21. オールラウンダー廻
前作「EDEN」で、ソコソコ魅せていた格闘技描写ですが、まさか「総合格闘技」なんて出涸らしみたいなジャンルに移行するとは…って、アレ?よく考えれば「何でもアリの格闘技漫画」や「何でも組み合わせ異種格闘技戦漫画」は数あれど、キチンとした「総合格闘技マンガ」って言うのは、このマンガが初めてか。 とりあえず、主人公・廻の試合や男男した描写、ライバルとの乖離やヤクザなエピソードなどよりも、脇の女子ファイター同士の戦いに作者の力が入っているように見えるのは…気のせいか?いや、これはこれで…いいとおもいます。 (いや、格闘技描写も比類ないくらいにアツいんですけどね) 7点(2012-01-17 08:34:57) |
22. 乙嫁語り
19世紀のシルクロード、遊牧民の生活風景を、無理なく見事に「森薫ワールド」に取り込みつつ、美しく彩っている。森薫自身の「描く事への喜び」が、絵やコマから満ち溢れてきそうですね。 というか「森薫の作家性なんて、メイド(英)100%で構成されてるに違いない」と思っていた私が、ウルトラ・アサハカでした。 9点(2011-09-28 06:16:10) |
23. 乱と灰色の世界
「群青学舎」で、才能を発揮した入江亜季。今度は和テイストのする魔法一家マンガとは。ちょっと驚いた。個性的なキャラクター群と、物語の骨子に垣間見る世界観が楽しい。 蛇足ですが…このマンガのおかげで、私の内にあった「ほくろ萌え」という未灯のロウソクに、火が灯りました。 8点(2011-09-28 05:36:57) |
24. 惑星のさみだれ
小規模ではあるが、壮大。軽妙であるが、真摯。決して認知度は高くない作品だが、私的にはここ10年でピカイチの少年漫画だった。 勤務先からの帰宅途中の電車内で最終巻を読んで大いに感動し、衆目の中であやうくボロ泣きするところだった。めっさ奥歯を噛み締めて読む羽目に。 水上悟志、恐るべし&ありがとう。 10点(2011-09-11 01:06:34) |
25. 青い花
正直百合物って、超苦手なんです。が、やはりここは志村節。イライラしたりネチネチしたりウットリしてしまいがちなジャンルにもかかわらず、緩々と淡々と物語をこなして行く手練は見事。 【追記】2011年発行の最新刊・6巻で、物語が静かに急展開!ホント、志村貴子って曲者です。 7点(2011-06-30 00:36:35) |
26. ホーリーランド
《ネタバレ》 独特な格闘技理論や主人公の内面が、他と一線を画していて面白い。殴られる主人公の痛みと殴る主人公の痛みの描写が妙な説得力を持っていて、思わず息を呑む。特に、主人公が傷つきながら、闇雲ながらに「前」に進もうとする姿が印象的。人間関係・社会・自分自身との「格闘」をテーマにして、真摯に描かれた名作品だったと思う。イイ話だった。 8点(2011-04-23 02:43:05) |
27. 進撃の巨人
万人数多の漫画家が踏倒したであろうどのジャンルにも属さない、孤高な雰囲気がスゴイ。 初めて読んだ時は、とにかく「すげぇ…すげぇな…すげぇ」と、ブツブツと言いながら読んでました。(きみわるい) 8点(2011-04-19 00:46:54) |
28. ドントクライ、ガール
前作(?)「LOVE,HATE,LOVE」を読んでファンになりましたが、この作品を読んでますますヤマシタトモコのファンになりました。 ちょっとギャグのテンポがクドイような気もしますが、BL作品をもこなすと言うこの作家、筆幅はナカナカ広いようです。 6点(2011-04-19 00:36:22) |
29. BLACK LAGOON
《ネタバレ》 折角の濃口ガンアクションと、台詞の多さや展開の重さが背反しているような気もするが、読み応えはある。 というか読後の私は、作者の目論見どおり(?)の「ビッチ萌え」と化しました。うーん。大したモンである。 しかし、ロックが自分の勤務している商社に裏切られて、会社を辞めるのは理解できるが、それが日本での生活や家族をも捨てる動機になるのか?それらに対してロックの心情が何も語られていない、という点が、ちょっと腑に落ちなかったりする。 だが作品自体が持つの磁力は大したもので、ヘンデル・グレーテルVSバラライカの物語や、トチ狂ったメイドの拷問シーンなど、悪趣味すぎて実際チョッと退いたりするんですが、アアレヨアレヨとグイグイ引っ張られるように読まされてしまいました。 個人的にはとりあえず、巻末の魔法少女レヴィも捨てがたいのだが、シェンホアの胡散臭い目としゃべり方が大好きです。 7点(2010-10-27 09:16:12) |
30. この世界の片隅に
どこか牧歌的で、穏やかな表現・筆致なのに、そこに清濁併せ持った感情の全てが静かに込められている。 もっと大袈裟に、お涙頂戴的に、押し付けがましい教科書的な作品になってしまいそうな昭和戦時下の日常物語を、こうの史代の真骨頂ともいえる語り口で丁寧・丹念に描ききっている。 こうの史代漫画の神がかり的なバランス感覚は、もう見事としか言いようがない。 10点(2010-09-30 02:19:16) |
31. 魔人探偵脳噛ネウロ
ヒネリの効いたビジュアルセンスは相当なモノ。キャラクターも(悪役の描写が、特に)悪くない。 ただ、ミステリのようでミステリでない設定の中途半端さが非常にもどかしく、惜しい。 6点(2010-07-29 23:50:07) |
32. 珈琲時間
豊田徹也の演出の小器用さと、引き出しの多さを堪能させてもらった。「アンダーカレント」や氏のデビュー作などのキャラクターがちょろちょろと出演している所が、嬉しい。 8点(2010-02-12 17:09:30) |
33. とろける鉄工所
「鉄工所」という舞台設定の縛りがありながらも、毎回毎回「へ~」と思わせながら飽きずに読ませてくれる。意外と器用な作家なのかもしれない。 6点(2009-12-28 06:14:08) |
34. きのう何食べた?
節約重視の家庭料理を貧乏臭くさせず、ゲイの主人公たちをアケスケに描写もせず。しかも、オッサン読者率の高いモーニング紙上で浮く事無く、そこそこ面白いのだから、不思議。 よしながふみの器用さには、感心させられる。 6点(2009-12-28 06:07:05) |
35. 茄子
《ネタバレ》 物語自体、どれも小技が効いていて面白いんですが、毎回「茄子」を絡めて短編連作を描こうとした、黒田硫黄の無茶な作家性が何よりも面白い。 7点(2009-10-09 01:15:59) |
36. からん
京阪神の微妙に違う描写に、芸の細かさを感じる。柔道と京女という食い合わせの悪さを、まるで感じさせないのも、スゴイ。 蛇足ながら主将の真昼間の街頭でビールを飲ませるというセンス、今の時代には稀有だと思う。木村紺、恐るべし。 7点(2009-08-28 15:41:59) |
37. 巨娘
木村紺がぶっ壊れたのかと思うくらいに、意外で、面白かった。 8点(2009-08-28 15:37:44) |
38. げんしけん
キャラクターの内面の生々しさと、そんな訳ねぇよ的な非現実感っぽさの折り合いがついていないような気がしました。加えて登場人物のどうしよもない「駄目っぷり」が邪魔して、甘酸っぱいハナシも消化不良。読後に一言言わせて頂くなら「ファッキン・モラトリアム!」といった所でしょうか。 ホトホト木尾士目の青臭い青春モノは、読んでいてイタイ。しかし、そのイタさもこの作家の魅力なんですよね。 5点(2009-07-27 06:56:42) |
39. D.Gray-man
絵はキレイだしキャラクターも魅力的なのだが、異様に読みにくい。「アニメ関係者は漫画家に向かない」というジンクスを、少し感じたりした。 5点(2009-07-27 06:46:59) |
40. 昴
曽田正人のワルノリ(?)とバレエの相性が意外とマッチしていて面白かった。 様々な悲劇が主人公・スバルを襲うが、昴のバレエに対するスタンスと、舞台以外の日常生活のフテブテしさは安定しているという点に、安心。 終盤の絵の荒さも、特に気にならず。 8点(2009-07-27 06:36:35) |