61. アメリカン・ハッスル
《ネタバレ》 絵に描いたような善人の市長を騙す事に心痛めるアーヴィンの詐欺師らしからぬ葛藤が興味深い。詫びを入れに行った際の修羅場は「裏切るくらいなら裏切られるほうがマシだよなぁ」と言った人の事が思い浮かび、司法取引の一端である他人を売って自身の罪をチャラにしてもらう制度の胸糞悪さが際立っていた。特筆すべきはデ・ニーロでワンシーンのみの登場ながら、小賢しい詐欺師どもを瞬時に抜き差しならぬ状況に追い込んだ存在感は流石。 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-26 01:12:34) |
62. グランド・ブダペスト・ホテル
ホテルの外観、内装の幻想的な美しさに「こんな所でゆったりとした時間を過ごしている」自分を妄想しました。苦手なレイフ・ファインズが登場した時に「しまった」と後悔したものの、グスタヴはドンピシャのはまり役で初めて魅力的だと感じました。びっくりするほど多数の名優達と織りなす物語を飽きることなく楽しめた絵本のような作品でした。ハーヴェイ・カイテルに気づかず観直して確認したのは不覚でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-23 01:55:17) |
63. ハドソン川の奇跡
《ネタバレ》 国家運輸安全委員会による厳しい追及があった事を初めて知った見応え十分の作品。誠実なプロの仕事師を演じさせたら右に出る者はいないトム・ハンクスは今作も貫録を魅せる。常に冷静沈着な彼が「生存者は155名」の報に感無量な姿にもらい泣きしてしまった。「奇跡」は皆が自分の職責を果たし一致協力した賜物で、公聴会のボイスレコーダーに客室乗務員の「頭を下げて、姿勢を低く」の連呼が聞こえた時にまた涙が出た。主人公が目を覆いたくなるぐらいに追い詰められるイーストウッドテイストはまろやかで拍子抜けするやらホッとするやら。副操縦士の〆の台詞が後味の良さを際立たせる。 [DVD(字幕)] 8点(2017-01-29 14:56:57) |
64. ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期
《ネタバレ》 43歳になったブリジット。体型はスリムになっているが皺っぽく老けた印象が観ていてツラい。ダニエルに代わって登場したジャックが没個性なのが物足りない。品の無い会話が飛び交うドタバタラブコメはあまりにも都合が良過ぎる起承転結。しかし、マーク・ダーシーから受けた時めきに劇場に足を運んだ値打ちを感じた。点数の全てをコリン・ファースに捧げます。 [映画館(字幕)] 8点(2016-10-29 17:38:35)(良:1票) |
65. コードネーム U.N.C.L.E.
1963年を舞台に米ソが協力してナチス残党の悪巧みに立ち向かう。キャラの立った登場人物達の絡み合いに、笑って、ホロリとして、手に汗握った。敵ボスの優雅さは特筆もので作品に華を添える。齢を重ねても優男の面影が残るヒュー・グラントが観れて嬉しい。オープニングとエンディングのセンスにも魅了される。掘り出し物の一品。 [DVD(字幕)] 8点(2016-08-28 19:12:20) |
66. チョコレートドーナツ
《ネタバレ》 男同士の愛の深さに羨ましさを生れて初めて感じた作品。条理を尽くさない法律家の罪深さを見せつけられる。出所した実母がマルコの前で晒すどうしようもない醜態を、ゲイが養育すると悪影響を及ぼすという判断を下した判事達に見せて感想を聞いてみたい。バッドエンドに呆然となるがマルコの死顔を見せない演出が救い。 [DVD(字幕)] 8点(2016-06-30 23:44:28)(良:1票) |
67. キングスマン
《ネタバレ》 コリン・ファース。ビシッと決めたスーツ姿は何時もながらの渋さで魅了されます。何十人も殺した教会での大乱闘は「何故?」と唖然茫然ながらも、初めてお目にかかるキレッキレッのアクションにメロメロ状態。このシーン何度も見直しちゃいました。最後まで登場願いたかったものです。選ばれし者だけ生き、庶民は殺し合わせて削除するという企みは何だか現実味を感じました。見応えのある掘り出し物の作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2016-04-30 23:27:54) |
68. マイ・インターン
良き社長、妻、母を演じてパンク寸前のジュールズの心の拠り所となるベン。彼のような70歳になりたいものです。「折り目正しく」がそのキーワード。心に残る作品です。 [映画館(字幕)] 8点(2015-10-19 20:10:03) |
69. ミッドナイト・ガイズ
24年前に発症した「アル中」(アル・パチーノ中毒)の私は「ヴェニスの商人」以降パッとしなくて残念に思っていました。「笑点大喜利」の「ホー、やるな、爺さん」の問題ではありませんが、チョイ悪爺さん三人組の一夜限りの大暴れを見せてくれました。シモネタの度が過ぎて苦笑するも女優陣が爽やかで挿入されるエピソードが心地よかった。開襟シャツ「スカーフェイス」、ダンス「セントオブウーマン」、弔辞「訣別の街」、懺悔「ゴッドファーザーⅢ」、ラストシーン「ヒート」若かりしパチーノが浮かんで寂しさを感じました。もう一人のお目当てクリストファー・ウォーケンは着こなしのせいなのか好々爺していて、これまた寂しい思いをしていました。ラストシーンは良かったですね。ビシッと決めた二人に鳥肌が。見せない結末に余韻が残ります。久々の「アル様、素敵!」の作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2015-08-18 04:11:48)(良:1票) |
70. 舟を編む
《ネタバレ》 日本語の拠り所となる辞書を作り上げる15年の歳月。辞書が完成する過程と編集部の面々が過ごした日々が折り目正しく綴られている所に好感が持てました。一人毛色の違う西岡は物語に奥行きを与えたキャラクターで、広告部へと異動する際の「広告部でも大渡海の力になる」という力強い言葉に、組織人としてのあるべき姿を見せつけられました。題名から時代劇だと思っていたのですが嬉しい見込み違いでした。 [DVD(邦画)] 8点(2014-01-04 01:59:10) |
71. 最強のふたり
介護現場の生々しさが描かれていない事に目くじらをたてる作品ではないと思えます。心遣いと同情の違いを見せつけられた本作。教養を笑い飛ばし、ギクッとさせられる物言いのドリスが醸し出すカラリとした不思議な味わいが心地良く印象深い。最強ぶりが眩しい二人でした。 [DVD(字幕)] 8点(2013-11-13 00:19:19) |
72. 鍵泥棒のメソッド
良く練られた脚本を体現する香川、広末、堺のアンサンブルが見事。記憶を失くしても気質は失くしていないコンドウがアパートの一室をごみ溜めから整理整頓された居住空間として、購入した本をしっかり読み込む。ノートに記された文字に「自力で着実に生きる」強烈な意志を感じました。健康で努力家な彼と仕事熱心の彼女の顛末に心地良さを味わえました。二人の引き立て役であった桜井演じる堺雅人特有の腑抜け感もいい塩梅でした。 [DVD(邦画)] 8点(2013-06-30 15:07:40)(良:2票) |
73. 図書館戦争 革命のつばさ
予備知識ゼロ。観終わって面白さにびっくりしています。人が物を言う事をお上が権力でもって制限する国民にとって最も恐ろしく忌まわしき事をデフォルメはあるものの的確に捉えています。作家をめぐる攻防は展開に思わず身を乗り出す手に汗握るものでした。若い二人のロマンスの爽やかさが作品に彩りを添えています。 [DVD(邦画)] 8点(2013-06-10 03:04:30) |
74. 灼熱の魂
内戦での憎悪の連鎖が生み出す残虐なシーンが満載。更に、テロ行為の報いであっても、これ以上の出来事はこの世には無いと思うあまりにも残酷な真相に言葉がありません。宗派の対立が端を発しているならば神とは一体何なのかとの思いが募りました。ストーリー展開の巧みさが見事な作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-18 21:51:44)(良:1票) |
75. 人生スイッチ
《ネタバレ》 リカルド・ダリン主演以外の知識無し。 冒頭の旅客機の話に、彼が犯人なのだな! 上がったテンションが、アジャジャ~ ペシャンコに。オムニバスですか。 昔愛読した阿刀田高作品が浮かぶ1~5話はパンチの効いた(死語?)起承転結なかなかの味わい。 6話目がチョットね -2点。 [DVD(字幕)] 7点(2024-06-10 13:04:07)《新規》 |
76. ミッション:インポッシブル/フォールアウト
CIA長官の「IMFはハロウィーンパーティ」には妙に納得。でも結局は長官が一番の間抜けだった話。 めまぐるしい展開は考えず楽しめば良いのでしょうが、トム・クルーズ無双模様は目新しさが無くて盛り上がりきれない。 代わってサイモン・ペッグとアレック・ボールドウィンの奮闘に拍手。+1点 [インターネット(字幕)] 7点(2024-05-17 13:44:29) |
77. ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
米ソ間での核戦争を起こさせようとするマッドサイエンティストと対決するイーサン・ハントのチーム。 ドバイでのシーンがピーク、以降はワケワカメな部分もあって、あれよあれよという間に終わった感がありました。 主役で製作も兼ねた作品で5億ドルとも6億ドルとも言われる興行収入を叩き出した、トム・クルーズの超人ぶりを見せつけられた、考えずに楽しめば良い作品でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-05-14 02:34:29) |
78. バッド・ジーニアス 危険な天才たち
学業優秀な頭脳で悪知恵にも長けている。グレース救済までは見れたけど、以降の極貧でも無いのに金儲けに走る姿に嫌悪感。のっぺりしたお顔を見ているだけで神経逆撫でされる(ゴメン) 主犯の裏切り行為での結末に胸糞悪さでいっぱいに。 あれだけ手広く客を募れば必ず秘密は漏れるハズなのに・・というのはイチャモンの類いでしょうね・・ 格差はあってしかるべきと考えますが、本作はやるせない、とりわけ彼女の父親の姿に。 飽きずに完走できた良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-05-06 16:04:30) |
79. L.A. ギャング ストーリー
《ネタバレ》 なかなかに豪華なキャストに惹かれてのレンタル。ギャング VS ギャングまがいの警察官チーム。各キャラ人となり部分の描き込みが浅く、残虐で派手な立ちまわりにも今一つな感が。死亡フラグたちまくりなカップルの最後にちょっぴり白けたり。 脚本もう少し頑張ってくれてたら。 ただ、父を亡くした子と「我慢しなくていい」と抱きしめるジョンのシーンには涙腺崩壊 +1点 そしてエマ・ストーンの赤いドレス姿のウットリ見惚れる美しさときたら、ローレン・バコール、リタ・ヘイワース再来のよう +1点 まずまず楽しめた作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-16 15:17:54)(良:1票) |
80. ワイルド・ファイト エックス
兄弟、親子、夫婦の葛藤がそこそこ見応えあり、プロモーターの悪徳っぷりに神経逆なでされまくり、奴の吠え面かく姿にスカッと爽快。格闘模様と聴衆の熱狂がワンパターンで作品の主にならずドラマの添え物になっていたのが残念でしたが、安っぽい邦題とは裏腹に楽しめた掘出物の一品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2024-01-22 01:57:52) |