1. 猿の惑星/キングダム
《ネタバレ》 これまで大して惹かれるワケでもないけど(普通にお猿さんだしねぇ)なんとなく全部見てきて、見ればそれなりに楽しくて、でもあらあらまだ続くのぉ?っていうのが今回見る前の感想で。前作で一応の完結を見たような感じだったワケじゃない、で、更に続けるとなると期待しちゃう部分も出てくるワケで・・・ 今回の主人公ノアはワリとヘタレで弱っちいのよね。父を殺され家族を奪われ、旅に出て仲間と出会い・・・なんだか『ライオン・キング』みたいなハナシだわよ。ヘタレの物語ってワリと見てるのがシンドいわね。強くなるまでの過程に尺取られる感じで(今回長いわ)。 物語は人間が遺したテクノロジーを巡るお猿たちの攻防を主軸に展開してゆくのだけど、なんかどっかで見た画が連なってる感があるのね。そんなに新鮮じゃないわ。人間がお猿さんに置き換わってはいるけど。 で、更に続く、みたいなオチになって、期待しちゃう部分ってのが全く期待ハズレで結構ガッカリしちゃった。この作品はじゃあいよいよ昔の『猿の惑星』に繋がる物語になるの?って思ってたのね。人間が言葉を失ってて狩られる存在になってて。もうコーネリアスとかジーラとか自由の女神とか宇宙船とかヘストンとか出てきちゃう?みたいな。これが全然。このシリーズってもしかしてそっちに繋がる世界線ってワケじゃないの?って。勝手に思い込んでたアタシが悪いんだけどさ。 シリーズ通じてお猿と人間、或いはお猿同士がわちゃわちゃモメてる状態が続いてて、なんかもっとこう、うーん、他に無いの?って思っちゃったワケで(猛禽使いなところは面白かったけれど)、もう少し先に進んでくれないかしらねぇ。 っていうか、ラカって後からバーン!ってカッコ良く出てくると信じてたんだけど、アレで終わっちゃったのねぇ・・・ [映画館(字幕)] 5点(2024-05-30 16:54:29) |
2. ザ・フラッシュ
《ネタバレ》 『タイムマシン』とか『シュタゲ』とか、そして『まどマギ』ね。終わってみればほむらちゃんの物語みたいなモンよ。 っていうか『スパイダーバース』と『ノー・ウェイ・ホーム』の2本のスパイダーマンもの、アレが無くしてこの作品って存在したのかしら?ってくらいなマルチバースの利用っぷりね(『ストレンジ2』あたりのディズニー系MCUの影響はそんなでもないかしら?)。 半世紀近くもオタクしてればそりゃ楽しめる要素たっぷりではあるのだけど、でもそういうのはあくまで古いファンを楽しませるモノ以外の何物でもない気がするの。今、まっさらな状態でこの映画を見て楽しめるのか?っていうと少なくともそういう過去作を色々引っ張ってきた(中には過去作ですらない「可能性の世界」みたいなのもあったけれど)部分は全部無効なワケで、そこを削ぎ落とした時に残るモノってありがちで、そしてあまりスッキリしない、モヤモヤしたモノなのよね。 【ここからとってもネタバレ】 バリーがやらかした事で世界が大変な事態に陥る、バリーは最終的に元に戻す事で世界は救われる。そんな単純なハナシではなくなってるのよね? 起こった事は事実なのだからそれが起きてしまった世界線というのが確実に存在していて、だからスーパーガールとバットマンは死に続けて、それは無かった事になるワケじゃない。何百何千(あるいはそれ以上)ってスーパーガールとバットマンの死があるの。そしてその死に対しての解決は一切していないお話なのよね、これ。バリーが修復したのはたった1つの世界線だわ。新たな世界線の増殖と被害は止まったかもしれないけれどハッピーエンドではないし(変わってしまったアレはネタ程度の扱いに見えるけど)あのスーパーガールとバットマンの存在には責任取らないワケよね、作品的にもこれからのシリーズ的にも(果たしてこれから他作品も含めてユニバース的な続きはあるのかしら?)。何度も引用される『BTTF』とは違ってあまり納得のいかない物語の解決法って感じがしちゃう。 『BTTF2』のマーティJrみたいにウザいバリーその2とか能力を失っちゃう展開とか、ワリと楽しさよりもストレスを感じてしまう前半の展開に、あれ?これそんなに世間で傑作とか名作とか言われてる映画?って思っちゃったのだけど、その違和感を結局最後まで引っ張っちゃった感じ。バリーその2の成長っぷりとかスーパーガールの圧倒的な存在感とかは良かったんだけどね。 同じ公開日の『アクロス・ザ・スパイダーバース』とかなり似た設定やテーマのコチラがそういうありがちなオチかぁ、ってなった分、アチラの続編が楽しみね。 [映画館(字幕)] 6点(2023-06-18 14:47:20)(良:1票) |
3. ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
《ネタバレ》 アタシはゲーム好きではあるけれど贔屓がセガ~マイクロソフトというイバラの道を歩んでいるので京都のヒゲ親父はメガドライブ版『テトリス』発売中止事件以来の宿敵だと一方的に思っているわ。 とは言え任天堂ハードもファミコン以降全て(バーチャルボーイまで含めて)購入している程度にはハードオタクでもあるのでマリオもメインのシリーズは大体プレイしてるのね。『2』は1-1で100人マリオやったってクリア無理って状態だけど初代、『3』『ワールド』くらいはクリアしてるわ。『64』以降、途中で飽きちゃうのだけど。 ってコトで宿敵マリオの映画、わざわざ10日間限定のスーパーマリオシアターで見てきたわ(あくまでファンではないわよ、ワクワクでかけました、とかじゃないからね!)。 さっさと結論から言っちゃえばマリオでこその映画。 ハッキリ言ってアメリカ産CGアニメーション映画としてのデキは平凡。ここ数年の諸作品と比較してもクオリティはそんなに高くない方ね。毎回そんなに予算かけないイルミネーション作品としても『ミニオンズ・フィーバー』や『SING2』よりも野暮ったいデキよ。 物語やエピソード、映像に特に新鮮な、そして刺激的な要素は感じられない、保守的な作りってイメージで、それはゲームとしての『マリオ』の現在の保守的なカンジが反映されてるのかしら?って気もするわ。発売当時革新的だった初代、挑発的でマニアックに走った『2』に比べると『3』以降は広い世代にアピールして間口の広い可愛らしい(媚び媚びな)ゲームへとなっていったわ。そのニオイが映画からも感じられて、ヌルいわね、って印象。 ちょっと現代的な感覚があったのはピーチ姫が動きまくって活躍する点ね。ヘタするとマリオなんかより主役よ。助けなくっちゃならない昔のピーチ姫ポジションはルイージで、ピーチ姫は国を背負って立ち上がるわ。 『マリオカート』や『ドンキーコング』『ルイージマンション』なんかの要素を盛り込みつつ展開する世界はマリオや任天堂のゲームに触れてきていれば楽しいし(『パルテナの鏡』懐かしかったわね)、そうでなければ短尺ながらダルめ。もっともマリオ知らずにこの映画見に行く人なんていないでしょうから、これで正解なんでしょうけど。 ベタな既成曲を何曲も使ってしまったり、ブルックリンの配管工としての生身な人間としてのマリオ兄弟を長めに描いたり、ピーチ姫の出自を匂わせつつも全く何も解決させないあたりに疑問を抱きつつ、まあこんなモンでしょう、って納得しちゃったりするのはイルミネーションと任天堂の成せるワザってところかしらね。クッパの人間(?)性に特殊なアクセントがあったあたりでまあまあ、少しはアレだわね。 もう少し弾けてても良かったんじゃない?とは思うのだけど。 [映画館(吹替)] 5点(2023-04-29 15:44:02)(良:3票) |
4. ザ・ロストシティ
《ネタバレ》 爆発をバックにサンドラを乗せた手押し車をチャニングとブラピが押して爆走するカット、大晦日の『笑ってはいけない~』(去年は無かったわね)のクライマックスの映像そっくりで笑っちゃったわよ。『笑ってはいけないトレジャーハンター』みたいなモノ? 実際はコメディなのにあんまり笑えなかったのだけどね。ブラピが突如アレなシーンとかチャニングのスレスレヌードとかむしろドン引きだわよ(あれ、女性がやったら批判されまくると思うのだけど男ならいいの?)。 映画は『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』とか『バイブス 秘宝の謎』とかを思わせる、女性が主人公のわりと展開がユルめなアドベンチャーね。大々的なアクションとか見せ場とかの連続!ってワケにはいかないので(ブラピがそれなりのアクションを見せてくれるけれど)、大スターが揃ってるワリに大作ではなくてB級一歩手前のそこそこなイメージ。しかもみんなイメージ通りの役なので意外性はないわ(ブラピが突如アレなシーンはともかく)。ダニエル・ラドクリフなんか最近すっかりああいうあんまり強くないアタマばっかりの悪役ってイメージになってきたわね。ちょいとセクシーでドジでドタバタしてますわよ、ってサンドラ姐さんもいつものサンドラ姐さん。いまだそのイメージを維持できてるのは凄いと思うけれど。 秘宝の謎もそんなに凝ったモノではなく(そこだけに集中してるので一点豪華主義的だけれども決して豪華じゃないっていう)、サスペンスもそんなに持続しなくて。カーチェイスあたりはちょっと頑張ってたかしら。火山結構ヤバめだったように思うのだけど、結局どうなったのかしら? 秘宝の正体が判って登場人物がどうなったか描かれたら後は別にどうでもいい、ってトコ? まあとにかく肩の力を抜いてなーんにも考えずにまったりと見てくださいね、ってカンジ。 映画館で見るほどじゃない気もするけど、家で見てたら途中で寝そうね。 エンドロールの途中に1エピソード入るのでさっさと席を立っちゃうと損するわよ・・・って言いたいところだけど、なんじゃそりゃ???みたいなエピソードなので最後の最後に脱力すること間違いなし! [映画館(字幕)] 5点(2022-07-03 13:52:17) |
5. THE BATMAN-ザ・バットマン-
《ネタバレ》 『セブン』の世界のバットマン、みたいな映画ね。 陰鬱な、雨が降り続く鉛色の街で繰り広げられる犯罪とそれを追う人々の物語。っていうかジャンル的にはホントに刑事アクション、探偵アクションものな雰囲気が強くて(ゴードン警部とのバディものでもあるし)、ヒーローがバキバキ活躍します、って映画ではないのよね。 その雰囲気作りのために多くがリアルでそして地味だわ。ペンギンは普通のおっちゃんだしキャットウーマンはなんか鼻マスク? リドラー(古いおたくはついナゾラーって言っちゃうわね)は安い仮装したヘンタイ、みたいな。バットマンだけはちゃんとしてるけど。 ヒーローものとしての華は徹底的に排除されてるのね。 謎を追ってあっち行きこっち行きあっちに戻って、みたいな展開が芯にあって、その上でブルース・ウェインの過去と現在があって、キャットウーマンの過去と現在があって、リドラーの・・・で、クライマックスのスペクタクルな展開があるので盛り沢山、その分長いわ。『ダークナイト』と一緒で「まだ~?」ってなっちゃった。 『セブン』みたいとは書いたけど演出やカメラはそこまでは到達していないので目を見張るほど、というホドでもないし、バットマンとして説明しておかなくちゃいけない部分はさすがに知ってるワケだしねぇ。今回は自分の知識とどれだけ違いがあるのかしら?っていう興味はあったけれど。 でもパティンソンは良いわ。従来のブルース・ウェインとバットマンの光と影みたいな描き分けは無くなってずーっと影。ずーっと暗いの。むしろブルース・ウェイン状態の方がコミュ障の人間嫌いだもの。バットマン状態では暴力ってカタチで他者とコミュニケーション取ってるもの。 バットマンになる時には目の周りを黒く塗ってる、そのマスクをしてない状態が妙に似合ってて。アタシがアレ真似してもV8を讃えよ!みたいになるわね。 パティンソン、16年半前に生で見た時には(ハリポタの時ね)軽そうなにいちゃんってカンジだったけど、憂いを含んだいいオトコになったわ。 こういうイメージこそが『バットマン』だ!みたいなのがファンの本音なんでしょうけれど、アタシ的にはもう少しヒーローものとしての華が欲しかったかな。あともうちょい短く。 [映画館(字幕)] 6点(2022-03-17 16:17:38)(良:1票) |
6. ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
《ネタバレ》 悪い奴らなクセにやたらグジグジとウェットで見どころと言えばハーレイとカタナくらいだった冴えない前作とは違って今回は面白かったわ。ジェームズ・ガン監督の作品は必ずしも好きとは言い難いのだけど(自分の中で0~10点まで振れ幅大きいわ)。 冒頭、こいつが主役?この連中の話?って思わせてからの意外な展開(いやポスター見てれば別に意外じゃないんでしょうけど、アタシ基本的に映画見る前にあまり情報をアタマの中に入れたりとかしないのよね)にドン引きしたり笑ったり。 メンバーは揃っておバカだし、前作から続く権力側のオバちゃんは今回あんなだし、スタッフもあんなだし、おふざけ度がかなり強くなっていて、でもそれはそれで楽しいので深刻ぶってるよりはよっぽどいいわ。スタッフ達の描写には『レディ・プレイヤー1』の敵側スタッフみたいに愛が感じられたしね。脇役に愛がこもってるのはいいわ。カタナ出てこなかったのは残念。でもハーレイとサメちゃんとで基本満足。あとネズミ姐さんと。 クライマックスは喜ぶ人間超限定的な大映映画リスペクトね。『宇宙人東京に現る』のパイラ人なボスったらフルCGなクセに中に人が入ってまーすって動きで街を破壊するし対抗するのは『大群獣ネズラ』だし。大きくないけど。 人の命の扱いが大変に軽い映画で、街を救おう!ってクライマックスの意志と相反してたりもして、そこはちょっとモヤるのだけれど、基本バカ映画なので『ホット・ショット』みたいなレベルで考えとけばOK、みたいなカンジ? ジェームズ・ガン監督にはあくまで気を許せないケドね。 [映画館(字幕)] 8点(2021-09-06 22:04:13)(良:1票) |
7. サスペリア(2018)
《ネタバレ》 ホラー好きの一部の人って、たまに妙にホラーが高尚なモノだってアピールするのよね。社会不安を象徴してるとか、深層心理を表現してるとか。 でも、ホラー、特にスプラッタとかスラッシャーとか言われるジャンルって基本、残酷シーンを見せてナンボなワケじゃない。血が噴き出したり、首や手足や胴体がちぎれたり、内臓がこぼれ出したり、頭とか体とか爆発したり、特に若いお嬢さん方が酷いメに遭ってこそ、みたいな世界よ。 そんな世界が好き、って言ったら人格疑われちゃうから、正当化するための理由付け、言い訳のために高尚化しちゃうんじゃないの?なんてアタシは意地悪く思うワケね。 で、ダリオ・アルジェントの『サスペリア』、今や神格化されてる感もあるけど(アタシがあの映画を評価してるのって冒頭15分だけ、しかも東宝東和の独自システムなサーカムサウンドのお陰ね)、アレって単にアルジェントのリビドーが爆発してるだけの映画じゃないの?って。そして、そんな『サスペリア』が大好き!なんて言ったら、アルジェントと同じリビドー抱えてまーす!って宣言しちゃうようなモノだから、ちょっと言い訳させて貰いますよ、っていうのを1本の映画にまでしちゃったのが今回の映画、という印象ね。しかも結局新たに監督自身のオリジナルなリビドーまで公開しちゃいました、みたいな。 77年当時の社会的な背景を盛り込みました、思想・信仰についての考察を盛り込みました、空想の余地を与えました、直接的な意味を示さない映像をたっぷり盛り込みました、それによって前衛的な、ゲージツ的な映画に仕上げました、ってカンジなんだけどね、でも結局はリビドーを正当化する行為に終始してるように映っちゃうのよ、アタシには。ちょっとミソジニー臭がしないでもなくて、それはやっぱりアルジェント版同様、イヤなのね(いや、真逆だろ、って意見もあるでしょうけど、だとしたらかなりのマザコンよ)。 魔女の方々がビジュアルは立ってるのにキャラとしてはメイン以外、没個性で単なる頭数揃えただけ、って状態とか、それは生徒さん達にも及ぶとか、登場人物多くてゴチャゴチャしてるワリに印象に残りにくい映画だったわね。音楽もさして印象的ではないし。オリジナル版の方がまだ色んな意味で印象的だったわ。 [映画館(字幕)] 4点(2019-02-05 18:38:44) |
8. search サーチ
《ネタバレ》 これ、とっても面白かったわ。ずっとのめり込むように見ちゃった。 PCの画面だけで映画が展開するっていう発想自体はそんなに斬新ってワケじゃなくて。わりと最近、スターチャンネルでもそういう映画見たしね(タイトル忘れちゃった。自殺した女の子の幽霊が同級生達のビデオチャットに入り込んでくる、ってホラー)。 でも、見せ方がとても上手いの。編集も細かいし、ただPC画面を見せ続けるだけではなくて、カメラが寄ったりパンしたりして、PC画面を演出している、視線のように撮って臨場感を出しているカンジ。 見ているこちらはそのPC画面だけの世界から登場人物の生にグッと近づいてゆくような気がして。 デジタル社会、ネット社会が恐ろしいものなのですよ、なんてコトを語ったりはしていないのね。 もはや生活の一部になっていて(そう、私にとっては20年以上前からPCに記録している映画のデータも、もう使ってないしたらばもmixiも、今のツイッターやインスタもiphoneの中身もまた自分という存在の一部を映す世界であるように)、PCやスマホやネットやクラウドの中に虚と実があって、生活があって、生があって、社会があって。 今はそういう時代で、だからそんな中でこんなサスペンス映画も成立しちゃう、これって今って時代だからこその映画。ネットを虚として区別せず、ネットも含めての現実(リアル)。 そんな今のこの生の中では、映画の中の行方不明になってしまった少女の存在が普通の映画以上にリアルに感じられて、本当にハラハラさせられて。 このやり方であらゆるジャンルの映画が作れる気もするわ。 かつて森田芳光監督が『(ハル)』でパソコン通信の世界で文字から生まれる触れ合いを描いたけれど、今はここまで来てるって感じで、SFでなくリアルなデジタルの生について想いを巡らせたわ。 [映画館(字幕)] 9点(2018-11-06 22:05:14) |
9. ザ・プレデター
《ネタバレ》 『プレデター』って、元々悪趣味でアタマ悪い系なシリーズって印象で、そーんなに大層なモンじゃないって思ってるんで、ハナからこの映画に何かを期待するコトもなくて。 『ザ・プレデター』、悪趣味でアタマ悪い系って点では純度高いわ。ただ、それで楽しませてくれるか?っていうと色々ダメ。いろんなものをいっぱい詰め込んで、とりとめのないドタバタ劇になっちゃいました、ってカンジ。 人間側もプレデター側もそれぞれにゴタゴタしていて、そのゴタゴタした同士で更に戦うって状態だから、一体なにをしてるの?みたいな。 映画が始まってすぐにかなりな残酷シーンが出てきて「うわぁ」って思ってるそばから、少年が出てきて、学校でイジメられて、なんかジュブナイル?ってカンジになって、かと思うとハミダシ者の軍人達がチームを組んだり、もう方向性がバラバラ、あっちこっち手を付けてみました、みたいな映画。 で、色々やってみたはいいけれど、どれも何かしらの作品を思い出す、みたいなオリジナリティの無さ、寄せ集めっぷりで。 そんなカオスな世界のまま、そこから映画のパワーが高められることもなく終わっちゃった感がして。 んー、ドタバタコメディとして見ればよかったのかなぁ? そこは笑うべきところ?みたいなシーンはいっぱいあったんだけど、どれも笑っていいのか悪いのか、微妙なカンジで。 とりあえず、女性学者が最強キャラなのは笑いどころ、ツッコミどころよね。多分、彼女、1作目のシュワちゃんより強いわ。 これ、人を殺しすぎる映画ね。プレデターが殺すだけじゃなくて、主人公側もやたら人を殺しちゃって、えっ、そこ、殺しちゃう?って展開いっぱい。ソレもブラックコメディってコト? 少年に人殺しさせたり(少年が直接殺した訳じゃないけど)、少年の前で父親が人殺したり、もうモラルとかどうでもいいカンジに壊れてて、でもそんな映画で英雄達がカッコよく散ってみせても、それも笑うトコ?みたいにしか思えないし。 でも、残酷な『プレデター』はこれが最後かもしれないわねぇ。20世紀フォックスがディズニー傘下になったら、ねぇ。最後にひと残酷咲かせたかったのかな? [映画館(字幕)] 5点(2018-10-02 21:11:26) |
10. 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
《ネタバレ》 前2作はワリと微妙に感じてたんですよね。結局お猿さんだよね?っていう。それは前シリーズやティム・バートンのアレも一緒で。お猿さんは宇宙人でも怪人でもなくてお猿さんで。 でも、今回は今までよりも点数高いです。迫害されるお猿さんの1作目、内輪モメなお猿さんの2作目から、今作は明確に人間との対立という形になって。お猿さんが特定の民族の象徴ではなく、人類の選択すべき道を示していて、このお話はここまで辿り着きました、という到達点が明確になっています。 破壊と殺戮に囚われた人類と、それに抗うシーザーは旧き人の形を示し、天使に導かれて安息の地を目指すお猿さん達はあるべき人の形を示しています。それは黙示録的で、神話的で。そして選民意識や民族主義に走り排他的な流れに走っている現代の世界情勢に対する啓示のようでもあって、だからこれは今この時代に作られた事に意味がある、その時代を映す鏡として至極正しい映画だと思います。 存続の危機に陥ってなお対立をやめない人類に対して襲いかかる天罰的状況、そこに意識を向けるべきなのです。 天使ポジションのノヴァの色がモノトーンの作品世界の中で希望を示すコントラストとなっていて、美しい絵を創り出しています。彼女が画面に登場するカットは宗教画的ですらあるのでした。 [映画館(字幕)] 8点(2017-11-05 18:24:48) |
11. ザ・マミー/呪われた砂漠の王女
《ネタバレ》 「ダーク・ユニバース」って「SPACロマン」の夢(悪夢?)よもう一度とばかりに東宝東和が勝手にやらかしたのかと思いましたが「モンスター映画ならユニバーサル」な発信元本体がやらかしていた訳ですね。ふーん。 コレ、『ハムナプトラ』を期待して見に行ったら『スペースバンパイア』の出来損ないを見せられちゃった、みたいな映画で。 大作っぽいですがスケール小さく(予告編にあったビルがさらさら~ってなっちゃうカット、ああいうのがいっぱいあるのかと思ったらアレだけ)、キャラクターに魅力がなく(トムは強さにもユーモアにも欠けるセコい泥棒野郎だし、ヒロインは物語に振り回されっぱなしだし、ラッセル・クロウはデブだし)、3Dメガネかけてる意味を疑問に感じるくらいの立体感無さっぷりだし(暗い画面が多い映画は3Dは不向きだわさ)、話は爽快感のカケラもないし(アクションよりスペクタクルより、呪いだの悪だのの説明が第一)。隣りに座ったお兄ちゃんの口臭に耐え続けなくちゃならなかったせいもあって1時間50分が長い長い。 で、何が『スペースバンパイア』より決定的に劣るって、ミイラ王女様が大昔の人なのにレオタード着てるところね。本当に潔くないわ。 [映画館(字幕)] 4点(2017-07-28 20:20:47) |
12. サボタージュ(2014)
《ネタバレ》 「復讐アクション映画の間に血まみれ猟奇殺人映画が挟まってます」みたいな状態で、でもさすがに2本分楽しめてお得!ってわけにはいかず、ヘンな映画だなぁ(苦笑)って感じ。真相が明らかになると更にヘンさが増しちゃいますし。 シュワちゃん、『エクスペンダブルズ3』に比べても更に老け込んだような印象で、その老けたじいちゃんが殺人鬼に翻弄される様は痛々しさすら感じさせる状態。 それにしてもこの色気排除っぷりはどうなってるんだ?ってくらいにメンバーの一人も殺人の捜査に乗り出す捜査官もオバちゃん。嘘っぽくていいからピチピチしたの出してくれてもいいのに。空気が血と肉と内臓でグチャグチャと湿っぽい分、登場人物は渋いというか枯れてるというか乾燥してるというか。 嘘映像まで挿入したかなり無茶なミスリード、「お前さん、そこにいると撃たれると思うよ」と心の中で画面にツッコミ入れてるそばから撃たれるような判りやすい展開、クライマックスの突如のカーチェイス、なんだかなぁな真相、面白いというよりも失笑気味な部分の多い映画で。 それでも突如としてウエスタンとなるラストに滅びの美学を感じない事もない、ってところで、シュワちゃんが満足ならそれでいいんじゃない?みたいな、ちょっと投げ槍な肯定をしたところでこの映画の感想おしまい。 [映画館(字幕)] 5点(2014-12-02 22:40:44) |
13. 猿の惑星:新世紀(ライジング)
《ネタバレ》 これまで108本見た3D映画の中でもワースト10に入るレベルの3Dの意味の無さ。暗い画面が殆どなので3Dの効果が出てる映像がちっともないんですよね。枝が手前にあります、みたいなモノばかり。映画自体の真面目な作りゆえに3Dに合うハデな移動撮影なんて映像が無かったのでしょうけれど、じゃあ、なんでわざわざ3Dにしちゃったんだろ? そう、今回の『猿の惑星』はとても真面目な映画。人と猿に姿を借りて、対立する民族が戦争に至るまでの過程を描いてゆきます。悪いのは血や国や生まれではなくて、無理解による差別意識や猜疑心や恐怖心であり、内なる悪にこそ目を向けるべきである、と。 で、その真面目さゆえに映画としては今一つ面白くない気がしました。 なるべく公平に平等に描こうとしているのでしょうか、結果的にキャラクターの誰にも気持ちが向いてゆきません。人間側の主役は常に善き人間である事に努め、ブレがありません。お猿側の主役シーザーはいつもご機嫌ナナメで悩める王みたいな状態です。それぞれの側の悪は、悪としての役割を要所できっちり果たしますという状態であり、それぞれの主人公の息子は狭窄な視野からの脱却の象徴の担当者。 キャラクターがあまりにキッチリと真面目に役割設計されていて、そこからは類型的な、読みやすいドラマばかりが生まれてゆく状態ですから、刺激の強い娯楽映画を求めてしまうと辛いなぁ、と。 ゾンビ映画的な終末世界もテーマや物語のための設定であり、不謹慎な刺激的欲求を回避し続ける器用な映画という感じ。唯一、突入シーンでのコバが「圧倒的な殺戮者が見せる不謹慎な刺激」を醸しておりましたが。 あんまり真面目だと、じゃああの猿達は一体どこの誰の象徴よ?ってな感じになってきちゃいますよね。「人間が英語を話す猿に支配されてる!」ってところの恐さからは離れてきちゃったかな。つーか、この作品世界だとタイムスリップなんて出すのも憚れるんじゃないかな。 [映画館(字幕)] 6点(2014-10-15 22:24:14)(良:1票) |
14. ザ・コール [緊急通報指令室]
《ネタバレ》 誘拐された少女との通話だけで物語が進行する前半はとても面白かったのに、後半になるとあまりに凡庸で思いきり腰砕けになってしまうという残念な映画。 通報を受ける主人公が対応でミスを犯して被害者が殺されてしまうという導入部が秀逸で、そのトラウマの影響を受けながら少女の命をいかに守れるか、そのプロットがヒリヒリとしたサスペンスを生んで近年稀に見る面白さ!と思ったのですが、それだけで映画一本作るだけの力は無かったようで。 後半は有名映画の安直な焼き直しです。途絶えてしまった少女の消息を追って単身調査に乗り出し犯人の隠れ家に入り込んじゃって、って。主人公、現場の人間をあまり頼りにしてないようで。 携帯で連絡しようとしたら隠れ家の地下入口に落としちゃって、なんて、孤立状態に持っていこうと必死な脚本に幻滅。 その上、与えられたオチは幾らなんでもそれはないだろう、って。そこだけ不自然過ぎちゃって。あれ、さすがにすぐに見つかりますよね。そうしたら罪に問われるのは・・・ねぇ。 途中、次々と犠牲者が出ちゃう展開も含めて、気持ちの良いサスペンスという訳にはいかず、最初はあんなに面白かったのに、ってモヤモヤしたしたモノを抱えて映画館を後にするハメになったのでした。 [映画館(字幕)] 5点(2014-03-31 23:22:23) |
15. サプライズ(2011)
《ネタバレ》 「もしもスプラッター映画のヒロインがまるで女ランボーか女ジョン・マクレーンみたいな存在だったら?」ってオハナシ。 そのアイディアのために殺人鬼は複数にしなくちゃならないわ、陰謀が渦巻いていて予定が狂っていく過程を描かなくちゃならないわ、加害者も被害者も頭悪くて弱くなくちゃならないわで、ホラーとしては腰砕けまくってます。 殺人が起きた直後の部屋にまだ犯人が潜んでいる恐れを誰も抱かず(悲鳴を聞いてすぐ駆けつけたというのに)、犠牲者は都合良く頭の悪い行動を取って単身殺されに赴き、殺人犯は誰か?というのは映画の中程でほぼ明らかにされ、殺人犯達の肉体的、精神的な脆さが描かれ、それはもうコメディに片足つっこんでしまっている状態。もう非常にヌルいわけです。 ただ、ヒロインが殺人犯に立ち向かってゆくシチュエーション、イケイケ(死語)な強さは楽しめました。ぎゃーぎゃーと大騒ぎな連中の中で一人冷静に行動し、敵を一人一人血祭りにあげてゆくという反撃ホラーは、初代『エルム街の悪夢』のクライマックスでのフレディとヒロインとの闘いを拡大したような感じでワクワク。 あれで、もう少し殺人犯達に強さと神秘性があればもっと良かったのですが、むしろヒロインよりも弱い普通の人達です、って明かされちゃってますからねぇ。脚本にもっとヒロインの強さを際立たせるような工夫が欲しかったなぁ。 あと、ヒロインが仕掛けたアレがああいう形でしか作用しなかったのは残念でした。あれじゃ見てて気持ち良くないものね。 殺人鬼が動物の仮面を被っている意味が一切なかったり、母親の指輪のエピソードが意味がありそうで結局なんの意味も無かったり、なんか欠点とツッコミどころが多い映画なのですが、ホラー映画としてはともかくバカ映画としてはそれなりに面白かったんじゃないかと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2013-11-20 20:12:05) |
16. 三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
《ネタバレ》 前日に『タンタンの冒険』を試写で見ていなければ、もう少しだけ楽しめたんじゃないか、って気もします。物語的には結構退屈で(ワリと初期に目的が明示される事で映画全体がどの程度のハナシになりますよ、っていうのが説明されちゃうという)、だからポイントになるのはキャラの面白さやアクションシーンって事になるのですが、キャラ的にはみんな中途半端。ミラはステキですけど途中でいなくなっちゃいますし、オーリーも活躍しないままいなくなっちゃいます。さりとて三銃士+ダルタニアンが個性を発揮してくれるかと言うと、なんだか悪役やら王と王妃の方に興味引っ張られちゃってイマイチ目立ちません、って状態で。アクションシーンなんかは頑張ってる方ではあるのですが、旧来型のアクション映像だねぇ・・・って。せめて『タンタン』との間に別ジャンル一本挟んでおくべきでした。映像的にはイラストやCGと実写とがスムースに入れ替わってゆく部分が面白かったのですが、どうせならばあのセンスで全編通しちゃえばいいのに、って思いました。あくまでそういう個性的な映像はちょびっとだけなんですよね。でも、そんな中で王妃役のコがなんか良かったです。美人じゃないのにミラよりヒロインより魅力的かも、みたいな感じで彼女がずっと映ってたらもっと楽しかったのになぁ、なんて思ったりもしました、が、それじゃ別の映画だ。 [映画館(字幕)] 5点(2011-11-13 17:18:56) |
17. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
《ネタバレ》 長いこと父親の介護をして、最後の数か月は認知症に相当悩まされた事をリアルに思い出す映画でした。ただ、父を救いたいという理由から生じた主人公の一連の軽率な行為に共感する事はできず、更に登場する人々からはことごとく人間的な魅力が欠落しているようで、一方で人間らしい表情や仕草を与えられたお猿達、これはひたすらお猿に意識が向くように作られた映画という感じです。「お猿頑張れ!人間をやっつけろ!」という視点で見てしまう事が正しいのかどうかは、良識的にも『猿の惑星』的にも微妙なカンジがしないでもないですが、それが面白いっていうのは抗いようのない事実ですからねぇ。技術的には大変なことをしているワリに映像はジミです。何しろモンスターではなくてお猿ですから。でも、かつての特殊メイクでは限界があったお猿の表情や仕草による感情表現が、ここではCGという技術によってとてもリアル(いや、現実のお猿とは違ってとても人間的、と言うべきでしょうが)に迫ってくるという状態は凄い事ですし、だけど皮肉な事ですし。行き過ぎたテクノロジーが人を圧倒してしまうっていう物語が、人が演じるよりCGの方が凄いよ、って状態で描かれてる訳ですからねぇ。物語は結局『バイオハザード』じゃん、って感じでもう少しオリジナリティが欲しかったところですが、ジミながらも魅せる映像があって(並木道の枯葉の移動なんて、ユーモラスでありつつ独創的な美しさ)、娯楽映画としての見せ場もいっぱいあって、楽しめる作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2011-10-09 16:40:08)(良:3票) |
18. SOMEWHERE
《ネタバレ》 『ロスト・イン・トランスレーション』と二本立てで、こちらを先に見たのですが、こっちの方が『ロスト・イン・~』よりも退化してるんじゃない?って気がしてしまいました。冒頭のフェラーリでぐるぐると同じ場所を回る映像、あれで彼の地位とその虚無感とを一発で象徴していたりしますけど、長回しで退屈。部屋で繰り広げられるポールダンスもまた延々と続いて退屈。つまり、観客にも彼の虚無感ってのを共有させようって気らしく、ひたすら退屈によって映像が構成されているっていう。娘の存在によって意識に変化が生まれ、ぐるぐると繰り返される日常からの脱却を図ろうと決意するまでの映画なワケですが、語ってる事は『ロスト・イン~』と変わらず、ネタは重複しまくり(言葉が通じない世界で意味の判らないテレビを見ていたり、相手のノリに合わせられなかったり、音ゲーが素材になっていたり)、ソフィア・コッポラ自身が同じところでぐるぐるとしてるんじゃないの?なんて意地悪な事を考えたりして。ポールダンス、アイススケート、テレビショウ、「踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら・・・」って映画でした。 [映画館(字幕)] 5点(2011-09-11 16:31:48) |
19. ザ・ライト -エクソシストの真実-
《ネタバレ》 この映画はキリスト教が大前提にありますので、その教えを受けていないもの、別の信仰をしているものにとってはどうしたって納得の行かない部分が多々あります。でも、それは作品の良し悪しとは必ずしも関係があるとは限らないのがこの映画を語る上で難しいところ。内容を否定するつもりが信仰丸ごと否定してた、なんて事にもなり兼ねない訳ですから。神と悪魔の二元論のみで語られてしまうと、果たしてそうなのか?ってツッコミたくもなりますが、映画が語ってるのでなくて、教義として語られてるんですよ、ってな感じで。でも、主人公に対する啓示として犠牲者を出してみせるような物語の描き方には、どうしたってひっかかるものを感じますし、あの大震災の後では、啓示だの天罰だの運命だのという捉え方で世の事象を語るのには抵抗を感じます。悪魔は内に秘めたる罪に付け込んで来るのですよ、っていうところから人の道を説く、にしてもあくまでキリスト教を絶対的なものとした映画なのでねぇ・・・。ホラー風味の宗教映画。もう少し人の内側に生じる悪魔的な意識との闘争を描いてもいいんじゃない?とも思うのですが、そこは本家『エクソシスト』のカラス神父の抱えた背景をちょっと拡大してみせた程度の感じで。「とにかく悪魔!そして神!」って有無を言わさない姿勢は、私にゃちとツラいかな。信仰心を恐怖で煽るというのって、あんまり好きじゃないですしねぇ・・・。全編寒々しい、余白いっぱいな画面の作りは雰囲気があって良い感じでした。 [映画館(字幕)] 5点(2011-04-14 21:35:03) |
20. ザ・ファイター
《ネタバレ》 過去の微妙な栄光にすがるヤク中のお兄ちゃんにしても、身勝手なステージママ状態のお母ちゃんにしても、ソファに並んで座ってるだけでなーんにもしてなさそうな姉妹達にしても、そして、一見マトモそうに見えるガールフレンドにしても、ダメさを漂わす街の人々にしても、実はみーんな同じ、「自分の現実はダメだけどミッキーなら」と夢を託しているのですね。そしてそれぞれに「自分にとっての理想のミッキー」像があるから、その差異から摩擦が生じてあちこちで諍いが起こっちゃう。当のミッキーにとってはたまったモンじゃありません。その摩擦に潰されそうになって、だけど段々と自発性を持ち、紆余曲折しながらもそれらの総てを受け止め、みんなの夢を叶えてゆく姿は映画を見ている側にも同様のシンパシーを与えてゆく感じです。なんか苦いドラマを見ていたつもりが、見終わってみれば妙にスッキリ感動!って映画で。ダメなみんなだって、それぞれに頑張って、本当にイヤな奴らにしか見えなかったハズが、なんだか清々しく。特にやっぱりお兄ちゃんのダメっぷりが際立っているがゆえに効いてくる感じで、クリスチャン・ベール好演。その佇まいだけでダメっぷりを漂わせてます。ますます『太陽の帝国』の少年とはまるでイメージが結びつかなくなりましたが。蛇足ですけど、エイミー姐さん、おっぱい透けてますが。一応ディズニー・プリンセスなのに・・・ [映画館(字幕)] 8点(2011-04-01 21:23:08)(良:2票) |