261. 砲艦サンパブロ
ロバート・ワイズが、時代の流れに対応して揺れ動く国家の意思と、それに巻き込まれ苦悩する個人の感情や行動を通して、戦争の空しさを描いています。激動の時代の中国に大国の利権を確保するため派遣されている砲艦。しかし、実態は戦闘もなく中国人を雇い無意味に日々を過ごしているだけ。こうした中、国家の思惑とは関係なく、兵士達は人間として価値を見出し、愛する人をみつけ、日々を生活していきます。やがて、時代は動きだし、個人の感情、愛、思いは全て無視されるように流されていきます。スティーブ・マックイーンの唯一オスカーにノミネートされた名演が光る大作です。かなり重い、ずしりと胸に響く、名作です。 8点(2004-04-04 00:22:09)(良:1票) |
262. 101
す、すみません。2、3日前から考えていました。わかる人だけわかって下さい。(追加)グレン・クローズ様には、大変お世話になっております。見た目と違ってすごく良い人です(結果的に)。副大統領もやってます(だから?)。今後とも私のブレーキ役をよろしくお願いします。これも、わかる人だけわかって下さい。 7点(2004-04-03 12:48:27)(笑:1票) |
263. 椿姫(1937)
愛する人の父親から身を引いてくれと嘆願され、彼のためと自分に言い聞かせ嘘をつき離れようとしますが、心の中は、切ないほど愛する人を求めている椿姫マルグリット。この、病弱で男を頼りに生きていかなければならない悲劇のヒロインをグレタ・ガルボが見事に演じきっています。悲劇が愛を美しくし、二人の一途さが観る者の心を揺さぶります。この恋多きパリ社交界の花も、真に愛する人とめぐり逢いますが、幸福に縁がないまま、最後は、彼の腕のなかで息を引き取ります。引退後、公の場から姿を消して、映画で創り出したヒロイン像を守り通した伝説の名女優に愛をこめて乾杯! 9点(2004-04-02 00:47:39) |
264. わが谷は緑なりき
名作に出会うとその監督のイメージが作られます。感動が大きければ大きいほど、確固たる作風が固定されてしまいます。したがって、その思い込みが裏切られたときは失望もかなり大きくなります。しかし、期待を裏切る作品が、とんでもない名作であれば、逆にその監督の評価は何倍にも跳ね上がります。ウェールズの炭鉱で生活する一家の色々な出来事が描かれていきますが、失業、事故、離婚にいじめと、違う時代の違う国の我々にとって、それらは不幸そのものであっても、何と彼らは生き生きと生活していることか。自分の置かれた立場をわきまえ、誰を恨むことなく、できることを一生懸命やろうとする姿勢に、すがすがしさを感じ、感動しました。私のジョン・フォードのイメージを塗り替えた黒猫さん、ありがとうございました。 8点(2004-04-01 02:04:22) |
265. ミスタア・ロバーツ
組織の中で働く者にとって、仕事の内容にも増して、人間関係が重要です。ましてや、四六時中顔をつき合わせて共同生活を送る船乗りにとってはそれが全てとも思われます。自分の出世しか頭にないトップと、この人ならと思える直属の上司。みえみえの設定でも、思いっきり笑えて、さわやかな涙をながせます。こういう人に巡り会いたいと思う以上に自分がこうなりたいと思うはず。三波さんありがとうございました。PS:映画から25年後、ある受賞セレモニーの際、海軍のコーラスに聴き入っていたヘンリー・フォンダに対して、歌い終えたメンバーの代表が敬礼し、「Thank You Mr.Roberts」と感謝の意を表すると、フォンダが感極まってか涙を流したとの事。映画の場面と重なり、熱いのもがこみ上げました。 9点(2004-03-31 00:15:02)(良:1票) |
266. シンドラーのリスト
「何ぃ?。アカデミー賞狙いのどこが悪い!オスカー欲しくない監督がいるんなら顔見てみたいね。だいたい、狙って取れるような賞じゃないぞ、あの賞は。」「まあまあ、そうムキにならずに落ち着いて下さい。別に、あなたの事を言っているわけではありませんよ、スコセッシさん。」 [ビデオ(字幕)] 10点(2004-03-24 23:46:01)(笑:1票) (良:3票) |
267. 刑事コロンボ/殺しの序曲<TVM>
私もコロンボクラブの仲間に入れて下さい。最後の犯人との1対1の謎解きと会話が、じっくりと時間をかけており、しかも二人の人生観にも及んで、見ごたえがありました。天才と自負する犯人の同じ天才仲間への対抗心が、人間らしさを感じました。世の中には、頭のいい人がいるんですね。 8点(2004-03-21 21:45:16)(良:1票) |
268. マジェスティック(2001)
戦争で戦った若者達が命を懸けて守ろうとした国家が、いつのまにか理想からかけ離れていく事に対する憤りを感動的に描いています。自由と民主主義を守るために、アメリカは第二次世界大戦に参戦しました。しかし、多くの若者の犠牲により勝利した「自由の国」が、その後、共産主義から国を守るという名目のもとに「赤狩り」により言論や集会の自由を奪う行為を行います。自由を守るために戦えと言っていた国家が、新たな敵と戦うため国民の自由を弾圧したのです。国家や国民のためと信じて命を懸けた人たちの行為を、国家自体が裏切ることは、現在でも、またどの国でも起こり得ることかもしれません。犠牲になった若者達の声を代弁する議会での演説が胸を打ちます。「命を懸けて守ろうとしたのはこんな国ではない。」ダラボン監督会心の作品です。 9点(2004-03-20 21:07:20)(良:1票) |
269. 刑事コロンボ/黄金のバックル<TVM>
《ネタバレ》 花粉症のコロンボ。美容院で散髪するコロンボ。あまりしつこくないコロンボ。しみじみとした雰囲気で余韻を残すラスト。名家の私財の美術館を舞台にし、また、過去の姉妹間の確執といった話も挿入されて、人間ドラマとしても楽しめました。決め手はさすがです。すぐ気絶する姉や忠実なミラー刑事など笑いのつぼももちろん健在。最後の犯人との駆け引きは、あとで知りましたが、観ただけではわからないでしょう。でも、今のところ、NO1です。 9点(2004-03-20 13:49:37) |
270. インデペンデンス・デイ
あのタコみたいなエイリアン達に植民地支配されなくて済んだことを喜ぶべきか、はたまた、あの大統領が率いるアメリカに植民地的に干渉されることとなることを憂うべきか。人類の真の独立は遠い。 6点(2004-03-20 07:54:40) |
271. グリーンマイル
原作は未読です。エピソードを盛り込みすぎている感じがして、まとまりに欠ける印象です。とは言え、わかりやすい丁寧な表現でキングの世界は十分堪能できました。不思議な力を絡ませて描く悲劇と救いの話と、複雑な余韻を残す最後のオチは見事です。有り得ない世界を、もしかしたらと思わせるところが魅力になっています。 7点(2004-03-16 23:38:36) |
272. 刑事コロンボ/闘牛士の栄光<TVM>
闘牛士である犯人のプライドが、無礼でしつこいコロンボへの非難に結びつき、かなりきつい言い方をしていました。外国人で、直接の捜査権限がないので、引き下がるようなそぶりを見せながら、そこは、コロンボ、離れません。殺人の動機が何かが見所。相変わらず仕掛けは抜群です。 7点(2004-03-16 23:13:30) |
273. トータル・フィアーズ
核兵器は、使われてはいけないが、使われるかもしれないところで、緊張感が最高潮になるのだが、あっさり使われてしまっては、肩透かしで興ざめに。あ、そうか。これは、ターミネーター・シリーズのプロローグか。こうして核戦争が起こったんだ。(違う!) 6点(2004-03-15 19:35:06) |
274. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 主人公が刑務所の中でしだいに自分の立場を築いていく展開は、原作どおりですが、よけいなエピソードを加えすぎた感じもします。基本テーマも、原作で感じたのは鮮やかで衝撃的な脱獄ですが、映画は自由と生きることへの賛歌になっており、別物として観ればなかなかの作品になるかもしれません。特に、仮出所しても自分の居場所を見つけられず自殺する受刑者のシーンは、さりげなく描きながらも、人間はいかに環境と習慣に束縛されて生きているかを物語り、心に重く響いてきます。 7点(2004-03-15 19:18:47) |
275. 刑事コロンボ/魔術師の幻想<TVM>
ラストは鮮やかです。魔術師に対しての周到な用意が決まります。色々な手品のトリックも楽しめる作品。ジャック・キャシディは、悪役としては最高の役者さんです。目つきや、身のこなしは、まさにコロンボの相手にうってつけ。これだけ迫力があれば、捕らえがいもあります。 8点(2004-03-14 21:02:54)(良:1票) |
276. ブリジット・ジョーンズの日記
必死さと、あきらめと、期待感。なんとなくわかる気がします。随所にユーモアも感じられ、けっこう楽しめました。どういう人生を歩もうとも、運命を受け入れ、自分の気持ちに正直に、そしてトラブルが起こっても、むしろ、それを楽しむ気持ちの余裕がほしいです。まあ、私の場合、ああいう女性とは友達がいいとこですが。 8点(2004-03-14 16:16:15) |
277. 刑事コロンボ/死の方程式<TVM>
《ネタバレ》 最後は、ガツンではなく、じわじわと時間をかけての決め手もいいですね。ロープウェイの中というのも、閉所を利用しての犯人をいたぶるコロンボの遊び心が感じられて良かったです。犯人も自分の能力を過信している様子をうまく演じていました。最後、葉巻をポケットに入れようとするコロンボには、まいった。 7点(2004-03-14 09:44:51) |
278. 刑事コロンボ/もう一つの鍵<TVM>
《ネタバレ》 たしかに、この犯人には、同情すべき点がほとんどないです。途中から、コロンボ、早くガツンと一発やってくれと思ってました。最後は、引き金を引き、弾が抜かれてて、ワメキ散らして、と期待しましたが、さすがに観念しましたね。反対に、婚約者は、財産目当てではなく、意外にいい人でした。女を見る目はなかったが。 7点(2004-03-13 20:20:05) |
279. 刑事コロンボ/死者の身代金<TVM>
《ネタバレ》 決定的な証拠は、別のものを想像してたのにやられました。娘が犯人と取引して帰るところまでは確信してたんですよ。相手が弁護士だから、絶対司法取引がからんでるって。まだまだコロンボを研究しなくては。あの店のチリはおいしそうだなあ。 8点(2004-03-13 08:57:12) |
280. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
最後は、鮮やかでした。それにしても、このコロンボは、怖いですね。かまかけるし、おどすし、もちろんしつこい。あんな風に迫られたら、やってなくても、両腕を差し出して「すみません、私がやりました。」って、思わず言ってしまいそう。そしたら、コロンボが言うだろうな。「おまえは、やってないな。」「警部、わかってくれたんですか・・・」(いつまでも、やってろ) 7点(2004-03-12 00:29:13) |