61. 3月のライオン
ウミノ作品は「キャラクター」の心情表現が面白く、将棋というイササカ・マニアックな世界を描く上でもそれらが発揮されているという点に、まず驚いた。将棋漫画の原作やプロ戦の麻雀対局、競馬予想コーナーなどでチョコチョコと名を見る先崎学がバックについているのも、興味深い。ちょっと目が離せない作品である。 7点(2008-12-16 00:51:29) |
62. 泣く侍
原作付き作品が多い中山昌亮のオリジナル作品で、時代劇ロードムービー風漫画。 凄惨でゾッとする描写も多いが、キリキリとした緊張感、(時代劇漫画だけに)切れ味の良さが、見事。こういう作品、中山昌亮の真骨頂ともいえる。 7点(2008-06-07 02:02:38) |
63. FLIP FLAP
作品ノリは前作の「ラブロマ」と同じで、特に真新しさは感じなかったものの、やっぱ面白かった。イチローの内野安打的ヒットというか、小西康晴的POPさというか。この作家のセンス、なんでしょうね。 ピンボールをプレイしているときの主人公の心理描写が、特に興味深かったです。 改めて言われてみると、そういや見かけなくなったピンボール。最近は、ゲームセンターでピンボールをついつい探してしまう。 7点(2008-06-05 23:05:12) |
64. とめはねっ! 鈴里高校書道部
「帯をギュッとね!」(柔道)→「モンキーターン」(競艇)→と来て、今度は何の漫画か?と思いきや「書道漫画」とは。 毎度毎度、河合克敏の突拍子の無さには驚かされる。何よりも「初心者には何の興味も無いようなジャンル」をキッチリとエンタテイメントに仕上げる手練に驚かされる。 書道漫画といえば過去にビッグコミックスピリッツで、女子高生が主人公の書道漫画(タイトルは失念)が存在し、(個人的には面白かったが)不人気ゆえに連載終了した。マンガにするにはテーマが難しすぎた、と、当時は思った。が、この「とめはねっ!」の安定振りは、一体何なのか。河合克敏、恐るべしである。 7点(2008-05-17 00:54:43) |
65. ブラッドハーレーの馬車
「無限の住人」を読んでいて「この作者、サドっぽい描写多いなぁ」とソコハカと感じていたが、この「ブラッドハーレーの馬車」を読んで、あぁやっぱり!?と、確信した。エロ、というより、ブラッドハーレー家にまつわる彼女らの凄惨な一生、という感じ。(われながら)おとこのひとって、どうしょうもないなぁ、と、感じた。 7点(2008-02-13 23:51:20) |
66. BLEACH
死神の持つ刀・斬魄刀というアイテムで、超能力の具現化に成功しているのが面白い。ゴリ押しではない迫力、軽妙ではあるが軽薄でないテンポ、複雑さを排除しつつも巧妙に張られた伏線、等々の演出もうまい。ナルシズムに凝り固まらない絵のセンス、「数打ゃ当たる」的でもあるがキチンとした骨子のある魅力的キャラクター群なんかにも、好感。ジャンプ漫画特有の「パワーバランスのインフレ」や「腐り女子対応型路線」が危惧されるが、今のところ(2007年度)は大丈夫っぽい。 7点(2007-12-18 22:02:10) |
67. ハチミツとクローバー
私の周りの同世代のオッサンの漫画読みが次々とハマッていったという経緯を持つ、全方位一方通行ラブストーリー(コメディ)漫画。 繊細な語り口調と、独自の高テンポなギャグが良い感じで噛み合っている。ライトな作風ではあるが、登場人物がしっかり練れている感じで、読み応えもある。終盤は少し急ぎ足っぽく感じるものの、最終回の切なさは見事だった。 7点(2007-12-05 06:24:50) |
68. ラヴ・バズ
《ネタバレ》 ヘタレで根性無しで自暴自棄気味の女子プロレスラーが、リングと育児と日常と戦うお話。志村貴子の引き出しの多さにチョッとビックリした。 7点(2007-12-05 05:55:36) |
69. 青い花
正直百合物って、超苦手なんです。が、やはりここは志村節。イライラしたりネチネチしたりウットリしてしまいがちなジャンルにもかかわらず、緩々と淡々と物語をこなして行く手練は見事。 【追記】2011年発行の最新刊・6巻で、物語が静かに急展開!ホント、志村貴子って曲者です。 7点(2007-12-05 05:44:27) |
70. 監督不行届
庵野秀明の実態(とはいえ、ある程度虚像でしょうが)と、安野モヨコのカミングアウトが面白い。「働きマン」や「花とミツバチ」等の男性誌ではソコソコ面白く、フィールヤング等の女性誌での活躍ではスタイリッシュな作風が印象的で、「美人画報」では「何かイヤな女っぽいな」と思わせた(というか、勝手に思っていた)安野モヨコだったが。そうか。オタクだったのか…。 7点(2007-11-30 21:40:04) |
71. 武装錬金
るろうに剣心をはじめ、「面白そうだけど、どこか好きになれない」といった感じの和月伸宏作品ではあるが、武装錬金は面白かった。ヒロイン津村斗貴子が、この作品の総てと言っても過言では、ない!(馬鹿発言)そうだ!俺はツンデレ好きだったんだな!(カミングアウト) 7点(2007-11-15 07:35:47) |
72. 岳
山の素晴らしさを伝えると同時に、そこにある日常的な「死」についてもキッチリと伝えてくる。そこに「押し付けがましさ」や「説教臭さ」は殆どなく、このマンガは訥々と語りかけてくる。残念ながら登山趣味を持たない私ではあるが、このマンガは面白かった。 7点(2007-11-15 07:17:36) |
73. LA QUINTA CAMERA ~5番目の部屋~
《ネタバレ》 イタリアで暮らす男四人の友情劇。四人の個性が丁寧にまとまり、ほのぼのとしつつもキチンとしたドラマに仕立てあがっている。見事。作者のイタリアに対する思い入れも、独り善がりにならずキッチリと伝わってきて、楽しくなってくる。 7点(2007-11-14 04:49:13) |
74. お茶にごす。
テイスト甘めでユルイ漫画が多い最近の少年サンデー誌上で、稀有なまでに自分の世界観を崩さない西森博之作のヤンキー×茶道という「くっつけりゃイイってもんでもねーべよ!?」とツイ突っ込みたくなる漫画。 平凡な高校に伝説のヤンキーが入学!そして茶道部に!という展開は、いかにも西森節で面白い。飽きないし、プッと笑わすの、うまいよなー。 7点(2007-10-23 02:17:11) |
75. のだめカンタービレ
笑いのツボをキッチリ押さえるソツの無さだけでなく、キャラクター群の配置、オーケストラシーンの表現力などが、見事。この作品の影響でクラシックCDがアホほど売れたというのも、頷ける。他、「BECK」「デトロイト・メタル・シティ」など、「音楽漫画に名作なし」というジンクスを突破した力作が次々連発されたが、「のだめ」は半馬身リードしている感じ。ある意味、迷作。 7点(2007-10-18 04:33:06) |
76. DEATH NOTE
台詞の多い漫画というのは、漫画表現の敗北とも言えなくもない。しかし、会話劇や絶妙な駆け引きの緊張感は他作品と比べるべくもなく、稀有で秀逸といえる。「もし実際にデスノートを手に入れたら…」とついつい考えさせられてしまう。「もし実際にドラえもんがいたら…」と、考えさせられる作品の力とでも、いうか。小畑健の作画も、美しい。 7点(2007-10-08 01:14:41) |
77. ヨルムンガンド
《ネタバレ》 最終話の「そのオチはヒドイんじゃねぇか?」という評価を聞きますが、私的には支持したい。だがしかし、ココの掲げた「新世界」を描かずに「ご想像にお任せします」で締めくくられちゃ、ねぇ。物足りないという意見も、確かに無視できないのかも。 デビュー時から気になっていた高橋慶太郎の初連載という嬉しさ、そして、色々考えさせてくれる物語で興味深かった、という二点が、評価対象でしたねぇ。 6点(2012-05-19 01:09:37) |
78. 東京トイボックス
物語進行にちょっとしたブレを感じましたが、クリエイターとしての葛藤や、ゲーム業界のアレコレなどが伝わってきました。 6点(2012-03-10 00:43:17) |
79. ドントクライ、ガール
前作(?)「LOVE,HATE,LOVE」を読んでファンになりましたが、この作品を読んでますますヤマシタトモコのファンになりました。 ちょっとギャグのテンポがクドイような気もしますが、BL作品をもこなすと言うこの作家、筆幅はナカナカ広いようです。 6点(2011-04-19 00:36:22) |
80. 魔人探偵脳噛ネウロ
ヒネリの効いたビジュアルセンスは相当なモノ。キャラクターも(悪役の描写が、特に)悪くない。 ただ、ミステリのようでミステリでない設定の中途半端さが非常にもどかしく、惜しい。 6点(2010-07-29 23:50:07) |