1. ポゼッサー
ブランドン・クローネンバーグ監督。デビッド・クローネンバーグの息子。あの親にしてこの子あり。なかなかの気持ち悪さでした。作品の出来は少々粗削りで、手振れやテンポの悪さ、話の分かりにくさが気になります。でも、そうかと思えば所々、ハッとするほど美しい映像が挟まれたりもします。このあたりの感性は父親譲りなのでしょう。昔、ビートたけしが「スキャナーズ、頭ボン!」というギャグをやっていましたが、もしこれを観せたら「ポゼッサー、顔べローン!」と言うのでしょうか。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-02-05 21:28:21) |
2. リトル・マーメイド(2023)
歌はとても良いんですが、無きに等しいストーリーに教科書通りの映像が続くものだから退屈で退屈で。しかも135分の長尺。テンポが悪いの一言。シカゴを観た時も似たような印象を受けたので、私はこの監督と相性が悪いのかも。 [映画館(吹替)] 5点(2023-07-09 20:06:11) |
3. きさらぎ駅
うまい、はやい、やすい。まさにそんな映画。一人称カメラのシーンは、なかなかの没入感でした。同じシチュエーションで、行動を変えると展開が変わる、というストーリーは良いですね。トライアングル然り、天丼ものって鉄板だと思いました。サラッと楽しめるので、軽い気持ちで人に勧められそうです。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-06-22 23:00:21) |
4. 冷たい熱帯魚
凶悪犯罪の実録もの、ということで怖くて胸糞悪い内容を想像していたのですが、蓋を開けてみると、あまり怖くありませんでした。おそらく登場人物たちのクセが強すぎて、いまいち感情移入できなかったからでしょう。終始一歩引いて成り行きを見守るような感覚の鑑賞でした。しかもラストでまさかの超展開が待ち受けており、こうなってくるともう実録どころか、リアリティ皆無です。監督ワールド炸裂で、もうある種のファンタジーにすら見えてきます。それを最高と思うか、興覚めと思うかは人それぞれだと思います。評価の分かれる内容ではないでしょうか。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-03-13 21:11:56) |
5. 孤狼の血 LEVEL2
レベル2を謳うだけあって、ストーリーも演出も前作より派手になっている。残念ながらその派手さが逆効果となり、リアリティや迫力を削いでしまっている。鈴木亮平だけ孤軍奮闘しているものの、全体的にはドタバタ劇の印象を拭えない。前作が成功したのは、小説を原作とした屋台骨のしっかりした脚本に、白石監督の迫力ある演出が乗ったことだと思う。今作はその屋台骨が弱いため、いまいち演出も地に足がついてないように感じた。もし次作も撮るのなら、やっぱり柚月小説をベースにしたほうがいい気がする。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-02-27 19:19:15) |
6. アド・アストラ
《ネタバレ》 海王星でどんな展開が待ち受けるのか、と思いきや何も起こらず、え、これでおしまい? という終わり方をするので、鑑賞後感がとてもよろしくない。思わず酷評したくなってしまう。でも見直してみると、火星到達あたりまでは、そこまで悪い内容ではない。とにかく海王星に向かう辺りからグズグズで、残念な感じのまま終わってしまう。せめてまともなオチをつけて欲しかった。いずれにせよ、近年このジャンルはゼログラビティ―然り、インターステラー然り、凄まじいクオリティの映画を観せられてきているので、この程度の内容ではどうしても見劣りしてしまう。もう少し頑張りましょう。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-02-01 22:06:25) |
7. アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
《ネタバレ》 映像については文句なしです。超立体的にヌルヌル動きます。本当にため息が出るレベルです。 しかしシナリオについては、13年もかけてこれかよ、という印象です。メトケイナ族にとってサリー一家は災厄以外の何物でもなく、それを受け入れる部族にも、それを要求するサリー一家にも、いまいち感情移入できませんでした。元も子もないことを言えば、ほとぼりが冷めるまで、誰もいない場所に隠れていれば済む話です。それにクオリッチ大佐の続投は不要だったでしょう。確かに前作のスティーブンラングは素晴らしかったです。いかにも軍人らしい怒りの顔芸は最高でした。しかし今回はCGのため顔芸が不発で、おまけにキャラも軍人というよりダースベーダーのようになってしまいました。今後の登場が不安でしかありません。さらに長男は死んでしまうわりに、それほど丁寧に描かれておらず、部族に受け入れられるためのネタにされたようで釈然としませんでした。「ロアクはジェイクと同じ境遇を辿るのだ」と言いたいのでしょうが、そのために子供を死なせるのはいただけません。それに子供が繰り返しさらわれる展開も疲れます。 もう映像と音響を楽しむ映画と割り切って鑑賞しましょう。技術に対するこだわりは凄まじいを超えています。それを体験するだけで3時間はあっという間に過ぎます。私は2回観ました。 [映画館(吹替)] 8点(2023-01-02 11:35:59) |
8. ドライブ・マイ・カー
世俗臭の全くしない登場人物たちによる、浮世離れしたエピソードの数々。美しい映像に、淡々としたセリフ。それが心地良い人には最高の映画だし、合わない人には退屈なだけの映画。世俗にまみれた私は、どっちかというと後者寄り。本気でこの映画を語ろうと思えば、村上春樹とチェーホフへの造詣が必要だと思いますが、日々、世知辛い娑婆で暮らしております。そこまではとても手が回りません。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-12-30 11:34:45) |
9. プラットフォーム
《ネタバレ》 惜しい映画だなあ。設定は最高。ラストに至るまでの展開もなかなかのもの。なのにオチが弱い。何となくそれっぽいんだけど、でも結局何だかよく分からないオチで、煙に巻かれて終わってしまった印象。これがスパッと綺麗に着地できていたら、きっとキューブを超える映画になっていたと思う。それでもインパクトの強さに免じてオマケで8点。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-12-02 22:18:40) |
10. ゲットバック 奪還
いやあ騙された。レンタル屋であのパッケージ見て「お、ヴォルフガングペーターゼンの新作じゃん」ってなったら、普通硬派な迫力ある映画期待するよね。まあ、内容のゆるいことゆるいこと。脚本の出来はなかなか良くて、オチもきれいに決まってるんだけど、残念ながらそういうこと期待して観たんじゃありませんから。最初からベテラン監督の、肩の力を抜いたヨーロッパのコメディ、として観れば普通に観れる映画なのに。こんな有名監督の映画でパッケージ詐欺やっていいのか!? そこにいちばん驚いたね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-11-24 22:12:12) |
11. ベスト・キッド(1984)
面白いくらい、ストーリーは予想通りの展開を見せてくれる。水戸黄門みたいなもんで、むしろそれが良い。問題は格闘シーンがいい加減なこと。ジジイかと思いきやメチャ強かったとか、ダニエル君がこんなに強くなった、というカタルシスが欲しいのに、この二人の動きはキレも無ければパワーも無い、素人丸出しで全然強くないのがバレバレ。釈然としないままスタッフロール。話が良いだけにもったいない。 [インターネット(吹替)] 7点(2022-11-05 11:09:17) |
12. リング(1998)
《ネタバレ》 恐怖演出は抜群に上手いです。ゾッとさせるような小ネタ満載で、そこにドンピシャの音楽や効果音が当ててあり、ホラー好きとしてはニヤニヤしっぱなしでした。ただ、残念ながら脚本がいまひとつ。原作にあったキンタマやらレイプやら、とっつきにくい要素を削ったのはOKだと思うのですが、肝心の呪いのビデオが生まれた経緯に、全く触れてないのはいかがなものでしょう。それに電話が鳴った鳴らないだけで、井戸の場所を特定するのは不可能だと思います。初めてこの映画を見た時、面白いんだけど、なんか釈然としなかったのは、そういう点だと思います。そのあたり、原作では丁寧に描かれていますし、なぜダビングがキーになるのかも説明されています。 [インターネット(邦画)] 8点(2022-11-05 11:06:56) |
13. 戦慄の絆
うーん、この変態!こんな妙なテーマの映画、よく映画会社からOKを取りつけるもんだ。そこがクローネンバーグの凄いところ。陰のある物憂げなハンサムを主役に、シャープな映像に物悲しい音楽、それでもって内容は変態という、つまり、いつも通りのクローネンバーグ作品です。私は最初、このテーマに乗るまで少し時間がかかりましたが、いつの間にやら洗脳されており、ラストを迎える頃にはもうズブズブにハマっておりました。一旦ハマってしまえば、オープニングを見返しただけで、あの音楽と手術器具やら解剖イラストにゾクゾクするという、変態のお仲間入りを果たします。私もシンクロできたということでしょうか。ジェレミーアイアンズが完璧に二人を演じ分けており、クローネンバーグの演出も手伝って一人二役に全く違和感がありません。変なくせに実は相当テクニカルな映画です。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-11-05 11:04:47) |
14. マーラー
なるほど。ケンラッセルの映画ってこんな感じなのか。一言で言うと独特。残念ながらドラマパートはあんまり面白くないけど、イメージパートになると、俄然映像のテンションが上がって、強烈なインパクトを残す。特に火葬される夢と、コジマワーグナーに取り入るシーンは面白かったなあ。それにしても1974年の映画なのに、全く古臭さを感じない。流行りに媚びず、己の感性で突っ走る作品は時代を超越する、その見本のような作品だと思う。およそ万人に勧められる映画ではないけど、このサイトでこんな映画のレビューを見ているようなツワモノの皆様なら、きっとこの映画の味わいを理解できるのでは? [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-05 10:56:16) |
15. カーゴ/CARGO
一言で言うと、短編のほうが良かった。短編のカーゴは強烈なインパクトがあった。グロいゾンビとヒューマニズム溢れるストーリー。そのギャップにノックアウトされたわけだけど、長編のほうは、そのギャップがマイルドになってしまった印象。監督に作家性があるのは間違いないので、次回作に期待。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-07-06 23:22:31) |
16. ベスト・キッド(2010)
ストーリーはオリジナル版とほぼ同じですが、それでも充分満足できる。このベタな話がいかに鉄板かを、再認識させられました。そしてオリジナル版の貧弱だった格闘シーンが見事に昇華している。さすがジャッキーとスミスJrです。ダニエル君と違ってシャオドレは可愛いし、情けないところがないのが良い。中盤少しダレますが、全体的に演出がシャープになり、パワーアップしている。リメイクして成功した珍しい例と言えるでしょう。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-06-26 16:17:28) |
17. ライフ(2017)
うーん。なんだろう。丁寧に作られた正統派SFホラーなのに、なぜか盛り上がりに欠ける。いい役者も揃ってるのに薄味な印象。エイリアンとゼログラビティを足して、2じゃなくて3で割ったような感じ。ラストはまあまあパンチが効いてるので、あのテンションを序盤から欲しかった。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-08 07:43:46) |
18. マッドマックス2
世の中には、テレビで一体何回観たか分からない、でも何回観ても面白い、そういう類の中毒映画が存在する。カリオストロの城然り、少林寺三十六坊然り。そしてこの作品も、そうした中毒映画の最右翼と言って良いだろう。この映画の功績は何といっても、フィクションの世界観に「ヒャッハー系」というジャンルを確立したことである。我々の世代は、荒野、バギー、モヒカンとくれば「ああ、そういう世界なのね」と問答無用で納得してしまう。まるでヨダレを垂らす犬である。これこそテレビによる刷り込みの賜物である。まさに暴力、そして狂気。例え我々はヨボヨボの年寄りになろうとも、テレビでこれが始まれば吸い寄せられるように視聴し、ブーメランが指を落とすシーンを見て喜ぶに違いない。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-03-12 20:53:56) |
19. その男ヴァン・ダム
もっとぶっ飛んだ内容かと思いきや、意外とヨーロッパらしい上品なコメディだった。バンダムが普段のアクション映画では見せない、庶民(といっても映画スターだけど)の顔を覗かせているので、親近感が湧くこと間違いなし。残念ながらストーリーはあんまり面白くない。しかも話のスケールが小さい。ほぼ郵便局の周りだけで話が完結する。これならバンダムの独白をずっと聞いてたほうが、よっぽど面白かったような気が……。コンセプトの面白さに免じて、おまけで7点。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-02-07 01:07:19) |
20. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
なんだか話が飛躍しすぎて分かりにくい。絵面の派手さとスターウォーズの雰囲気で、見れるには見れるんだけども、結局どんな話だったのかと聞かれると「えーっと。……なんだっけ?」となってしまう。それから賛否あるだろうけど、旧シリーズに媚びすぎ。あそこまで昔の役者出す必要ないし、話の展開も毎度一緒で食傷気味。ラストの名乗るシーンも何だかしっくりこなかった。いまいち納得のいかないまま完結。人気シリーズの続編って難しいね。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-13 01:41:53) |