね。 天晴れだと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-19 19:36:40) |
754. ソナチネ(1993)
《ネタバレ》 なんとも不思議な映画。 ストーリーもあるようでないようで、でも面白い。 間にきれいな景色のCMがある、たけし軍団の悪ふざけをテレビで見たような そんな感じ。 印象に残ったのは、機関銃乱射シーンのホテルの外からの構図。 沖縄で抗争があるとして、この映画のイメージも壊さない、 実に見事なカットだと思う。 淡々とした音楽もいい。 ホント、不思議な映画。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-19 16:43:36) |
755. グレイテスト・ショーマン
《ネタバレ》 感動したぁ。 ミュージカルは数あれど、空中ブランコの歌のシーンは 初めてだ。 実に素晴らしい! あれで一気に映画に引きこまれた。 ブルーになる内容がミュージカルなので少なくて、 とても見やすく、有意義な時間を持てた。 [DVD(字幕)] 8点(2018-08-18 19:41:11) |
756. ミックス。
《ネタバレ》 面白い。 娯楽映画はこうでなくちゃあ。 前のレビュワーさんがおっしゃてるのは、石川佳純さんですよね。 ホント、素敵なサプライズでしたね〜。 人生に奇跡はおきない。 確かに試合は負けましたが、勝者の江島ペアが その後どうなったのか、興味ありますね〜。 辛いばかりの人生にも、こんな風が吹く、そんな映画でした。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-18 15:59:27) |
757. オリエント急行殺人事件(2017)
《ネタバレ》 ルメットの「オリエント急行」も豪華キャストだったが、 本作も豪華な顔ぶれ。 ミッシェル・ファイファーを配した理由がラスト分かる。 カツラを脱いだギャップに女優ってすごいと思った。 一時期、ピータユスチノフでクリスティ推理モノを次々映画化していた時期があった。 (ポアロの仮説を一つ一つ映像化し、反論していくという演出が面白かった) しかし、本作は演劇人のケネスブラナーが主演・監督でポアロを料理。 さすがにポアロのアクションシーンには驚いたが、圧巻の演技で ラストまでダレることなく魅せる。 有名な原作なので、犯人は皆知っていただろうに、新たに創りなおしたのは、 映像化だけが目当てだったのだろうか? スマホとか、殺しの手も現代風に工夫してもらえればなぁとは思ったが、 それでもラストはウルッと感動させられた。 きっとケネスブラナーが温めていた映画化ではなかったかと思う。 面白かった。 [DVD(字幕)] 7点(2018-08-11 17:58:29) |
758. レディ・ガイ
《ネタバレ》 男を描き続けたウォルターヒル。 女性の時代にあっての監督の答えが本作なのだろうとうかがえる。 ウォルターヒルの監督作品を丹念に観ていけば、 彼が女性に対して敬意を表していることがわかる。 なのにその彼をして、このような映画ができてしまうという 時代は何を意味するのか? 女性の時代は暴力反対ということである。 ウォルターの映画では、喧嘩の暴力は一種の自己表現、愛情表現でもあった。 そういう男から、根こそぎ暴力を奪うことは何を意味するのか? これは主人公が、手術によって男性シンボルを取られることに象徴的に描かれている。 エンドロールでの最後の言葉。 「45口径は善行にも悪行にも使える。45口径は嘘をつかない。」 45口径とは、「男」ということである。 この言葉は彼の男の美学からの、今の時代に対する正直な気持ちだと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2018-08-11 14:38:49) |
759. 青い夢の女
《ネタバレ》 ヒッチコックの「ハリーの災難」ですね(笑) べネックスは、女性の狂気を描いたりして、人生の深淵を 観客である僕らの前に見せてくれたかのようでしたが、 やはり本当のとこは映画オタクだったんじゃないかなぁという感じです。 本作は精神分析を扱ってますが、特にうなるような内容でもなく、 娯楽サスペンスといったとこでしょうか・・ [DVD(字幕)] 6点(2018-08-05 02:17:59) |
760. IP5/愛を探す旅人たち
《ネタバレ》 べネックスは映画の中で女性や子ども、老人を考えてる。 いや、作家性の強い監督はみなそうではあるけども(笑) 「ベティブルー」で女性を、そして本作では子どもや老人を考えてる。 こういう人が現実にいるかどうかという問題より、べネックスの映画世界には 確実に息をし、生活しているのだ。 黒人の子どもがいい。べネックスの女性がそうであったように、 子どももどこか狂気じみている。 そして老人は聖者のようだ。 映画オタクが聖者を描くことは多いが、狂気じみた女性や子どもを 描ける監督は、少ないと思う。 べネックスはそんな一人だ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2018-08-04 23:16:49) |