121. 天気の子
《ネタバレ》 言うまでもなくファンタジー。もちろん何らかの比喩ではあるんだろうけど、最善の道はケースバイケースだから、あまりピンと来なかった。東京に雨が降り続くから死んでくれと誰が言えよう。天気が狂って皆が大変な思いをしようとも愛するかけがえのない人には生きていてほしい。生きるべきだ。不吉なことだが、この映画が公開されてから1年も経たないうちに本当に世界は変わってしまった。新型コロナウイルスが教えてくれたこと…とでも言うべきか、世の中なるようにしかならない。異常気象、天変地異に抗うことはできないし、地球に住まわせてもらっている以上withで生きていくしかない。そういう姿に今だからこそ感じ入る部分もあったのかな。概ね暗い話で決して好みではないが、とりあえず6点。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-11 19:13:20) |
122. ルパン三世 THE FIRST
お馴染みの「ルパン三世」だが、初のCGアニメ化、その名も「THE FIRST」。こんな感じになるんだ~と新鮮でワクワク感も大きかった。また、銭形は昭和一桁生まれだし、ヒトラーが生き延びているかもしれない…くらいの時代にあえて設定しているのもセンスがいい。ルパン一味が活躍する舞台としてはこれくらいの時代がよく似合っている。脚本的には特段こだわりもないだろうけど、ランベールの心の揺れはもう少し丁寧にやってほしかったかな。はっきり言ってしまえば、よく分からなかった…。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-07 23:04:24) |
123. 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
初めは重そうだなーと思って観続けるのが億劫だったりもしたのだが、しばらくすると笑えるような場面も出てきて、ちょっと変わった二人の恋愛模様に興味が湧いてきた。主役二人も好演している。池松壮亮はもちろんだが、デビューから間もない石橋静河もまるでベテランのような安定感。最後には「まさか」なことも起きて、東京という街の厳しさと面白さを感じられた。良い映画だと思う。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-29 23:07:58) |
124. ホテル・ムンバイ
実際に起きたテロ事件の映画化であることから恐らく救世主、ヒーローは現れないのだろうという諦めが怖さを増幅させる。ドラマを持たせた人物でも無慈悲に殺されていき、なかなかキツイ映画ではあったが、アルジュンの被り物の話であったりはいちいち頷きながら聞いていた。極限状態での人間ドラマだ。最初にヒーローは現れないと書いたが、客を見捨てることはできないとホテルに留まった従業員はヒーローと呼べるかもしれない。多くの犠牲者が出たが、最後は少しだけホッとできて良かった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-15 22:39:02)(良:1票) |
125. ターミネーター:ニュー・フェイト
冒頭に出てくる1998年パートにまずは驚いた。CGの進化は凄いもんだ。そして舞台はその22年後=2020年に移る。1作目は男が女を守り、2作目はロボットが少年を守った。2の正統な続編と位置付けられている「ニュー・フェイト」は女が女を守るわけだが、やってることは相変わらずの追いかけっこなので見飽きた感は否めないところ。敵もシュワちゃんやロバート・パトリックをずっと超えられずがこのシリーズの宿命みたいになっちゃって…。でもリンダ・ハミルトンがまたサラ・コナーとして戻ってきたのは嬉しかったから少々甘めに採点。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-20 23:37:42) |
126. 蜜蜂と遠雷
《ネタバレ》 <原作未読>これはなかなかの見応え。ピアノコンクールが舞台だがメインの4人は互いに刺激し合って、助け合ったりする。ライバルというよりピアノによって巡り合った友なんだな。残念ながら明石さんは最後まで進めなかったが、残った天才3人がそれぞれ自分との闘いに勝利することで生み出される音楽がそのまま圧巻のフィナーレとなる。ここまで来たら"優勝はあなたの想像にお任せしますEND"でも面白かったかもしれない、なんてことを思ったり。つまりみんなが勝者に映ったってことで、素晴らしい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-11 23:40:51) |
127. 記憶にございません!
ダメ総理大臣兼ダメ親父の再生をテーマにしたコメディドラマであるが、笑いの部分とドラマの部分、どちらも及第点に届かずな印象。大笑いできるわけじゃないし、とくに感動するでもない。しかもちょっと長くてだれ気味なのだ。まあ真田丸を見るにまだ才能が枯れたわけじゃないと思っているので次に期待。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2020-07-21 23:02:20) |
128. コンドル(1975)
《ネタバレ》 1975年当時でもそれほど目新しいタイプの映画ではなかったと思うが、40手前のロバート・レッドフォードがかっこよくて絵になる。無関係の女性をほぼ拉致して巻き込む。さらに高圧的な態度を取っても最後は惚れさせて男女の関係になるんだから凄い、さすがの色男。そして彼の命を狙う殺し屋の存在感もこの映画を語る上では欠かせない。マックス・フォン・シドーを配役した時点で勝利。ラストシーンも見事だが、総評としてはやや地味かなと。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-17 00:03:21) |
129. アバウト・タイム 愛おしい時間について
《ネタバレ》 あの日、あの時、あの場所で、君に会えなかったら…(小田和正)過去に戻ってしまったばかりに失ってしまったメアリーとの出会い。2回目3回目がより1回目を輝かせ、1回目しかない普通の人の出会いを賛美する。父との別れは自ら決断しなければならないつらさと、思いはすべて伝えられる幸せさとでなんとも言えない二人の時間だったなぁ。相変わらずビル・ナイが良いんだ。タイムトラベルものとしての面白さはそこそこながら、心温まる佳作として記憶に残る。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-16 01:07:36)(良:1票) |
130. 劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
<ドラマ版とかは未見>正直お粗末なところも多々見て取れ、お世辞にも質が高いとは言えないのだが、なんだかんだで最後まで見ちゃって、結局感動もしてるという不思議な感じ。父と子の…っていうのはいつの時代も定番で安定しているようだ。でも、主人公の世代で子供時代にファミコンはやっぱりないな。プレステとは言わないからせめてスーファミにしてほしかった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-06-22 00:52:12) |
131. 破獄(1985)<TVM>
《ネタバレ》 「そこに塀があるから」って訳だね。脱獄のスリルもあるが、やはり佐久間と鈴江の関係性が面白い。囚人と看守から最後は親友のように。これを緒形拳と津川雅彦が演じているが、二人はプライベートでも仲が良く、通じ合っている感が芝居にも現れていたように思う。哀しい物語だが、少しだけ温かさを残していくのが良い。「いいこともあるよ」か…。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-06-20 23:31:47) |
132. ザ・ファブル
原作は全然知らないけど映画に限っていえばアクションが最大の売りで、それ以外は「キャストがちょっと豪華」といった程度で、濃いキャラたちを活かしきることなく終わってしまった。主人公の天然ぶりは嫌いじゃないし、演じた岡田准一も日本屈指のアクション俳優としての面目躍如。美女二人も目の保養になる。頑張って褒めればこれくらいはいけるか。5点献上。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-06-14 00:32:38) |
133. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
前作に比べずいぶん盛りだくさんになった。ゴジラ、キングギドラ、ラドン、そしてモスラ。日本が生んだ怪獣たちが21世紀にハリウッド映画で大暴れしているのはやはり嬉しいものだ。2020年公開予定の続編ではついにvsキングコングが実現するようでワクワクが尽きない。日本関連で続けると、芹沢博士役を託された渡辺謙は堂々英語で渡り合っていて大したものだと思う。私生活のゴタゴタはともかく、俳優としては凄い人だなと。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-04 15:35:25) |
134. GODZILLA ゴジラ(2014)
ゴジラに特別思い入れがあるわけではないが、なんとなく懐かしい気分に浸れたので自分にとってはまあまあのリブートだった。やっぱりゴジラは他の怪獣と戦わなきゃね。一方、家族の物語は尺稼ぎといったところ。ブライアン・クランストンのような名優の起用が逆に勿体なさに繋がってしまった。続編はもうちょっと評価が高いようなのでそちらに期待。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-04 15:34:37) |
135. デイアンドナイト
《ネタバレ》 主演俳優と監督が4年温めてきた企画で、山田孝之がプロデューサーとして名を連ねている。自殺した父の日記にあった「善と悪はどこからやってくるのか。そして私は今、どちらにいるのだろうか」...これを追いかける2時間だったように思う。自分の信じる正義のために罪を犯す矛盾と、やがて訪れる破滅が問いかける。「(大切な人)守れたの?」(奈々)、「お前全部間違ってるよ」(三宅)。一方、奈々という希望、救いもあるため意外と後味は悪くなかった。田舎町の美しい風景を中心とした映像美が心に残る一本。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-13 23:09:17) |
136. さよならくちびる
好きな曲ってもちろんあるけど、メロディが好きなだけで歌詞についてはあまり気にしないのが正直なところ。しかしこうやって主人公の背景にあるものを知って歌詞を見つめると詩として心に入ってくる。ハル、レオ、シマはどうにもならない三角関係の中でラストツアーを続ける。行きついた先に正解も不正解もない。これからどうなるのかも分からない。でもタバコふかして、ギスギスして、ぶつかりあってた、そんな3人の日々がどこか愛おしく感じられる。それだけで十分かなと思う。そういう映画だった。小松菜奈は明るい色のショートヘアが似合っていてこの作品の華といえる存在。門脇麦は内に秘めた感じとか上手で演技派と言われる人ならではの安心感があった。で、新しい発見なんだけど成田凌がすごくいい。実年齢に+5歳くらいの渋さを感じた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-03-29 20:45:49) |
137. THE GUILTY ギルティ(2018)
話題になったデンマーク映画。BGMは一切なかったと記憶している。そしてオペレーターである主人公アスガーはあの緊急通報司令室から一歩も出なかった。電話の向こう側が映像として出てくることはない。そこを想像で補ってストーリーを完成させる。これがなかなか面白い。戦慄の一言に主人公と同じように頭抱えたりしちゃってね。デンマークは小さな国ではあるけど、役者のレベルも高かったなー。電話で話す相手は声だけの演技になるわけだが、とてもリアルに伝わってきて見事だなぁと。7.5点。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-03-12 22:01:22) |
138. グリーンブック
《ネタバレ》 黒人ピアニストと白人運転者の8週間の旅。初めはお金のためだったが、徐々に友情が芽生え…という大筋の流れは言ってしまえばありきたりかもしれない。なにか驚きの展開があるわけじゃない。しかしこの映画はとても面白かった。会話だけでもそう思わせるセンス。二人のキャラクター設定に、演じた俳優の力量もあるだろう。すべてが洗練されていて、中だるみもなく、最後は少しだけ嫌な予感を持たせてからの~~ ハッピーエンド。こういう上質な映画はちょっとした幸福感を与えてくれる。期待通りの秀作。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-09 22:30:31)(良:1票) |
139. 運び屋
ある意味、ロードムービー。警察の取り締まりやおっかないメキシカンマフィアなど適度な緊張感の中に、適度な緩さもミックスされていて心地よさを感じる映画だった。アメリカの広さや音楽を感じながらドライブにお付き合いしているようでもある。主人公アールは怪しい仕事に手を出すほど経済的に苦しく、家族とも上手くいっていないという一面と、戦争を経験した元軍人らしい肝の据わり方や、長く生きてきたからこその余裕を感じさせる一面とがあって面白い。またこれをC・イーストウッド御大が相変わらずの円熟した演技で魅せてくれる。監督としても俳優としてもまだまだやれると証明し続けるレジェンドに心から敬意を。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-01-22 21:13:18) |
140. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 史上最悪とも言われる日韓関係の中にあっても傑作があると聞くと気になって仕方ない。それが韓国産であろうとも…(別段、ポン・ジュノ監督のファンというわけではない)。というわけでちょっくら鑑賞。一言で、やはり面白かった。しかし、思っていた感じとは結構違って驚きもあった。割とコミカルだし、寄生が完了した後はドタバタもしてる。パルムドール=静かな作品というイメージがあったから、こういう作風でも行けちゃうんだなって…。取っつき易く、観る者を楽しませることを忘れない作り。それでいて最後に残る感情はこの映画の凄さを証明する。確かにキム一家は悪いことしてきたし、金持ちパク夫妻にムカッとしたのも事実だ(子供たちは最後まで純粋でいてくれてホッ)。だけどあの惨劇を目の当たりにして、因果応報!などと喜べるはずもない。どうしてこんな事になっちゃったんだ…。そんな虚しさが支配する。最悪の事態を招く前に考える必要がありそうだ。そういう段階に来ているとも思う。 [映画館(字幕)] 8点(2020-01-12 01:34:44) |