181. クリード チャンプを継ぐ男
《ネタバレ》 手堅く作られているとは思う。若い監督だけどロッキーシリーズの大ファンらしく、作品からもそういった敬意は伝わってきた。とはいえ、自己流でやってた選手が、ロッキーがコーチについただけで、最後には世界チャンピンを追い詰めている訳だから、階段を駆け上がりすぎた感は否めない。そんなに甘い世界じゃないでしょうって思っちゃう。2が決まった今だからこその結果論というか、後出しじゃんけんみたいだけど、クリードジュニア1作目で何も世界タイトル戦まで行かなくてもよかったな…というのが正直なところ。しっかり体を作ってきた主演俳優と、円熟の演技を見せたスタローンには拍手。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-22 18:36:39) |
182. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 面白すぎてニヤニヤが止まらなかった。あそこはアドリブで、あれは本音が出ちゃったシーンなんだ。あの不自然な間はそういう事だったんだ。と、答え合わせが楽しいこと。ユーモアのセンスと内田けんじ張りにきっちり計算された脚本の融合。もう一つの大きなポイントはもの作りに対する熱い思い。大人数が一丸となって大きな仕事に挑む。ちょっと嫌な奴だった神谷さん含め、みんな頑張ったし、監督だけならいつものごとく諦めていたであろう場面でも、今回はそこを突破していく存在がいて嬉しかった。チームでやり遂げた達成感、なんて気持ちがいいんだ。あの後、呑んだ酒は間違いなく美味かっただろう。低予算&無名キャストで大ヒットし、日本の映画界にもまだまだ夢があると教えてくれた「カメラを止めるな!」は紛うことなき傑作だった。 [映画館(邦画)] 10点(2018-10-12 23:36:51)(良:1票) |
183. 南瓜とマヨネーズ
《ネタバレ》 <原作未読>人を好きになるのは理屈じゃないってことかな。最後、せいちゃんが自分のためだけに歌ってくれて、泣きながら(でも笑いながら)聴いてるっていうシーンがあるけど、あれは良かった。本当にせいいちのこと好きだったんだな… ていうか今も好き。人生いろいろ、男女間もいろいろだから。そういうわけで(どういうわけで?)たまにはこういう映画も悪くないかなと。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-10-11 23:02:45) |
184. DESTINY 鎌倉ものがたり
<原作未読>悪くないと思った。全体的に温かくて。一色夫妻の別れの前に、堤真一演じる本田さんのエピソードがあって、ちょっと泣ける。ムロツヨシも良いんだな、これが。松竹の方で夫婦を演じている吉行和子・橋爪功コンビしかり、テーマは夫婦愛。貧乏神に朝食を作ってあげるくらい心優しい妻を取り戻しに命を懸けて黄泉の国へ。ちょっと天然が入ってて可愛らしい妻・亜紀子を高畑充希が上手く演じているので、夫・正和の行動にも共感できる。vs天頭鬼はそんなに面白いものではなかったけど、黄泉の国のビジュアルは割りと好みだ。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-10-08 21:34:46) |
185. 先生! 、、、好きになってもいいですか?
《ネタバレ》 <原作未読>安心と信頼の三木ブランド、といったところか。本当に女優を綺麗に撮る。半分はそういった広瀬すずの魅力で出来ている映画だけど、ストーリー的にもテンポが良くて見やすかった。元よりハッピーエンドで締めくくるにはこれしか思いつかなかったけど、伊藤先生がようやく本音をぶつけるシーンには思わず嬉しくなっちゃったし、めでたしめでたしだ。ちなみにロケ地は岡山らしいけど、都会過ぎず田舎過ぎずいい感じだった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-09-18 19:01:10) |
186. 亜人
<原作未読、アニメ版は鑑賞済み>最初、これはまずい事態だと思った。佐藤健はいまいち乗り切れず、綾野剛は明らかに専門外の役を任された感で満ちている。しかしながら見ていくうちに、これはこれで悪くないかなと思い始めた。アクションを第一としたため、こういうキャスティングになったんだと、半分くらいは納得できたので…(二人とも凄い体してんね)。対SAT戦、神経ガス争奪戦など、それなりのレベルにはあったので、ひとつのアクション映画としては楽しめた。一応及第点で。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-09-04 23:00:30) |
187. 新感染 ファイナル・エクスプレス
この世界じゃ神様みたいに扱われてるロメロの作品がトラウマで、以降ゾンビというジャンルは避けてきた。しかしこの「新感染」は日本でも随分話題になったこともあり、どんなものかちょっとだけ…と観始めたら、もう大当たり。韓国映画の質の高さは知ってるつもりだったけど、想像を超えていた。自分にとって一つありがたかったのはグロさが抑えられていたこと。迫力はあるけど、そこまでグロくない。これが見やすさに繋がって、観終えたあとはちょうどいい疲労度だった。人間ドラマもしっかりしているんで、最後はちょっと泣けた。笑顔で…っていう。完成度高いなー。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-01 11:33:12)(良:1票) |
188. ミックス。
あまり楽しめなかった。とにかくテンプレート感が強すぎる。先の展開がことごとく読めてしまうのは良くない。人気絶頂の新垣結衣を使って一本撮ろうみたいな企画なんだろうし、実際それで15億くらい稼いだわけだからガッキーは凄いってことだけど、作り手の熱意みたいなものは殆ど感じなかったな。映像面でも残念ながら神奈川県予選の決勝に相応しい「凄い試合」には映らなかった。これも結局はどれだけこだわって撮れるか、編集できるかという事だから、そこまでのこだわりは無かったのだと思う。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-08-30 23:31:15) |
189. IT イット “それ”が見えたら、終わり。
《ネタバレ》 <原作未読、1990年版も未見>こんな点を付けておいて、おかしな話だけど、なかなか面白かった。半分はホラー映画で、半分は少年少女のひと夏の冒険を描いている。友情に恋に… これに80年代という時代設定が加わったことで、心地よいノスタルジーに浸れた。ただ… 最後の方は嫌気が差してしまった。あのピエロね、ガキんちょにどんだけ苦戦してんだと。負け犬クラブに対する忖度祭りの様相を呈して、いよいよ最終決戦。ベバリーが浮いてて怒り、キスで我に返ってもうひと怒り… もはや、やることなすことすべて受け付けない。ピエロタコ殴りに呆れかえって、血の誓いもまったく響かず。途中までの好印象も、ほとんど嫌悪感で塗り替えられた。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2018-08-28 21:45:52) |
190. ドリーム
《ネタバレ》 評判通りの傑作。「いじめ、カッコ悪い。」っていうCMが昔あったけど、これはもう「差別、カッコ悪い。」と感じずにはいられない。なんだろうなこれは…。やはり彼女たちの戦い方だろうか。至極当然のことを、冷静に、毅然と求める感じ。大人として、社会人として、エリートが集まるNASAの職員として…。そして「前例」となった3人。清々しく、痛快でもある。それぞれに印象的な場面があり、またこれを演じた女優陣も大変良かった。さらにケヴィン・コスナー演じるアル・ハリソン(こちらは架空の人物か…)もすごくカッコよかった。それにしても、別に美人でもないおばさん主演の映画が大ヒットするというのはちょっと羨ましい。アメリカの映画文化の成熟度みたいなものを感じる。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-08-19 23:15:37)(良:1票) |
191. 一週間フレンズ。
<原作未読、アニメ版も未見>「悪くはない」あくまでその範囲内に思ってたのに、最後のパラパラ漫画、なんだあれ。ニュー・シネマ・パラダイスのラストシーン…と言っては大袈裟かもしれないけど、本当にグッときた。あの日々をここまで輝かせるとは恐るべし。思ってる以上に自分はこの映画が好きなんじゃないかっていう、いわば錯覚なんだけど、この錯覚を覚えさせたらもう監督や脚本の勝利だから。素直に高評価で。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-08-08 19:31:23)(良:1票) |
192. 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
《ネタバレ》 2の記憶も薄れてきている中で、完結編だから…と軽い義務感のようなもので観始める。あまり期待はしていなかった。ところがどっこい、意外と面白い! 主人公とその側が猿という点を除けば、復讐もの、監獄もの、といった定番のスタイルを用いて手堅くまとめたからかな。敵のボス「大佐」もただ嫌な奴じゃなく、精神的に病んじゃってるってのがいいね。彼の最期は案の定だったが、伏線の回収というのか、ああいうアイテムの活かし方は見事。ただ、最後は駆け足になり、力業でオリジナル1作目の世界に繋げていく。人類は猿ではなくウイルスに敗北したと言った方が正しいので、この辺りでもカタルシスは殆どないが、普通にやってると人類が優位すぎるので、こういう決着で仕方ないのかな。シーザーはシーザーなりによく頑張ったが…。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-07 19:10:22)(良:1票) |
193. 美しい星
<原作未読>結局、何が言いたかったのかって話になると、それはよく分からない。でも面白いか、面白くないかで言ったら面白かった。生放送で暴走し始めた火星人リリー・フランキー、水星人らしいので政治家への道さえ開けてきた亀梨和也、怪しすぎる佐々木蔵之介、いかがわしいビジネスに手を出した地球人中嶋朋子に、処女のまま妊娠した美しい金星人橋本愛と。家族なので当然だが、これらの物語が絡み合って、まったく間延び感がなかった。さらにシュールなだけではなく、不気味さも程よく残していて、バランスが良いと感じた。ラストに新鮮味があればさらに良かったけど、これはそもそも原作が50年以上前なので致し方ないか。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-07-26 20:35:25) |
194. ベイビー・ドライバー
《ネタバレ》 これはお洒落な映画。音楽に造詣が深ければ8点だけど、そうじゃないので7点。とにかく最後のミッション、郵便局襲撃だ。金は奪った、あとは逃げるだけ…となってからの怒涛の展開! 銃声さえも音楽の一部になっていて、こだわりを感じる。ラスボスはジェイミー・フォックスでもケヴィン・スペイシーでもなくジョン・ハム。いや~しつこい。なぜだか分からないが、80年代、90年代の古き良き時代の洋画を思い出した。最後に関してもあれがベストだろうと思う。構想22年とか言ってたけど、それに見合うあっぱれな出来だった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-18 23:01:36) |
195. 忍びの国
《ネタバレ》 第一次天正伊賀の乱(1579年)を描いたアクション時代劇。侵略される側が人の心を持たない虎狼の族であり、主人公の無門とて例外ではない。信雄軍が心を一つにしたときは、何ならこっちを応援しようかって思うくらいで、プロットとしてはなかなか面白かった。戦は史実の通り信雄軍の撤退で終わる。ここまでは良かったんだけど、残りの30分がちょっとね…。人でなしの無門に、人の心が芽生えるような…物語の締めとして大事なパートではあるんだろうけど、これがどうにも面白くない。川と呼ばれる1対1はやたら長いし、第二次天正伊賀の乱(1581年)は説教臭いところがあり、現代の映像を被せてきた時には、もうこの映画はダメだと思った。とはいえ途中までは楽しめたことを忘れず5点は付ける。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2018-07-08 21:37:24) |
196. 君の膵臓をたべたい(2017)
<原作未読>興行収入30億円超のヒット作。これだけヒットした理由の一つにリピーターの多さが挙げられるらしいが、気持ちがわかった。桜良にもう一度会いたくなるね。わがままではあるけど、死と向き合いながら明るく健気に振る舞う彼女を見ていると、できうる限りのことをしてあげたくなる。恐らくこれは浜辺美波の好演によるところも大きい。「お涙頂戴もの」と言ってしまえばそれまでだが、山内桜良というキャラクターの勝利でガッツリこの映画に浸れた。最後に明らかになる“あの日、天が味方せず聞けなかったこと”、そして手紙… この二つで驚き等々があればさらに良かったと思う。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-06-11 22:31:17)(良:1票) |
197. 恋は雨上がりのように
《ネタバレ》 原作は読んでいないが、アニメ版を観ていたために、良いのか悪いのか、流れは一通り頭に入っていた。できれば映画→アニメの順で観たかったが、録りためて我慢ってのができない性分だからなぁ…。それはともかく映画としてはとても良くできていたと思う。テンポがよく、ときどき笑いが起きて(そのための大泉洋起用かな)、キャスティングも脇役に至るまでバッチリ。九条ちひろに戸次重幸とか、役に説得力がありすぎるよ。そして大人としてのモラルが示されていて気持ちがいい。年の差カップルが悪いってことではないんだけど、相手はまだ高校生だし、実際問題としてはなかなか厳しい。その前提のもとで店長の振る舞いはおっさんとしてかっこよかった。厨房の加瀬さんが解説してくれてたけど、店長はあきらが人生の雨宿り中なのを知っている。だから突き放すことなく、もちろん近寄りすぎることもなく、適度な距離感を保った。そして然るべきときに「さあ、雨は上がったよ」と背中を押してくれる。意図を汲んだあきらが見せる笑顔… いいね。そして、はるかと一緒に練習を再開する場面のなんと美しいことか。さらに、さらに、ラストもまた素晴らしい。物語は、映画を観た人の心の中で続いていくはず。その後をどう想像しようと自由だ。この大いなる爽快感は良作の証。 [映画館(邦画)] 8点(2018-06-03 00:00:34)(良:5票) |
198. 花戦さ
<原作未読>長かった。そう感じてしまったのはキャストにいまいち魅力を感じなかったからか。佐藤浩市は今や日本代表する俳優の一人だが、利休を演じるにはまだ若かった(三國さんが利休を演じたのは60代後半になってから)。同じく秀吉も若い、逆に三成は老けすぎ。そして主人公だが… あの芝居で正解なのかな? この辺りは原作を読んだ人に任せようと思うが、ともあれ、このようなちょっとした違和感が積み重なって物語に入っていけなかった。残念。ただし、お花に関してはあっぱれ見事な芸術作品。これだけでも見る価値はあったというもの。日本の伝統文化は味わい深い。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-05-29 21:01:04) |
199. わたしは、ダニエル・ブレイク
是枝監督の「万引き家族」がパルムドールに輝くというビッグニュースが入ってきたその日に2年前の同受賞作「わたしは、ダニエル・ブレイク」を鑑賞。ドキュメンタリーではないので当然誇張もあるだろうが、これを観たイギリスの公務員は何を思うのだろう? 長年真面目に働き、税金を納めてきた主人公に対するあまりに冷たい仕打ち。普通なら自分のことでいっぱいいっぱいになるはずだが、ある母子家庭のことを気にかけ、親身に接するダニエル。その人柄が映画に温かみを与えていた。(特に前半は)淡々としていて、映画としてどうかな?とも思ったけど、終わってみればやっぱり佳作として記憶に残る。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-20 23:06:41) |
200. 孤狼の血
《ネタバレ》 <原作未読>圧倒された。なんという熱量だろう。そして今、無性に呉弁を使ってみたい。正直、ヤクザ映画ってほとんど見てこなかったんだけど、70年代風の東映オープニングロゴが出てきた瞬間、胸が高鳴って、不思議なものだと思った。どぎつい暴力描写、グロさも話題だが、冒頭の豚小屋シーンさえ乗り切ればあとは何とか大丈夫。めちゃくちゃなガミさんと、彼に振り回される若手刑事の日岡、これが純粋に”バディもの”として面白い。さらに、やたら刀が似合う江口洋介、ビックリ、ドッキリ…の石橋蓮司、ギラギラ竹野内豊、不味い耳じゃのうの中村倫也、真珠の音尾琢真など、愉快なヤクザの皆さまが絡んで最後まで突っ走る(急に役名ではなく俳優名になってしまった)。日岡の覚醒と、ガミさんの優しさに思いを馳せながら、あぁ、いい映画だったな~とエンドロール中、しみじみとね。 [映画館(邦画)] 8点(2018-05-16 23:42:56)(良:1票) |