1. 学校
《ネタバレ》 先日見たドキュメンタリー番組のゲストで山田洋次が出ていて、元々はリストラされた中高年の職業訓練学校の番組を見て本作の着想を得たと言っていた。「学び」によって生まれ変わるという点では似てはいるが、本作は個々の生徒の思い出話でブツ切りになってしまって、学生同士の横の連携が薄かった。他方、互いに助け合って這い上がろうとする職業訓練学校の番組は考えさせられる点が多かった。そういう意味ではドキュメンタリーに負けてしまっていると言えるが、最後の「幸福とは何か」というのは難しい問題だが、その答えが「それを追究ために学び続ける」というのはキレイなまとめ方で、あらためて「学び」の重要性に気づかされた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2025-01-04 00:34:15) |
2. とんび
阿部寛はどこまでも阿部寛なので、ちょっと貫禄ありすぎて、TBSの内野聖陽やNHKの堤真一に比べると「ダメオヤジ」感がイマイチ。が、映画らしくコンパクトにキレイにまとまっている。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2025-01-03 22:34:32) |
3. 舟を編む
《ネタバレ》 先日見た三省堂の辞書作りのドキュメンタリーではネットがメインで紙はサブセットというリアルな現実を突きつけられた製作者たちの奮闘ぶりが伝わってきて、中々よい番組だった(その前に見た新明解誕生秘話の「ケンボー先生と山田先生」という番組も面白かった)。それに比べると、映画だとこういうファンタジーでありきたりな人情モノになっちゃうんだなあというある種の落胆を感じずにはいられない(原作未読)。そもそも、辞書作り・言葉に対する熱い思いというのが伝わってこない。宮崎あおいは可愛くてよいんだけれども、本作では不要な人物。加藤剛の死もあまりにもありきたり。オダギリはまあよかったが、松田の演技はちょっとどうかな。伊佐山ひろ子は30年前と変わらず驚いた。で、この時代にチェック作業の人海戦術ってのはないでしょうよ。昭和じゃないんだから。余計なサイドストーリーが多くて、肝心の辞書作りの面白さ、言葉に対するコダワリみたいなものが伝わってこない。すべてにおいてズレまくってる作品だった。そもそもドキュメンタリーに負けてしまう映画ってのは、失敗作なんだと思う。まあこういう世界があるという事を知らない人に知らしめるという啓蒙的作品としての価値はあるんだろうけど、ならNHKの番組でいいじゃんという感じで物語としての面白さはほとんどない。 <追記>NHKのドラマ版がよかったので10年ぶりに再見。ドラマに比べるとかなりアッサリしている印象。尺が短いので仕方ないが。過去のレビューではドキュメンタリーとの比較をしていたが、今回はドラマとの比較。色々と比較しながら見ると、それはそれで有意義ではあるんだけどね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2025-01-03 19:13:55) |
4. 生きる
《ネタバレ》 主人公はがんの余命宣告は受けておらず、「妄想」によって突き進んだというのをどう解釈すればよいのか?ストレートに宣告されると諦観してしまいそうだが、「死」という妄想的恐怖により暴走気味に?突き進んだと考えるべきか。でもなぜ「公園作り」なのか?という謎も残る。役所批判という社会風刺のテイストも強いが、ひとりの人間が最後になしうる「大仕事」が小さな公園作りというのも少々凹むところもある。とはいえ、「人間いつ死ぬかわからない」というある種の「恐怖」の中で生き続けることにより、毎日をより善く生きることが可能なのかもしれないとも言える。まさに「生きる」とは何か、を考えさせられる余韻の残る作品ではある。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2025-01-02 21:53:11) |
5. 生きる LIVING
《ネタバレ》 オリジナルは数十年前の学生時代に見た記憶があり、凡そのあらすじは知っている。ちょっとアッサリしていた感じはするが、ポイントは余命宣告された主人公が変化するところ(学生時時代はここがメッセージだと思ったが)よりも、「遺志」を受け継ごうと誓いあった部下達が元に戻ってしまうところ。単なるお役所批判というのではなく、「自分もいつか死ぬ」ということを忘れてしまって、ダラダラとした日々を生きてしまう、人間の愚かさ哀れみを伝えたかったのではないのかと。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2025-01-02 19:34:22) |
6. オッペンハイマー
これならNHKのBSドキュメンタリーを見る方がずっとよい [CS・衛星(吹替)] 3点(2024-12-30 14:46:44) |
7. 吉原炎上
明治末期の話なので、江戸時代とどの程度の差異があるのかわからないが、花魁ってのは日本文化のひとつではあるんだろうな。と思わせる作品で中々の大作だと思う。女達の狂乱は見応えあるんだが、男達が皆ヘナチョコ過ぎて男女の機微があまり感じられない。テーマ的にはそういう作品ではないのだろうけど、あまりにも男女の描き方に落差がありすぎて、男が女の引き立て役になるというより、そういうバカな男に翻弄される女までもがさらにバカに見えてくる。何とも救いのない作品で、もうちょっと何とかできたのではないのかと。 [DVD(邦画)] 6点(2024-11-26 02:54:33)(良:1票) |
8. 居眠り磐音
原作未読。序盤にはビックリしたが、その後の展開もテンポがよく楽しめる。桃李くんの演技もよい。藤沢周平に比べるとエンタメ度は高いね。他方、所謂「美しさ」には欠けるが。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-08-28 17:03:26) |
9. すずめの戸締まり
偶然ではあるが、宮崎での南海トラフで騒がしい時に鑑賞。予備知識はなかったが、冒頭からストーリーは見えているので意外性はないし、同じパターンの展開が続くので少々ダレルが、ロードムービー的な舞台変更で飽きずには見られる。ただし、芹澤くんの存在は余計で要らなかったかな。作者の宗教的世界観?にはついていけないことはないが(「宗像」はいいとしても、宮城出身の子が宮崎に引き取られて「岩戸」って苗字なのは、ちょっとヤリスギかなと)、もうちょっと「生と死」というテーマを押し出した方がよかったのではないかと思いながら見ていたら、最後に上手い具合に締めくくっていたようには感じたが、もっと序盤からシリアスにやってもよかったような。若者がターゲットだと、この辺が限界というか落とし処なのかもしれないが。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2024-08-13 20:24:25) |
10. アルキメデスの大戦
もっと戦闘シーンがあるかと思っていたので、予想よりも地味ではあったが、中々面白かった。一般的には海軍善、陸軍悪のように言われることが多いが、実際はそんなことはないという点は上手く描けていたように思う。海軍と言えども組織なので政治力は働くし、「理」だけでものが片付くわけもなく「情」も必要であり、そのバランスが大事ということだろう。数学の正しさ故の正義を唱える主人公は最終的にそのことに気が付いたのか否か。フィクションにアレコレ言っても仕方ないのだが、大臣・将校系は実際よりも年配のワリには総じて軽かったかな(特に山本五十六は役所広司と比べるとねえ)。原作はもっと細かく複雑に描かれているようなので、いつか読んでみたい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-08-12 21:05:36) |
11. さかなのこ
のんはどこまでも「女」であるのだが、なぜか「さかなクン」に見えてしまうという不思議な作品。やや期待とは違っていたが、作品としてはこれはこれでよかったのかなと。 [地上波(邦画)] 5点(2024-07-21 00:28:56) |
12. グリーンブック
異質な人間が出会いを通じて変化していくロードムービーという点では『スケアクロウ』に似てるなと思ったり、インテリとヤクザの出会いによるコメディという点では『男はつらいよ』に似てるなと思ったり、色々と既視感はあるし実話がベースだから驚きの展開になるわけでもなく、予定調和に終わってしまうので大きな感動というものはない。とはいえ、差別問題を扱いながも酷いシーンはあまりなく、安心して見られる良作ではある。注文をつけるとすれば、黒人だがカネ持ちで男だが男が好き、白人だが黒人に使われるし移民系として差別される、といった両者のアイデンティティーに関する内面的葛藤がもうちょっと丁寧に描かれるとよいと思うのだが、それだとコメディーにはならないので難しいのだろうな。 [DVD(吹替)] 7点(2024-02-23 01:33:20)(良:1票) |
13. 東京物語
《ネタバレ》 所詮映画は作りモノですが、これはどこにでもありそうな世界のようでいてかなり異質な世界なのでは?と思う。この映画をみて「ある、ある、ある」って思うのか?「ない、ない、ない」って思うのか?私は後者だ。そもそも「忙しい、忙しい」っていってるのはダイタイ暇なヤツが多いし、単に面倒なだけでしょ?上京した親の相手が面倒な気持ちもわからないでもないし、上京時の扱いはまだ許容範囲としても、母が危篤→死の過程での子供達の反応・言動はちょっとひどい。「ない、ない、ない」って思う。よって青いと言われようが、香川京子を断固支持する。原節子の心情の吐露は誠実さの表れで、映画的には悪くは無いのだが、妻を亡くし落胆する義父にワザワザ言う必要はないのでは?と感じる。普通は言わないだろう。散々凹まされたラストの笠智衆の姿は「人間最後は一人なんだ」という事を切実と感じさせる。いろいろ考えさせられる作品ではあるが、かなり後味の悪い作品だ。家族は各々独立して然るべきで、ベタベタする気は無いけれども、これをみて「家族なんてこんなもの」と訳知顔にはなりたくない。 <追記>20年ぶりに再見。印象はさほど変わらないが、年を取ったせいかやや「ある、ある、ある」感が増したような。オチを知った上での再見の収穫としては、単なるよき父という印象であった笠智衆が「場末の医者」に甘んじている長男を期待ハズレと感じていたこと。あとは義母が泊まりにきた時の「ズルイ女」原節子の電気を消すシーンの表情が何とも言えず意味深であったことかな。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-12-18 01:40:11) |
14. スペシャリスト(1994)
シャロン・ストーンは美人でいいんだけどね。で、猫は結局無事だったんだろうか・・・。 [地上波(吹替)] 4点(2023-10-08 16:46:15) |
15. 劇場版 きのう何食べた?
内野聖陽の演技を楽しむ作品 [地上波(邦画)] 6点(2023-10-03 01:46:34)(良:1票) |
16. スコア
《ネタバレ》 ノートンが出演してる時点で、「最後になんかあるんだろ?」と冷めた見方をしてしまうのが難点。 <追記>19年ぶりに再見。ちょっと古典的だが、それなりに楽しめる。「ブツ」はしっかり確認すべきというのをあらためて再認識。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2023-09-27 11:03:43) |
17. グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~
あんまりコメディになってないね。テンポも悪いし。舞台版の方がテンポがよくて面白かったかな。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-09-26 11:07:47) |
18. つぐみ
一時期こういう「露悪的」な女の子が流行ったような。松崎の街並みもいい雰囲気だし、牧瀬里穂は魅力的なんだけどね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-09-25 21:51:04) |
19. 宮澤賢治 -その愛-
宮澤賢治と言えば国柱会というイメージなのだが、冒頭にちょっと出てきただけで日蓮宗の影響は殆ど描かれず、結局は無難な偉人伝になってしまったのが残念。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-09-23 16:08:12) |
20. 2046
女優陣は美人ぞろいでいいんだけどね [CS・衛星(字幕)] 3点(2023-09-22 23:31:19) |