1. はじまりのうた
《ネタバレ》 楽器たちがマーク・ラファロのアレンジ通りに動くシーンが始まって、そこから引き込まれた。 彼女が楽曲参加することに怪訝な態度を示す軽薄なノリのプロデューサーもいい。竹中直人みたい。 彼氏の歌声を聴いてようやくMaroon 5のイケメンだと分かった。めちゃめちゃ歌が上手い…いけすかねえ。でも簡単に不貞を働くダメイケメン役をあてがわれてる様が、そのイケメンぶりをイジられてる感じの配役に感じられて笑ったので許す。 ノラ・ジョーンズやカーディガンズの名前が出てきて嬉しくなった。キーラ・ナイトレイの歌声がカーディガンズのニーナみたいだったし歌もすこぶる上手くてとてもいい。 屋外でレコーディング、子供たちが参加、ストリングスも入るなんて、バンド構成として普通にめっちゃいいぞ。バンドやってた人は楽しかった頃を思い出して見ててワクワクするのでは。 元妻にバイオレットが歌が上手いかどうかを尋ねるシーンは、玄関で二人でタバコを吸ってて、でも煙を気にしてドアを開けて煙を出すアクトがおかしい。ダンナがタバコをそのまま持ち去ってしまうし。 スプリッターで同じ曲を二人で聴き合うシーン、これもすごくいい。個人的にバンドメンバーとCD交換しあった楽しかった思い出が蘇ってきた。『花束みたいに恋をした』はこのシーンからインスパイアを受けているのでは。 ところどころ iPhoneで撮ってる? バイオレットのギターソロ、サウンドがグッド。フィーリングもとてもいい。 アダム・レヴィーンのライブシーンはいけすかないながらも曲が良すぎてグッと来てしまった エピローグもとてもいい。最後のフィルム・ストリップも含めてずっと楽しい。 ニューヨークの夜景も綺麗だし、ティーンの恋のエッセンスも描かれてる。出会いだけでなく離婚の関係性も入っていて実はかなり高密度なパッケージングなんだけど、全体を通して重くなってないのはお見事。 この高得点は私がバンド経験ありで音楽も好き、というのが多分に影響している。 残りの一点は、わかりやすい映画なので奥行きを掘るために何度も見返す感じではないところにあるんだけど、別にそういう難しさはこの映画になくてもいいとは思う。 [インターネット(字幕)] 9点(2024-08-18 21:50:22) |
2. フレンチアルプスで起きたこと
《ネタバレ》 - うまい。三谷幸喜や伊丹十三なんかが好きな人は合うんじゃないかな。 - 緊張と緩和があり、シリアスなシーンの中にも折々、日常を感じさせるどこか他人事なやり取りが挿入される。 - どこの家庭にもある夫婦間の感情のズレも、いちホテルの従業員から見ればやはり他人事で、でも本人はどうしようもない感情に押し流されて慟哭が止まらない。 - せっかくの家族旅行なのにどうしてうまくいかないんだろう。それでもみんな手を繋いで、前を向いて歩いていくんだ。ズレや悲しみを誤魔化しながらも。 - ラストシーンがどこかヴィットリオ・デ・シーカ監督の自転車泥棒を彷彿とさせた。 - 電動歯ブラシのシーンいいなあ。奥さんがスキー場で用便するシーンを入れるのも上級者。 - 深刻な状況でもトイレは行きたくなるしスッキリと解決しないまま明日は来てしまう。 - 謎のクラブシーンもよかった [インターネット(字幕)] 8点(2024-06-24 16:27:33) |
3. ショート・ターム
《ネタバレ》 カメラが手持ちなのか、どの画にも臨場感がある。 全体のカラートーンも統一されていて完成度が高い。 自分の境遇に重なるところがあり、見てて辛い場面もあったが、救いがあってよかった。 特に最後のエピソードトークは素晴らしかった。 そして物語は続く。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-06-22 11:17:47) |
4. セッション
《ネタバレ》 - 人が死ぬほどのスパルタを賛美するような描写はキツイな - でも泣いた。演出自体はよい。全体通して飽きないし。画も悪くない。 - ドラムソロがさすがに長すぎた - これ演者はリアルに演奏してるの? - 誰だよ邦題考えたの...全然セッションしてないじゃん...いつセッション始まるのかと期待してみてたら最後までなかった - まあでもフィクションとして一つ振り切った作品を存在させておくことはいいこと - 最後のシーンでフレッチャーのジャズの鬼の魂に火がついてしまい、アンドリューを過激な方法で刺激するわけだが、さすがに観客のいる本番で演奏する楽曲を知らせておかずに恥をかかせるのはナシだろ。その割を食うのは客で、観客は金払ってきてるんだからさ。 - そういうのも含めて、細部の都合は無視して過激な音楽フィクションを作りたかったのかなー知らんけど。 - フレッチャーのキャラが好きな人はフルメタルジャケットも見るといいです。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-04-06 11:47:39) |
5. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 ハッピーな話ではないし陰惨なシーンもあるが台本の流れがエンタメ性が高く飽きずに見ていられる。 ただ、不衛生な描写がそれなりに挿入されるため見ていてあまり気持ち良くはなかった。 リアリティはあまりない。 話題作を一応見ておきたいぐらいであれば2倍速で見ても十分楽しめる。 間白や構図、止め絵として凝った芸術性の高いシーンなどはあまりなく、本題でもないようなので、早送りでも作品の良さは特に失われない。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-06-10 19:19:32) |
6. 恋人たち(2015)
喪失と再生。 頑張って、そして人に優しく生きていれば、 誰かが実は肯定してくれてて、 それに気づいてなんとか小さな変化と自己肯定と一緒に生きていける。 人に優しくしない人は、誰かの後押しも得られなかった。 もちろん、現実にはより暗い地獄があって、そうじゃないこともあるけれど、 飯食って笑っていければなんとかなるんだ、という希望を、 嘘でもいいから持って生きていきたい。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-05-14 00:53:51) |
7. 子宮に沈める
《ネタバレ》 子役の演技をコントロールするのが大変だったらしい。 それだけ自然に撮影できてる。子供が映っているシーンが大部分なので、珍しいと思う。 内容は辛い。 しかし、『誰も知らない』(是枝裕和監督)とはまた違った見せ方で育児放棄の現場を感じ取れるのは、福祉などに関心がある者にとってはありがたいと思う。 [インターネット(邦画)] 9点(2023-01-04 17:58:47) |
8. パターソン
《ネタバレ》 よかったし、泣いた。 映画・自転車泥棒を思い出した。 それでも、人生は続くのだ。 ダメになっても、また白紙のノートを携えて、前を向いて歩くと、きっと気持ちがよくて、誇らしい。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-03-21 01:39:40) |
9. インクレディブル・ファミリー
《ネタバレ》 前作に引き続きアイディア満載で見てて飽きさせない。 ただ、前作に比べるとややご都合主義的なところがあるかなあ…。 カットしたシーンが多かったりするのかな? それでも映像が気持ちいいし、やっぱり声優陣の演技が素晴らしいので良作だと思う。 [インターネット(吹替)] 7点(2022-01-04 02:10:04) |
10. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 あれだけの銃火器を持っていながらなんで親玉と徒手空拳で殴り合うのか...。そしてキャットウーマンは必要だったのか...アン・ハサウェイを見たかっただけじゃないのか...。 それでも今作でもバットポッドの横回転はめちゃカッコいい。アルフレッドの忠臣ぶりも健在だ。 ラストシーンが意味深。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-11-04 12:11:11) |
11. ジョーカー
役者の演技もさることながら、カメラワーク、音楽が素晴らしかった。とても惨めで救いがない…いや、ある。同調してくれた人々ができたことで彼は孤独ではなくなった。もう笑いを我慢しなくてよくなった。 ちゃんと「分断」が描かれていた。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-10-09 14:14:43) |
12. メッセージ
超長期間交錯と未来の記憶が大好きなのでツボにハマった。 また、序盤から見たことのないものを見せてくれたことで大いに畏敬を感じ終始泣きながら見た。 字幕の意訳っぷりが目立つ箇所にはやや不満はあったが、まぁいいです。 音楽も素晴らしかった。パルス波を使った信号のようなボイシングが印象的。 これが実写で見れて良かった。アニメだったら映像表現...というか解像度やライティング、演者の存在感の限界で、そこまで感動できなかったと思う。 [インターネット(字幕)] 10点(2021-08-12 11:23:23) |
13. マッドマックス 怒りのデス・ロード
映像だけで長時間持たせるのがすごい。 過去作を見てなくても単品でも鑑賞に堪える。 ちゃんと設定に奥行きがある。 アートセンス抜群。 芸大なら首席卒業じゃないだろうか。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-06-08 17:28:02) |
14. レディ・プレイヤー1
《ネタバレ》 ゲーム・アニメ・特撮・SFなどのサブカルチャーで育った世代にとってはニヤリとするシーン多し。 また名作映画を押さえていればオマージュにピンとくるため更に楽しめる。 IOI施設内の労働者用ポッドがシン・エヴァに出てくるアスカとマリ用の部屋っぽくて既視感があった。 音効のベースにはBTTFがあり、ゼメキスの名前も出てくる。 製作時のスピルバーグは70歳を超えたところだと思うが、現役世代かのようにゲームやVRの世界観を描き出すのはすごい。 本人がそういった世界が好きなのもあろうが、きっとスタッフの声を謙虚に取り入れる才覚があるのだろう。 とりあえず「オレはガンダムで行く!」が素晴らしかったので満足度が高かった。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-05-01 21:08:34) |
15. の・ようなもののようなもの
長年、森田芳光監督の下で助監督を務めた監督だけあって、撮り方は上手い。うまいが…、人情話としても上げ下げの幅が小さいし、日常譚としても、もうちょっと笑いどころを入れるとか…技術があるだけに惜しい作品だなあ。 [インターネット(邦画)] 4点(2020-11-26 19:44:40) |
16. インセプション
インスパイア元の作品から想起したシーンを映像化するのはここらが限界、という印象を受けた。 そして、映像化で手一杯でストーリーと演出が疎かに…というか、登場人物にルール説明させてたら、スムーズな接続を構築するのはまあ無理なんではないか。 映画に地の文があればなあ…。 映像美はよかった。そこはさすがノーラン監督。 渡辺謙は英語がすごくうまかった。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-09-27 12:22:33) |
17. WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
家族が見ていたので傍で家事しながら鑑賞していたのだけど、それでも十分面白さが伝わってきた。 もう一度ちゃんと見直そう。 [インターネット(邦画)] 7点(2020-05-14 21:10:39) |
18. 翔んで埼玉
《ネタバレ》 前評判に期待して見たら意外と楽しめなかった。 やはり原因は、自分が地方出身者であり、馴染みのないローカル感を共有されてもコンテキストが自分の中に無いためであろうか。 共感ができなかった。 ガクトの抜擢はハマってると思うし、キャストは豪華で、映像も綺麗。しかし、セリフが聞き取りにくかった。 音響調整した人にあんまりそういう知識が無いのかもしれない。 関東に憧れて、夢を抱いてた若い頃なら楽しめたかもしれない。 [インターネット(邦画)] 4点(2020-04-03 17:36:13)(良:1票) |
19. 殿、利息でござる!
《ネタバレ》 最後の最後で泣いた。無私に生きた篤志家の話である。 殿様が頑固者の酒屋を救ってくれてよかった。 途絶えた藩からの利息を再び得られるようにした中心人物の譚もまた良かった。 [インターネット(邦画)] 8点(2020-03-26 23:14:51) |
20. モアナと伝説の海
《ネタバレ》 展開がやや早過ぎるが、分かりやすく飽きずに観れるという点ではいいのかも。 モアナとマウイの口喧嘩に賢さを感じた。脚本家の、このバランスの取り方は見事。 (逆に子供と年配の方はそのシーケンスがあまり理解出来ないかも) シンプルに冒険劇として割り切ったシナリオも首を傾げるところが少なくて良かった。 吹き替えで見たがモアナの声優が素晴らしかった。 CGの出来も素晴らしかったが、ちなみに、海のアレを見たとき「アビスだ!」と思った。 スターウォーズのルークがライトセーバーで手を落とされるアレも出てくる。 [地上波(吹替)] 8点(2020-03-23 20:23:28) |