21. 陽だまりのグラウンド
いい映画ではあるだろうけど、人の死をもって感動へと誘う作りが、あからさますぎて好きにはなれない。もちろん実際に起こり得ることなのかもしれない。原作者が経験を通して描いた世界だというが、そういう現状があるとして、その現状へのやるせなさが、悲しさを誘うのは確か。ただ、その題材に触れてしか、感動へといざなえないことも悲しい。キアヌリーブスがさしたる演技をみせつけたわけでもなければ、自分の知る限り実話ではない、一つの悲しい物語をポジティブに捉えさせようとした今作に、拍手喝采とはいかない。 [DVD(字幕)] 5点(2008-11-15 03:11:09) |
22. ラッキー・ガール
ラッキーとアンラッキーを考えさせられてしまうほど、ラブコメの枠にとらわれず、テンポがよくて楽しめる秀作。コメディだからこそもちろんかもしれないが、ありえない設定があることは棚に上げておいて、楽しい「if」をここまで単純に作って、それが楽しめるというのは、実は簡単なようですごいことなのかとも思う。リンゼイローハンはもちろんかわいいし、フォーチュンクッキーを思い起こさせる秀作。ラストの曖昧さもチョイスしたテーマにピッタリであり、後味もいいし、素直に楽しい。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-13 04:02:45) |
23. パトリオット
この世は戦争の歴史でもある。そんなことを痛感させられる映画だが、全体的なストーリーも、突っ込みどころが多すぎるチャンバラゴッコのシーンも好きにはなれない。ただ、とても印象的なシーンもあり、これぞまさに「映画」でもある。何が善で何が悪か、そんなメッセージ性や、"愛国心"には心動かされないが、時折見せるヒューマニズム溢れる描写がこの映画の評価を上げているのだろう。難しく考えず、エンターテイメントとして捉えれば芯のしっかりした骨太な作品である。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-13 01:26:27)(良:1票) |
24. パンズ・ラビリンス
一言では語り尽くせない、現実とファンタジーを織り交ぜた秀作。オフェリアの身にふりかかる辛い現実がある一方、オフェリア目線で希望を見出していこうとストーリーは進む。もちろんおとぎ話前提であれば、現実逃避とも判断しかねないだろうが、タイトルに「パンズラビリンス」を持ってきたのであれば、主人公を「オフェリア」と捉えたならば、けしてネガティブではない。ただ、現実が交錯するため、単なるおとぎ話で終わらない深みがある。人により見方は分かれるだろうが、それを逆手にとったかのような、実に面白い作りである。良質のファンタジーだと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-10 04:15:54) |
25. ブラック・スネーク・モーン
クリスティーナリッチ演じるレイの再生物語といった所だが、メッセージ性もあり、完全なるハッピーエンドではないところが変に納得でき、後味が悪いようで、希望を見出せるような作品。ストーリーに抑揚がないような気がしてしまうのも、じっくり、ゆっくり再生を促す、テーマに沿った安定した作り方なんだと解釈。サミュエルLジャクソンの一本木でありながら、人間くさい、世話好きオヤジも妙にハマっていて、好感が持てる。ジャスティンティンバーレイクも頑張ってますよ。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-09 04:20:58) |
26. エンドゲーム 大統領最期の日
大統領暗殺をダシにしたと言ったら語弊があるかもしれないが、ドンデン返し系の演出を狙ったにしては、説明的すぎる。グッティングJrは嫌いではないが、アクションシーンもややお粗末な印象。そゆことね。的感想を持てたことが、プラスでもありマイナスでもあるように感じる作品。物足りなさもある。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-07 04:04:14) |
27. ヘアスプレー(2007)
導入部から太ったお姉ちゃんが踊る踊る。設定も不明確であれば、展開も無理矢理。言い換えれば、設定は差別の中の差別であり、展開はおふざけの中のおふざけ。ミュージカルであるからといってそのへんを簡素にしすぎることは好きではない。ニグロデイも太ったお姉ちゃんも関係ない?差別はよくない?この作品こそ差別。 [DVD(字幕)] 4点(2008-10-31 03:33:01) |
28. 包帯クラブ
爽やかな青春ストーリーといった所だが、やはり柳楽の存在感なくしては語れない作品だろう。包帯が大きな意味をもったかは別として、思春期の難しい感情をうまく描こうとしてると思う。うまく出来すぎた展開も「青春」という設定が全てを自然にすることを改めて証明する作品。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-31 03:18:37) |
29. 犯人に告ぐ
6年前の苦い思い出を胸に怪事件を追う主人公。破天荒でもあり、人間味あふれる指揮官でもある。ただ様々な人間模様が交錯し、飽きさせないが、軸となるストーリーが稚拙な気さえしてしまうほど、犯人逮捕までの道のりの描き方が簡素すぎる感はある。警察が日夜犯人逮捕の為に尽力しているのはこんなくだらない若者のためなのか、そんな後味しか残さなかった気もする。さらに書き手は少年が被害にあうこと自体を安易に描きすぎてはいないかと思うほど、一貫して子供をダシに使った感がある点は好きにはなれない。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-30 03:40:28) |
30. カレンダー・ガールズ
女性視点と男性視点では理解度や感情移入度が違うだろう。実話でなければ何でもない話にさえ感じるほど、クエスチョンな部分もある。映画にまでなったのであれば、それは大きな反響と話題性があったのだろうが、作品としてはやや物足りない。映画として世界に配信される題材としてもやや軽いものだと思う。つまらなくはないが、エンターテイメントではない。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-28 03:15:04) |
31. 雨鱒の川
ん?という感じは否めない。正直に言います。綾瀬はるかが見たかっただけです。でもその願いさえ子供時代のシーンが多かったので叶わず。。ん~。もう少しどうにかできなかったんですかね?中谷美紀、阿部寛、まさに宝の持ち腐れ?色んなもったいなさがつまってる映画。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-28 01:59:26) |
32. M:i:III
ストーリー軽視の娯楽アクション超大作。まさに超大作なのだろう。ストーリーは何が何だかわからなくもなるが、そこは大して重要ではない。要するに見せたかったアクション、見せたかったドンパチが満載で、アクション好きはお腹いっぱいであろう。初回作が単純明快で嫌悪感がなかっただけに、この作品単体で評価すればこの点数で落ち着くだろう。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-21 04:38:54) |
33. トランスアメリカ
性同一性障害モノは感情移入が難しいことがよくあるが、これは嫌気もなく、ほのぼのとしたロードムービーに仕上がっていると思う。もちろん、劇中、この2人は父子なんだよなぁとしみじみ思ったりするところもあるが、明確なストーリーが序盤で頭に叩き込まれているため、最後まで退屈することはなかった。良作だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-18 02:26:35) |
34. アヒルと鴨のコインロッカー
よくできた映画だと思う。犯罪者を目撃してしまったがために起こる悲劇が軸だが、メッセージ性も強大であり、スタイリッシュな脚本であり、真実がわかっていくあたりは爽快でもある。使えないボンクラ警察にイライラしたのは、自分が相当感情移入していた証だろう。表現方法として的確かはわからないが、ヒューマンドラマとしてもとても味わいのある映画である。見て損なし。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-14 04:39:48) |
35. ダイ・ハード4.0
アクションの王道で突っ込みどころ満載だが、それがまたいい。映像も作りこまれてる感があったし、ハッピーエンドはわかっていても色んな面で楽しめる映画。最後にはひ弱な"同士"と友情さえ芽生えたかのような感覚は悪くない。ただ、犯人側のボスが弱い。一番強かったのは車に轢かれても死なない女、あんな女、いやあんな人間いない笑。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-13 03:53:53) |
36. ホリデイ
不快感なく見れた恋愛モノ。恋愛に正解もなければ、答えなどない。この作品のラストは、この作品の導入部へと繋がることを案じてるのかもしれない。少し変な感じがするのは、2人の恋愛に見放されたかのような女は外見もさることながら、内面も言うことナシの出来すぎた女であること。ただ、そんな冷めた見方をしては何も始まらないし、映画として、楽しめたのだからこれでいいのだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-10 05:47:26) |
37. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
最初はグイグイ劇中に引っ張られていく感じだったが、やや尻すぼみ?的な印象。二転三転することが予想できすぎて、興ざめする面も。007シリーズに詳しいわけではないので、過去の作品と比べてではなく、一作品として、この評価。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-09 05:21:31) |
38. バティニョールおじさん
全体的には一人のお肉屋さんが奮闘する様は冷酷なる人権問題を背景にしながらも、穏やかでハートフルで頼もしさすらある。後味は悪くないが、たびたび訪れる危機を乗り越えていく様がどうしてもわざとらしく感じてしまう。一貫して無償の善に走ってしまう主人公は愛すべき存在だろうが、及第点には及ばない印象。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-09 03:40:51) |
39. 天使のくれた時間
「もしも」を軸として、大切なものを見つける一人の人間。もちろん、有り得ないストーリ設定ではあるが、名声より選ぶべきものに気付き、見つけ、やり直しがきくなんて羨ましい。後味の良さがありえない展開さえも微笑ましく思わせてくれる。意外な役のドンチードルを発見、興味深かった。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-07 02:54:05) |
40. 女はみんな生きている
人生って何なのかねぇって考えさせられるという点では、メッセージ性もあったのだろう。ただ、儚いというか切ないというか後味はいいようでよくない。ただ、サスペンス的要素を織り交ぜ、思わず引き込まれてしまう展開の中に、確固たるヒューマンドラマがあったと思う。また見たいとは思わないかもしれないが、期待以上。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-07 01:04:24) |