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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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1681.  レイヤー・ケーキ
麻薬取引に関わる主人公が引退前に引き受けた最後の仕事が、面倒な展開となっていくのですが、正直、映画の語り口自体も面倒くさいというか、ゴチャゴチャしてて、観てても完全にはついていけないんですけどね・・・でもまあ、我々の日常世界も、こんなものかも知れませぬ。日々の仕事でも、自分の直近のことは何とか把握してるけれど、それ以上のことはよくわからなくって、でも全貌は把握しきれないながらも物事は何となく進んでいってしまう。そんな中で、自分は仕事を、しているのか、それともさせられているのか。 後の『キングスマン』が曲がりなりにも一人の青年のサクセスストーリーだったことを思うと、本作はまさに正反対。レイヤーケーキのごとき層構造をなすイギリスの階級社会、それは裏社会すらもが同様で、うまくたち回ろうとする主人公ではあるけれど、その縛りからはなかなか抜け出せない。 例えば、ライフルでターゲットを狙っているつもりが、実は逆に狙われていて、身動きがとれなくなってしまう。どこから誰が自分を狙っているのか、こちらからは決して見えないまま。 ブルーレイのオマケに別エンディングが2種類入ってて、計3通りのエンディング。程度の差はあれ、そのどれをとっても、結局は階層構造からは抜け出せていないんですよね、たぶん。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-09-29 07:28:54)
1682.  横道世之介
冒頭、ああこれはバブルの時代だなあ、と。個人的には何の懐かしさも感じないけれど、とそんなことを言ってみるのも一種の強がりなのかも知れないけれど。ああ、みんな、シャツの裾をズボンに入れてますねえ。 主人公を演じる高良健吾を始めとして、登場人物たちが、はにかんだようなオドオドしたような挙動を繰り返し、これが昨今のお笑いコントの演技を思い起こさせてちょっと安直ではないの、と最初は心配になるけれど、やがてそれが気にならなくなってくる。長回しが多用される中で、このオドオドした感じが、独特のリズムみたいなものを生み出してるんですね。いや、リズムというよりは、演技の詳細が確定されない中に役者たちが放り込まれ、開放系の中に映画の世界が広がっていくような。 そんな中で、素っ頓狂な吉高由里子はまったくオドオドせず、ブレることなく、純朴な主人公を変人の道(?)に誘い込む。これぞまさに究極のバカップル・・・ってのがこれまた不思議な懐かしさめいたものを呼び覚まします。 時間軸をいじくる構成も、イヤミになっておらず、ラストでは静かな感動に繋がります。 でも、それでもなお、この「世之介」ってヤツ、何なんだよ、という気持ちがどこかにあって、映画ってのは「懐かしがられる人々」ではなく「忘れられた人々」を描いてナンボでしょ、という気もしてしまうんですけれども。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-09-28 01:51:41)
1683.  ロボゲイシャ
ネタが「ゲイシャ」ということもあってか、アクションシーンにややキレが無いのが残念ですが(「ゲイシャ」だからキレが無い、とかいう問題だと捉えるべきかどうか、という気もするし、いやそもそもそんなことを気にするべきか、という気もするけれど)。 ただ、「ロボ」の部分で言うと、ロボである以上はロボらしく、「変形」とか「合体」とかいう事に対する偏愛のようなものが感じられて、それが、姉との確執というストーリー骨格ともちゃんとシンクロしているのが、スバラシイなあ、と。 肉体をロボにいくら改造されようが、そんなことは全く不幸じゃなくって、姉と仲良くできないことこそが不幸。このテーマがしっかりと作品を貫いています。 で、そういう「ロボットと言えば、変形・合体やろ」という極めて日本的な発想が、ゲイシャとかフジヤマとかいう日本的なアイテムと結びついて、とんでもなく求心力をもった作品となり果てているのでありました。 デビル志垣も存在感あったけど、斎藤工の起用法が実によくワカッテルよなあ、と。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-09-28 01:07:24)
1684.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 
ダンケルクの撤退劇を、複数の視点から並列に描く、つまり複数の物語が同時に進む構成になっているのですが、あちらのエピソードが昼だったかと思うと場面変わってこちらのエピソードは夜の場面、だったりするもんだから、それぞれのエピソードは時間進行もバラバラなんだ、ってのはイヤでもわかるんですね。 で、時間軸の異なる各エピソードは、クライマックスにおいてきっと一点に交わるんだろうなーってのも、期待としては持っちゃう訳です。実際、そういう構成なんですが・・・ 普通、こうやって場面を切り替え切り替え、複数の場面を並列に描くってのは、盛り上げるためにやるもんなんでしょうけれど、本作の場合、方法論が先にあるためなのか、意図して感情移入させないようにしているのか、あまりに機械的に場面切り替えをやりすぎて、正直、わずらわしくなってきます。 また、この手法(異なる時間軸が一点に焦点を結ぶ)を取ると、どうしても、クライマックスが近づくにつれて時刻が小刻みに前後することになって、不自然さが目立っちゃう、ってのはタイムチャートを書いてみるとすぐにわかると思うんですけれども(作り手もわかってるんでしょうけれども)。こういう点も、少々、違和感が。収束すべき焦点もボケてしまいますわなあ。 しかしそれでも、その最後に、あの見事な海岸への不時着シーンをもってきたのはさすが。これはシビレました。もちろん映画中盤の、陸(海岸)、海、空でのさまざまな「戦い」が、さまざまに描かれるのも(時に仰ぎ見る形で、時に見下ろす形で描かれ、また時には姿の見えない敵からの攻撃という形でも描かれ)、見どころになっているのですが、これらの「陸・海・空」が、あの最後の不時着シーンで一点収束した感があって。ヘンな時間的細工より、よほどイイなあ、と。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-17 21:23:18)
1685.  眠れぬ夜のために
安部公房の未完の小説で、不眠症の男が山手線に乗って思索をめぐらす「名もなき夜のために」ってのがありましたが、それをモジって本作の邦題にしたのなら(たぶん違うでしょうけど)、随分遠いところからネタを拾ってきたもんです。こちらは、不眠症の男が深夜のドライブ中に事件に巻き込まれるサスペンス。 まあ正直、そういう巻き込まれ形のサスペンスとして見ると、もう一つキレが無くって、そんなには楽しめないんですけれど、ちょっとした意外なロケの光景(飛行場の下がトンネルになってて自動車が走る上を旅客機が移動してたり。立体迷路みたいな地下駐車場でカーチェイスを演じたり)が登場して、目を楽しませてくれます。 あるいは、場面がいきなり飛ぶ意外性。突然、飛行機スタントの奇妙なCMが挿入されたり、スワ大事件かと思いきや実はロケ撮影のシーンだったり。 そういう小ネタの面白さ、ですね。 ただ、この主人公の「不眠症」という設定、本作が、あの悲惨な撮影中の事故を起こした『トワイライトゾーン/超次元の体験』の少し後の作品であることを思うと、もしかしてジョン・ランディスも当時、不眠症に苦しんでいたんだろうか、なんて事も思ったりして。せめて映画の中だけでも、イキのいいところを見せて欲しいもんです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-16 07:02:05)
1686.  BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
少女と巨人の交流のオハナシですが、正直、ストーリーらしいものは殆ど無くって、多少、間延びした感はあります。しかし、CGで描かれる巨人たちの活き活きとした感じ、そしてCGの世界と主人公の少女との融合が、観てて楽しいんですね。 特に、CGの中で茶目っ気たっぷりに動き回ってみせる少女と、これまた見事に動き回って見せる「カメラ」、その特殊効果による描写は、ここまで描けるんだという驚きにあふれていますが、それでもどこか少し胡散臭くって、トリックめいていたりもして。それが、あのかつてのダイナメーション技術みたいな「魅力的な不自然さ」とでも言いたくなるようなものを感じさせたりもします。 個々のシーンが持つワクワク感。いいですね~。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-09-08 17:50:05)
1687.  48時間PART2/帰って来たふたり
冒頭、風車みたいなのが音を立てて回ってて、マカロニウェスタンの雰囲気。敵役として登場するバイク野郎3人組も、西部劇における馬をバイクに置き換えたかのように疾走し、エディ・マーフィーの乗る護送車を襲撃する。 一方、中盤以降は、猥雑な夜の都会の雰囲気に切り替わって、まあ確かに『48時間』が帰ってきたなあ、と思わせるものがあります。1時間半少々にまとめたテンポの良さ。ニック・ノルティの車のボロさも健在(むしろ悪化?)。 ただ、2作目であるが故の新鮮味の無さを、ストーリーに凝ることで補おうとしたのかどうなのか、ちょっとオハナシを複雑にし過ぎた感じがいたします。複雑といって悪ければ、「作り過ぎ」とでもいいますか。最初はいかにも悪そうで強そうで魅力的だったバイク野郎どもが、物語が進むにつれてだんだん魅力的じゃなくなってしまって。 でもあの、ビルから転落するのを上からカメラで捉えたシーンは、凄いですねえ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-01 15:28:23)
1688.  風の無法者
リー・ヴァン・クリーフを筆頭とした悪党3人組。とある若造から、まんまと彼の輸送していた大金をせしめるのですが、どういうわけかその若造と意気投合した挙句、次回の輸送を警護することに。味方だと思わせて次も楽勝で強奪するぜ、ってなところなのですが、そこにホンモノの盗賊団がやってきて・・・というオハナシ。 どこかユーモラスな3人組に、コミカルな音楽が被さって、基本的に明るい内容なのですが、一方で、盗賊団とのガンファイトはなかなかの見もの。 で、ここでふと、疑問になるのが、この主人公は、スゴ腕なのかどうなのか。なにせ演じているのがリー・ヴァン・クリーフなので、もうイメージとして、このヒトはスゴ腕に違いない、と見てる側は思っちゃう。これでスゴ腕じゃなかったら、単なるヘンな顔をオッサンだもんね。しかし作中ではあまりスゴ腕を見せてくれる機会がなかなかない。実は今回の役どころは単なるケチなチンピラなのか?  いやスゴ腕なんです。なにせリー・ヴァン・クリーフ。という訳で、俳優のもつイメージって、重要ですね。むしろ我々の方から、俳優を通じて、映画に対しある種のイメージを投影してしまいますね。 という訳で、「実は主人公よりも若造の方がずっと腕が立つんじゃなかろうか」という気がなんとなくしつつも、主人公の活躍を堪能し、最後も明るく大団円。。。と思いきや、ちょっと意外な展開が待っており、ここは好みが分かれるところかも知れませんが、やっぱりこれぞリー・ヴァン・クリーフだなあ、と。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-01 14:26:13)
1689.  アウト・オブ・サイト
筋金入りの銀行強盗、ってよりは、やってることを見てるとチンケな詐欺師であるジョージ・クルーニーが、他の囚人の脱獄にただ乗りして、またまたチンケな犯行を実行するオハナシ。いかにも、面白くなさそうですよね。 しかもジョージ・クルーニー、脱獄の際にジェニロペ捜査官と知り合って、以降何かとイチャイチャするもんだから、もう勝手にしてくれ、ってなところですが。 しかし本作、見せ方がシャレてるもんで、不本意ながら楽しめてしまう、という趣向。時間軸を行き来してみせるのも、あまりやり過ぎるとイライラの元だけど、本作では適度な味付けになってて、テンポの良さに一役買ってます。時には「あ、このシーンに繋がるのか」という意外性も提供したり。 あまりにシャレてるもんだから逆に、こんなので喜んでると製作者の思うツボだなあ、とか思っちゃうのですが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-17 10:56:59)
1690.  マングラー
時々、ホラー映画なんかのあらすじを読んで、どうしてこんなネタで映画を一本作れるんだろう、と不思議に思うこと(だから要らぬ関心を持ってしまうこと)がありますけれども、本作もそういった種類の作品ですね。何しろ、洗濯したシーツをプレスする機械が、人間を襲うんだってさ。こんなネタで映画を一本撮ってしまおうという、勇気と厚かましさ。「地獄のデビルトラック」のスティーブン・キングが原作で、「悪魔の沼」のトビー・フーパーが監督。と聞けば、もはや付ける薬もないというか。 こういう作品を見てると、世の中ちょっとスティーブン・キングに甘すぎないかい?という疑問が湧いてくると同時に、世の中ちょっとトビー・フーパーに厳しすぎないかい?という疑問については引っ込めざるを得なくなる訳ですが、それはともかく。 プレス機が襲ってくる、というよりはコレ、劣悪な環境がもたらす労働災害なのであって、中には「これこそプロレタリアート映画だ!」というヒトもいるかもしれません。人々を威圧するような巨大プレス機と、日々、危険と隣り合わせの作業に従事させられている従業員たち。ただ、このプレス機、もっと非人間的に容赦なくガッチャンガッチャンやってくれると、「蟹工船」にでも何にでもなったかも知れませんが、実際に映画に登場するのは、いかにも時代がかったレトロっぽいプレス機。人間の尊厳自体を圧殺するような迫力は無くって、むしろ、どこか懐かしさを伴った不気味さ、なんですね。やっぱりあくまでこれはホラーです。 で、こんなネタで映画になるのかと言えば、洗濯工場のロバート・イングランド社長がやたら不気味だったり、なぜかドサクサに紛れて冷蔵庫まで人間を襲ったり、と、よくわからんながらもしっかりホラーやってて、10分もあれば充分かと思われたネタが、気がついたらそれなりに膨らんでて。 で、いよいよ、「プレス機が人間を襲う」という看板に偽りなしのクライマックスへと突入。  とにかく、製造業の経営者の皆さんは、本作を観て、自社工場の安全性についてもう一度確認されたし。
[DVD(字幕)] 7点(2019-08-16 21:16:26)
1691.  ブレイクアウト(2011)
妻、娘と大邸宅で暮らすニコラス・ケイジのもとに強盗団が押し入り、ダイヤを出せ、金を出せと彼を脅す。とっとと出せばいいものを、なんやかんやと言い逃れするもんで、オハナシはズルズルと延びて、気がついたら本作はワン・シチュエーションもののサスペンス映画になってました、という趣向。犯人グループ側も難ありのメンバーを抱えている上に、この家族も家族3人それぞれ、叩けば何かと埃が出るもんだから、事件は迷走。犯人たちも困るけれど、ニコラスケイジ一家も困っちゃう。両者痛み分け。 まあ、この困難さえ乗り越えられたら、家族3人、また仲良くやっていけそうだよね、という大変に前向きなオハナシのような気もしてきますが。 という訳で、そもそもこんな面倒な家に強盗に入るヤツが悪い、というのが結論ではありますが、事件の迷走ぶりが、面倒くさいんだけど楽しめて、コンパクトにまとまっているのも魅力的です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-15 18:03:53)
1692.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 
映画冒頭に大和の最期を描き、そこから時代を遡って大和建造に関わる物語を描く、という構成。本来はこの作品の物語の「外」にある大和轟沈のエピソードを、冒頭で我々に見せるのは、ひとつにはスペクタクルシーンの提供、ハッキリ言うとサービスなんでしょうけれど、この構成が成功したと言えるかどうか。そりゃま、確かに我々もその迫力を、ハッキリ言うと楽しむ訳ですが。 ただ、将来訪れる日本の敗北と、この大和の最期とは、物語の上で重ねられている訳だから、それを見せるシーンとしては、あまりに駆け足で、バランスが悪いような気もします。その最大の特徴である「巨大さ」が充分描かれる前に、どこか模型のような機械的な動きで横転し、爆発する大和。 ヤマトつながりで言うと、10年近く前の大失敗(?)を少し思い出してしまうのですが・・・。 と、それはさておき、時代が遡って本編の物語が始まると、もう菅田将暉の独壇場。エキセントリックな言動とオーバーアクション気味の演技で、物語をグイグイ引っ張ります。物事を何でも「美しい!」とか「美しくない!」とか評している姿は、仮面ライダーWのフィリップ役でしきりに「興味深い!」とか言ってたのを彷彿とさせたり。 脇を固めるベテラン勢は控えめの演技で、橋爪功は多少オーバーでコミカルに敵役を演じてますが、舘ひろしの山本五十六も一歩引いた感じ(それでも人柄を表すために、しばしば彼が披露したという逆立ちエピソードなどは盛り込まれてますが)。あくまで熱い菅田将暉と、おそらく同じくらいの熱さを内に秘めた柄本佑を中心に据えて、若い役者さんに存分に表現してもらう、この点は間違いなく本作の魅力となってます。 熱い言動の一方で、図面にじっと見入る菅田将暉の視線。彼の視線、彼の横顔が我々を惹きつけますが、一方、映画の終盤で、敵役である田中泯が、君と自分は同種の人間だ、などといって横顔を見せると、確かにそこには同種の横顔、同種の視線がある。 静かな、しかし圧倒的な説得力を持つクライマックスだと思います。たとえ冒頭シーンが無かったとしても。
[映画館(邦画)] 7点(2019-08-15 07:24:10)
1693.  万引き家族
色んなものを安く売ってくれているスーパーマーケットというところが、私は大好きなもんで、万引きなんかされては困るんですけどね。しかもこんな子供に万引きさせるなんて、もう、ドン引きしてしまいます。←結局、コレが言いたかっただけなのか。 それはともかく、この家族。「店においてあるものはまだ誰のものでもないもの」「万引きも店がツブれない程度ならいいんじゃない」という、迷惑といえば実に迷惑なことを仰る訳ですが、とりあえずそういう考え方らしい。で、その考え方に立つとして、では、「まだ誰のモノでもない“幸せ”」が道に落ちていたなら、それは持って帰ってもよいのではないか。これはそんなオハナシですね。持って帰っちゃっても他の誰も困らない“幸せ”。それ自身が持って帰ってもらうことを望んでいるような“幸せ”。 だけど、よその子を黙って連れて帰っちゃあ、アウトな訳です。本作においても、万引きという明らかな犯罪行為からの流れで描かれていて、間違いなくアウトな訳です。だけど。 だけど一方では、「ささやかな“幸せ”」からの流れとしても、それが描かれている。テキトーで、ささやかで、でもかけがえがなくって、なのに果敢無くて。だから、切ないんですね。 カップ麺を食べる、というささやかな幸せ。でも映画とかでカップ麺を実に美味そうに食ってるシーンを見ると、羨ましさを通りすぎて、何だか腹が立ってくるのは、どうしたことか。まあ、自分も後で食べればいいだけの話なんですけれども。 まんぷく姐さんとリリー・フランキーが愛し合うシーンの、ささやかな幸せ。股間のおでん君が映らないように、気をつけましょう。って大きなお世話。
[地上波(邦画)] 7点(2019-07-30 21:28:14)
1694.  インシディアス
怪奇現象が続発する家に調査にやってくるおっさん二人組が素晴らしくポンコツで、こういうヒトを見てるとつい『ポルターガイスト』なんかを思い出したりもするのですが、本作では残念ながら、突然自分の顔をむしり始めるあの素晴らしく意味不明な行動を取ってくれたりはしなくって、そういうところがこのおっさんたちの良くも悪くもポンコツなところなのですが。 そういったところからもわかるように、本作、ビックリドッキリなシーンの連続で我々をビックリドッキリさせつつも、残酷シーンに頼っておらず、その辺りは好感が持てます。いや、好感ってのもヘンな話で、恐怖映画らしいヤな感じを充分に味わわせてくれる作品です。 で、この怪奇現象に悩まされている家族の中で、実はこの人がキーパーソンだったのか、とわかってみると、なかなか周到に伏線が張られていたことにも気づきます。よくできています。 で、大いに楽しんでおきながら、ここで贅沢な事を言ってしまうのですが、こういう怪奇映画に対して、「よくできてるなあ」と感心させられてて、いいのかなあ、という気も。感心はするけれど、理屈が目立ってしまって、あまりゾッとはさせられない。もっと理不尽で意味不明でもいいと思うのだけど。 それより、ところどころで姿を現すオバケたちの描かれ方が、どうにも『シャイニング』のパロディぽくって、音楽までかつてのペンデレツキ作品を模倣したようなテイストでわざわざ『シャイニング』っぽさをアピールしており、こういったあたりも本作、ちょっと「作り物」っぽい感じがしてしまうんですけどね。 ま、『ポルターガイスト』みたいじゃないからダメだとか、『シャイニング』みたいだからダメだとか言うのも、実に理不尽なハナシなんですけどね(笑)。怪奇映画たるもの、こんな理不尽な感想を上回るような理不尽さを、ぜひ。
[DVD(字幕)] 7点(2019-07-29 21:28:37)(良:1票)
1695.  ユージュアル・ネイバー
冒頭の少年野球での事故のシーンから、家に閉じこもっている病弱な車いすの少年のエピソード、馴染みのない土地で祖父母と暮らすことになった少女のエピソードへと、断片的に提示されて、開始早々から油断ならない独特の雰囲気。やがて少女は、たまたま訪れた家の部屋の中にいた病弱少年と知り合うのですが、観てるコチラも身構えているもんで、ああ、きっと、「これらの登場人物たちの誰かは、実在しないのでした、幽霊なのでした」とかいうパターンだったりするんじゃないのー、とか、適当なことを考えるのですが、さにあらず。それよりもずっとおぞましい真実が、やがて明らかになっていくのでした。 少女を毛嫌いするかのごとく、少年から遠ざけようとする、彼の母親。訪問することを禁止された以上は、禁止を破るのが散文の散文たる所以ですから、そこにサスペンスが生まれる訳ですが、やがて意外な事実が明らかとなり、サスペンスの度合いも急上昇。さらに、その「意外な真相」が二重底になっていることに気づかされ、感心しつつもサスペンスは最高潮。なかなか心憎い構成になっています。 原題はThe Harvest。庭のトウモロコシに関係するのかと思いきや・・・。 それにしてもピーター・フォンダ。年老いてなお、カタギには見えませんな(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-27 07:52:03)
1696.  ルパン三世(1978) 《ネタバレ》 
カリオストロと並んでさんざんテレビ放送されてる映画版ですが、コチラの方がテレビ版の懐かしさに直結してる、ってのはあります。テレビ版パート2をベースにしながら、パート1のアダルトな感じもあって。ルパンのキャラがストレートに活きてるのは、間違いなくコチラでしょう。 今のアニメ映画と比べると、どうしてもアニメーションが荒い印象は拭えませんが、躍動感という点では決して負けてません。 地上で戦争に明け暮れる人類をよそに、宇宙に消えていくマモー。怪しさ満点のキャラクターですが、西村晃さんのセリフが「仮装ぱーてー」と聞こえてしまうのは気のせいですかね?? あと、銭形警部の名前って、銭形平次??
[地上波(邦画)] 7点(2019-07-07 10:20:55)(良:1票)
1697.  カメラを止めるな!
映画の撮影の裏側を描く作品って、楽屋ネタみたいなのばっかりだったらヤだな、と思うのですが、その点、本作は、「映画って、こうやってみんなで力を合わせて作るもんなんだよ」という、シンプルで、感動的で、「映画」という枠を超えた一般性のあるメッセージへと、自然に繋げていってるのがいいですね。 単なるアイデア勝負みたいな面もあるんですけれども、多少強引な演出が、よりその可笑しさを際立たせているし、「まさかそこが笑わせるポイントだったとは」という意外性が、二重の笑いを生む仕掛けになってます。
[地上波(邦画)] 7点(2019-06-30 17:11:13)(良:1票)
1698.  砂上の法廷 《ネタバレ》 
原題はThe Whole Truthで、その真相はというとまあ正直、予想通り、ってなトコではあるのですが、それでもなお、裁判シーンと回想シーンをうまく交えて、最後までしっかりと引っ張って行ってくれます。父親殺しの疑いで逮捕された青年は、何も語ろうとせず、その一家と交流のあった弁護士が彼の弁護を引き受けるも、裁判の行方は絶望的。その弁護士をキアヌ・リーヴスが演じておりますが、青年とキアヌ・リーヴスとの間の緊張関係の一方で、もうひとり、若手女性弁護士がそこに絡んできて、別に彼女がとてつもないことをやらかす訳も何でもないんですけれども、彼女の視点が映画に加わることで、ドラマに膨らみを持たせています。 で、陪審員制度の難しさと限界。弁護士は制度を利用しようとし、でも時には弁護士自身が利用されることもあり・・・。という訳で、そもそもThe Whole Truthって何だろう、そう呼べるものが、そもそも存在するんだろうか、というオハナシ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-06-30 16:28:16)
1699.  五人の軍隊
『野獣暁に死す』に何ゆえ、仲代達矢が一匹混じってしまったのか、何が目的なのか、これはもう永遠の謎、ということにしておくのですけれども、本作に“大霊界”が出演していることに関しては、どうやらこちらは日本人役らしいし(日本刀持ってるけどなぜか得意技はナイフ投げ。その名も大霊界。じゃなかった、サムライ)、007にも出演した国際スター(?)だし、ま、いいか、と、こちらもそういうことにしておきます。 七人の侍以降、十一人の侍とか十三人の刺客とか十七人の忍者とか2000人の狂人とか、人数がインフレを起こす一方なのですが、正味、5人もいれば充分でしょ、という本作。“大霊界”を含む冴えないオッサン5人が、砂金強奪のため列車強盗をたくらむ。 冴えないとはいえ5人のオッサンたち、それなりに特技・特徴があり、まるでスパイ大作戦ですよこれは。と思うのも道理、5人組のリーダーは、まさにフェルプス君その人なのでした。 で、彼らが狙うその列車。厳重に警備されている上に、なんとなんと、巨大大砲まで搭載しているんですよね~。って言ったって、大砲なんか積んでても、たいして強盗除けにはなりませんけれども。 で、本作の面白いところは、その列車強盗大作戦のなりゆきが、結構丁寧に、というか、事細かに描かれるんですね。何をやろうとしているのかよくわからないけれど、彼らの細かい動きにワクワクさせられ、最後に、ああそういう作戦だったのか、と思わせる。 作戦には思わぬ障害がつきもので、途中、“大霊界”が誤って転落してしまう。別に作戦に影響ないんじゃないの、と思っちゃうのですが、緊迫した音楽が「これは一大事なんですよ」と我々におしえてくれる(音楽はモリコーネ)。ああ、じゃあ大変なんだ、どうしよう、と思ってたら、そこから“大霊界”が走る、走る。延々と走った挙句、列車に追いついて、無事、戦列復帰。ああ、なんというヒネリの無さ。この転落エピソード、必要なのか? でも、こういった描写のしつこさが、本作のいいところ、魅力ですね。ということにしておきます。 ラストはちょっと、中途半端にヒネっていて。どうです、面白いでしょ、と我々に訴えかけてくる(脚本にはダリオ・アルジェントが名を連ねてます)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-06-30 15:13:39)
1700.  次郎長三国志(1963)
駆け出し時代の次郎長ひとりのもとに、ひとりまたひとり、子分志願者がやってきて、五人ばかり集まったところで唐突に終わってしまう。ってのは、シリーズものだからしょうがないんでしょうけど、テンポのいい展開に、松方弘樹、山城新伍、津川雅彦といった当時の若手たちの姿も初々しく(ラストでは一瞬、長門裕之)、賑やかで楽しい作品です。まあ、映画の半分くらいは、子分第一号の鬼吉を演じる山城新伍のショートコント集にみたいになっちゃってますが。 「ワルい人」ってのがほとんど出てこないんですが、次郎長をとりまく連中がポンコツばかりなもんで、それなりに事件が起こり(トホホな事件も含め)、小気味よい演出がそれを捌いていく。寛美さんのネチっこい演技もここでは嫌味になっておらず、物語をうまく盛り上げています。 ・・・鶴田浩二のことに何も触れなくてよかったんだろうか?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-06-23 17:09:40)
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