121. ブラック・スワン
《ネタバレ》 想像以上に良かった。 狂気&性をテーマに、 バレエの舞台裏の人間模様を見せてくれる。綺麗事で済ませず、ドロドロの世界を描いている潔さが良い。華やかな舞台との落差が際立つ。演出家&ニナ&ニナの母親のキャストも見事。 白鳥のニナの中で、黒鳥がどんどん巣食っていく過程を見ていたら、人間はここまで変容し得るものかと感心する。特に、ラストの初回公演は鳥肌もの。彼女は、すっかり相手をseduce(誘惑)する黒鳥に・・・。芸術的。 音響と映像がハマっていて、息つく暇ないスリリングな108分を味わえた。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-02-24 01:50:22) |
122. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 シリアスなサスペンスものを最近見ていないので鑑賞。そこそこ楽しめた。 タイトルだけしか見ずに鑑賞したので、てっきり10代の女の子の失踪かと思っていた部分がいい意味で裏切られた。 この映画は、どの夫婦にもありそうな危機を描いていることがリアリティーあって良い。ストーリーも単純なものではなく、幾重にもひねってあった。 「頭が切れる女による復讐」、この次元までくると恐怖心が芽生える。エイミーの演技は見ごたえあり。 この夫婦の着地点を敢えて見せずに、ニックの苦悩が続いていくラストはさすが。 ただ、『セブン』のような唸る展開や手に汗握る緊張感はない。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-02-23 11:58:29) |
123. マイ・インターン
《ネタバレ》 米国と日本で評価に差がある本作。公開当初から気になっていたので鑑賞。 まず、アン・ハサウェイの存在感は抜群。表情豊かで、社長役も違和感ない魅せ方。 そして、シニアインターンという設定が面白い。「老齢の紳士がナウい職場に勤めると、どんな化学反応が起こるか?」という期待で映画前半はワクワクさせられる。 ビルは、社長ジュールスを仕事面でもプライベートでも支える存在で、生きてきた長い人生に裏打ちされた温かい言葉と温かい表情が魅力的だった。まさに、この映画のテーマである "Experience never gets old." を反映したものだと感心した。 やや落胆したのは後半。前半とはトーンが違う家宅侵入で熱が冷めたうえ、夫とのリスタートの描写が薄っぺらく、勿体なさを感じた。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-02-21 01:50:32)(良:1票) |
124. MI5:消された機密ファイル <TVM>
《ネタバレ》 スーツを着こなしたMI5のスパイと聞くと007が思い出されるが、本作諜報員はやや年齢が高め。上品な着こなしの紳士の落ち着いた演技が魅力。 国家がらみの陰謀に対峙する、という脚本のスケールの大きさはスパイもの好きにはたまらなく高揚感を味わった。 ただ、肝心の黒幕とのやり取りは地味に始まって地味に終わる。007作品みたいにド派手にやってくれとまでは思わないが、もう少しサスペンス色を加えてほしかったかな。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-02-17 19:10:55)(良:1票) |
125. 舟を編む
《ネタバレ》 映画としての盛り上がりや起伏のある映画ではないが、静かな主人公に合った静かな物語。中盤までは期待高まるが、中盤以降はあらかた予想通りの展開。 なんともよかったのが、大量の本や資料に囲まれた辞書編集部でおこなわれる社員たちの地道な作業ぶり。おかげさまで、用例採集なんていう独特のワードも頭に残り、辞書編集の裏側をのぞけて興味深い。 松本さんや荒木さんみたいな温厚で器の広い上司の意志を引き継ぎ、辞書『大渡海』の編集を通して人間的に成長する馬締。その仕事場での様子は伝わるのだが、香具矢との交流があまり描かれていなかったため、彼女とのオフタイムでのやり取りはオマケになってしまい、淡々とした勿体なさを感じてやや残念。 この映画内で辞書に対する馬締の魅力が最大限伝わりきったとはいえず、最後の松本から荒木へ宛てた手紙で彼の名前が出てきても、深い感動には至らなかった。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-02-17 01:30:07) |
126. リリーのすべて
《ネタバレ》 この作品に巡りあえて良かった。予備知識なしで見たので驚いた。 アイナーにとっての理解者、ゲルダ。アイナーがたとえリリーに移り変わろうとも、ゲルダが語りかける言葉や動作の始終が温かい。変わってゆく夫を側で見る彼女の気持ちを考えたら、この映画の後半は彼女の人生のドラマだなあと思う。 印象的なシーンは、アイナーが手術を受ける病院へ向かう列車を追いかけるゲルダの涙。ゲルダが見せる涙のなかでも、ひときわ哀愁を感じた。 脚本以外にも、映像が好きになった映画でもある。港町、絵画のもととなった風景、登場人物の表情など、見せ方が洗練されていて大変綺麗。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-02-16 00:52:46) |
127. 怪盗グルーのミニオン危機一発
《ネタバレ》 笑って楽しめるシーンが健在していて良いものの、前作『怪盗グルーの月泥棒』が良かっただけに、やや見劣りする作品。 グルーがAVLの水中基地に誘拐され、捜査官と一緒に捜査を始めるところまでは「次はどうなるか?」という躍動感あるが、黒幕である敵のマッチョがどうも小物感否めず魅力があまりなかったのが残念。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-02-13 12:54:01) |
128. 怪盗グルーの月泥棒
《ネタバレ》 期待以上に良かった。 数週間前に映画『ミニオンズ』を見た後での鑑賞。あっという間の90分、見事。 要所要所にユーモアたっぷりのシーンが詰め込められていて笑いを誘う。即座に笑えるギャグから、ジワジワくるものまでバラエティー豊富。制作国でも我が国でも共通して面白いと感じる演出って、実は凄いことなのかもしれない。怪盗グルーにしろライバルの泥棒にしろキャラが立っていて飽きない。 三人の子どもとグルーのやり取りがなんとも和む。遊園地やベッドで読み聞かせるシーンなんかを通して、グルーが好きになった一本。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-02-11 01:37:27) |
129. ミッドナイト・イン・パリ
《ネタバレ》 ユーモア溢れる作風で楽しんで鑑賞した。 夜12時すぎのバンが迎えに来て、名だたる芸術家たちと交流を深めていく様子は気取らない温かさ を感じた。シューレアリスムのダリや、フィッツジェラルド婦人など個性的なキャラが特に印象的。あと、どの時代にもノスタルジーを抱える人々が存在するのだなあ、と変に安心する。 決してパリの美しさや魅力のみに焦点をあてるのではなく、そこでの主人公の生き方(人生の決断)が描かれているから見やすい。婚約中に婚約破棄する清々しい彼、不思議と嫌悪感は覚えず。婚約者との小さな価値観の一致で妥協していた彼がパリで別の人との大きな価値観の一致を見つけた、十分なハッピーエンド。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-02-09 02:27:38) |
130. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 長年隠され続けた真実、あまりに悲しい物語。 アラン・チューリングのキャスト(幼少期と大人になったとき)が抜群にこの映画にふさわしい。陰のある雰囲気かつ頭が切れる存在はどこか魅力的。 彼を突き動かした幼少期の友人こそが、結果的にはのちの戦時下での暗号解読成功に導いたのだから、人生どこで転機があるかわかりませんね。 暗号解読に用いた機械の作成方法などの些末なところは飛ばして、暗号解読に至る苦悩や逮捕後のアランを見せてくれたのがよかった。 戦争終結に尽力した数学者の最期はあまりに不遇で孤独。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-02-08 19:05:09) |
131. しあわせのパン
《ネタバレ》 北海道の緑あふれる自然美に心酔しつつ、おいしそうなパンとコーヒーを食べてみたくなる。 肝心の内容はというと、夏の客(若い男女)と秋の客(小学生とシングルファザー)のエピソードの薄さにひやりとしたが、冬の客(老夫婦)で持ち直した感じ。映画ではなく、二時間ドラマでいい範疇。 オーナー夫妻は客のことをよく見ていてさりげないサポートやお祝いをしているのだけれど、不思議と人物的な魅力がそこまで伝わってこなかった。秋の客のときは、干渉しすぎなのでは…。妻の精神的なリハビリも含んだ北海道への移住、という意味では夫の思いやりが感じられたけど。 [インターネット(邦画)] 5点(2017-02-03 02:38:04) |
132. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 雪の降る町並みや、レトロな雰囲気の駅など、世界観は好き。一人の少年が機械人形をきっかけに、老紳士の過去を解き明かしていくという意外性もオリジナリティ溢れる。 中盤あたりのファンタジー色が強く、老紳士が過去を受け入れたというラストシーンに感動とはならなかった。ファンタジーとヒューマンの塩梅が掴みづらかった。もう少し演出をシリアス寄りにしたら他人行儀な映画ではなくなっただろう。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-02-02 22:34:57) |
133. 映画 深夜食堂
《ネタバレ》 寡黙ながら単刀直入な物言いの渋いマスターと、深夜の静けさ。雰囲気のいい映画で、作品としては悪くない。 ナポリタン、とろろごはん、カレーライス、とメニューごとに登場人物が出てきて、その客の生きざまにスポットライトがあたる進行も見やすく好きだ。 ただ、欠点としては、内容が薄い。雰囲気に酔えるものの、食堂に来る客のバックボーンが面白味に欠け、どうも二流ドラマを見てるような浅さを感じる。多くとは言わないが、マスターの人となりをもう少し描いてくれたらまた見方は変わるかもしれない。また、所々の演出が「惜しい」と素人目で感じる場面が幾度かあった。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-01-30 02:40:01) |
134. ミニオンズ
《ネタバレ》 ミニオンズ=仕える悪党を探しているという設定が斬新で着眼点がいい。最初は、見た目も声も個性的だから親近感すら沸かなく、退屈だろうなと思っていたが、見終わった後には愛らしいと思える不思議。随所に散りばめられたユーモアのセンスがよく、軽快に笑える。ミニオンたちの話す言葉が敢えて訳されていない点は評価したい。鑑賞者に推測の余地を与えてくれている。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-01-27 23:08:41)(良:1票) |
135. 映画 ビリギャル
《ネタバレ》 巷では話題になっていたものの今となって初鑑賞。サヤカを支える母親が一番光る映画。サヤカにかけてあげる一言一句が包み込むような温かさを感じた。全体的にキャストは、各キャラクターのパーソナリティーと合っていて鑑賞しやすい。飽きることなく最後まで見れた。塾は、勉強の中身より方法論やモチベーションを与えている印象で、実際はどうだったのか気になる。 [インターネット(邦画)] 7点(2017-01-27 01:42:03) |
136. クライマー パタゴニアの彼方へ
《ネタバレ》 後味の良い映画。爽快感がある。正直、2nd expeditionの中盤までは傍観者目線で見ていたが、3rd expeditionのフリークライミングからは手に汗握りながらスリルと達成感を同時に味わうことができた。デビッドの真面目で実直な姿とペーターの温和で寛大な姿は良いコンビネーションだった。ワンシーンワンシーンが長いのも、本作のドキュメンタリーテイストに合っていたように思う。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-01-26 23:04:24) |
137. ホビット/決戦のゆくえ
《ネタバレ》 スマウグの襲撃から始まり、暗さが伴う良い序盤。物語をとおして、指輪物語につながる部分も複数垣間見れ、まとまりはよかった。軍同士の戦闘シーンは、二つの塔や王の帰還を知ってるからか、やや見劣りするかな。敵役指揮官のアゾグに魅力が感じられないのも一因かもしれない。サルマンやガラドリエルなどのフィーチャリングをもっとしてほしかった。2のときも思ったが、邦題は原題に合わせてほしい。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-01-20 20:52:30) |
138. ホビット/竜に奪われた王国
《ネタバレ》 5に近い6。中盤までは良かった。終盤、スマウグが出てきてからはファンタジー色が強くなりすぎて児童映画を見てる気分になった。スマウグが喋りすぎの竜になってしまっていて、前作で感じた孤高さ・残忍さが感じられず残念。一方、サウロンの登場はハラハラさせられ、続きが気になる。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-01-18 06:37:24) |
139. ホビット/思いがけない冒険
《ネタバレ》 指輪物語より前のストーリー、という違和感のない設定でしっくり見られる。映像美に加え、シリアスさを出すときは出す、コミカルさを出すときは出すというバランスもよかった。ガンダルフの登場のタイミングがいつもよすぎるのが珠に傷かな?序盤のドラゴンあたりで一気に引き込まれた。中盤はやや退屈。締めは次回に期待できる終わりかただった。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-01-17 00:24:12) |
140. ターミネーター:新起動/ジェニシス
《ネタバレ》 過去の名シーンを彷彿とさせる場面がいくつもあって懐かしいのだが、過去作の力を借りたゆえ、今回の作品の内容の薄さが際立つ。設定もやや難しい。時間軸をいじると、今回のジョンみたいに人物像何でもアリになっちゃうし、何回もスカイネットがらみで同じような作品がつくれちゃう。 [インターネット(字幕)] 5点(2017-01-16 00:40:17) |