21. BLACK LAGOON
《ネタバレ》 折角の濃口ガンアクションと、台詞の多さや展開の重さが背反しているような気もするが、読み応えはある。 というか読後の私は、作者の目論見どおり(?)の「ビッチ萌え」と化しました。うーん。大したモンである。 しかし、ロックが自分の勤務している商社に裏切られて、会社を辞めるのは理解できるが、それが日本での生活や家族をも捨てる動機になるのか?それらに対してロックの心情が何も語られていない、という点が、ちょっと腑に落ちなかったりする。 だが作品自体が持つの磁力は大したもので、ヘンデル・グレーテルVSバラライカの物語や、トチ狂ったメイドの拷問シーンなど、悪趣味すぎて実際チョッと退いたりするんですが、アアレヨアレヨとグイグイ引っ張られるように読まされてしまいました。 個人的にはとりあえず、巻末の魔法少女レヴィも捨てがたいのだが、シェンホアの胡散臭い目としゃべり方が大好きです。 7点(2010-10-09 06:26:42) |
22. この世界の片隅に
どこか牧歌的で、穏やかな表現・筆致なのに、そこに清濁併せ持った感情の全てが静かに込められている。 もっと大袈裟に、お涙頂戴的に、押し付けがましい教科書的な作品になってしまいそうな昭和戦時下の日常物語を、こうの史代の真骨頂ともいえる語り口で丁寧・丹念に描ききっている。 こうの史代漫画の神がかり的なバランス感覚は、もう見事としか言いようがない。 10点(2010-09-30 02:19:16) |
23. 魔人探偵脳噛ネウロ
ヒネリの効いたビジュアルセンスは相当なモノ。キャラクターも(悪役の描写が、特に)悪くない。 ただ、ミステリのようでミステリでない設定の中途半端さが非常にもどかしく、惜しい。 6点(2010-07-29 23:50:07) |
24. 珈琲時間
豊田徹也の演出の小器用さと、引き出しの多さを堪能させてもらった。「アンダーカレント」や氏のデビュー作などのキャラクターがちょろちょろと出演している所が、嬉しい。 8点(2010-02-12 17:09:30) |
25. とろける鉄工所
「鉄工所」という舞台設定の縛りがありながらも、毎回毎回「へ~」と思わせながら飽きずに読ませてくれる。意外と器用な作家なのかもしれない。 6点(2009-12-28 06:14:01) |
26. きのう何食べた?
節約重視の家庭料理を貧乏臭くさせず、ゲイの主人公たちをアケスケに描写もせず。しかも、オッサン読者率の高いモーニング紙上で浮く事無く、そこそこ面白いのだから、不思議。 よしながふみの器用さには、感心させられる。 6点(2009-12-28 06:07:05) |
27. 茄子
《ネタバレ》 物語自体、どれも小技が効いていて面白いんですが、毎回「茄子」を絡めて短編連作を描こうとした、黒田硫黄の無茶な作家性が何よりも面白い。 7点(2009-10-09 01:15:59) |
28. 友達100人できるかな
個性的でありながらも、汎用性の高さを併せ持つ作者のセンスには驚かされる。今度は「友達100人」ですか。その友達カウンター、減ったりしないのかどうかが、ちょっと心配だ。大人になると、無闇に減ったりするからなぁ。友達って。 【2010.11.25追記】単行本によると、一度成立した友達カウントは減らないという設定だそうです。一安心。 7点(2009-09-17 18:16:09)(笑:1票) |
29. からん
京阪神の微妙に違う描写に、芸の細かさを感じる。柔道と京女という食い合わせの悪さを、まるで感じさせないのも、スゴイ。 蛇足ながら主将の真昼間の街頭でビールを飲ませるというセンス、今の時代には稀有だと思う。木村紺、恐るべし。 7点(2009-08-28 15:41:59) |
30. 巨娘
木村紺がぶっ壊れたのかと思うくらいに、意外で、面白かった。 8点(2009-08-28 15:37:44) |
31. げんしけん
キャラクターの内面の生々しさと、そんな訳ねぇよ的な非現実感っぽさの折り合いがついていないような気がしました。加えて登場人物のどうしよもない「駄目っぷり」が邪魔して、甘酸っぱいハナシも消化不良。読後に一言言わせて頂くなら「ファッキン・モラトリアム!」といった所でしょうか。 ホトホト木尾士目の青臭い青春モノは、読んでいてイタイ。しかし、そのイタさもこの作家の魅力なんですよね。 5点(2009-07-27 06:56:05) |
32. D.Gray-man
絵はキレイだしキャラクターも魅力的なのだが、異様に読みにくい。「アニメ関係者は漫画家に向かない」というジンクスを、少し感じたりした。 5点(2009-07-27 06:46:59) |
33. 昴
曽田正人のワルノリ(?)とバレエの相性が意外とマッチしていて面白かった。 様々な悲劇が主人公・スバルを襲うが、昴のバレエに対するスタンスと、舞台以外の日常生活のフテブテしさは安定しているという点に、安心。 終盤の絵の荒さも、特に気にならず。 8点(2009-07-27 06:36:35) |
34. ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン
第一話で私のビッチ萌え魂をガッチリと掴まれました。 エルメェスや、ウェザー・リポート等の脇キャラ群も秀逸。特にエンリコ・プッチに物凄い親近感。私も素数好きで、1972年生まれという理由で、ですが。 爽やかなラストを迎えましたが、私的にはチョッと物足りないかも、です。 6点(2009-04-26 10:02:41) |
35. まっしろけ
「ラズレズ」や「皆殺しのマリア」(共に原作者・TKD)でパンキッシュな作品を手がけ、「月の光」(原作marjinal)では骨太な現代ファンタジーを見事に描きあげた竹谷州史。 初の原作なし作品の単行本ということで、ハードボイルドか?アウトロー物か?と、勝手に気を揉んでいた。 そんな竹谷作品の新作が、何と人情物とは。ちょっとした肩透かしでした。 ですが、やはり小学館あたりがお家芸としている「普通の人情物」では無いみたいで、どこか「そわそわ」させる展開。 天真爛漫すぎて、チョッと読んだだけでは薄っぺらな嫌味のある主人公ですが、読み進めていくと善行と偽善の狭間で揺れる主人公。二巻を読み終えた時点で思わずエールを送ってしまう気に入りようだ。 いつの間にかこの主人公の懐の大きさに取り込まれている感じ、少し悔しくもあるが、今後の展開が非常に気になる。 7点(2009-04-09 09:32:19) |
36. 銀魂
シリアスパートと、最近マンネリ化している展開はしんどいが、私としては笑いの波長が合っているのでそう無碍に扱いにくい作品。最近、絵が荒いのが気になるところですね。 人気作品の旨味をもう少し味わいたいのはわかるが、コノ作者には宇宙人とか侍とか出ないギャグ作品を描いてほしい。 5点(2009-03-18 18:59:11) |
37. シュガーはお年頃
《ネタバレ》 二宮ひかるにしては「裸率低め」で、二宮ひかるの近年の傾向なのか、イナカの高校生モノ。読んでいて感じるのは、展開の読めなさと、相変わらずのキャラクター内面の面倒くささ。しかし、今回もやはり、嫌悪感が湧いてこないんですよね。 集団に溶け込めない、同性の友達が少ない女子って私、正直苦手なはずなんですが。くそう二宮作品め!みたいな。 6点(2009-02-27 17:41:26) |
38. トリコ
しまぶーには何の期待もしていなかったが、まだこんな余力が残っていたとは。良い意味でも悪い意味でも、小学生読者らを牽引する展開が巧い。 説明描写に「HUNTER×HUNTER」の影響が見受けられ、この「長いものには巻かれろ」的な作者の作家としてのスタンスに時折イラッとくる。 5点(2009-02-16 06:13:05) |
39. バクマン。
原作者や登場人物のマンガに対する愛情や熱意が、実に薄っぺらくコッケイに映る。このマンガを読んで漫画家を目指そうとしている人間に、面白いマンガなんて絶対描けない。マンガ舐めんなよ。 2点(2009-02-16 05:59:10) |
40. みなみけ
この漫画、ヤンマガ誌で掲載しているからこそのソコソコ面白いのであって、竹書房・双葉社・ぶんか社なんかの「ほんわか萌える4コマ誌」なんかで掲載されていたら完全にノーマークしているであろう漫画。 しかし、随所に台詞回しの上手さもうかがえたりで、一応及第以上の評価。暇つぶしには丁度いいカンジ。 6点(2009-01-06 07:30:06) |