21. 戦国妖狐
《ネタバレ》 室町時代を舞台にした、水上悟志の妖怪モノ。相変わらず、軽妙さと神妙さ、そしてアツさのバランスが異様に取れていて、グッとくる。 8点(2012-05-19 00:52:05) |
22. Landreaall
亜流の域を出ない女子向けファンタジー漫画がウンザリするくらい蔓延している中で、それらと一緒に埋もれてしまってる感のある隠れた良作。 人間描写と世界観、ちょっとした格闘技考察がしっかりしていて面白い。 8点(2012-04-14 01:06:12) |
23. 大東京トイボックス
前作に感じていた窮屈さも、掲載誌が変わった今作はノビノビとした展開。前作よりも「クリエイターとしての産みの苦しみ」がチリチリと伝わってきます。ゲーム業界のみならず、すべてのクリエイター志望者に読んでもらいたいアツイ作品。 長短のあるキャラクター群も、魅力的。 8点(2012-03-10 00:48:39) |
24. ちはやふる
競技かるたという超マイナーで取っ付きにくいジャンルを、丁寧に噛み砕いてアツい展開に持っていく作者の度量に感服。 この展開に、女性誌的なラブ要素が加われば…と思いながら読むも、そこらへんは作者も苦労しているみたいですね。物語の勢いを殺すくらいなら、このかるたとラブ要素の比率は変えなくてもイイのかも。 8点(2012-03-03 01:24:48) |
25. 外天楼
ヘンテコな異色(ある意味正統?)ミステリ漫画。 良い意味でも悪い意味でも、石黒正数にだまされる。 私のような「それ町」や、他の短編連作を愛読しているファンなら、特に。 8点(2012-02-04 00:56:29) |
26. 乱と灰色の世界
「群青学舎」で、才能を発揮した入江亜季。今度は和テイストのする魔法一家マンガとは。ちょっと驚いた。個性的なキャラクター群と、物語の骨子に垣間見る世界観が楽しい。 蛇足ですが…このマンガのおかげで、私の内にあった「ほくろ萌え」という未灯のロウソクに、火が灯りました。 8点(2011-09-28 01:04:54) |
27. 進撃の巨人
万人数多の漫画家が踏倒したであろうどのジャンルにも属さない、孤高な雰囲気がスゴイ。 初めて読んだ時は、とにかく「すげぇ…すげぇな…すげぇ」と、ブツブツと言いながら読んでました。(きみわるい) 8点(2011-04-19 00:46:54) |
28. 珈琲時間
豊田徹也の演出の小器用さと、引き出しの多さを堪能させてもらった。「アンダーカレント」や氏のデビュー作などのキャラクターがちょろちょろと出演している所が、嬉しい。 8点(2010-02-12 17:09:30) |
29. 巨娘
木村紺がぶっ壊れたのかと思うくらいに、意外で、面白かった。 8点(2009-08-28 15:37:44) |
30. 昴
曽田正人のワルノリ(?)とバレエの相性が意外とマッチしていて面白かった。 様々な悲劇が主人公・スバルを襲うが、昴のバレエに対するスタンスと、舞台以外の日常生活のフテブテしさは安定しているという点に、安心。 終盤の絵の荒さも、特に気にならず。 8点(2009-07-27 06:36:35) |
31. 邪眼は月輪に飛ぶ
《ネタバレ》 「藤田和日郎」を知るための一冊としては、これ以上ない作品。寓意を込めたエンタテイメントを描かせると、藤田和日郎はホントに巧い。姿を見ただけで生き物すべてを呪殺してしまう敵役の怪鳥「ミネルヴァ」も(本当は悲しい性を持つが)、非常に怖い。こういうのを描かせると、藤田和日郎は…(以下略)。 8点(2008-10-18 01:19:27) |
32. 天顕祭
《ネタバレ》 漫画チェックは結構コマメにしているが、同人誌作品までは手が出せない。鉱脈が広大すぎて、とてもじゃないがチェックしきれない。 そんな「同人誌」界から「文化庁メディア賞」というお墨付きで登場した、この作品には驚いた。 商業誌作品に勝るとも劣らない完成度と、同人誌作品の本領をフル発揮したような自由度の高さが、素晴らしい。(同人誌作品にアリガチな)キャラクターや物語に過度な依存もなく、そのバランス感覚のよさにも驚かされた。神話がベースのファンタジー系作品がニガテな私にも非常に読みやすく、ナルホド上橋菜緒子の推薦も納得である。 こんな良質な作品に巡り合わせた文化庁・サンクチュアリ出版に、私はヒタスラ・ヒレフスばかりだ。まだまだこんな「鉱脈」が存在していると思うと、この(同人誌)業界も捨てたモンじゃないなぁ。まったく気が気じゃない。 8点(2008-10-16 22:53:24) |
33. 皇国の守護者
基本的に「戦争モノ」「ファンタジー・モノ」「IFモノ」って苦手なんですが、この作品はハマりましたね。 原作(未読)の素晴らしさとキャラクターの血肉の通わせ方が非常にうまく、舞台設定の巧妙さも面白かった。 残念ながらウルトラジャンプ誌上では打ち切りになってしまい、中途半端な評価しかできない点が、非常に惜しい。しかし、打ち切り作品のピリオドの打ち方としては、上等。 集英社以外の他誌で掲載されていたら、もう少し納得のいくトコロまで描き切れたであろう。個人的には高評価だが、非常に残念。 8点(2008-10-09 20:52:18) |
34. それでも町は廻っている
数人の知人から薦められたので、書店にて本書を手に取り、「メイド喫茶で働くドジっ娘女子高生」が主人公の生活系やんわりミステリ漫画だ、と、ジャケで判断。まったく、数人の知人は、何考えてんだ?「エマ」が面白いだとか坂木司の「生活系ミステリ」が最近好きだとは言ったが、これはナイ。と、判断したのが一昨年だっけか。 数人の知人よ。俺が悪かった。読んだ。「それ町」を。完全に「食わず嫌い」でした。 小田扉の「腑抜け」な笑いと、あずまきよひこの「ズレた」笑いの中間点のような読後感でした。時折にジーンとくるイイ話もあるんですが、最後は笑いで落としてくる作者のコダワリもミエカクレしていて面白かった。作者自体ミステリファンなのか、伏線の張り方もかなり巧妙。下町の物語なのにタビタビ登場する宇宙人が、今後どういう展開で絡んでくるのか?にも、期待です。 そして、この作品は(2008年現在)未だ燻りつつある世のメイド・ムーブメントに対して、「エマ」とは全くの別路線で対峙している漫画だ!とも、勝手に感じた。石黒正数、恐るべし。 8点(2008-09-17 22:13:44) |
35. 海街diary
こういうホームドラマ(?)を描かせても、きっちり面白い吉田秋生。物語とキャラクターの寄り添い方なんかが、やっぱ抜群です。読後の爽やかさ、切なさ、温かさも、素晴らしい。一歩間違えればベタつきそうな物語なのに、吉田秋生の筆致が効いていて切れ味も良い。流石です。 蛇足ながら、こういう物語を同世代の作家「○○ふみ」あたりが描くと、異様にオバハンっぽくなるんですよね。 8点(2008-06-29 04:59:50) |
36. うさぎドロップ
三十過ぎの「大吉」と、小学生になったばかりの「りん」。育児経験皆無の大吉が毎日をイッパイイッパイになりながら、日常をクリアしていく。 大吉がりんに見せているのは不器用ながらもキチンと人間と向き合う姿勢だと、思う。そんな大人の義務感と、ささやかで父性愛っぽい何かで大吉はりんと向き合い、りんは育つ。 同じ三十男として、読後に私も頑張らなきゃな、と、思う。独身者としては気軽なエールしか送れないのだが。涙笑。 5巻からは、まさかの10年後編(?)スタート。ますます目が離せない展開になってきました。 蛇足ながら考えるのが、「うさぎドロップ」のタイトルの意味。今のところ、意味はよくわからないが、何となく雰囲気は「うさぎドロップ」ですよね。 8点(2008-05-27 23:31:23) |
37. ホーリーランド
《ネタバレ》 独特な格闘技理論や主人公の内面が、他と一線を画していて面白い。殴られる主人公の痛みと殴る主人公の痛みの描写が妙な説得力を持っていて、思わず息を呑む。特に、主人公が傷つきながら、闇雲ながらに「前」に進もうとする姿が印象的。人間関係・社会・自分自身との「格闘」をテーマにして、真摯に描かれた名作品だったと思う。イイ話だった。 8点(2008-05-26 23:34:32) |
38. おひっこし
血生臭いネオ時代劇「無限の住人」の作風が印象強い沙村広明。その作者がラブコメを描くとは。その意外性には正直驚いた。そして、まぁ、案の定的な小器用さに驚いたというか、笑えたというか。面白かった。 8点(2008-02-13 23:41:38) |
39. ラブロマ
真っ直ぐながらも、どこか変化球っぽい作風が面白い。テンポよく読ませると同時に、物語を「A・Bside、ボーナストラック」とミュージックアルバム風に仕分ける構成が新しく、キラリ光る個性だと思う。正直に生きるという事は決してキレイ事なんかじゃなく、現実の清濁を併せ呑み向き合うことなのだと、達観しつつもどこかコミカルに生きる正直キングな主人公ホシノに、好感。 8点(2007-12-18 21:41:04) |
40. もやしもん
《ネタバレ》 細菌は肉眼で(デフォルメされて)見えてしまう主人公が、農大でユルユルと奮闘するという、お話。食品、酒、病原体に関するウンチクが満載で勉強になる。もちろん、エンタテイメント性も高い。作者の嗜好か、女性キャラクターのフェチっぽいコスチュームが、また面白かったりする。個人的には武藤派。 8点(2007-12-05 06:05:26) |