101. ファミリー・ツリー
《ネタバレ》 アレクサンダー・ペイン×ジョージ・クルーニーとは何とも贅沢なコラボ!期待通りの出来で、クルーニーの駄目親父っぷりが実にキュート。ところで日本版予告のナレーションは小山力也氏(ジャック・バウアーの声の人)だったのだが、いざ本編を見たら磯部勉氏がクルーニーの声を吹き替えていた。できればいつもの小山版で観たかったな。 [DVD(吹替)] 8点(2012-10-08 23:31:06) |
102. キラー・エリート(2011)
《ネタバレ》 こういう男臭いアクション映画は大好きなのだが、実話を元にしているからか、本筋がやや退屈。オープニングの銃撃戦は『ヒート』を思わせ格好良いが、それ以降は地味な殺しが続き(皆で作戦を考えるところなどは良い)、あまり派手さはない。デ・ニーロにかつてのオーラは感じられず、ステイサムはどうもB級臭さが気になる。誰も死なないラストは好き。 [DVD(吹替)] 6点(2012-10-08 23:25:19) |
103. 最強のふたり
重度の障害で首から下が動かない大富豪と、彼の介護人に指名されたスラムの黒人青年。二人の交流を描いたヒューマンドラマだが、全体的にコメディタッチで、あまり湿っぽくないのが良い。ラストも爽やか。まるでドニー・イェンとジェット・リーでも共演していそうなタイトルだが、なるほどこれは本当に『最強のふたり』だ。拡大公開されたお陰で地元の映画館でも観ることができた。感謝。 [映画館(字幕)] 8点(2012-10-03 08:18:20) |
104. ヘルプ 心がつなぐストーリー
《ネタバレ》 こういった題材の作品を評価するのってとても難しい。素晴らしい映画だと思うが、そこに孕んでいる暗く重い現実を考えると、とても楽しい気分にはなれない。全体的にコメディタッチに描かれており、必要以上に深刻化しないで描いている点は好感触。ミニーの「復讐」に到っては、笑える反面、マジでやられたらと思うとゾッとする。差別が慣例になっちゃってるって物凄く怖い。いじめや虐待もそうなんだろう。やってる方は当然のように考えていたり、ただちょっとからかっているだけだったり、躾をしているつもりなのかもしれない。でも、被害を受けている方からしたらそれこそ生死にかかわる問題なのだ。いじめられっ子だったスキーターが、年老いたメイドから言われた言葉。「私は信じるのか?あんな連中の言ったことを」(←正確ではないですが、確かこんな感じ)…泣けました。自分にもそんなことを言ってくれる人がいてくれたら、もう少し前向きに生きてこられただろう。 [DVD(字幕)] 8点(2012-10-03 07:46:52)(良:1票) |
105. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 まさにこれは映画ファンのための映画マニアからの最高のプレゼントだ。『ハリー・ポッター』みたいな所謂「ファンタジー映画」を期待して足を運んだお客さんは、さぞ驚いただろう。メリエスやキートン、チャップリン、リュミエール兄弟という映画創成期から黄金期にかけての映像を観るだけで目頭が熱くなる。スコセッシも老いて人間が丸くなったのか、『タクシードライバー』の頃とは比べ物にならないくらい優しく温かい映画を撮れるようになった。ただこれ、子供が観てもあまり面白くないと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2012-10-03 07:32:15)(良:1票) |
106. 荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE
《ネタバレ》 TVシリーズを毎週楽しみに観ていた者にとっては、映画の半分以上がTV版の再編集というのは正直退屈。後半になってようやくオリジナルストーリーが始まるが、そこまでの前振りが長すぎる。前回までのあらすじはせいぜい冒頭の5~10分でまとめるなり、回想シーンで小出しにするなりしないと、これではTV版のファンをバカにしているよ。また、映画から観始めた人にしたら、荒川河川敷の住人たちのバックボーンがよく分からないので、「ナニコレ?」と思うだけで全く話についていけないだろう。映画化した理由が分からん。 [DVD(邦画)] 4点(2012-10-02 09:56:58) |
107. 麒麟の翼~劇場版・新参者~
《ネタバレ》 TVシリーズの「新参者」は毎週楽しみに観ていた。ひとつの殺人事件から、東京の下町に隠された様々な人間関係が浮き彫りになり、ものすごく遠回りしながら真相に辿り着くというものだった。今回はそれを2時間強でやってのけた感じで、前半~中盤にかけてはかなり集中して観ることができたが、後半の謎解き篇になるや、ご都合主義が目立つようになり何かどうでもよくなってきた。いくらなんでも偶然が重なり過ぎているし、派遣切りに遭った青年なんてほとんど何も関係ないのに死んじゃってるし…。結局いちばんの被害者であった水泳部の後輩に対する「償い」が何も為されていない点が問題だろう。阿部ちゃんと中井貴一の演技は良かった。 [DVD(邦画)] 6点(2012-10-01 22:21:18) |
108. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 タイトルからして、ウォルター・ヒル監督の『ザ・ドライバー』を思い起こさせるが、後半はタランティーノもビックリのウルトラ・バイオレンスが待ち受けている。正直言ってあんなスプラッター描写は不要だと思う(いきなりショットガンで脳天を吹き飛ばしたり、スイカでも割るように殺し屋の頭を蹴り潰したり…)。ライアン・ゴズリング扮する主人公がそもそもそんな修羅場をくぐってきたようにも見えない上、敵となるヤクザも数人しかいない。最後のボスはひとりで金を受け取りに来て、自分は殺されないとでも本気で思っていたのか?映像はスタイリッシュで美しい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-30 10:01:49) |
109. ボーン・レガシー
《ネタバレ》 前シリーズの劣化版コピーみたいな内容になっている。ポール・グリーングラス監督のようなスタイリッシュなアクションを期待することはできないにしても、脚本がいかにも後から付け足したような中途半端なものになっており、長い割りに大して面白くない。ジェレミー・レナーは好きな俳優だが、どうもずんぐりむっくりした体型で、ハードなアクションには若干不向きなような気がする。ヒロインが可愛くなったのが救い。これもシリーズ化するつもりなら、もう少し軌道修正を考えた方が良いかもしれない。マット・デイモンの『ボーン』シリーズに泥を塗るようなことになりかねない。っていうか、「ボーン」ってタイトル必要か? [映画館(字幕)] 5点(2012-09-30 09:50:31) |
110. バイオハザードV リトリビューション
《ネタバレ》 冒頭の巻き戻しスローモーションからして非常に格好良い。正直、前作がひどかったのであまり期待はしていなかったのだが、いい意味で開き直った感があり楽しめた。テレビゲーム原作だということをやっと思い出したのか、つまらない人間ドラマなどは排除して、ステージを一つずつクリアしていくという単純明快なプロットにしたのも良い。また、ジル・バレンタイン、レイン、カルロスといった旧作キャラを復活させてくれたのも嬉しい(でも前作で生き残ったクレアとクリスはどこ行った?)。レイン役のミシェル・ロドリゲスはさすがアクション女優だけあり、銃の構え方からして真に迫っている。それに比べ、ジルのあのへっぽこな撃ち方は何だ!?(髪型も変わっており、『Ⅱ』のジルと同一人物だとは思えないんですが…)一応自分はゾンビ映画という観点から本シリーズを観ているので、今回思ったよりゾンビが大挙出演しているのも嬉しい誤算だった(モスクワゾンビと中島美嘉が良い味を出してます(笑))。『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『エイリアン2』の一場面を臆面もなくパクッてるどうしようもなさは、ポール・アンダーソン監督だから笑って許しましょう。 [映画館(字幕)] 6点(2012-09-19 13:46:05) |
111. 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
《ネタバレ》 ほんっと~にしょうもない男だな!こんなに観ていてイライラさせられる主人公も珍しいが、これも浅野忠信の演技力の賜物なのだろう。比べては悪いが、例えば『悪人』の妻夫木クンなんかは「頑張って役作りしてます!」っていうのが見え見えなんだけど、浅野さんはそういう気負いみたいなのが全く感じられない。いつもナチュラルでリアル、そしてどこかコミカルさを湛えているっていう稀有な俳優さんだと思う。内容はかなりヘビーで楽しくも何ともないのだが(身内にアルコール依存症の人がいるので尚更)、最後まで飽きずに観てしまった。忌野清志郎の「誇り高く生きよう」がまた泣ける。 [地上波(邦画)] 6点(2012-09-18 23:10:21) |
112. キツツキと雨
《ネタバレ》 田舎町で低予算ゾンビ映画の撮影ってシチュエーションがもろにツボで、常にクスクス笑いが絶えなかった。ただ、沖田監督の前作『南極料理人』があまりにも面白かったので、少しハードルを上げすぎたか。役所広司の姉?一家が駅に降り立つと、村の人々がみんなゾンビになっていたというシュールな画が好き(笑) [DVD(邦画)] 6点(2012-09-09 22:25:07) |
113. 映画 ひみつのアッコちゃん(2012)
《ネタバレ》 綾瀬はるか主演で実写版『ひみつのアッコちゃん』と聞き、映画『ホタルノヒカリ』級の地雷を覚悟していたが、意外にも面白かった。子供でも大人でも楽しめる単純なプロットながら、基本は名作『ビッグ』の女の子版。魔法のコンパクトで大人になったアッコちゃん(子役の女の子が可愛い)が、ひょんなことから化粧品会社で働くことになり、周囲の大人たちを感化し、自らも成長していく。魔法で誰にでも変身できるのだが、出色は大杉漣のアッコちゃん(笑)場内が爆笑に包まれました。エンディングも綺麗にまとまっており、細かい突っ込みどころやご都合主義に目を瞑れば、ストーリー上それほど大きな破綻は見られなかった。正直、前日に観た『踊る大捜査線 THE FINAL』よりも、鑑賞後の満足度は高かった。 [映画館(邦画)] 6点(2012-09-09 22:15:46)(良:1票) |
114. 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
《ネタバレ》 (注:ネタバレあります)青島が殉職するかのような予告編はやっぱりフェイクだったのね…。それにしても、「犯人確保」の大事な瞬間にあんなギャグを放り込むとは、ちょっと拍子抜け。慎吾ちゃんはてっきり両津勘吉役でもやるのかと思いきや、最後の方でやっと顔出し。青島とすみれさんのその後がやっぱり気になるところですが、一応これで完結か~。オープニングタイトルでのシリーズ紹介が一番感動した。『3』は同窓会的なノリに終始しており内容は「?」だったが、今回は『踊る~』本来のテーマに立ち戻った感があり、青島と室井さんのコンビ復活は燃えました。でも最後の命令が「バナナ」って(笑)雪乃さんと新城、沖田の登場はファンには嬉しい限り。そして、中西課長役の小林すすむさんのご冥福を祈ります。 [映画館(邦画)] 6点(2012-09-08 16:08:30) |
115. るろうに剣心
《ネタバレ》 原作コミックは学生時代に結構見ていた。それを今更実写映画化とは?不安要素の方が強かったが、実際にはかなり満足度の高い内容になっている。まず、主役の佐藤健クンがまさにこれ以上ないほどのハマリ役で、見事に緋村剣心になりきっている。普段ののほほんとした「るろうに」の剣心と、刀を抜いた時の「人斬り抜刀斎」の剣心の使い分けが見事。また、ドニー・イェンと組んできた谷垣健治アクション監督による、本物志向の殺陣が凄すぎて、もう一度スクリーンでこの興奮を体験したいくらいだ。続編を作るなら、役者が旬のうちに、是非「志々雄真実」篇を作って欲しい。 [映画館(邦画)] 7点(2012-09-07 06:53:30) |
116. タイタンの逆襲(2012)
《ネタバレ》 前作よりも少しだけ面白かったような気がする(笑)終始いがみあっていたゼウスとハデスが共闘するところなんて、「よ!待ってました!」って感じで、分かっていても興奮する(もともとこいつらが仲良くやってればこんな大惨事にならなかったのに…)。 [DVD(吹替)] 6点(2012-09-06 07:41:08)(笑:1票) |
117. 苦役列車
《ネタバレ》 森山未來がやべぇ!!良くも悪くも、男の駄目な部分、馬鹿な部分を上手く描き出しており、これは森山の徹底した演技アプローチと、山下敦弘監督の確かな演出力の成せる業だろう。山下監督はシリアスに徹しすぎた前作『マイ・バック・ページ』よりも、本作の方が、より本来の持ち味を出せていると思う(『リアリズムの宿』を更に深化させた感じ)。貫太が康子と友達になれた時、また、初めてのボーリングでストライクを出した時の原初的な「やったぁ!」という悦び、そして「俺の友達だったよな?ありがとう」という別れの切なさに涙が出そうになった。康子役の前田敦子は意外なほど昭和の雰囲気にマッチしており、作品次第では「化ける」ことを証明してくれた。今年の邦画ナンバーワン候補。 [DVD(邦画)] 9点(2012-09-03 07:53:15) |
118. もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
《ネタバレ》 序盤こそはドラッカーの「マネジメント」を高校野球に活かそうという試みがユニークだが、後半はただの青春映画になってしまい、ドラッカー関係ないやん!って思う。ただ、書店での石ちゃんと青木さやかの変なコントは不要だし、映画的には後半の熱血スポ根青春篇の方が断然面白いのだ。ここらへんのバランス感覚の悪さがこの作品をあまり評価できないポイント。この題材なら、もっと上手く料理すれば、ブラピの『マネーボール』に匹敵する野球映画になれたのに…。前田敦子と峯岸みなみはAKB48の中でもあまり可愛くない方だと思うんですが、ファンの方ごめんなさい。 [地上波(邦画)] 5点(2012-08-30 08:42:59)(良:1票) |
119. ブラインド・フューリー
いかにも80年代らしい痛快アクションだが、『座頭市』のハリウッド版リメイクというところが異色。ルトガー・ハウアーが抜群の存在感で魅せる(野沢那智の吹き替えも良い)。シリーズ化しても良さそうな内容だが、これ一作きりということは本国でもあまりヒットはしなかったのだろうか?誰かにリメイクしてほしいものだ。 [地上波(吹替)] 5点(2012-08-29 10:00:02)(良:1票) |
120. さまよう刃(2009)
《ネタバレ》 原作ファンには概ね不評なようだが、これといってストーリーが破綻を来たしているわけではないし、原作を読まなければ内容が分からないといった類いのものでもない。基本ラインはブロンソンと同じ復讐映画のひとつで、この手の作品は昔からある。そこで展開にひと工夫ほしいところだが、それはあまり感じられなかった。被害者と加害者双方の立場というものはあるだろうが、この作品では第三者である警察と民間人が事件に深く関わってくる。若い刑事は殺人犯となった被害者の父親に情報をリークし、ペンションの管理人は娘思いの父親だという理由だけで犯人に猟銃を手渡している。彼らにとっては〈良心〉からの行動だろうが、悲劇を助長させたのは彼らのそのような誤った善意であり、我々は同じ愚を犯してはならない。もちろん、少女をレイプした上殺害するような連中は、未成年であれ死刑になれば良いと自分も本気で思っている。 [地上波(邦画)] 6点(2012-08-28 22:22:54) |