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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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81.  マイ・バック・ページ 《ネタバレ》 
当時の雰囲気を再現した映像は抜群によかった。東大安田講堂事件など、実際の事件をできる限り再現してくれたことはとても興味深いことだ。 ただ、目に見える出来事ばかり心に突き刺さってはくるけど、全体的に答えが見えないというか、、。 梅山をそこまで駆り立てたものは何だったのか? 沢田の原動力は野心だったのか、好奇心だったのか、ジャーナリズムの精神がそうさせたのか? そのジャーナリズムとは? そして、、全共闘運動とはいったい何だったのか? 妻夫木に泣かせて、これは若かりし日の過ちだった、でうまく着地はさせてるけど、色々とわからないままで終わってしまった感じ。 「なんか、嫌な感じがする」 結局のところ、彼女 (忽那汐里) が最後に言ったこの言葉こそ、この映画全体をうまく包括している気がする。そう、なんか、嫌な感じがするんだ。早い話が、確固たる思想を持ち合わせていない若者たちが、まるでブームのように運動に便乗して、過激派のモノマネをして、ある者はそれを煽り立て、結果として、それが時代に (建設的な) 大きな変化をもたらしたかと言えば、そうでもなかった。人が死んでいるのに。 だから率直な感想を言わせていただくと、これは嫌な感じがする映画だった、それ以上でもそれ以下でもない。
[DVD(邦画)] 6点(2021-03-28 21:58:24)
82.  ベスト・キッド(2010) 《ネタバレ》 
ウィル・スミス氏のご子息も頑張っていましたが、やはりこれはジャッキー・チェンの映画。そもそも舞台からして中国だし、全てが彼に対するリスペクトに溢れていて、よかったです。 しかし、ジャッキーを観て育った世代として、一つだけ欲を言わせてもらうならば、ハンが飲んだくれという設定が観たかった。そして、酔えば酔うほど強くなる、あの「酔拳」をドレ君に伝授してほしかったが、少年はまだ未成年なので致し方ないだろう。(アタリマエだ) 最後の武術大会では、たまにドレ君が漫画みたいなありえない動きになっていたが、楽しめたのでよしとしよう。試合の後、相手の小僧たちが並んでジャッキーに敬礼するところ、いい終わり方だった。もちろん、そこでは俺も立ち上がって一緒に敬礼した、アタリマエだ。
[DVD(字幕)] 7点(2021-03-28 21:32:28)
83.  鈴木家の嘘 《ネタバレ》 
もう少し軽いノリを想像していたが、、何とも重苦しい133分であった。 まず表題である「嘘」ですが、その含みとしては、それぞれが他の家族に隠していた、「秘密」を指しているように思えます。浩一が隠していた秘密。そして三人が心に秘めていた、浩一とのある出来事。一生隠し通したら秘密、でも言うべき時がきて隠したらそれは嘘になる、、という秘密と嘘の物語。 今となっては、浩一の心はわからない、それは理解できる、けど。一つだけ感じたことを。とにかく、冒頭から彼の「部屋」の陰気な様子が気になった。あれだけ薄暗くて陽のあたらない狭い部屋に何日も引きこもっていたら、誰だってへんな気を起こすよね、、。私などは兄弟が多くて一人部屋などなかったので、引きこもろうにも引きこもれなかった。(それはどうでもいいけど) とにかく、心を救うのは難しくても、こういう「状況」を極力つくらないこと、それはできるような気がしたので。 長すぎることと回想場面が多いことが難点ですが、全体的に出演者の熱演はよかった。特に妹役の木竜麻生さんが素晴らしい演技だった。そして、おじさん (大森南朋) のキャラは、重たくて苦しいこの映画を救っていたように思える。こういう人って、きっと借金何千万抱えても絶対に自殺なんかしないだろうなあ、、などと不謹慎なことを考えてしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2021-03-28 20:23:12)(良:1票)
84.  家へ帰ろう 《ネタバレ》 
ホロコーストの映画だけど、凄惨な描写を生々しく見せることなく、そこは老人アブラハムの語りによって我々に想像させる、という手法を取っています。 その老人が懐古するかつての家族たちは、楽しそうに歌って踊って、誰もが幸せそうだった。そして、まどろみの中で夢見た遠い記憶、幼き日の妹が語る「お星さま」のエピソードは愛らしくて、幻想的だった。しかし、この家族たちがあんなにも悲惨な運命を迎えるとは、戦争とはなんと悲しいことだ・・。 兄と妹、ユダヤ系の老人とドイツ人女性、そしてアブラハムとその親友。それぞれの愛情、和解、友情の証であるだろう、心に残る抱擁が印象的な映画でもありました。 最後の再会は涙を禁じ得ないが、そのすぐ横では何も知らない子供たちが平和そうに遊んでいる光景には、70年という時の流れをまざまざと感じた。ここにきて、「ドイツでは、戦争 (ホロコースト) を知らない年代もその責任を背負って生きている」という彼女の言葉を思い出す。 悲惨な歴史、その心の痛み、時間による風化と癒し、そして時が経っても変わらないもの、伝えていくべきこと。 その片鱗をたった少しでも感じとることができたこと、それだけでもこの映画を観てよかったと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2021-03-23 00:04:23)(良:1票)
85.  イコライザー
よかった。デンゼル・ワシントンの当たり役だと思う。 これから観る方へ。 できれば、イコライザー1と2は続けて観るべし。 間に他の映画を観てもいいとは思うけど、間違っても、「トレーニングデイ」だけは観ないようにね。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-07 21:06:46)
86.  恋人たち(2015) 《ネタバレ》 
しかしまあ、、主演の三人、これだけ幸うすそうな連中をよくそろえたもんだ。 思ったこと、結論から。三人の人生には同情するが、生き方にはあまり共感できない、そんなところ。 アツシさん。 犯罪被害者の遺族という立場は大変だろう、と同情する一方で、その不幸にあぐらをかいているような気がした。誰だって、僕に手を差し伸べて当たり前だろう? っていう。 瞳子さん。 ダンナさんは最後に優しさを見せた。でも、今まで彼に受けてきた扱いを許せますか? まるで家政婦同然の扱われ方だったし、殴られもするし、時には性欲処理のはけ口として、、私なら許せない。 四ノ宮さん。 弁護士 (エリート) であり、LGBT。う~~ん、コメント難しいな。人と違う生き方にはそれなりの覚悟がいる、ってことで。 わずかの出番ながら、リリーさんのテキトーさには笑えた。所詮、他人の悩みごと、なんだろう。たぶん、僕もそうだ。ここで、ちょっと気がついた。だから、初めから三人に感情移入するべきではなく、あなたならこの「三人」にどう接しますか? こう観るべきなんだ。(もちろん、観る人の人生によりけり、だけど) 個人的には、生きることの苦しさをより強調した本作よりは、ライトな雰囲気の「ハッシュ!」や「ぐるり」のほうが好みではありました。
[DVD(邦画)] 6点(2021-03-07 20:59:13)
87.  ペーパーボーイ 真夏の引力 《ネタバレ》 
名優たちによる、「真夏の変態王座決定戦 in フロリダ (1969年) 」ってところか。 もちろん、審査委員長は彼しかいない、"ペーパーボーイ" こと、ザック・エフロン。 変態勝負は拮抗するも、真夏の淫力を発散しまくりのニコール・キッドマンが僅差でリード、砂浜では彼女の必殺技がとうとう審査委員長に炸裂、彼は昇天し、ついに彼女の優勝が決定。 あぁ、、しかし僕は本作でますます彼女が好きになってしまった・・。僕にとっても、忘れられない夏になったのは間違いない。(2013年)
[映画館(字幕)] 6点(2021-03-04 20:52:38)
88.  起終点駅 ターミナル 《ネタバレ》 
まず、佐藤浩市と尾野真千子が学生時代の恋人という設定に入っていけない。二人の実年齢差20歳だよ?(笑) よかった点としては、思いのほか、「食」の映画としてよかった。特に、ザンギのうまそうなこと。来る日も来る日もザンギを作り続けること、、彼にとってそれが罪の懺悔 (ザンゲ) なのかもしれない。(あ、言っちゃった)  北海道の「風景」も、よかったと思う。序盤のスナック通りの場末感とか、雪が降り積もる駅の情景とか、、たぶん実際に生活するには寂しいだろうけど、映画で見る分には北海道の片隅として旅情をそそるから不思議なものだ。 登場人物では、中村獅童の得体の知れないところ、敵か味方かもわからないその存在自体が、映画のよいアクセントになっていた。思うに、仕事の依頼は口実だろう。本当は、鷲田完治その人に会いたいだけ。仕事の利害関係抜きで出会っていたら、二人はよい友人になれたかもしれない、、そういう微笑ましい関係だった。
[DVD(邦画)] 6点(2021-03-04 20:12:50)
89.  かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発 《ネタバレ》 
鹿児島の海岸線を走る電車 (ではないらしいけど) から望む風景とか、出演者たちの熱演はよかった。特に國村隼さんの存在感がすごくて、今にも脱線しそうな映画を救っていたように思える。 ストーリーとしては、エピソード単位で観るなら感動できる場面はあった。ただ、そういう場面に限って、「この人ってキャラ変わってない?」と感じさせる残念な脚本だった。人物を深掘りせずに、手っ取り早く感動させようとするから、そうなるわけだ。 もう一つ。やはり映画は時系列で進むのが好ましいのに、この映画は現在と過去をいったりきたり、、。 どうして電車のように真っすぐ前に進めないのだろうか?
[ブルーレイ(邦画)] 5点(2021-02-16 21:38:48)(良:1票)
90.  RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 《ネタバレ》 
序盤の、筒井肇が娘と降り立った出雲駅 (だったかな?) 構内の光景とか、田園風景を走る一畑電車の素朴さとか、まるで昭和時代のような懐かしさがあってよかったです。「三丁目の夕日」と同じ制作会社のようですが、あの電車はVFXじゃないよね?(笑) ストーリーとして気になったこと。 実話ベースでないなら、親友の死は必要なかった気がします。もう一つ、彼が転職を決意するに至るまでの葛藤や心境の変化があまり伝わりませんでした。また個人的には、それほど電車に思い入れがあるのならば、なぜ彼は一番初めに鉄道会社を選ばなかったのか、むしろそこを知りたかった気がします。彼ほどなら、大手の鉄道会社に初めからいけたでしょうから、、。 ストーリーとしてよかったこと。 「高齢化社会だし、これからは50歳の新入社員なんて当たり前になるだろう」 橋爪功さん演ずる一畑電車社長によるこの台詞は、何気ない一言なんです。しかし、私のように50歳も間近のオッサンにとっては、ちょっと勇気づけられる言葉であるし、そして心に響く一言でした。 人生の、大きくて安定したレールを自ら脱線して、小さくて不安定なレールを選択するというストーリーだったけど、これは金や地位を手にするサクセスストーリーではなくて、胸のすく「心」のサクセスストーリーでありました。
[DVD(邦画)] 6点(2021-02-08 17:14:06)
91.  キツツキと雨 《ネタバレ》 
沖田監督の映画は、テンポがよい。会話の「間」と、ゆったりとしたテンポにはかなりこだわっているようで、それは必ずしも万人受けするわけではないけど、2時間通してバランスがよくて、僕は観ていてとても心が落ち着くんだ。 山の天気は変わりやすい。仕事中に、突然土砂降りになり、干してある洗濯物がずぶ濡れになっていたり、こういうどうでもよさそうな光景を通して、彼らの日常や生活感にスポットを当てていることもよい。 役所さん演じる木こりの岸さん、その仕事ぶりは完璧。映画はこの立派な大人たちに対して、自立できない半人前の大人たち二人、そしてその成長という構図。しかし最終的に、若い映画監督さんは「なぜ映画監督に?」状態から一人前になったし、息子さんは木こりになったし、きっと「とりあえず、始めてみろ、結果は後からついてくる」が、迷える若者たちへのメッセージなんだ。 主要な三人以外では、神戸浩さんの走り出すゾンビがツボだった。 もう一つ、岸さんと助監督 (古舘寛治) に不思議な友情関係が芽生えていくのがよかった。 →2021/2/3追記。 DVDにて再鑑賞。この展開だと、冒頭に彼が撮ったゾンビ映画の完成品を (全編ではなくても) 上映していたら、ちょっと「カ〇ラを止めるな!」に似てるかも。
[映画館(邦画)] 7点(2021-02-03 21:49:47)
92.  しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス 《ネタバレ》 
サリー・ホーキンスの演技力はすごい、それは間違いない。しかし、それよりも今回は、実在の人物を女優が演じるにあたり、キャスティングの重要性を改めて確かめることになった。なぜなら、モード・ルイスとサリー・ホーキンス、二人とも感受性の高さがうかがえる個性的な顔立ちだし、もともと雰囲気が近いように感じたからだ。(そこだけは演技の力ではどうにもならない) 絵の偉人であり、歴史的にも有名なモードとは対象的に、旦那のエベレットは凡人なんだけど、映画は決して二人を値踏みすることなく対等に描いていた。これはとてもいいことだ。むしろ、見方によってはエベレットの物語に見えたくらいだ。 モード・ルイスの人生を彩ったもの。 カナダの海辺の美しい風景。 彼女が住んだ家と動物たち。 そしてエベレットという存在、、。 僕は「絵」のことは詳しくないが、描いた人の人生や生きた場所を知った後では、同じ絵を見ていても味わいが全然違う、、それだけは本作によって知ることができた。
[DVD(字幕)] 7点(2021-01-21 23:15:56)(良:2票)
93.  ミックス。 《ネタバレ》 
ガッキーと瑛太の共演という予備知識だけでレンタルしたため、蒼井優の登場、そしてその役に驚いた (笑) ガッキーが可愛い、もうそれだけで成立しそうな映画ではあるし、スポコンがベースで、前半コメディタッチ ⇒ 後半に進むにつれて人も映画も真剣になる、、という展開は他の映画と同じだけど、今回は男女のダブルスという設定が斬新でよかったと思う。当然、そのまま恋愛モノとしても成立するので、ちょっとお得感があるし。 同系統の映画では「シムソンズ」がマイベストで、それには及ばなかったけど、このジャンルは笑えて熱くなれるし、何より大ハズレがないからいい。 食べ物を粗末にする笑いが苦手なこと (OL時代の壮行会のところ) 、工事現場の先輩たちが瑛太を認めていく描写が乏しくて、いつの間にか打ち解けていたように感じたこと、このあたりがマイナス部分でした。 どうでもいいことだけど、ガッキーが角度によっては長澤まさみに見えたので、この二人の共演はないだろうなあ、と思ってしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2021-01-18 21:36:19)
94.  希望の灯り 《ネタバレ》 
思い出したのは、アキ・カウリスマキ監督の映画と「アスファルト」。 映画の舞台がほぼスーパーマーケットの資材置場という、たいへん思い切った脚本。彼らの住まいはほとんど登場しません。よく、退屈やルーティンの隠喩として職場 (とその作業) が繰り返し登場することはありますが、本作はそれを逆手にとった面白い発想と思います。職場こそ楽しい人生、行きたくない「家」という。 ブルーノが東ドイツ出身ならば、クリスティアンは西ドイツ出身だろうか? ソ連によって西と東に分断された、再統一した、そういう国の一方的な事情に翻弄されて職を失った者、あるいは奇しくも芽生えた出会いや連帯感といったものを、寒々しい旧東ドイツの郊外に垣間見た気がしました。 場面の乏しさや会話の少なさはキライではなく、むしろ好みではありますが、どうにも残念なのがこの邦題。せっかくの個性的で素晴らしい原題が台無し。 直訳こそ名邦題、過去の名作映画を観ればそれがわかるでしょう?
[DVD(字幕)] 6点(2021-01-12 12:22:34)(良:1票)
95.  散り椿
公開当時に映画館にて鑑賞。 近年はコメディタッチの時代劇が増えたように思いますが、これだけ増えてくるとそれも食傷気味になってしまって、久しぶりに真剣な時代劇を大スクリーンで観たくなったのでした。ストーリーはどこかで見たような焼き直しだし、そこに目新しさはなかったのですが、男前二人による殺陣のカッコよさと日本の風景の美しさ、もうこれだけで観てよかった、と思えたのでした。 緒形直人さんはよい役者になられましたね。 そう言えば、来場者ではお年寄りの方がとても多くて、みなさん満足されていた様子でした。 こういう映画、もっと増えてもいいと思うな。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-30 21:53:31)
96.  とらわれて夏 《ネタバレ》 
次々と映し出される片田舎の風景。風にざわめく木々。そして不安感をあおる音楽。この片田舎で何かが起こりそうなことを充分に感じさせ、あっという間に視聴者を物語の中に引き込む、先ずこの冒頭から素晴らしい。 母子家庭の親子と脱走犯の交流。この奇妙な共存関係が成立し得たのは、親子には足りなかった父親の愛情、フランクには足りなかった家庭の温もり、このぽっかりとあいた心の隙間を、お互いが与え合い満たされていくことによって得る安堵感が、脱走犯と人質という関係からくる緊迫感に勝ったからと思います。 野球、車といった素材や会話によって伏線を張り、要所要所でそれを回収していく展開の中、特に "ピーチパイ" はただの小道具ではない何かを感じさせたが、まさかヘンリーの人生を変えて、フランクの未来をも救ってしまう代物であったとは驚きました。 映画の内容には満足でしたが、唯一残念なのはこの邦題です。原題も内容のよさも全く伝わってこない、この安っぽいメロドラマのようなネーミングは毎回いかがなものか。
[映画館(字幕)] 8点(2020-12-30 20:31:02)(良:4票)
97.  ヘレディタリー 継承 《ネタバレ》 
これはヤバい、本当に怖い、、。さらに嬉しいことに、平日レイトショー、ガラガラの映画館で貸し切り状態だ (泣) 個人的には好みであるクラシックなオカルトホラーの雰囲気があり、心理的にじわじわとくる恐怖、総毛立つ怖さを久しぶりに実感しました。監督の演出しだいで陳腐になるか大化けするかのジャンルと思っていますが、僕は (古き良き名作と同様に) 後者に転んだように思う。 伝統的にみて「家」 が怖いのは常套だし、実はストーリーはありがちです。だから本作は母親 (T・コレット) の演技力につきる、と思う。僕が本作で最高の恐怖を感じたのは、チャーリーに憑依された彼女の顔、声、そのしぐさです。そして、家族で食事中に取り乱した彼女の表情。 ホラー映画の良し悪しは主演女優の演技力にかかっている、と言っても過言ではありません。エクソシストのE・バースティン、オーメンのL・レミック、シャイニングのS・デュバルしかり。 ホラー映画の歴史は、(ただでさえ) 怖い顔した女優たちの絶叫演技が支えてきた歴史。T・コレットは見事に受け継ぎました。ホラー映画史を彩る名女優たちの神髄を余すところなく、文字通り "継承" したと言えよう・・!!
[映画館(字幕)] 8点(2020-12-30 20:26:07)(良:4票)
98.  ヒミズ 《ネタバレ》 
まるで「冷たい熱帯魚」の同窓会のようなホームレスの面々が笑えてくる。 内容としては、あの大震災とその再生と同じように、登場人物たちによる0 (ゼロ) からの再生が (表向きの) テーマですが、いったい善悪とはなんぞや? という裏テーマも含んでいる気がした。ヤクザたち、住田と茶沢の親たち、無差別的に人を襲ったヤツら、、。「悪」にも色んな種類があるもんだ、と感心する。しかし、悪人もこれだけいると食傷気味になって、善人のふりをした悪人はおらんか? となってくる (笑) 例えば、渡辺哲のオッサン。人を殺してまで600万を手に入れて、その金で人助けはだめだろう。こいつは、悪と言うよりは "偽善者" と言える。住田と茶沢が不登校になっても、何の対策もフォローする事もなかった担任の先生。こいつは悪人でも偽善者でもないが、苦しむ生徒を助けない先生は善人とも言えないだろう。 茶沢さん。善意の押しつけは偽善にすぎないが、彼女の場合はちょっと違ったようだ。 あの大震災の混乱と絶望のなかでも、善悪や損得勘定を超越した心、つまり真実の愛もいくつかは生まれたんだろうな、と思いたい。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2020-12-30 20:16:57)
99.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
大ヒットのようで今すごく話題になっていますね。私も観てきました、「時をかける少年」。 タイムリープ、男女の入れ替わりといった設定は、映画のストーリーとしては大外れのない鉄板で、これは観る前から面白いことが約束されたも同然なのです。でもその反面、ストーリーを一つの矛盾もなく組み立てるのが難しいゆえに、この設定は諸刃の剣でもある、と言えるでしょう。超常現象X2+隕石落下!! もう途中からは、粗探しはやめてピュアな気持ちで楽しもう (笑) と割り切ることにしたため、おかげで最後までかなり楽しむことができました。それに突飛な設定の数々はあくまで映画を形成する (壮大なる) モチーフで、根は実にシンプルな青春映画。 "SF" の二文字を書いて、それを青春ファンタジーと考えれば、細かい矛盾は気にならず理屈抜きに楽しめます。 大林監督「尾道三部作」への想い、今回の設定はもちろん、特に "階段" が重要な場面で使われているあたりは監督の傾倒ぶりが伺えました。プラスの設定、"隕石落下" はまさにアニメでしかできないこと、言わばアニメーション作家である新海監督のこだわりであり、誇りです。 最後に、本作を観た若い方たちにも、ぜひこれを機に「尾道三部作」を知ってもらえたらうれしいですね。
[映画館(邦画)] 8点(2020-12-22 21:35:05)(良:4票)
100.  勝手にふるえてろ 《ネタバレ》 
なんとなく予想はしていたが、、いい歳した男たちが大勢集まってふるえすぎだわ、このサイトは (笑) しかし、私もみなさんと同じく?、性別も年齢も全くかすりもしない松岡茉優のヨシカに最後までくぎ付けになってしまった、という実に興味深い映画だった。 そして、もちろん本作はそんな彼女の魅力が全開でしたが、渡辺大知が思いのほかよかった。ちょっとずれてるしイケメンではないが、恋には一途で気のいいヤツ、を好演していたように思う。「イチ」は他の俳優でもハマりそうだが、「二」はそうはいかない。「二」が彼で本当によかった、と思ってる。 絶滅した動物たちとの対比だろうか、特に珍しくもない動物たち、でも今をキラキラと生きる動物たちが登場しましたね、よこはま動物園ズーラシア。「動物園デートが登場する恋愛映画 (邦画) に駄作なし」(←これ、私の勝手な持論) ・・というわけで、動物園デートの邦画傑作選が勝手にまた一つ増えました。 また、妄想することと歌うこと、その意外な相性の良さを映画で改めて実感した、という意味で「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思い出してしまった。(ストーリーとしては似ても似つかないけど) 9点も考えましたが、当サイトの高評価で期待値を上げすぎてしまったこともあり、もう一震え (ひとふるえ) だけ欲しかったということで。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2020-12-22 21:25:37)(良:1票)
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