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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2101
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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1.  ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
グレタ・ガーウィグ。2010年頃からの僕の注目の女優さんの1人でしたが、 2010年代の終わりには、こんなに素晴らしい映画を撮る監督さんになっていました。 19世紀という時代を生きた姉妹の物語である「若草物語」。 戦前、戦後、そして今に至るまで、これまでに何度も何度も映画化されてきましたが、 生きる喜びや、時に訪れる悲しみ。彼女たちの物語は、時代やその時々の世相、価値観を問わず 人々を感動させ、人々の心に響く普遍的な要素がたくさん含まれているということなのでしょう。 本作はアカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞したとのことですが、 映像の美しさと共に作品の時代を感じさせる衣装や美術も素晴らしかった。  最も印象に残るのはやはりシアーシャ・ローナンでしたが、 4姉妹に、ローラ・ダーンのお母さんに、メリルのおば様に、女性が中心の作品にあって、 いつも姉妹の傍にいた、クリス・クーパー、ティモシー・シャラメらが演じた男たちも良かった。 控え目ながらも、作品の中でしっかりとした存在感がありました。  「悩みが多いから、私は楽しい物語を描く。」 鑑賞後、冒頭で引用された原作者オルコットのこの言葉を思い出しました。 まさにこの言葉通りの、いい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-07-02 22:16:35)
2.  家族の庭
孝行息子に恵まれ、仲睦まじく連れ添ってきた夫婦と、 夫婦の元を訪れる友人たちの会話劇が春夏秋冬、続いていく。 本当になんてことの無いやりとりが続く。あっと驚くハプニングも無い。 なのに、ずっと見ていられる不思議。 基本的にはコメディタッチですが、時に顔をのぞかせるマイク・リーのシニカルな視線が効いている。 基本的にはハートウォーミングなコメディですが、 時に生きていくことの厳しさを織り交ぜる、ビターな味付けも効いている。  一貫して感じるのは、長年連れ添った夫婦も、シングルで通してきた者も、 人間、一人では生きてはいけないということか。 妻を亡くしたばかりの兄ロニーと、かなり痛い友人のメアリー。 夫婦を敢えて留守にさせた状況で、孤独な2人を一緒にさせる終盤のくだりが印象的です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-01-08 20:50:06)(良:1票)
3.  カセットテープ・ダイアリーズ
イギリス発、ロックと恋と友情と、パキスタン移民の家族愛を描いた青春映画の秀作です。 小さな町、学校、家族、出自。主人公を取り巻く閉塞感と彼をそこから解放していく、 ザ・ボスことブルース・スプリングスティーンの曲の歌詞が見事なまでにリンクしている。 中盤の“ Thunder Road"や“Born to Run”が挿入されるシーンが素晴らしい。 主人公がしがらみから解き放たれていく、その若さと躍動感が溢れ出ている。 主人公のパキスタン人の青年を演じた俳優に、彼と恋に落ちる女の子役が瑞々しい好演。 僕も80年代が人生の特別な一時期だった世代。 レコードやカセットテープが擦り切れる程洋楽を聞きまくった。 ブルースのことも好きだった。 本作の主人公と同じく、ブルースの曲の歌詞がどストライクに心に響いたこともあった。 久々にあの頃をゆっくり思い出した2時間。いい時間を過ごすことが出来た本作に感謝。
[DVD(字幕)] 9点(2021-04-18 21:06:01)(良:2票)
4.  ホテル・ムンバイ
2008年にインドのムンバイで起こったテロ事件を映画化。 絶望のホテル内で離ればなれになってしまった家族と赤ちゃん、 そして勇気あるホテルの従業員たちのドラマと、テロリスト側の動きが交錯する。 ここまで張りつめた緊張感が全く途切れることの無い映画を久々に見た気がした。 その一方で見るのを止めたくなるようなシーンが一体何度あったことだろう。 実際に起こったテロ事件の映画化なので、序盤から登場する主要登場人物でさえ、 「全員殺してしまえ」の命令1つであっけなく殺されていく。 そんな中にも事件鎮圧後のいくつかの再会と最後のホテル再建の映像、 そして「今もいる従業員の多くがホテル・ムンバイの戦士である」に胸が熱くなった。 二度と見たくはならないだろう。しかし凄い映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-04-10 20:00:10)(良:2票)
5.  男と女 人生最良の日々
どんなに時を経ても変わらないもの。そして時の流れと共に変わりゆくもの。 「不易流行」という言葉がありますが、本作を見ていて思い出した言葉です。 時は止まることなく流れてゆき、人間、誰もが年をとる。しかし、若い頃の鮮烈な思い出が心の中で色褪せることは無い。 名匠ルルーシュは既に80歳を超えている。そして1966年に男と女を演じた2人は90歳近くになっている。 ルルーシュの盟友であるフランシス・レイは既にこの世を去っていますが、 あのメロディもまた全く色褪せることなく、53年前と変わることなく本作を彩っています。 90歳近くなった男と女のロマンス。2人が出会った53年前の姿が時折あのメロディに乗せてフラッシュバックされる。 その53年前の2人を演じているのもまた本作の2人。そう、1966年の「男と女」です。 あの男と女の53年後の物語。本当に奇跡のような映画を見た思いです。
[DVD(字幕)] 9点(2021-02-22 20:51:52)(良:1票)
6.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
年々戦争の時代は遠い昔のことになっていく。戦争体験を語ることができる人も少なくなっていく。 それは実際に戦場で戦い、過酷な体験をした男たちの話も、 物資や食糧が不足し、空襲にさらされながらも日々を懸命に暮らした女たちの話も。 本作はこれからも多くの人に観られて、戦争を考えるきっかけになる作品になっていくのではないかと思います。 声高に反戦のメッセージを訴えることはしませんが、庶民の暮らしが少しずつ厳しくなり、 食卓が淋しくなり、近所の若い男が徴兵にとられ、次第に空襲に日々の暮らしが脅かされる。 空襲で幼い命が奪われ、ついには原爆が投下され、日本は戦争に負ける。 丁寧に綴られていく庶民の日々の暮らしと戦争の描き方も、 「空襲のおかげで魚がようけ獲れた。」 控え目に挿入されるユーモアも素晴らしい作品です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2019-08-08 16:23:37)
7.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
はっきり言って、Queenのファン限定の映画かもしれませんが、彼らの音楽を愛する者として大満足の作品でした。 一番レビューの方と同じく、オープニングの本作オリジナルの"20th century FOX"からテンションがアガること確実です。 フレディと、3人。この構図は予想通りだったのですが、テイラー、メイ、ディーコンの3人の個性もバランス良く、とてもよく出ていたと思う。 表情、ステージ上での所作、楽器を構える姿、演奏する姿等、よくここまでQueenを研究したと思う。 4人とも、特に後期は本当によく似ていたし、見事に皆がメンバーそれぞれになりきっていました。 ラストのLIVE AID以外は、じっくりQUEENの音楽を聞かせるとい趣向ではないですが、そのLIVE AIDのステージを再現したラストは圧巻。 LIVE AID直前のバンドは解散寸前の状態にあったというのはよく知られた話ですが、そのいきさつも描かれています。 しかしLIVE AID直前にフレディからメンバーに語られた衝撃の告白。その内容は言うまでもないですが・・・。 そして様々な思いでウェンブリーのステージで躍動するフレディの姿を見つめる人々の思いも重なり、感動的なものとなっています。 4人の動きだけでなくクルーの動きに至るまでかなり忠実に再現されており、 ウェンブリーを埋め尽くしたファンと一体になった当日のステージの再現は見事でした。 控室でいよいよ自分たちの出番が次にやってきた。ステージから聞こえてくるのはダイアー・ストレイツの〝Sultans of Swing″。 こんな細かいこだわりに思わずニヤリとさせられました。 ステージで躍動するフレディを見つめるメンバーの表情もまた印象的。 家に帰ってから、LIVE AIDのDVDを見てみた。なるほどと思える雰囲気があった。何度も見たDVDですが、目に涙があふれたのは初めてだった。
[映画館(字幕)] 9点(2018-11-09 17:47:31)(良:1票)
8.  アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 《ネタバレ》 
自国の兵士を誰1人現地に送り込まなくても作戦が完了する現代の戦争。 「世界一安全な戦場」という邦題の通り、本作に登場する、この作戦に関わる英米の軍人が戦死する可能性はゼロ。 今回の作戦行動はケニアの首都ナイロビのテロリストが潜むアジト周辺の一区画のごく狭い範囲のみ。 しかし、一瞬たりとも緩むことの無い、張りつめた緊張感が凄い映画。 作戦を指揮する、ヘレン・ミレン演じるイギリス軍大佐、彼女の上官であるアラン・リックマン演じる中将。 ミサイル発射のボタンを押す、作戦の末端にいるアメリカ軍中尉とその部下。その中尉の上官。 彼ら軍人と、ロンドンにいるイギリス政府の大臣や官僚たち。 ここに挿入される、テロリストのアジトの脇でパンを売り始める少女の存在が効いている。 作戦を今決行すれば、大物テロリストたちを間違いなく抹殺できるが、確実にこの少女が犠牲になる。 軍の高官、官僚たち背広組、ミサイル発射のボタンを押す兵士達。様々な思惑を実にテンポよく交錯させる。 そしてこの作戦に関わった関係者の多くと同じく、見る者の視線をパン売りの少女に向けさせる。 常に現地のドローンから送られるアジト内のテロリストの動きと少女の様子。一刻を争うライブ映像の緊迫感が凄い。 更なる緊迫感をもたらすアクシデントの挿入も実によく計算されています。 関係者たちが現地の映像を自国の作戦室や会議室で見つめる様は、 オバマ大統領たちがビンラディン殺害計画の様子を食い入るように見つめていた当時のニュース映像を思い出しました。 エンドロールの最初に出てくる「アラン・リックマンを偲ぶ」というメッセージ。 リックマンの遺作となった本作。主演ヘレン・ミレンの熱演が印象に残るとともに、 彼女とは対照的な、リックマンの静かなる存在感も印象的でした。特に、数々の修羅場を見てきた彼の本作最後の台詞が重かった。 声高に正義を訴えることもなく関係者の言動を追う中に投げかけられる問題提起とともに、サスペンスとしても一級品の作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-09-29 19:57:23)
9.  グレイテスト・ショーマン 《ネタバレ》 
オープニングからミュージカルが全開!。久々にこれぞザッツ・エンターテイメント!を堪能しました。 主人公夫婦が子どもの頃から結婚までを一気に見せるプロローグから、まずはミュージカルシーンをたっぷりと見せてくれます。 以降も、一風変わった連中が続々と劇場に集結してくる。どうなるんだろうと思っていたら、 彼らが全員参加での実にパワフルな歌とダンスに圧倒されます。 続いて男2人がバーで。バーテンダーもスポット的に参加し、グラスやボトルも効果的に使われるパートもとても楽しい。 家族が揃う心温まる場面に、仲間が皆揃っての楽しくパワフルなステージに、時には女性歌手がしっとりと歌い上げる時間帯もあり。 更に空中ブランコ乗りがミュージカルシーンに立体感と躍動感をもたらし、本作に欠かせないピースとして実に効果的に機能しています。 趣向を凝らしたミュージカルシーンの数々、その音楽も素晴らしかった。 ストーリーは家族の物語から始まり、主人公の興行師バーナムは成功と挫折を味わいますが、ラストはまた家族の元へと帰っていく。 素晴らしき予定調和、やはりミュージカルにはこんなストーリーの流れがいいですね。
[映画館(字幕)] 9点(2018-02-28 16:00:11)(良:1票)
10.  わたしは、ダニエル・ブレイク 《ネタバレ》 
社会派の巨匠ケン・ローチが2度目のパルムドールを受賞した作品。 一度は映画界からの引退を表明した彼が、それを撤回してまでどうしても投げかけたかった問題提起。 心臓の病気で働けなくなってしまった主人公の男、ダニエル・ブレイクは40年間大工で食ってきた熟練の職人。 真面目に働き、真面目に税金を払ってきた。彼のような人を助けるべく存在する公的機関から見放されてようとしている。 もう1人、2人の幼い子どもを抱えるシングルマザーのケイティ。生活費のためにたどりついた仕事は・・・。 街の片隅で支え合い、励まし合って生きる彼らに寄り添うケン・ローチの視線は優しくも、その一方でどうしようもない現実の厳しさがある。 主人公の男の怒りの声のような役所の壁への落書きは、そのままケン・ローチの怒りの声のように思える。 そしてラストのケイティの弔辞は、引退を撤回して本作を撮ったケン・ローチのラストメッセージになるのか。 一貫してぶれることの無い労働者階級への思いと、80歳を過ぎて一度は引退を考えてもなお、 社会の理不尽に対し黙っていることはできない、そんな彼の衰えることの無い反骨精神をひしひしと感じます。
[DVD(字幕)] 9点(2017-11-17 23:19:25)(良:1票)
11.  最愛の子
子どもの行方不明事件が後を絶たない中国。子どもの人身売買が大きな社会問題になっている中国。一人っ子政策下の中国。 都市部が急速な経済発展を成し遂げるほどに広がっていく農村部との格差。 香港が中国に返還されて久しいですが、香港出身の名匠ピーター・チャンが 実際に起こったある誘拐事件を描きながら、その事件の背景から垣間見えてくる現代中国に内在する問題に言及する社会派の秀作です。 誘拐された子どもの両親、誘拐の実行犯の夫に先立たれるもその子どもに実の子の様に深い愛情を注ぐ誘拐犯の妻。 どちらの気持ちも痛いほどに伝わってくるのですが、ピーター・チャンはそのどちらにも寄り添う。 子どもが行方不明になった親たちが結成した被害者の会のメンバーのある夫婦。妻が妊娠するくだりも印象に残る。 一人っ子政策にある中国では、それは認められない。認められるには、無事を信じ必死で探している我が子の死亡届が必要という。 親にとってこんなに辛いことがあるだろうか。ここにもピーター・チャンが本作に込めた強い思いを感じます。 僕が知っているのはヴィッキー・チャオだけでしたが、主要キャストが皆、好演しています。 ざっくりとした作品の知識はあったので、ヴィッキーは最愛の我が子を探し続ける母親として登場するのかと思いきや意外なキャスティングでした。 かつてはその言動が問題視されることが多いお騒がせ女優だった彼女。しかし久々に見たそんな彼女の演技力に驚かされました。 ピーター・チャンの作品を見るのも久々。中国が抱える負の部分に踏み込む難しい作品をきっちり仕上げる、監督としての貫禄を感じる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-09-06 21:15:27)
12.  PK 《ネタバレ》 
傑作「きっと、うまくいく」の監督・主演コンビがまたしても素晴らしい作品を世に送り出してくれました。 「きっと、うまくいく」と同様に勢いのあるコメディをベースにしながらも様々なジャンルやメッセージを含んでいる、そのバランス感覚が素晴らしい。 本作の主人公は地球人の価値観に戸惑う宇宙人。コメディにSF、ラブストーリー、ミュージカルといった要素を盛り込んだ宗教映画といったところ。 人々が信じる様々な宗教の神様ごとに教えが違うことに戸惑う主人公。 多宗教の国インドを逆手に取り、この主人公に行動で大いに笑わせながらもしっかり問題提起を挿入する。 地球の人間の価値観、宗教観を学習中の宇宙人の純粋な疑問や発想を軸にしているので難解さや嫌味が全く無くどこまでも陽気。 前作と同じく挿入されるインド風の曲が良く、その歌詞がその時々の登場人物の思いを実にストレートに代弁しています。 そして最後の公開討論会ではホロリとさせられ、ヒロインに関する嬉しいサプライズまで用意する。 「服は〝踊るクルマ〝から手に入れろ!」・・・。笑わせてもらいました。前作同様、大満足の作品でした。 この監督さん、今後も目が離せません。
[DVD(字幕)] 9点(2017-04-25 16:55:22)
13.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
最後はちょっぴり湿っぽくなってしまいましたが、久しぶりに見たミュージカルの新作映画。期待通り楽しい映画でした。 前作はピリピリとした緊張感が漂う音楽サスペンスとでも言うべき映画を撮ったチャゼル監督ですが、 本作は監督の映画愛、ミュージカル愛、数々の名作が生まれてきた映画の都ハリウッドへの愛が溢れ出ているかのようです。 冒頭から鮮やかな色とりどりのクルマや登場人物の衣装の色彩感覚、そして音楽。 フレンチ・ミュージカルの巨匠ジャック・ドゥミと、ミシェル・ルグランへの愛を感じずにいられません。 以降もライアン・ゴズリングが踊りながら街灯をクルッと一回り・・・。あっ!「雨に唄えば」だ!などなど。 また、ヒロインがおばと観に行ったという「汚名」「カサブランカ」「赤ちゃん教育」。そして「理由なき反抗」 まあ、映画のジャンルはバラバラですが、映画好きってこういうものなんですよね。 他にも気が付かなかったり、僕がまだ見ぬ映画に捧げられたオマージュがいっぱいちりばめられていたんだろうな。 こんな監督の遊び心が楽しくてたまらない。 音楽の素晴らしさと共に長回しを多用しじっくり撮られたミュージカルシーンは見応え十分です。 音楽、演技、などなど・・・。己の芸を信じてハリウッドに集まってくる夢追い人達。 成功を夢見て奮闘するそんな若き夢追い人達へのエールのようなものも感じられました。  久しぶりにパンフレットを買おうと思ったのですが、もう既に完売でした。残念・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2017-02-28 18:06:14)(良:1票)
14.  ブルックリン 《ネタバレ》 
アイルランドからニューヨークのブルックリンへの移民、 ブルックリンでの出会いと帰郷後の出会い、2つの国のはざまで揺れ動く、まだ若い1人の女性のドラマ。 序盤の不安に包まれながらのアメリカへの船出と、ラストの確信に満ちた2度目のアメリカへの船出。 「入国管理局ではアメリカ人のように毅然とふるまうのよ。」最初の船出とは立場が入れ替わったかのよう。 アメリカでの暮らしと、最愛の姉の死や帰郷後の出来事を通して、そこには強く成長した彼女の姿がありました。 1950年代、その時代を感じさせる作品の色と空気感が素晴らしく、 何気無い日常を静かに淡々と綴っていきながらも彼女のドラマから目が離せなくなる見事な物語の構成に、 挿入される寮での食卓や、結婚することになるイタリア系移民の男の家族との食卓でのユーモアのある人間描写もいい。 短い言葉を交わし抱き合う母との別れと、何も言葉は要らないラストの夫と抱き合う彼女の姿。 凛として芯の強さを感じさせるシアーシャ・ローナンの目と、その表情がすごく印象的。 彼女が「ラブリーボーン」の女の子であったことは鑑賞後に分りました。
[DVD(字幕)] 9点(2017-02-05 00:00:15)(良:1票)
15.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
「このニューヨークで、飛行機が絡む事件で久々にいいニュースを聞いたよ。」という関係者の台詞。 そして何度か挿入される、飛行機がNYのビル群に衝突する機長の悪夢。 アメリカ市民の心から消え去るこの無い9.11を思い出さざるを得ませんでした。 感動をあおるような演出や音楽はかなり控え目で淡々とハドソン川の奇跡を振り返る。 しかし作品のために本物のエアバス機を購入し、撮影に使われたボートも実際に救出に使われたものが使用されたという。 当時を忠実に再現した、空からはヘリが、沿岸からは船が救出に向かう迫力ある描写や、 これも控え目に挿入される、救出される乗客のドラマも印象に残ります。 近年のイーストウッドはまだそんなに遠くない過去のアメリカや、実在した人物を数多く取り上げていますが、 本作では勇気ある決断を下し英雄となった機長、副機長以外にも、乗務員、乗客、救出に向かった人々など、 ハドソン川の奇跡に関わった、全ての実在する名も無き人々をたたえる。 今回の修羅場を実際に経験した現場の叩き上げの2人に対し、机上の計算を基に査問する最後の公聴会。 その顛末も、副機長のユーモアも、ラストは実に気持ちがいい。 本作はエンドロールが始まってもすぐに席を立たないでください。 当時の実際の映像と、ハドソン川の奇跡に関わった人々の姿が感動的です。
[映画館(字幕)] 9点(2016-09-28 15:32:34)(良:1票)
16.  フランシス・ハ
全く予備知識もなくそれ程期待して見たわけではなかったのですが、これが実に面白い映画でした。 夢と現実の狭間で悩みながらも日々を精一杯生きる27歳のフランシス。 少々不器用で喜怒哀楽が実に分かりやすい。何度も挿入される、彼女が走っているシーンが印象的。 フランシスの一生懸命が小細工無しにガツンと伝わってくるかのよう。 そんな躍動する彼女と一体感がある音楽もとてもいい作品です。 ちなみに本作はモノクロ映画です。僕は現代のモノクロ映画も結構好きなのですが、 彼女の衣装に部屋に、ポップでカラフルな色があっても良かったかなという気もします。 演じるグレタ・ガーウィグがとにかく魅力的。彼女を見ているだけでも飽きない。 これからももっと色んな映画で色んな個性的な役柄を演じる彼女が見てみたいですね。
[DVD(字幕)] 9点(2016-04-13 23:13:30)
17.  セッション
こんなに音楽の心地良さを感じない音楽映画を初めて見た気がする。 まさに音楽を武器に殴り合う音楽バイオレンスとでも言うべき映画。 片時も途切れない緊張感。サスペンスとしても一級品の作品だと思います。  最後の公演でフレッチャーに嵌められたニーマン。しかし、今度はニーマンが逆襲にうって出る。 その武器もやはり音楽しかない。2人の鬼気迫るバトル。 音楽モノのラストによく見られる、奏者への拍手喝采もスタンディングオベーションも無い。 しかし憎み合いながらも認め合う。複雑な感情が入り混じる見事なラスト。不思議な爽快感がありました。
[DVD(字幕)] 9点(2016-03-11 22:47:08)
18.  ギリシャに消えた嘘 《ネタバレ》 
ヒッチコックやルネ・クレマンといった巨匠も映画化したパトリシア・ハイスミス原作の見事な映画化。 古代遺跡と風光明媚な島々からなるギリシャの風景を活かした美しい画作り。 度々挿入される新聞に警官や群集、入り組んだ街並みがサスペンスの空気を効果的に作り上げています。 登場人物は詐欺事件を犯したことに端を発し、逃避行を余儀なくされたアメリカ人夫妻と 旅先で夫妻と関わることになった1人の青年の3人のみといってもいい。 しかし3人の間に絡み合う嘘と秘密と、逃避行の過程で彼らの関係と心理が移ろいゆく様を 徐々に彼らを追い詰めていくかのごとく描き出していく。 逃避行と、3人の不安定な関係。この2つのサスペンスのバランスも実にいい。 知名度は低くてもいい映画がまだまだ沢山あるんだと改めて思い知らされる一作です。
[DVD(字幕)] 9点(2015-12-27 15:51:46)(良:1票)
19.  海街diary
いいなあ・・・。是枝監督が独特のリズムで描く何気ない家族の日常の風景。 3姉妹が暮らす鎌倉に離れて暮らしていた末っ子すずが引越してくる。 時にはクスッとさせてくれる描写を含みながらの、4人ののどかな風景が心地いいのですが、 序盤は3姉妹プラス1という空気感も拭えなかったりする。 3人の姉に対し敬語を使うすず。ずっとここにいていいのかという思いが拭えない。 でも、学校やサッカークラブですっかり鎌倉での日常に溶け込んでいるすずの姿にほっとさせてくれる。 自分の知らない、でも確かに父がこの街にいたことを少しずつ感じるすず。 すずの学校生活や放課後の様々な青春の風景がいい躍動感をもたらせています。 姉妹の周りにいる鎌倉の人々や姉妹の何気無い日常を積み重ねていく内に、 気がつけばすずは3人にすっかり溶け込み、4姉妹になっていました。自然に、何の違和感も無く。 やはりこの監督はどうってことの無い家族の日常の中にあるドラマを描き出すのが本当に巧いと思う。  姉妹が暮らす古民家の佇まいがいい。 今時のドラマには見かけなくなった畳と丸いちゃぶ台の茶の間。 縁側。仏壇。年期を感じさせる茶箪笥。背の高さを測る柱の傷。家族の歴史を感じる。 こんな家には一家の大黒柱的な存在がつきものなのですが、 綾瀬はるか演じる、しっかり者の長女がちゃんとその役割を果たしています。 少しシリアスな内容を含みながらも次女、三女が産み出すちょっとした笑いが効いています。 姉妹の思い出の中にいる父の姿を徹底的に見せない。それも今を生きている感じが伝わってきて良かったのかな。 どこか昭和の空気をも感じさせる現代の姉妹と家族のドラマなのですが、 是枝監督にはこれからもニッポンの色んな現代の家族のカタチを見せ続けて欲しいと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2015-12-25 17:03:28)(良:1票)
20.  グッド・ライ いちばん優しい嘘
スーダン内戦とは何か。政治、民族、宗教、色んな背景はあるのだろうけど、前半のアフリカのパートからは ただ平和に暮らしていた彼らの小さな村に兵士がやってきて容赦なく彼らに銃弾を浴びせ、 一緒に暮らしていた仲間や家族が命を落としていく様を容赦なく見せる。 命からがら村を脱出し、ケニア国境までの長い長い道のり。 親を殺され、子ども達だけで逃避行を続ける彼らにさえ容赦なく銃口が向けられる。 「僕は生きたい。死ぬのは嫌だ」の台詞が胸に突き刺さります。 苦難の果てに彼ら兄弟は難民キャンプにたどり着き、やがてアメリカ行きの許可がおりる。 まだ食べられる食品を廃棄する必要も、家電製品も電話も必要の無い暮らしをしてきた彼ら。 彼らとアメリカ市民、モノにあふれたアメリカ社会との関り方をユーモアを交え描かれるアメリカパートの前半もいい。 アメリカに入国できた彼らは幸運でしたが、拭い去ることの出来ないアフリカでの記憶と、 全く違う価値観の社会でゼロから再出発する彼らの苦悩もまた、しっかりと描かれています。 本作でスーダン難民の兄弟を演じた俳優達は現実でも元スーダン難民で、少年兵だった者達も含まれています。 演じた彼ら1人1人にも言い尽くせぬ困難があったことでしょう。 彼らがアメリカに入国して間もなく、アメリカは彼らの受け入れに対し非常にシビアになっていきます。 9.11の影響は本当に救いの手が必要である善良な彼らにまで及んでいました。
[DVD(字幕)] 9点(2015-12-13 19:27:09)(良:1票)
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