61. Gunslinger Girl
《ネタバレ》 「少女×ガンアクション」という取り合わせが、下品で大嫌いでした。しかもイタリア政府の殺し屋の少女。改造もされていて、洗脳までされている。相方は政府組織の男性職員。とほほほ。何でそんな悪趣味な設定にするのか。面白い訳、ねーな!と、高をくくっていた。 しかし、読み進めていく内にどんどん深みにハマっていった。設定は、相変わらず下品だと思っている。が、何と言うか、コッ恥ずかしいが、照れ臭いが、少女たちの長くない人生や幸せが、正しく「可憐」なんである。 ギリギリな所で「人形」ではなく「人間」として生きている少女たち。 何と言うか、今後の展開が気になります。 【ここまで9巻までの感想・以下、最終巻まで読んで】 一期生パートから二期生ペトルーシュカ登場というシフトチェンジで、物語の焦点が霞んだように思えたが、各々が迎えた終焉にグッと来た。 ラストに紡がれた「希望」が、眩い。 9点(2008-06-05 23:45:55) |
62. FLIP FLAP
作品ノリは前作の「ラブロマ」と同じで、特に真新しさは感じなかったものの、やっぱ面白かった。イチローの内野安打的ヒットというか、小西康晴的POPさというか。この作家のセンス、なんでしょうね。 ピンボールをプレイしているときの主人公の心理描写が、特に興味深かったです。 改めて言われてみると、そういや見かけなくなったピンボール。最近は、ゲームセンターでピンボールをついつい探してしまう。 7点(2008-06-05 23:05:12) |
63. ルート225
結構面白いジュブナイルもので、(遠野千夜)原作の雰囲気と(志村貴子)作画のバランスもかなりイイんですけど、個人的にはちょっと物足りなかったなぁ。短いせいかな?しかし、くだらない姉弟喧嘩の描写は、さすが志村貴子といったところ。 6点(2008-06-01 22:14:27) |
64. うさぎドロップ
三十過ぎの「大吉」と、小学生になったばかりの「りん」。育児経験皆無の大吉が毎日をイッパイイッパイになりながら、日常をクリアしていく。 大吉がりんに見せているのは不器用ながらもキチンと人間と向き合う姿勢だと、思う。そんな大人の義務感と、ささやかで父性愛っぽい何かで大吉はりんと向き合い、りんは育つ。 同じ三十男として、読後に私も頑張らなきゃな、と、思う。独身者としては気軽なエールしか送れないのだが。涙笑。 5巻からは、まさかの10年後編(?)スタート。ますます目が離せない展開になってきました。 蛇足ながら考えるのが、「うさぎドロップ」のタイトルの意味。今のところ、意味はよくわからないが、何となく雰囲気は「うさぎドロップ」ですよね。 8点(2008-05-27 23:31:23) |
65. ホーリーランド
《ネタバレ》 独特な格闘技理論や主人公の内面が、他と一線を画していて面白い。殴られる主人公の痛みと殴る主人公の痛みの描写が妙な説得力を持っていて、思わず息を呑む。特に、主人公が傷つきながら、闇雲ながらに「前」に進もうとする姿が印象的。人間関係・社会・自分自身との「格闘」をテーマにして、真摯に描かれた名作品だったと思う。イイ話だった。 8点(2008-05-26 23:34:32) |
66. らき☆すた
読者に媚びる生臭さと計算高さが鼻につき、素直に楽しめない。奥瀬サキ風に言うなら、マイノリティ同士がツルむ時のような居心地の悪さを感じる。マニアックなネタや笑いどころは(悲しいながらも)理解できる。が、それが笑いに直結し辛い。キャラは可愛いんだけど、それもどこか予定調和的というか。魅力を感じない。残念。 4点(2008-05-20 23:25:37) |
67. とめはねっ! 鈴里高校書道部
「帯をギュッとね!」(柔道)→「モンキーターン」(競艇)→と来て、今度は何の漫画か?と思いきや「書道漫画」とは。 毎度毎度、河合克敏の突拍子の無さには驚かされる。何よりも「初心者には何の興味も無いようなジャンル」をキッチリとエンタテイメントに仕上げる手練に驚かされる。 書道漫画といえば過去にビッグコミックスピリッツで、女子高生が主人公の書道漫画(タイトルは失念)が存在し、(個人的には面白かったが)不人気ゆえに連載終了した。マンガにするにはテーマが難しすぎた、と、当時は思った。が、この「とめはねっ!」の安定振りは、一体何なのか。河合克敏、恐るべしである。 7点(2008-05-17 00:54:43) |
68. Jの総て
マリリン・モンローに憧れる(男)主人公「J」の波乱万丈な青春を、見事に描き上げた怪作。カテゴリとしては私のちょーニガテな同性愛モノか。しかし何て言うか、身も心もボロボロにしながらも幸せに近づこうとする「J」の生き様にハラハラし、ドキドキし、涙し、最終回には感動。全く、こういうジャンルにも楽しめる作品があろうとは。 主人公Jはトランスセクシャル(性同一性障害)なんで、イワユル「BLモノ」とはチョッと違うんですが、まぁ、試しに如何か?といった所。 9点(2008-05-17 00:41:34) |
69. うえきの法則
「戦国甲子園」に対して→「鳥山明」、「烈火の炎」に対して→「幽遊白書」、そして「うえきの法則」に対して→「尾田栄一郎」と、何故か少年サンデーの連載枠には「なんちゃってジャンプ作品」という意味不明な枠があるね。ま、その手の二匹目のドジョウなんて、評価するの馬鹿らしいのだが、何気にアニメ化しているんですよね。笑。 現在(2008年現在)は「LOST+BRAIN」→「デスノート」と、なんちゃってジャンプ枠、健在中。 2点(2008-05-04 05:30:16) |
70. 群青学舎
素敵な物語を、丁寧に、真正面から描く。てらわず、ひねらず。「学舎」をテーマに描き綴られた珠玉といえる作品群に、只々溜息。三巻に収録されている「薄明」が特に素晴らしく、ああ、この歳になっても漫画読むヒトでよかった、と、思わずにいられない。 10点(2008-05-04 01:18:01) |
71. エマ
《ネタバレ》 近年の「メイド・ブーム」のA級戦犯的な作品ではあるが、そんな一過性のブームとは無縁といってもいいくらい真っ当なラブロマンスの王道作品。作者の個人的嗜好が暴走しまくった漫画に名作は生まれ難いと思っていたが、考え直さなければ、と思った。森薫=メイドの図式同様、イタリア老紳士=オノナツメのように。笑。 最終回は、漫画史に残ってもおかしくない位のハッピーエンド。 森薫、次回作もメイドを描くのかなぁ。 9点(2008-05-04 01:01:50) |
72. 謎の彼女X
植芝理一の漫画っていつも微妙なんですが、この作品はギリギリ大丈夫かな。うたたねひろゆき、藤島康介、園田健一が苦手な私にとって、何とかギリギリ読めるアフタヌーン作品の中のひとつ。行為に至らないエロが、逆にえっちで面白い。 6点(2008-04-20 15:03:33) |
73. ハヤテのごとく
悪趣味だが、その悪趣味さに突出していないのが難点。オタクに媚びる漫画は、甘え上手の天然嬢を相手にしているような虚しさを感じる。アニメネタが多く、わかる奴にしかわからない笑いが多いのも、しんどい。オタク向けのプチ笑い系なら、「らきすた」の方が悪趣味さに突出しているだけ面白いのでは?まぁ、どっちも笑いが複雑で楽しみ難いが。 3点(2008-04-20 14:52:10) |
74. ハチワンダイバー
「月下の棋士」を何度読んでも「将棋」の面白さはイマイチわからなく、「しおんの王」みたいにポップな絵柄ではどうか?と思い読んでみたものの、やっぱりイマイチわからない。いわゆる「将棋漫画」は水が合わないのだ、と思っていた。が、しかし。「ハチワンダイバー」は、面白かった。「受け」「中飛車」「雁木」などの将棋用語にはついていけない感があるものの、ヨクサル氏の独特な勢いとセンスや、馬鹿馬鹿しいくらいに説得力溢れるセリフに圧倒。あの手この手で登場するデタラメ感あふれる真剣師たちのキャラクター群も秀逸。これまでブレイクしそうでしなかったカリスマ・柴田ヨクサル。今後の活躍も期待大です。 9点(2008-04-20 14:42:35) |
75. To LOVEる -とらぶる-
いつの時代にも「少年誌のお色気枠」というのがあるが、このジャンルがまともに評価されているのは永井豪だけなんじゃないかな?ま、「新人作家の登竜門的ジャンル」と言ってもイイこの手の作品を、今更評価対象にするのもアホらしい。「矢吹健太郎って、こんな漫画描くんだ~」と、ちょっと意外性に驚いたが。 3点(2008-04-07 04:13:38) |
76. ブラッドハーレーの馬車
「無限の住人」を読んでいて「この作者、サドっぽい描写多いなぁ」とソコハカと感じていたが、この「ブラッドハーレーの馬車」を読んで、あぁやっぱり!?と、確信した。エロ、というより、ブラッドハーレー家にまつわる彼女らの凄惨な一生、という感じ。(われながら)おとこのひとって、どうしょうもないなぁ、と、感じた。 7点(2008-02-13 23:51:20) |
77. おひっこし
血生臭いネオ時代劇「無限の住人」の作風が印象強い沙村広明。その作者がラブコメを描くとは。その意外性には正直驚いた。そして、まぁ、案の定的な小器用さに驚いたというか、笑えたというか。面白かった。 8点(2008-02-13 23:41:38) |
78. ドラゴン桜
HOW TO物の漫画としても楽しめ、青春物としての楽しみ方もできる。しかし、三田紀房の作品はどれも実利的で面白い。 6点(2008-01-10 16:50:54) |
79. 最終兵器彼女
エロが描きたいなら素直に描けばいいのに、性描写や戦闘シーンが中途半端に露悪的で悪趣味。ライトな作風が余計にイライラする。 2点(2008-01-10 16:40:45) |
80. BLEACH
死神の持つ刀・斬魄刀というアイテムで、超能力の具現化に成功しているのが面白い。ゴリ押しではない迫力、軽妙ではあるが軽薄でないテンポ、複雑さを排除しつつも巧妙に張られた伏線、等々の演出もうまい。ナルシズムに凝り固まらない絵のセンス、「数打ゃ当たる」的でもあるがキチンとした骨子のある魅力的キャラクター群なんかにも、好感。ジャンプ漫画特有の「パワーバランスのインフレ」や「腐り女子対応型路線」が危惧されるが、今のところ(2007年度)は大丈夫っぽい。 7点(2007-12-18 22:02:10) |