1. スノーピアサー
《ネタバレ》 オクジャより面白かった。近未来?SFで言うとブレードランナー2049よりも短くまとまっていて良かった。それでも台詞の一つ一つが冗長過ぎることが多く、Youtube世代の自分としてはきついところもあった。機関車に世界のメタファーをさせるアイデアは好きだ。ただラストシーンは視聴者に丸投げ過ぎるというか、もっときちんと描いて欲しかった。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-03-18 15:45:54) |
2. アイリッシュマン
《ネタバレ》 マーブルに対する強烈なカウンターとでもいうべきか、スコセッシの”本当の映画”に対する愛が伝わってきた。ラストシーンで扉を半開きにして終わるのは、こちらに考えさせる作りで良い。娘からも社会からも閉ざされて、クリスマスに密室に閉ざされるのが耐えられなかったのか。ネット社会で想像力を働かせる機会がどんどん減っている中では、逆に新鮮。 ただ3時間以上かけるには流石にプロット的に厳しいか。まあスコセッシとしては、Youtubeの数分の動画に慣れた我々のことなんて考える筋合も無いいだろうが。同じ熱量で2時間に収まっていればという感じ。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-03-06 14:14:47) |
3. オクジャ/okja
《ネタバレ》 主人公の女の子自身も動物を食べて生活しているので(無駄な殺生はせずに稚魚は放流しているけど)、悪役との本質的な違いは自然の中で食べるだけ殺すか、機会を使って殺すかという点だけになる(悪役は必要以上に殺しているように見えるかもしれないけど、そもそも「必要」って何という話で、動物を殺さずに栄養を摂取することは女の子だって出来る訳で)。ただこのツッコミまで考えて作っている感じがする。 一方的なdisりにならない、コメディパートを挟むなど、高低差があるのに見せ方が上品。ただもう一度観たいとは思わないかな。自分は基本的に鶏と魚しか食べませんが、出来るだけ感謝して頂くようにするだけですね。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-03-06 13:56:38) |
4. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
《ネタバレ》 イニャリトゥの作品は解釈がシンプルでないものの方が好きらしく、本作も面白かった。演じる側と批評する側、両方が演技を愛しているのにぶつかるシーンは台詞に体重乗ってるなと思った("You're no actor, you are a celebrity"のとことか)。バットマンを演じたマイケルキートンを使ったのは風刺としてパンチが効いていて良い、と思ったら彼は後にスパイダーマンに出演しているのでもう訳分からん。エドワードノートンは強すぎるので後半控えめにしたのは正解だったと思う。エマストーンは思いのほか印象に残る演技で良かった。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-16 10:58:26) |
5. BIUTIFUL ビューティフル(2010)
《ネタバレ》 上手く出来た映画なんだと思うが、なぜかあまり入り込めなかった。ハビエルバルデムには好き嫌いは別として愛嬌というか、目を離せない不思議な魅力がある。最初と最後の雪のシーンは美しかったが、親子似てなすぎじゃない?とも思った。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-02-16 08:20:23) |
6. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 アメリカで観ました。非常によく作りこまれており、好き嫌いはあれどケチをつけるのはなかなか難しい映画かなと。コメディパートは超ウケていて、案外日本より欧米向けの映画なのかも?とも思いました。 後半ダークな展開になってもあまり嫌な気分にならないのは、どの登場人物も憎めないからでしょうか。エロシーンの間接的な描写は妙にエロかったです。"Those who use subway are stinking"みたいな伏線が長男が地下鉄に乗りながらモールス信号を解読するシーンで回収されていたのも、よく考えて作ってるなあと感心しました。安易なハッピーエンドにしないのも、ironicな映画として良い。万引き家族より1点高い9点で。 【追記】 金持ちが階段を上り貧乏が階段を下りるメタファー、重石が偽りの希望として家族にパラサイトするメタファー、真のパラサイトは貧乏人をexploitする金持ちというメタファーに解説動画を見るまで気づきませんでした。directingもeditingも凄すぎてちょっと言葉にできない。 [映画館(字幕)] 9点(2020-02-14 03:03:07)(良:1票) |
7. ホーリー・モーターズ
《ネタバレ》 面白かった。映像としては飽きないけど、それぞれのシーンが同じテンションで続いていくので、もう少しBGMにメリハリがあっても良かったかも。結局のところactingの素晴らしさを描きたかったということで良いのか?解説サイトを見たところヴェンダースの『ことの次第』とゴダールの『パッション』も観た方が良さそうなので時間を見つけてトライしたい。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-27 14:26:03) |
8. フォードvsフェラーリ
《ネタバレ》 アメリカの映画館で観ました。何も考えずに楽しめました。ただこの映画に関しては映画館で観てなかったらもっと点数低かったかもしれません。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2020-01-25 04:13:29) |
9. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
《ネタバレ》 8でローズが要らないと言われてましたが、冷静に考えるとポーやフィンもスターウォーズというサガにおいては別に要らなかったんじゃないかとこの作品を見て思いました。アメリカで観ましたが、観客もレイ vs. パルパティーンのシーンに比べてポーやフィンのシーンは全然盛り上がってなかったように思います。「7でフィンにライトセーバーを使わせたのはこのトリロジー最大のミスやね」と終わった後に友人と話しました。8で目茶苦茶になった割には頑張った感じはありますが。ローズのシーン全カットした8でパルパティーンを登場させてもっとレイと絡むシーンがあればこのトリロジーも何とかなったのではないか、端的に言うと要らないシーンを切って重要なシーンをもっとちゃんと見せるべきだったのではないか、など後の祭りですが考えてしまいます。戦闘もトリロジーの完結ということで3と比べてしまいます。最後のシーンは好きです。 [映画館(字幕)] 6点(2020-01-10 13:45:08) |
10. ダンケルク(2017)
《ネタバレ》 カメラワークが頻繁に切り替わる割に、状況説明のコマ割りが少なすぎる。それでいて登場人物の動機づけもあまり描かれていないので、どう感情を動かせば良いか分からずに終わってしまった人が多いのではないか。 [インターネット(字幕)] 5点(2019-12-23 00:04:28) |
11. レヴェナント 蘇えりし者
《ネタバレ》 映像が綺麗で、BGMも過不足なくて、観ているときは本当にエキサイトしましたが、後から振り返るとマジでプロットが無さすぎるなと。自然の荘厳さを描くBGMはもののけ姫に近いものがあり、アメリカ映画らしからぬミニマルな良さがあった。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-12-23 00:01:47)(良:1票) |
12. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 カメラワークが素晴らしく、次に何が起こるのかワクワクさせられる。マーティンが死んだ後にもう一段階くらいカタルシスがあるのかと思ったら割とありきたりな予想できる結末だったのが今ひとつ。ルーニーマーラは素晴らしかった。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-11-14 14:57:42) |
13. アデル、ブルーは熱い色
《ネタバレ》 友人のカナダ人(フランス語圏)が人生のベスト映画だと言うので観ました。LGBTでも恋愛の本質が変わる訳ではないということと、Lのセックスがちゃんと描かれていて良かったです。特にセックスシーンは過不足なく丁寧に描いておりそれでプラス1点という感じ。R指定食らいまくったらしいですが、公開した方がセクシャリティに対する偏見が減るんじゃないかと思ったり。ただ、最後はあまりにあっけないというか、「え、これで終わり?」感はありました。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-10-17 10:48:29) |
14. ジョーカー
《ネタバレ》 プロット自体はそこまで優れていないが、ホアキンフェニックスの演技力のおかげで楽しめる内容でした。ちなみに自分の周りでは概ね男性陣の評価は高く、女性陣の評価は低かったです(北米、ヨーロッパ出身の友人)。 気になった点 ・反社会性パーソナリティについて 本作でホアキンフェニックスが演じていたジョーカーは、精神科受診歴こそあるものの、反社会性を示唆するものはそれまで描かれていなかった。仮に救いのない状況に陥ったとしても、(10代ならまだしも)中年になってから本作のように超短期間で反社会性パーソナリティを獲得するのは臨床的に考えにくい。 みたいなツッコミ所を同僚の精神科医たちと話して盛り上がりました。それも込みで面白かったです。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2019-10-16 22:46:34)(良:1票) |
15. クレイジー・リッチ!
《ネタバレ》 在米の者です。まず、ホワイトウォッシュされずにアジア系で固めたことを評価したいです。プロットはまあ普通と言えば普通かもしれませんが、台湾系2世のコンスタンスウーを主演に起用したことで、アイデンティティと環境のバランスを取る難しさにリアリティが生まれ、感情移入しやすかったです。本質的な人種差別を無くすためには、ポリティカルコレクトネスよりもスターを生むことの方が効果があると考えており、ショービジネスだけでなく社会全体にとって価値のある作品だと考えています。そしてアジア系以外が見てもちゃんと楽しめるように作っているのが良かったです。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-09-22 14:42:23) |
16. トイ・ストーリー4
《ネタバレ》 トムハンクスとアニーポッツのvoice actingが素晴らしかった。plotはまあ上手くまとめてたけど、前作と比べるとどうしても見劣りするかなという感じ。続編が永遠に出てきそう。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2019-07-29 13:06:39) |
17. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
《ネタバレ》 米映画館で観ました。こちらの観客は大爆笑でした。ディカプリオの英語は聴き取りにくい。ブラピの英語は聴き取りやすい(あと肉体が完璧すぎる)。いかにもハリウッドという二人を起用したのは良かった。女優さんは他の人でも良かったかな。最後のアホシーンは秀逸だったけど、最後だけで良かった気もします。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2019-07-29 13:02:39) |
18. 悪人
《ネタバレ》 妻夫木聡と深津絵里レベルの顔面偏差値男女が出会い系で出会うこと自体にリアリティがないのは仕方ないが、それを少しでもリアルに見せるための当時の妻夫木の演技力(役作りも含めて)が不足している。これで日本アカデミー賞最優秀主演男優賞かーという感じ。プロットは良かったので勿体ないなあという感じ。柄本明、樹木希林、深津絵里は良かった。満島ひかりは彼女の他の作品ほどのインパクトなかったな。マスコミの醜悪さが描かれていたのは忖度してなくて良かった。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-07-29 12:58:51) |
19. アリー/スター誕生
《ネタバレ》 飛行機で観ました。ブラッドリーもガガも素晴らしい才能を持っていることは認めるけど、いかんせんスターが誕生するまでの過程に興味が全く湧かなかった。困難に苛まれた人がそれを克服していくようなストーリーなら分かるけど、これを見せられて一般の人は面白いんだろうか。 一点だけ評価したいのは、自殺の詳細な描写をカットしていたことです。American Foundation for Suicide Preventionのrecommendationをちゃんと守っていてそこは大変良かった。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-06-22 06:37:06) |
20. グリーンブック
《ネタバレ》 飛行機で観ました。ジャズそのものに対する描写が少なく、マイノリティの葛藤や友情にフォーカスを集約したことが逆に良かった(セッションやラ・ラ・ランドのようにならずに済んだ)。自分はアメリカ在住ですがアジア系、移民、アメリカ国籍なしとザ・マイノリティなのでかなり響きました。最後のシーン"Thank you for helping him with the letters"も良かった。 しかしヴィゴモーテンセンが主演してたことに気づきもしなかった。映画館で観てたら9点だったかな。クリスマスにもう一度観たい。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-06-22 06:31:27)(良:1票) |