41. 臨死!!江古田ちゃん
《ネタバレ》 江古田ちゃんの「あっけらかんとしながらもギリギリと肉迫したセリフ」は今までにないセンス。特に合コンで猛禽のスミを突付く江古田ちゃんの切れ味に、ハンパの無さを感じる。合コンの猛禽叩きも毎回楽しみだが、私的には変なショーパブで働く江古田ちゃんのエピソードが、毎度爆笑。 7点(2008-12-20 00:37:06) |
42. 賭博堕天録カイジ
「金と銀」のツモ有料麻雀や、「天」の限定役麻雀、「アカギ」の採血麻雀など、福本伸行は、普段から麻雀のヘンな特殊ルールばっかり考えているに違いない。笑。しかし、麻雀をする上で破綻しないルール設定がなされている点と、麻雀そのものの醍醐味を失わないあたりが流石と言うか… そしてヤンマガ誌上「カイジ」でも、そんな福本お家芸的な特殊麻雀編をやるとは。麻雀はもちろんの事、麻雀漫画も好きな私としては結構楽しめるんですが。 6点(2008-12-17 03:26:33) |
43. 賭博破戒録カイジ
1980年後半に、パチンコのいわゆる「一発台」にハマっていた私としては、この「沼」の悪意に満ちたギミックの非道さが痛いほどよくわかる。最終回、カイジのちょっぴりミジメなエピソードがかなり面白い。 7点(2008-12-17 03:17:56) |
44. 舞姫 テレプシコーラ(第1部~第2部)
毎月ダ・ヴィンチ誌上でソコソコ楽しんで読ませて頂いているんですが、やはり古典っぽさがちょっとしんどいです。私のような古典少女漫画が苦手で浅眼な高カロリー漫画世代にはツライ物がありますね。でも、毎月読んでるんですよね。 5点(2008-12-16 01:01:38) |
45. 3月のライオン
ウミノ作品は「キャラクター」の心情表現が面白く、将棋というイササカ・マニアックな世界を描く上でもそれらが発揮されているという点に、まず驚いた。将棋漫画の原作やプロ戦の麻雀対局、競馬予想コーナーなどでチョコチョコと名を見る先崎学がバックについているのも、興味深い。ちょっと目が離せない作品である。 7点(2008-12-16 00:51:29) |
46. 道士郎でござる
《ネタバレ》 アメリカ(テキサス)帰りのサムライというケレン味たっぷりな設定も、西森作品だと嫌味に感じないから不思議。いい意味でも悪い意味でも、ホントに器用な作家です。 6点(2008-11-20 23:56:01) |
47. バリハケン
《ネタバレ》 ヤンキーにもオタクにも失礼な世界観と寒いギャグが絶妙な風味を醸し出していて、実に面白くない作品だった。ワザとなのかナチュラルなセンスなのかは分からないが、ヤンキー・オタク・萌えの描写がどことなく古く、雑なのも気になった。 少年ジャンプでの打ち切り作品に、今更オチの悪さまでは言及しないが、最終回もヒドイもんだった。 そしてこんなにも読者層が読めない作品も珍しく、ハテ、この作品はいったい誰を楽しませる漫画だったのか?と、ついつい要らん事を考えてしまう今日この頃である。 1点(2008-10-28 15:36:22) |
48. ソラニン
《ネタバレ》 痛く重い物語なのに、読後に残る確かな満足感と一握のせつなさ。やはり浅野いにおは只者ではない。変なペンネームだが。 蛇足ながら思ったのだが、浅野いにおって「キチンと定期的に前向きな物語を描くよしもとよしとも」みたい。超寡作なよしもとよしともが漫画を描かなくっても、浅野いにおがいれば、いいか、と、最近思うようになった。 9点(2008-10-18 01:50:21) |
49. 荒川アンダーザブリッジ
荒川住人のボケとリクのツッコミに固定しきった展開に正直飽きてきている。最近、絵も荒い。しかし、隠されている重要らしきスジと巻末にあるフルカラーの良さが気になってしょうがないのも確かで、無視できないんですよね中村光。 6点(2008-10-18 01:30:56) |
50. 邪眼は月輪に飛ぶ
《ネタバレ》 「藤田和日郎」を知るための一冊としては、これ以上ない作品。寓意を込めたエンタテイメントを描かせると、藤田和日郎はホントに巧い。姿を見ただけで生き物すべてを呪殺してしまう敵役の怪鳥「ミネルヴァ」も(本当は悲しい性を持つが)、非常に怖い。こういうのを描かせると、藤田和日郎は…(以下略)。 8点(2008-10-18 01:19:27) |
51. へうげもの
山田芳裕作品は好きなんですけど、イワユル「戦国時代」を舞台にした作品ってニガテなんですよね。良くも悪くも「山田芳裕色」にしながら物語を進めていく手練は、相変わらずスゴイとは思うんですが。 6点(2008-10-16 23:04:43) |
52. さらい屋五葉
《ネタバレ》 オノナツメ作品で時代劇が読めるとは思わなかった。しかしオノナツメのセンスと和テイストの融合が非常に面白く、センスのいい作品に仕上がっている。 そのミスマッチさに最近ちょっとした違和感を感じないでもない。面白いんですけど。 6点(2008-10-16 23:00:17) |
53. 天顕祭
《ネタバレ》 漫画チェックは結構コマメにしているが、同人誌作品までは手が出せない。鉱脈が広大すぎて、とてもじゃないがチェックしきれない。 そんな「同人誌」界から「文化庁メディア賞」というお墨付きで登場した、この作品には驚いた。 商業誌作品に勝るとも劣らない完成度と、同人誌作品の本領をフル発揮したような自由度の高さが、素晴らしい。(同人誌作品にアリガチな)キャラクターや物語に過度な依存もなく、そのバランス感覚のよさにも驚かされた。神話がベースのファンタジー系作品がニガテな私にも非常に読みやすく、ナルホド上橋菜緒子の推薦も納得である。 こんな良質な作品に巡り合わせた文化庁・サンクチュアリ出版に、私はヒタスラ・ヒレフスばかりだ。まだまだこんな「鉱脈」が存在していると思うと、この(同人誌)業界も捨てたモンじゃないなぁ。まったく気が気じゃない。 8点(2008-10-16 22:53:24) |
54. 皇国の守護者
基本的に「戦争モノ」「ファンタジー・モノ」「IFモノ」って苦手なんですが、この作品はハマりましたね。 原作(未読)の素晴らしさとキャラクターの血肉の通わせ方が非常にうまく、舞台設定の巧妙さも面白かった。 残念ながらウルトラジャンプ誌上では打ち切りになってしまい、中途半端な評価しかできない点が、非常に惜しい。しかし、打ち切り作品のピリオドの打ち方としては、上等。 集英社以外の他誌で掲載されていたら、もう少し納得のいくトコロまで描き切れたであろう。個人的には高評価だが、非常に残念。 8点(2008-10-09 20:52:18) |
55. それでも町は廻っている
数人の知人から薦められたので、書店にて本書を手に取り、「メイド喫茶で働くドジっ娘女子高生」が主人公の生活系やんわりミステリ漫画だ、と、ジャケで判断。まったく、数人の知人は、何考えてんだ?「エマ」が面白いだとか坂木司の「生活系ミステリ」が最近好きだとは言ったが、これはナイ。と、判断したのが一昨年だっけか。 数人の知人よ。俺が悪かった。読んだ。「それ町」を。完全に「食わず嫌い」でした。 小田扉の「腑抜け」な笑いと、あずまきよひこの「ズレた」笑いの中間点のような読後感でした。時折にジーンとくるイイ話もあるんですが、最後は笑いで落としてくる作者のコダワリもミエカクレしていて面白かった。作者自体ミステリファンなのか、伏線の張り方もかなり巧妙。下町の物語なのにタビタビ登場する宇宙人が、今後どういう展開で絡んでくるのか?にも、期待です。 そして、この作品は(2008年現在)未だ燻りつつある世のメイド・ムーブメントに対して、「エマ」とは全くの別路線で対峙している漫画だ!とも、勝手に感じた。石黒正数、恐るべし。 8点(2008-09-17 22:13:44) |
56. 海街diary
こういうホームドラマ(?)を描かせても、きっちり面白い吉田秋生。物語とキャラクターの寄り添い方なんかが、やっぱ抜群です。読後の爽やかさ、切なさ、温かさも、素晴らしい。一歩間違えればベタつきそうな物語なのに、吉田秋生の筆致が効いていて切れ味も良い。流石です。 蛇足ながら、こういう物語を同世代の作家「○○ふみ」あたりが描くと、異様にオバハンっぽくなるんですよね。 8点(2008-06-29 04:59:50) |
57. ダブルアーツ
この作者、キラリと光る物はあると思うんですが、結局それを発揮できないまま終わってしまいましたね。 「つないだ手を離せない主人公たち」という設定の縛りが、やっぱシンドかったんじゃないでしょうか。 軽妙で味のあるキャラクターは結構スキでしたが、やむなく打ち切り。 個人的には「ゾンビパウダー」が打ち切りになった久保帯人のように、次回作はブレイクすればいいのにな!と、勝手に期待しています。私のこの予感、結構当てにならないんですが。(駄目じゃん!)期待しています。 5点(2008-06-28 22:50:39) |
58. おやすみプンプン
この作品を読んで、改めて「漫画」という鉱脈の無限さを知る。浅野いにおは、今、一番凄いコトをしている漫画家なのかもしれない。 10点(2008-06-28 22:41:07) |
59. 泣く侍
原作付き作品が多い中山昌亮のオリジナル作品で、時代劇ロードムービー風漫画。 凄惨でゾッとする描写も多いが、キリキリとした緊張感、(時代劇漫画だけに)切れ味の良さが、見事。こういう作品、中山昌亮の真骨頂ともいえる。 7点(2008-06-07 02:02:38) |
60. 惑星のさみだれ
小規模ではあるが、壮大。軽妙であるが、真摯。決して認知度は高くない作品だが、私的にはここ10年でピカイチの少年漫画だった。 勤務先からの帰宅途中の電車内で最終巻を読んで大いに感動し、衆目の中であやうくボロ泣きするところだった。めっさ奥歯を噛み締めて読む羽目に。 水上悟志、恐るべし&ありがとう。 10点(2008-06-07 01:32:14) |