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301.  チャッピー 《ネタバレ》 
アメリカ公開版を鑑賞。よくできてると思うけど、どうも僕はブロムカンプ監督とは合わない模様。チャッピーがゲットーのギャング文化に染まっていくくだりは、悪趣味な部分もあるけど、こういう環境で育つことの意味というか、そこをサバイブするなかでの「家族」の意味とか、それなりに描いていて、よかったと思う。後半のややお涙頂戴的な「家族」描写も悪くない。ただ、後半になって突然浮上する「意識」をめぐる部分はちょっと余計か・・・。結局、意識と身体の二元論の人間観って、インテリSFとしては古いわけだし、そういうテーマを挿入しつつも深めきれず、ちょっとダサいB級映画化しちゃうところが、個人的にはバツ(『第9地区』もそうでした)。この映画のテーマは、前半の「環境と成長」をベースにもっと娯楽作に振り切ってもよかったような(それでは凡百のA.I.モノと同じだから嫌だったんだろうなあ、とは思うけど)。あと、ラストのビョーク「All Is Full of Love」PV風の画は何だったのでしょう? 正直2時間の本作よりも、5分弱のクリス・カニングハム作のPVのほうが作品としての完成度やメッセージも上なのではないかと思ってしまい、かえって逆効果でした。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2015-07-29 14:50:45)
302.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
傑作。文句なし。狂気の世界とアクションが、超緻密な構成を重ねた上で描かれます。演出も奇をてらったわけでもなく、結構正攻法なのに、最終的にできたものは誰も見たことがなかった映像世界。超シンプルなストーリーのなかで続くカーアクションのシークエンスは、もうアイデアの宝庫。砂漠という何もない場所なのに、その風景のすばらしい多様性(特に砂嵐と夜の星空は印象的)、そしてウォーボーイズとか、ハリネズミ車とか、ギター男とか、槍のヤツとか、ポールで攻撃してくるヤツとか、ホントに全く飽きることなく最後まで突っ走る。出てくる登場人物のキャラクターは、度重なるアクションのなかに見事に描きこまれてる。フュリオサのリーダーシップ、ニュークスの悲喜劇、セクシー姉ちゃんたちの変貌にも驚嘆するし、おばちゃん戦士たちの爽快感に癒される。対する敵側もゲスで憎めない。主人公が「輸血袋」な扱いなのは「・・・」ですが、狂言回し的な役目と考えればこれもアリか(ただ、輸血袋なりの見せ場がちゃんとあるのはさすが!)。前三部作も見ていて、正直そこまでハマらなかったのですが、今作はその予想を上回る出来だったと思います。このエネルギーにあふれた作品を、御年70歳のジョージ・ミラー監督が撮ったというのも凄いです。あえていえば、日本版エンディングテーマというやつ・・・。曲自体は悪くなかったけど、普通の2D字幕版であっても、やっぱりオリジナル版と同じものを見せてほしかった。
[映画館(字幕)] 10点(2015-07-03 16:28:37)
303.  そこのみにて光輝く
とても丁寧に作られた作品。演技、演出、脚本、撮影、音楽などすべてレベルが高い。暗い話なんだけど、ただジメジメするのではなく、少し渇いた映像のおかげか陰湿な印象はあまりなく、むしろ美しく深遠な絵画を見たという印象。この独特な感覚は日本というかアジアの映画ならではのように思う。また、この印象は、菅田将暉演じる拓児のキャラに引っぱられた部分も大きい。最初の登場時は、思いっきり引いてしまったけれど、だんだん憎めないなあと思い、最後には幸せになってほしいと心から願ってしまう。池脇千鶴演じる千夏もそう。最初は擦れた部分が目についたのに、最後には神々しさすら感じるようになった。綾野剛は2人と比べるともうひとつだが、瞬間の表情などには引きつけられるものはあった。舞台を現代にしたのも僕は正解だったと思う。この映画が描く悲惨はある意味、経済成長した日本の暗部として、ずっと存在し続けたものだと思う。でも、2013年の現代、それは、単なる「貧困」としてだけでなく、前科者の社会復帰の困難やビジネス化された介護からの排除など、ある種の人びとが「階級」として社会から「排除」されてしまう現実として、顕在化している。そういう世界を丁寧に描きながらも、そこを主題化するのではなく、そこにある「希望」を家族や人間関係をめぐる普遍的な物語として描いたところに、この映画の魅力はあるのだと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2015-03-25 14:37:50)
304.  世界にひとつのプレイブック
実は見終わった直後はそうでもなかったのだが、その後しばらくしてからジワーっと「あ、いい映画だったな」と思わせられた不思議な作品。「病んでる」主人公2人の描き方が秀逸。薬ネタで盛り上がるところから、最初のデートでのオーダーまではブラックな笑いにニヤニヤ。その後の少しずつ相手を理解する過程で知らず知らずに2人を応援する気持ちに・・・。その合間に挟まれる親父や友人のエピソードもいい感じで物語に絡んでくる。演技では、ジェニファー・ローレンスもいいけど、ブラッドリー・クーパーも躁鬱で忙しい役を本当にがんばって演じていた。ダブル受賞あってもよかったのではないかなあと今更ながら残念な気持ちになるくらい、僕はこの映画が好きになっていた。そして、個人的な愛すべきポイントは、「普通であること」とうまく折り合いをつけられない主人公やその家族を、それでも最後には包み込む懐の深い「人間社会」の姿。その危なっかしいバランス感覚と温かさが、この映画にはきっちりと描かれていたと思います。あとは、よくわからない邦題だけは何とかならなかったものかなあ・・・。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 9点(2015-03-15 23:14:09)
305.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 
イニャリトゥ監督のコメディでしかもオスカー受賞ということもあって、やや期待値高めでの鑑賞でしたが、結果的にはうーん、という感じ。まず撮影についてはすごいです。劇場を中心とした密室劇的な構成なのもあるのですが、ワンカットでひたすら続くカメラワークには唸らされます。エマニュエル・ルベツキは、現在の撮影監督の最高峰といえるでしょう。そして、マイケル・キートン、エドワード・ノートン&ナオミ・ワッツのアテ書きっぽい設定だけでも楽しめるし、エマ・ストーンのちょっとスレた演技も印象的。全体に漂う皮肉っぽい独特のムードも好みです。ただ、ドタバタがドタバタしきれない消化不良な感じを終始感じていたのも確か。ちょっと捻りのきいた映像や台詞でごまかされるけど、よくよく考えてみれば、いかにもよくあるシチュエーション・コメディな展開で、そもそも「ブリーフでNYの町を歩く」って面白いのか?という気にさえなってくる。面白くはないのだけれど、人生の苦みを表現した一種の「雰囲気映画」と考えれば、まあ楽しめる作品に仕上がってると思います。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-03-11 15:11:04)
306.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
カプローニが面白い。少年時代の主人公はカプローニに憧れるが、彼の作る飛行機はごちゃごちゃしてて全然美しくない。そのあと、主人公が作ったのは、その対極にあるような、物事の装飾をそぎ落としたシンプルな形状の戦闘機。カプローニの飛行機はまるで、監督宮崎駿自身が作ってきた娯楽作品であり、最後のゼロ戦はこの映画の比喩のようにも映る。でもゼロ戦はラストでは美しいながらも、人々を死へと追いやる凶器となる・・・。創造性と人間性の、なんというか危険な諸刃の部分を見せつけられた気分。それは、心が通い合っているようで全く身勝手な二郎と菜穂子の夫婦にも言える。他人が共に暮らすと言うことの困難と、でもそれが奇跡のようなバランスで可能になることの美しさ。難病夫婦ものという古今東西使い果たした陳腐なネタを陳腐なまま、この物語の中核においてしまう大胆さ。とにかく、とても恐ろしい作品であり、最後の最後に宮崎駿は、観衆を突き放して1人で遠~~い世界に行ってしまった感じ。ああ、でも自分はカプローニ、嫌いじゃないんだよなあ・・・。この映画でもどうみても一番人間らしく魅力的なキャラクターだった。いまの時代、必要なのは二郎じゃなくてカプローニだと思うのだけれど・・・。
[地上波(邦画)] 7点(2015-02-21 23:42:08)
307.  恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 
公開当時から「隠れた名作」扱いされていた記憶があった本作、やっと見ました。2月2日を永遠に繰りかえすというファンタジー的なストーリーながら、そこで描かれるのは1人の人間の人生そのもの。何が人生を豊かにするのか? うまいことやって美女と付き合うこと?お金?名声?芸術? そういうテーマを、アメリカの田舎町のちょっとした1日のなかに落とし込んだ脚本は見事。最初の1日が終わったとき、え?これでどうやって映画にするの?と思ったけど杞憂でした。大きな事件が起こるわけでもなく、淡々と、でもどこか共感できる主人公の試行錯誤ぶりはとっても味がある。まわりを幸せにすることで自分も幸せになる、そういうベタなメッセージでもこういう変化球で伝えられるとジーンとなります。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2015-02-10 08:55:45)
308.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
フィンチャー監督の円熟した演出、隙のない絵作り、物語と一体化した音楽、そして意味深なストーリーと、どれをとっても一級品。とくに、ベン=アフレック演じるニックのダメ夫ぶりもすばらしい。ニックの「いい人でいること」をめぐる葛藤は印象的。失踪妻の捜索のなかで「いい人である」ことに飽き飽きした夫も、メディアに追い詰められるなかで「演じる」ことを決意する。そして、テレビの独占インタビューは、エイミーに彼が「演じる」ことを決意したことを伝え、エイミーに新しい人生と夫婦生活の「再生」を決意させる。「演じる」ことが、夫婦生活そして人生そのものであるというラストは、失踪中のエイミーの妙に人間的な姿(うっかり隙を見せて強盗まで許してしまう)との見事な対照によって、その残酷さをいっそう際立たせる。そうした残酷な現実をいっそう増幅させるメディアの存在も含めて、現代という時代を生きることをこれだけ見事に切り取った作品は貴重だと思う。
[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2015-01-28 16:58:44)
309.  ネバーエンディング・ストーリー
小学生の時に映画館で観た本作。数十年ぶりに小学生になった娘と見る。いまさらながら、清く正しい?児童小説の世界観のうえに成立したメタな物語構造に感心する。子どもの想像力と対峙する「虚無(nothing)」という敵の本質は、今見てもなかなか深い。これを、1980年代前半という時代に、しかも「子ども」向けの映画で堂々とやってしまったというところはすごい。一方で、演出や編集では残念な部分も目立つ。ぶつ切りのエピソード、端折りすぎの前半、タメのない場面転換と音楽。これって、たぶんピーター・ジャクソンにリメイクさせたら、3部作くらいの、すごい物語になりそう。でも、あえて90分ちょいで映画化して、日本を含む世界中の子供たちが見たというところが、この映画のすばらしさなのだと思う。ちなみに、一緒にみた娘の感想は、「怖かった」。狼だけではなく、この映画全体のもってる雰囲気が怖かったという。ある意味、とてもまっとうで、この映画の本質をとらえた感想でちょっとうれしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-04 23:58:54)(良:1票)
310.  ベイマックス 《ネタバレ》 
空から見て美しい都市No.1だと思うサンフランシスコの風景を堪能できる飛翔シーンとバルーン?の上でヒロとベイマックスが眺めるシーンには大満足。これだけでも映画館で観てよかったと思う。ただ、東京要素は「あったの?」っていう程度。ケーブルカーと坂が走るSFの風景と、新橋あたりの東京の風景もあまりマッチせず。まあ両方が自分になじみのある風景なので、その分違和感のほうが大きかった。残念だったのは、「ケア」を目的に開発されたというベイマックスの特性があまりストーリー上、活きてこない点。この点で、最後にどんな葛藤があるのかと思ってたけど、普通のスーパーヒーローものの展開で終わってしまった。なかでも気になるのは、ラストの「自己犠牲」でヒロを救うシーン。兄からの自立ということを描きたいんだろうけど、「ケア」を目的としたロボットであるからこそ、1人1人(1機も)が「生きる」ということをもっと追求してほしかった。そこで一番安易な方向に流れてしまったのはやっぱり残念。その上、マーベルの「Big Hero 6」の映画化でもあるので、戦隊モノ(あるいは『七人の侍』的な魅力)の部分とベイマックスとの交流の部分とのバランスが完全におかしくなっていて、どうにも落ち着かないバタバタとした印象。『アナと雪の女王』も同様のバタバタした作品ながら歌の力で押し切ってしまったけど、この作品はそうゆう強みもなく、スーパーヒーローものとしても完成度は『Mr. インクレディブル』に遠く及ばない。全体的に、もう少しよくなりそうな要素はいっぱいあったのに、残念な一作。
[映画館(吹替)] 5点(2014-12-27 21:28:24)
311.  LEGO ムービー 《ネタバレ》 
アメリカの映画館で予告編を見たときには、あまり興味を持たなかったのですが、たまたま見る機会があったので鑑賞。40代前半の自分のなかでは、「レゴ」はあらかじめ完成型が決まっている、自由度の低いブロック(&スネ夫的なちょいリッチなやつの家にあるおもちゃ)という認識だったので、この映画のメインメッセージをストレートに受け取れなかったのが残念。序盤ガチャガチャと忙しく、物語の展開も早いので、いまひとつ乗り切れなかったが、終盤のメタ展開には感心。『トイストーリー』を越える「メタ」な展開と伏線の回収はなかなか見事で、映画としてのクオリティは高かったと思います。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2014-11-18 23:52:29)
312.  猿の惑星:新世紀(ライジング) 《ネタバレ》 
前作で終わると思っていたら、新3部作ということなんですね。監督変更でいろいろ不安でしたが、その点は杞憂だったよう。ただ、前作と比べるとテンポが落ち、「娯楽度」は下がってしまったように思います。猿の描写そのものはすごいですが、印象的な俯瞰映像というのはほとんどなく、しかも全体に暗がりが多いので、映画そのものはやや退屈。また、舞台となる世界が空間的に「狭い」ので「惑星」規模の話ではなく、せいぜい「もののけ姫」くらいの箱庭的・寓話的世界観といったところは好みが分かれそう。ただ、猿たちの世界の描き方に重厚感が加わったのはよかった。「猿の惑星」への第一歩が、武器を手にすること、そしてついに同族を殺してしまうことだったという視点も、前作では薄かった「文明批評」としてのこのシリーズの面目躍如といったところです。個人的な好みでは前作ですが、こういう続編もありかな、とは思います。あ、あと前作の原題が「Rise of..」で「ジェネシス」、今作が「Dawn of..」で「ライジング」というのはややこしいですぞ。将来順番を間違えて借りる人とか出てきそう。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2014-11-06 22:09:48)
313.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 
バーホーヴェン版公開当時、あの奇抜なトンデモ映像(目玉ボヨーンとか鼻から痛そうとか、おばちゃんの顔が割れる、とか・・)と世界観に度肝を抜かれたわけで、当然そんな作品のリメイクはハードルが高い。そこにあえて挑戦した製作陣の狙いは、真面目路線。階級対立と植民地支配を軸に、その象徴としての「フォール」を舞台にレジスタンスの戦いとして描く。その狙いは、わからないでもない。本当の恋人と奥さんが妙に似ているもの(途中まで区別つかなかった)も、「金髪vsブルネット」という前作の対比路線とは対照的。けど、前作のトンデモ世界は「夢オチ」という禁じ手があってこその成功だったわけで、リアル路線でその部分をあえて明瞭にしなかった(クレジット後に「何も起きなかった」のに呆然としたのは僕だけ?)本作では、結局「トータル・リコール」じゃなくてもよかったんじゃない?っていう印象に。ゴールドスミスのあのテーマ曲も出てこないし。地味だけど丁寧につくられたB級SF映画(有名映画のパクリ、もといオマージュもあるよ)として、まずまず楽しめるけど、リメイクとしてはやっぱり失敗かなあ。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 5点(2014-11-06 21:50:13)
314.  X-MEN:フューチャー&パスト 《ネタバレ》 
正直なところを言えば、『ファースト・ジェネレーション』の正統な続編が見たかった。あのあと、チャールズとエリックがをどんな現実に直面するのか、ケネディ暗殺からベトナム戦争まで、アメリカ史的にも盛りだくさんの時代だったので、前作のテイストと登場人物で続編を描くことは可能だったはず・・そう思ってしまうくらい、今作のチャールズとエリックは前作にはあった「軸」がない。ダメ人間化するチャールズと、意図がよくわからないまま派手にテロリスト化するエリックの行動は、台詞で説明されても、どうにもピンと来ない。せっかく登場したウルヴァリンは結局最後まで「いたっけ?」っていう程度の活躍だし、未来のシーンはなくても物語は成立していたし、逆に「歴史が変わってすべて解決!」なラストは、物語のカタルシスという意味では逆効果だったように思う。どうにも散らかった感じが終始続き、最後に強引にまとめきったというのは、このシリーズらしいといえばそうなのだけど、キャラも時代背景もいい素材が揃っていただけに、残念な感じは拭えない。クレジット後の映像をみれば、これで終わらない雰囲気もするけど、もう前作の世界に戻ることはなさそうなので、あまり期待せず、次を待つことになりそうです。
[DVD(字幕)] 6点(2014-10-11 13:51:09)(良:3票)
315.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
自分の祖先がかつて一生懸命世話をした木々を今の自分が刈るという林業の考え方にはハッとさせられた。今の自分が生きていることを自分の家族や他者とのつながりのなかに見いだすという、今どこかおろそかにされている考えをズバリと言い当てられた感がした。こういう「哲学」を軸に置きつつも、内容は矢口監督らしいエンターテインメント。たしかに自分も子どもが行方不明になるエピソードは不要だったと思うし、恋愛パートもちょっと違うようなという違和感もある。でもそれ以上に山男たち(とくに伊藤英明は特筆モノ)の気持ちのいい描き方に、すっきり爽やかな気持ちで見ることができた。くだらないネタに笑いながら(苦笑を含むけど)、その「哲学」がじわじわと染みこんでくる、矢口監督らしい快作だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-11 06:18:29)
316.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 
70年代懐メロとSFアクションの融合という技法は新鮮でとにかく楽しい! ダメキャラ5人(?)組が団結し、強敵に立ち向かうという物語の骨格はシンプルだからこそ、随所に散りばめられたチャレンジ精神が光る。コメディとドラマのバランスもよく、うまくハズしつつもきちんと伏線を回収し、物語の流れを損なわない演出技術は確か。正直、今回使用された70年代の「名(迷)曲」はよく知らない曲ばかりでしたが、それでも物語にしっかりハマってちゃんとこっちの気分を上げてくれるのだから見事です。むしろ、自分もよく知らない曲ばっかだった分、「Vol.2テープ」からのラストの(みんな知ってるアノ)2曲でガツ~ん! こういう憎い演出が随所に光ってて、まさに新感覚のSFファンタジーとして新しい流れを作るかもしれない。もちろん、物語的な突っ込みどころの多さ、物語がサクサク展開しすぎて「タメ」がない、5人があんまり極悪人に見えない、ハワード・ザ・ダック(苦笑)・・・などケチをつける箇所もあるけど、「ダークナイト」以降、リアル路線一辺倒だったアメコミ系大作の流れを変える可能性を秘めた快作。本国では興行的にも成功したみたいなので、次作では、ジェームス・ガン監督のカラーをもっと押し出して、これぞ新世代スペースオペラだ、というのがもっと見たい!
[映画館(字幕)] 8点(2014-10-10 06:13:43)(良:1票)
317.  フルートベール駅で 《ネタバレ》 
映画公開時、事件の起きたフルートベール駅がある町の近くに住み、実際に事件が起きた地下鉄(BART)にほぼ毎日乗っていました。この映画で描かれる黒人に対する警察の暴力は、いま(2014年夏)ちょうど、アメリカではミズーリ州ファーガソンという町でも大きな問題となり(警察による10代の黒人少年の射殺事件とその後の抗議運動の強圧的な取締・・・)、この映画がアメリカが抱える大きな闇を象徴するものであることを物語っています。このようなテーマですから、当然もっと「主張」や「抗議」を全面に出した映画にすることもできたかもしれません。でも、この映画はそういう方法をとらず、1人の黒人青年の1日を丁寧に描くことによって、アメリカ固有の問題というよりも、普遍的なメッセージを持つ映画として昇華するのに成功したと思います。この映画が描く主人公は、かつて刑務所にいたこともあったが、いまは家族に囲まれ、うまくいかない日常とも対峙しながら何とかまっとうに生きようとしています。彼が過ごす一日は、決して特殊なものではなく、多くの人が共有できるものであろうと思います。また、ラストの事件の描き方も、一方的な正義対悪の図式というよりは、新米警官が取り押さえた相手に抱く不安と恐怖が引き金となっているところも、非常によく考えられた脚本であると思います。この映画は、アメリカの社会問題を深いレベルで描いていますが、それにとどまらず、現代という社会が共有する「他者への不安」と「武装と威嚇への依存」という問題をしっかりと捉えている点で、すばらしい作品です。
[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2014-09-04 17:23:17)(良:1票)
318.  キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー 《ネタバレ》 
これは最近の大作系の映画のなかでは、ひさびさにアクションに見応えがある良作。ノーラン以来、アメコミ大作でアクション系ではない監督を起用することが多くなっている分、アクションそのものの魅力で語られるものが少ないなか、この映画は、ジェイソン・ボーン的な迫力ある肉弾戦と壮快なスカイアクションの両方を楽しめる。スカーレット・ヨハンソンやサミュエル・L・ジャクソンらのサブキャラも魅力的で脇役まで丁寧に描いているのもいい。ただ、ストーリーは、「自由を制約するのではなく、自由を差し出させる」というあたりの狙いはいいけど、監視社会の倫理的問題そのものは、『ダークナイト』でも描かれているわけであまり新味はない。悪役の荒唐無稽さ(+キャプテン・アメリカの衣装のダサさ)と、リアルな物語展開のバランスの悪さも少し気になる。いずれにしても、最近のアメコミ系のなかでは魅力的なアクションのスピード感は一件の価値あり。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2014-08-31 10:56:27)(良:1票)
319.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
予想どおりというか、残念な出来。日本をめぐる描写を抜きにしてもつまらない(むしろ、ハラキリ、ニンジャ、ラブホのヘンテコな日本に突っ込むしか楽しみがない)。キャラが不必要に多くてごちゃごちゃしてるうえに、唯一まともにアクションができていた真田広之は無駄遣いとしかいいようのない使い方(その後、アメリカ・ドラマやハリウッドでも活躍しているようで、この作品への出演が躓きにならなくてよかった)。ミュータントが蛇女以外出てこないわけだから、X-MENシリーズならではの楽しさもない。あと、監督は日本語の演技のチェックができないんだったら、役者に日本語をしゃべらせないように。マリコ役の女優さんのひどい日本語の台詞まわしは、相手をしていた真田広之が気の毒になった。あの「ファースト・ジェネレーション」の次がこれだったのが、本当に残念。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 3点(2014-08-29 12:52:54)(良:1票)
320.  ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 
うーん、俳優のみなさんは熱演してたと思うし、映画としてもがんばってまとまっていたと思う。けど、「よくできた再現ドラマ」以上のものであったのかどうか。特に、白黒のアイヒマンの映像が強烈すぎて俳優さんたちのカラー画面での演技を喰ってしまい、ドラマと事実のバランスそのものがおかしくなってしまったように思う。また、映画としてのクライマックスとなる最後の講義が、ハイデガーの「受け売り」であったのも残念。いや、そもそも「言うこと」と「やること」が違っていたハイデガーの言葉を、そのまま文字どおりに受け止めて実践したのがアレントだったってことか・・・(え、それでいいの?)。講義の後の、学生の拍手もなんかベタ過ぎる。なんか、根源的な人間をめぐる問題を扱っている映画であるようでいて、実はそれはアレントがそうだったというだけで、映画そのものは、「そういう問題を扱っている」風に終始したのが残念でした。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-24 12:39:31)
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