1421. 魔術の恋
《ネタバレ》 今でもアメリカではマジシャンと言えば第一人者と呼ばれるハリー・フーディーニの伝記ドラマ。存在を初めて知りました。ベスとのなれ初めから成功を収めて亡くなるまで、脚色が加えられているようですが、実に丹念に描かれて見応え十二分。流石にフィリップ・ヨーダンの脚本は見事です。ベス同様にもう余生は穏やかに過ごせばいいのにと思うのですが、命を懸けて観客を喜ばせたい「脱出王」の性が何とも悲しい。実生活でも夫婦の二人の華やかさも、これぞ映画スターの華やかさで見惚れました。 [DVD(字幕)] 8点(2019-05-23 01:41:30) |
1422. 聖山
レニ・リーフェンシュタールと男二人の三角関係が描かれた山岳ドラマ。当初に謳ってあるように登山シーン、スキージャンプシーン、クロスカントリーシーンの実写の迫力はなかなかのもの。だけど、ドラマパートは3人とも幼すぎて目もあてられない。レニ・リーフェンシュタールのダンスシーンは見せ場なのだろうけど、ダラダラと見せつけられてウンザリ。「もうエエって! 何時までやってんのよ!」 [DVD(字幕)] 3点(2019-05-23 01:26:33) |
1423. ピンクパンサー2(2009)
2006年版未見。時おりいい人になるスティーヴ・マーチンはピーター・セラーズほどのアクが無いものの、豪華キャストに引き立てられてのドタバタコメディが楽しい。「このまま終わるわけないやん」と言わんばかりのラストに爆笑。僅かな出番でも超カッコよかったジェレミー・アイアンズに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-21 18:34:47) |
1424. 孤狼の血
知人の御親族がエキストラ出演という事が鑑賞理由。なかなか良いシーンのご登場が羨ましい! 反目するヤクザ2組と剛腕刑事三つ巴の闘いは、けたたましさとグロシーンのオンパレードで欠伸連発。頭痛・胃痛に難儀する。これは知人に何と申し上げるべきかの思案が原因か? 自分に正直には申し上げられない。ア痛タタタ。 [DVD(邦画)] 3点(2019-05-20 23:35:00) |
1425. ロープ 戦場の生命線
《ネタバレ》 ユーゴ紛争停戦時におけるNGO団体活動が描かれた秀作。虐殺はおろか一発の銃弾も飛ぶ事が無いにもかかわらず、牛の地雷・十数人の捕虜達・街並みの廃墟・首吊遺体・ぼったくり水販売といったシーンに無残さと人の卑しき心を見せつける脚本が見事。また、ボールの件でNGOと現地人の正義感の乖離は考えさせられる印象深さ。武器を持たず、天下無敵の突破力を見せる事もなく、徒労に終わっても、次の現場に立ち向かう皆様に頭が下がります。作品に華を添えている豪華キャストは彼等に敬意を込めての出演だったのでしょうか。神の思し召しのようなラストショットに救われます。もたつきを感じた展開が何とも惜しいところ。 [DVD(字幕)] 8点(2019-05-20 18:32:36) |
1426. 家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。
結婚して子供二人を授かり、家→保育園→パート勤め→保育園→家。気がついたら28年経過している身にとっては何ともホノボノとした オハナシでした。 [DVD(邦画)] 4点(2019-05-20 10:59:53) |
1427. ライアンの娘
《ネタバレ》 初見。テレビの旅番組でも見た事のない絶景は鑑賞史上ナンバーワンであり特筆もの。浅はかな不倫話に観るの止めようかとしたものの、ロージーをその不貞も含めて愛しているチャールズ並びにロージーを只々慕う弱者マイケル並びに村人全員の教師たる神父の存在があって一気に完走できました。ロージーが初めて他人の痛みがわかる事となった身も心もズタズタにされるリンチシーンに於ける村人どもの下劣さは凄まじい。イギリス人監督の視線なのだろうか。神父はハサミを持ってるあの女にこそ鉄拳を食らわして欲しかった。それとあの父親にも天罰が下らん事を願って止みません。続いて行くそれぞれの人生を思わせるラストシーンに深い余韻が。 [DVD(字幕)] 8点(2019-05-19 17:38:56) |
1428. ダンケルク(2017)
《ネタバレ》 監督十八番の映像表現によるダンケルクの戦いを描いた本作。立っているだけのケネス・プラナーを始めとして33万人救出の感動が何一つとして湧き上がらなかった。凝った絵柄(+1点)のニュース映像であって映画としての面白味が皆無の作品。 [DVD(字幕)] 3点(2019-05-16 16:15:26) |
1429. アブノーマル・ウォッチャー
《ネタバレ》 大家のオッチャン。変態だけど見た目は上品・善良・普通の人間、ではなく、見た目そのものがこれ以上ない程気色悪い変態。やる事もこれまた気色悪さマックスの変態。ハズレ作品かと思ったけれど、変態が暴走するだけ、ではなく、出産間近の若夫婦の不倫ドラマが上手く絡まり合ってなかなかの見応え。旦那の浮気現場(そもそも自宅に引っ張り込むのはアカンでしょ)を覗き見するオッチャンの表情が何とも言えない気色悪さ。怒っているのかそそられているのか。迷宮入りしてしまうっぽい展開に無理筋を感じた矢先のラストショット。オッチャンの満面の笑みに驚愕。この結末も無理筋そのものだけど記憶に留まりそう。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-15 20:35:04) |
1430. ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
《ネタバレ》 13歳で初めて食べたチーズバーガーに大感激「この世にこんな美味しいものがあるのか」現在に至るまでマクドで食べるのはチーズバーガー。レイ・クロックのお蔭なのでしょうが出会った数々の恩人に対する仕打ちにおける人間性に幻滅。糟糠の妻を捨て、ビジネスパートナーの妻を略奪し、兄弟から企業を乗っ取り、会計士と袂を分かつ。紳士協定の件で「この男は口だけだろうなぁ」と思った通りだったのがやりきれない。「それすら守れんのか!」 現在、関税のかけあい合戦に精を出す大統領同様に、人間性と行動力は別物なのを思わされる。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-15 20:07:13) |
1431. 資金源強奪
刑務所に収監されるまでの一気呵成の展開は苦手な深作監督テイストで冷めた目で眺めていました。そこから結末まで一瞬たりとも目が離せず、大藪晴彦作品を思わせる女に溺れない清元武司(北大路欣也の肉体美とギラギラ発散するオーラに惚れ惚れ)と黒川博行作品を思わせる軽妙洒脱な能代文明(梅宮辰夫の味わい深い演技に北大路欣也以上に惚れ惚れ)を軸にキャスト全員が躍動していました。ギョッとした空港シーンでの結末もお見事。大傑作。 [DVD(邦画)] 10点(2019-05-15 19:37:35) |
1432. 喝采(1929)
《ネタバレ》 トーキー初期の親子ドラマ。場末キャバレーでのラインダンスにおける脚だけショットは、小学生時分の口喧嘩「・・・大根足・・・」を思い起こさせるもので萎える。ヘレン・モーガン演ずる花形スターであるキティも微妙な美しさで興に乗れず。しかし、キティと娘エイプリルが互いに愛情を注ぐ姿が、憎まれ役ヒッチのスパイスが効いていて見応え充分。覚悟の服毒シーンの長回しは圧巻。切なさと明日への希望が入り混じる結末が余韻を残す良作。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-15 19:05:46) |
1433. ラ・ヨローナ ~泣く女~
《ネタバレ》 ホラーともう一つのジャンルは苦手でスルーしている私。不思議な魅力を感じるリンダ・カーデリーニ出演という事で「ゾンビ(1979)」以来40年ぶりの劇場ホラー鑑賞。何時でも退散出来る席にて周りに誰も居ないのを幸いに漏らしそうになる(悲鳴)のを我慢しながら硬直!!!と弛緩~の繰り返し。音がね、いや~、怖かった~。4DXだったらリタイアしてたかなぁ。襲撃がパターン化されて段々と予測出来てしまうのと水の恐怖がそれ程表現されてないのと呪術医の活躍不足と微妙な子役が物足りないところ。きちんとした起承転結でのテンポ良い展開において我が子を守るシングルマザーとしての奮闘ぶりがまずまずの見応え。蛮勇を振るった甲斐のある作品。未見の死霊館シリーズを観てみようか、とは思えませんわ。 [映画館(字幕)] 6点(2019-05-10 19:24:00) |
1434. にんじん(1932)
《ネタバレ》 最後のほうで少し語られるものの、フランソワを忌み嫌う理由がはっきりしない母親が、ただのキ〇〇〇にしか見えなくて辟易する。事なかれ主義の父親が土壇場で頑張ってくれたのにホッとする。あと一歩遅れたら私は今晩眠れないところでした。力だけが正しいと思う母親の末路が浮かぶラストの父子のシーンが印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2019-05-09 00:00:22) |
1435. 紐育の波止場
《ネタバレ》 ジョージ・バンクロフトの持ち味なのか、本作でも俺様キャラ炸裂に苦笑。展開が性急過ぎるのと登場人物全てがやさぐれ感満載でメロドラマとしての味わいが乏しい。結末が示す二人の明日への希望は私には実感出来なかった。 余談ながら、サイレント作品に於ける怒りの表現での凄い形相で手足激しく振り回す姿に笑わされる。今作では宿屋の女将さんの怒りっぷりに大笑い。「そんなに怒らんでも」 [DVD(字幕)] 5点(2019-05-07 23:45:33) |
1436. 革命前夜
劇場鑑賞の日にちが合わずDVD鑑賞にしたのが幸い。青臭い甥と尻軽伯母の近親相姦よろめきドラマメインにイデオロギーが添えられている。若きベルトルッチ監督がゴダールに心酔しているらしいのがさもありなんと思える、哲学臭~い言葉をペラペラペラペラ喋りまくるのに辟易。上流階級は気楽でよろしいな、言うだけかい、行動しろよ、働けよ・・・(以下、省略)若い時に観たら感じ方も違ったのかなぁ。 [DVD(字幕)] 2点(2019-05-06 19:14:04) |
1437. ジャズ・シンガー(1927)
《ネタバレ》 「世界初のトーキー映画」のはずがサイレントでビックリ。いきなり歌いだしたのでビックリ。歌だけトーキーかと思ったらいきなり親子の会話が始まってビックリ。この先はトーキーかと思ったら再び歌だけトーキーでビックリ。高名な歌手だというアル・ジョルソンの歌は私の胸にはそれ程響かず。ストーリーはベタながらもしっかりとした起承転結。ただ、息子の晴れ舞台の日であるにもかかわらず贖罪の日だから歌えと迫る母にイライラが募る。ここまでユダヤ教を前面に押し出した作品は初めてか。黒塗りメイクと併せてヘイズコード以前の作品の自由さにこれまたビックリ。映画史に於いてのみ貴重であって秀作とは思えない一品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-05-06 13:07:58) |
1438. 夜は千の眼を持つ
《ネタバレ》 奇術師トライトンの透視はステージ上での芸のみならずプライベートでも予知出来てしまう。儲け話に繋がる良い出来事ならまだしも人の死も。苦しさから逃れる為の隠遁生活20年。浮かんでしまった曾て愛した女性の娘の死に対してフィアンセや警察と共に阻止すべく立ち向かう。見えてしまう苦しみを表すエドワード・G・ロビンソンは控えめなキャラでも存在感は大きい。とりわけ自分の身に起こる事を察した(台詞無し)シーンは彼ならではの名演技で結末に繋がる。手堅い作りで無理筋が無く地味ながらも見応えがある秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2019-05-03 16:46:57) |
1439. 無頼プロフェッショナル
《ネタバレ》 冒頭のヘンテコな歌に抱いた嫌な予感が的中した凡作。ドラマ性皆無、アクション及びコメディ「ちゅーーーーーとハンパやなぁーーーー」 リー・ヴァン・クリーフはブラックシャツが似合ういでたちながら、キャラのせいで魅力無し。購入目的のジェームズ・メイソンに至っては「♪・・・待ちくたびれて、それでもいいと慰めていた・・・♪」56分過ぎにご登場(そのシーンのショボさに絶句)。素敵な衣装に身を包んで立っているだけで華があるお姿だけど、悪辣さ無しアクション無し見せ場無しのお飾りキャラ。名優二人の究極の無駄遣いが悔しい。何がフィリップ・ヨーダンに起こったか? 脚本が彼の手になるものとは信じられない。 [DVD(字幕)] 4点(2019-05-03 15:52:20) |
1440. フットライト・パレード
後半のミュージカル3本立ては信じ難い絢爛豪華さで20点は献上したい。劇場鑑賞された方が羨ましい。何時も通りのシャキッとした切れ味鋭いキャグニーのこれまた切れ味鋭いタップダンスシーンは小一時間ほどのリプレイタイムとなりました。 [DVD(字幕)] 9点(2019-04-30 23:59:36) |