21. 市民ケーン
《ネタバレ》 バラのつぼみ。 何もかも手に入れた男が、最期に残した言葉の意味を探る旅のような映画。 ラストシーンで、彼が本当に求めていたものが明かされる。 しかし、それはお金では買えないし、そもそも歳取った彼には手に入れられないものだった。 彼はそのことに気づいていたのだろうか。 それとも、代わりになるものをずっと探し続けていたのだろうか。 なんだか、北斗の拳の聖帝サウザーを思い出した。 いや、名作と言われる映画を冒涜するつもりはないので念のため。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-05-21 21:32:03) |
22. ジャック・サマースビー
《ネタバレ》 タバコの葉がなるまでのワクワク感が尋常ではなく、その辺の演出が抜群にいい。 そしてローレルがキスしそうでキスしないサマースビーと見つめ合うシーンは、キスしたくてたまらないギリギリの演技が素晴らしい。 突如帰ってきた夫を疑わしく思うシーンから、相手を信じて愛し始めるシーンへと、彼女の美しさが増していくのが感じられて、ジョディ・フォスターが並みの女優ではないことを改めて実感できる。 肝心のストーリーだが、偽のサマースビーがもともと詐欺師だったということは、街の人達から集めたお宝を持ってトンズラする予定だったのだろうか。それなら、それを実行せずにタバコの種を持って帰って来たのは、ローレルと生きていきたいと思ったからなのか、人生を真っ当にやり直したいと思ったからなのか、その辺の葛藤が描かれていないのは残念。 それがないから、裁判でサマースビーであることを貫く彼の気持ちが理解できず、置いてけぼりにされた感じになってしまった。 本作の元ネタになったジェラールド・パルデュー版なら、そこら辺がうまく描かれているのだろうか。フランス版を観てみたい。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-03-27 15:42:11) |
23. 紳士協定
《ネタバレ》 差別をする人物に憤るだけで、その場でそれを正すことをしなければ、それは差別と変わらない。 そしてそれを実行することはとても勇気のいることだ。 キャシーの気づきを通して観る者に訴えかける終盤の展開は素晴らしく、完全に引き込まれた。 ユダヤ人差別に限らず、我々が暮らしていく上で非常に重たい問いかけであると思う。 エリア・カザン監督の手腕は見事で、偏見に対する問題提起にとどまらず、そこに切ない恋心も絡めるエンターテイメントとして楽しめる映画になっている。 アンではなくキャシーに惚れるようじゃ男としてはまだまだだよ。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-07 23:57:39) |
24. シングルマン
《ネタバレ》 シングルマン。 英語に縁のない私には知らない意味が隠されているのか。 劇中、若者が言っていたように、生きる時も死ぬ時も人間は結局一人だということなのか。 生きることも悪くないって思ったのなら、生かしといてもいいような気がするが、それじゃあ普通の映画になっちゃうからダメなのか。 それにしても、ジュリアン・ムーア。 ダメな女性をやらせても完璧に演じてみせるし、知性的な女性を演じても天下一品。 いや、素晴らしい女優。彼女に加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-12-20 10:35:20) |
25. シンプル・フェイバー
《ネタバレ》 これはもうどういうテンションで観ればいいのかわかんない映画。 でもそこそこ面白いから途中でやめらんなくなっちゃった。 アナ・ケンドリックって時々びっくりするくらい綺麗に見える瞬間があるよなあ。 ブレイク・ライヴリーは相変わらずゴージャスだし。え、そんな服ありなの?法律違反じゃないの? なんてことを考えながら観るべき映画。 特に、墓場でのゴージャス対決は眼福。 でも、まあそれだけかも。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-11-19 23:46:17) |
26. 白い恐怖(1945)
《ネタバレ》 前半の筆跡を見て偽物と気づくあたり、やはりサスペンスとしては出色の出来。 ヒッチコック監督のカメラアングルも、今観てもやはり斬新。 後半のカミソリ越しに博士を見せるシーンなんて唸ってしまった。 そして白黒映画ならではの陰影の使い方が絶妙。 イングリッド・バーグマンの輝くばかりの美しさを引き出し、善人か悪人か判断のできないグレゴリー・ペックの表情に戦慄する。 タイトルだけ知ってて観たのは初めてだったけど、21世紀の今でも色褪せない映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-15 08:13:03)(良:1票) |
27. ジョン・ウィック:パラベラム
《ネタバレ》 妻との思い出を残したいから指詰めるって、嘘だろジョン。 お前はそんなヤワな奴じゃないはずだぜ。 ベラルーシ出身でサンボが武器っていうルーツがわかったのは良かったけど、今回は他力本願だし戦う動機もバカらしいし、前2作に比べると明らかにパワーダウン。 キアヌのガンアクションは相変わらずのキレ健在だったけど、主席に媚びるジョンは正直見たくなかった。 その後も簡単にウインストン側に寝返るなど、ジョン一流の愚直に筋を通す、という軸がブレた感じが残念。 ただ、アクション映画としては15禁が妥当な佳作であることは間違いなし。 [DVD(字幕)] 7点(2020-08-07 20:23:26) |
28. 死霊館 エンフィールド事件
《ネタバレ》 あくまで少女とその家族の物語であって、ウォーレン夫妻は霊や悪魔をバシバシやっつけるぜ!的なポジションの方があんまり重たくならなくていいんだけどなあ。 オカルト映画としては、見せ方もうまいし怖いし面白かったんだけど、ジャネットがなぜ狙われてるのか、というポイントが曖昧、というかほぼ触れられないので消化不良な感じが拭えない。2時間以上あるんだからちゃんと押さえといて欲しかった。 それにしても、エドっていい奴だなあ。ジャネットもエドに父親を重ねて見てることがわかる演技で、グッときた。 エンドロールで気づいたんだけど、反オカルトの女性科学者?、フランカ・ポテンテじゃないか。 名前が出なかったら全然わかんなかったぞ。 チャーミングだったのに、ちょっと残念。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-23 22:28:31)(良:1票) |
29. ジオストーム
《ネタバレ》 技術屋の父ちゃんに娘、その婿じゃないけど弟が世界を救う。 まああれと同じ系。 今回は科学とかの小難しい話は端折るけどいいよな!的な。 文字通り降って湧いたような災害で、一般の市民はもう何が起こってるかわからないまま突然凍ったり、雹の直撃を受けたりするもんだから、もう世界は終わりなのかっていう地球規模の終末観が共有できないのが難点。 だからジオストームを止めたことより、自爆を逃れて地球に帰還した方に重きが置かれちゃってる感じ。 まあ無駄に殺さずに生還させたことには好感が持てた。 しかし今更ではあるが、アメリカと共同で世界の危機に立ち向かうのは完全に中国になってしまった。エイリアンでもユタニ、なんて日本企業の名前が出てたのに、今は被害を受ける一都市、くらいの扱いなのはちょっと悲しい。日本も落日かな。 それはさておき、もうこういう映画はハリウッドしか作れないんだから、引き続き超娯楽大作を作ってくれることに期待。 そしてSPの姉ちゃんが最高にカッコよくてそこに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-02 14:30:10) |
30. ジーパーズ・クリーパーズ
二度目。 一度めは十数年前。 なんだこの得体の知れなさは!これは史上最恐のホラー映画になるのでは⁈ とドキドキしながら観て、途中からがっかりした印象があった。 久しぶりだけど今回もがっかりするんだろうなあと期待しつつ観たものの、それほどの下降線にはならず。 なぜ? 意外に面白かったんだけど。 クリーチャーの造形はバランスの悪さが目立つけど、姉ちゃんが時間が経つにつれていい女に見えてきたからなのか。 当時はまだ売れてなかったジャスティン・ロングが、今はけっこう好きな俳優になってるからなのか。 しかし、ジーパーズ・クリーパーズは語呂良すぎだな。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-04-05 18:54:12) |
31. 死霊館
《ネタバレ》 実話だから仕方ないけど、娘が多いよ。 二家族合わせたら6人もいるから、誰だっけ?ってなってしまうじゃないか。 しかし恐怖シーンは充実。 後ろから白い手が出てくるところなんて最高。 天井に逆さ吊りになってから、解放しろって言っちゃあそりゃ垂直落下のブレーンバスターになるだろってドキドキしてたら見事な受け身。 御都合主義感は否めないけど、終盤のスピード感は心地良い。 そしてファーミガ様。 今回は気品のある感じで。 そこも観る価値あり。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-02-22 23:23:00)(良:1票) |
32. ジョーカー
バットマンを一作も観ていないことを先ず断りたい。 とにかく、ホアキン・フェニックスの演技が素晴らしい。 気味の悪いダンス、絶望の表情、その全てが鬼気迫るものがあって、1分たりとも退屈を感じなかった。 悪のカリスマとしては、その誕生の理由がステレオタイプの感じを拭いきれないが、だからこそ人々の共感を呼ぶのだろう。 先が読めても、ホアキンの演技はその上を超えていくもので、ただただ圧倒された。 ちくしょう、今まで避けてきたバットマンなのに、俄然観たくなってしまったじゃないか。 [映画館(字幕)] 8点(2019-11-11 01:39:00)(笑:1票) (良:1票) |
33. ジョン・ウィック:チャプター2
三作目のパラベラムを観るための復習第二弾、で鑑賞。 奴ら全員ゾンビかよってくらい的確に頭を撃ち抜くシーンは相変わらず。 流れるような動きはやはり美しいが、これ一作目と連続で観ると、ちょっと食傷気味かも。 映画としての出来はさておき、こだわり具合が病的なほどでやはり満足。 [DVD(字幕)] 7点(2019-10-16 00:24:42) |
34. ジョン・ウィック
3作目のパラベラムを観る前に、復習しとかないと。という感じで鑑賞。 やはりガンアクションとしては素晴らしい。 相手を押さえつけながらの流れるような動きは、殺人シーンでこんなこと言うのは不謹慎だが、まさにアート。 しかし、その原動力は悲しみと怒り。 その裏付けがあるからこそ美しい。 チョウ・ユンファの二丁拳銃も美しかったが、それに継ぐ名シーン満載で、満足の一作。 [DVD(字幕)] 8点(2019-10-14 08:05:16) |
35. ショートウェーブ
《ネタバレ》 ラスト15分の衝撃。 パッケージにあった宣伝に釣られて鑑賞。 確かに、ラスト15分は衝撃的と言えるが、予想していなかった種類の衝撃。 宇宙人はなんだがオマケになってしまったのは、ちょっと残念。 彼らの目的が何かもわからず、ラストの衝撃だけ受けてしまった。 パーティの席で上司を刺しといてお咎めなし?って疑問符がラストで氷解したので、この点数。 [DVD(字幕)] 5点(2019-08-03 13:05:33) |
36. シャッター アイランド
《ネタバレ》 ビユーティフル・マインドの衝撃も相当なものだったが、こちらも相当な衝撃だった。 映画としての設定としてはよくある話だが、ディカプリオの過去が悲惨過ぎて、観るのがつらかった。 洞窟で、記憶を消せるはずがない!と叫んだ彼が、手術によってその記憶を消し、自らの悲惨な過去を思い出さなくても済むようにしてしまうのは、まさに究極の選択だ。 記憶の中の妻が鮮明過ぎて、これも痛々しかった。 カメラワーク、演出がやはり素晴らしいんだろうな。 ただのどんでん返しで終わらせない監督の手腕に脱帽、の一本。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-07-01 00:15:41) |
37. ジェーン・ドウの解剖
《ネタバレ》 新感覚。 予備知識無しに観たんだけど、そう来るとは思ってなかった。 医学的な検証を進める手順が興味深く、なぜそんなことが可能なのかと思わせるつなぎもなかなか。 皮膚の中に魔女の紋章?が刻印されているシーンと、17世紀からあの女性が生きているとわかるシーンはゾッとした。 魔女の見せる幻覚は恐ろしい。 いや、佳作。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-06-14 00:24:53) |
38. JFK
《ネタバレ》 高校生の頃に見た深夜の番組で、ケネディの暗殺犯がオズワルドではないということを初めて知った。当時はすでにザプルーダーフィルムが繰り返し衝撃映像としてテレビで放送され、オズワルドの単独犯ということを疑ったことのなかった私にとっては、本当に衝撃的な内容で、陰謀に対する恐怖を感じたのを今でも生々しく思い出す。 アメリカ人としての誇りを取り戻すために、真相の解明が必要なんだと訴えるギャリソン検事の目から涙がこぼれるシーンは、素晴らしかった。 これ、以前はビデオ二本組でレンタルしてたんだよね。 あの時代がなんだか懐かしくもある。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-05-22 23:43:10) |
39. シンクロナイズドモンスター
《ネタバレ》 アン・ハサウェイこんな映画出てたんだってだけで借りてみたものの。 やはり脳の中は、ちゃんとどのジャンルの映画なのか、カテゴライズの準備をして鑑賞するようになっているらしく。 SFに行ったりラブコメに行ったり、サスペンスに行ったりヒューマンに行ったり。 なんだかソワソワしたまま、結末がどこに落ち着くのか、結局引き込まれてしまったようなわけで。 でも、こっちにいてソウルに出現できるなら、ソウルに行けばこっちに出現できるかも?と考えてしかも実行する主人公の発想には脱帽するしかなく。 深く考えずに、そこらへんを楽しむべき映画かなと。 怪獣とロボットの立ち位置がパシフィック・リムとは逆になってるのは、なんだか意味深のような。 [DVD(字幕)] 7点(2018-11-14 00:48:37) |