21. 罪の声
《ネタバレ》 35年前の未解決事件を、新聞社が総力をあげて解決に取り組み、いろいろ困難はあるにせよ真相が次第に明らかになり、ついには主犯の一人に行き着き、主犯が能弁に事件の全容を語る。市井のテーラーである主人公の一人は、両親や叔父、祖父の過去をほとんど何も知らない。犯行グループは飲み屋で堂々と犯行の打ち合わせをし、内輪もめをする。これらの設定はちょっと無理があり違和感を感じる。が、この映画は犯行に声を使われた二人の子供のその後の運命を描くものとして見るべきなのだろう。星野源が自分が犯行に関与していることを知った善良な市民としての困惑と悩みをうまく演じている。妻子を持ち平和に暮らす曽根家と、悲惨な運命をたどる生島家を対照的に描いている。 [映画館(邦画)] 7点(2020-11-27 15:26:17) |
22. 魔女見習いをさがして
《ネタバレ》 電車の中で出会った青年は絶対詐欺師だと思ってみていたが、違った。 [映画館(邦画)] 5点(2020-11-21 14:28:27) |
23. チャイルド・プレイ(2019)
《ネタバレ》 高性能の人形が襲ってくるホラー&パニックムービーとしてなかなかの出来。ちょっとグロいが。友情を誤解して暴走するところは、よくあるストーカーの心理と同じ。黒人警官が助かったのはよかったが、母親が殺されたのはかわいそう。そばかすの女の子が勇敢でかっこいい。母親の口にガムテープを貼って首にロープを巻き付けたのは、どうやってやったのか不明。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-16 15:15:44) |
24. 人間失格 太宰治と3人の女たち
《ネタバレ》 独自な彩色にこだわった映像と、女優陣は好演しているが、ありきたりな太宰治のエピソードをつなぎ合わせたようなストーリーで、まったく感情移入できない。太宰の苦悩も、女たちの悲しみもその理由がほとんどわからない。強めのパーマをかけた今風の太宰治像に最後まで慣れない。シリアスなのか、コメディタッチなのかよくわからない。太宰治って左利きだったのか? [ブルーレイ(邦画)] 3点(2020-05-15 18:11:51) |
25. ジョーカー
《ネタバレ》 精神病を患いボロアパートで病気の母の介護をする男が、世間に蔑まれいじめられて追い詰められ犯罪者となっていく。そのわりには容易に美人と恋に落ちるとおもったがこれは妄想。テレビに取り上げられるところ、テレビに呼ばれるところも妄想と思ったが、これは事実? 街に暴動が起きることや、最後はヒーローに祭り上げられるのも妄想と思ったが…。本当にこんな人物がいたら猟奇的な犯罪を犯す精神病者として世間から排斥され、ヒーローになどなるわけない。「「バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話」であることはあとから知った。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-23 14:51:03) |
26. 楽園(2019)
《ネタバレ》 杉咲花の抑えた演技が美しい。無言、もしくはほとんどセリフがなくても、内なる感情をよく表現している。連作短編を一つにまとめて構成したものだが、いくら村八分にされたとはいえ、善次郎が猟奇殺人犯になってしまうのはちょっと無理がないか。ラスト近くはイメージ映像の連続のようになってしまうのが残念。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2020-04-23 11:37:46) |
27. ミッドサマー
《ネタバレ》 北欧の村で行われる伝統的な奇祭を見に友達に誘われて訪れたカップルを含む一行。最初は見ているだけだったが徐々に巻き込まれていく。家族の不幸な死がトラウマになっているヒロインはそのトラウマをますます悪化させていく。喧嘩したり仲直りしたりを繰り返していたカップル、通常の映画なら愛を確かめ合ってハッピーエンドに終わるが、その逆を行く。奇祭とは名ばかりで、実は信仰の名のもとに平然と殺人を行なう狂気集団。その所業が発覚すれば一網打尽に逮捕されるべきカルト集団。諸星大二郎的な伝奇的な物語を期待したが、北欧の牧歌的な風景が舞台になっているのが珍しい以外は新鮮味が薄い。救いようもなく、きわめて後味が悪い映画。村の雰囲気は「ヴィレッジ」に似ている。 [映画館(字幕)] 5点(2020-03-20 16:32:32) |
28. 万引き家族
《ネタバレ》 疑似家族、犯罪家族だけど、本当の家族よりも温かい絆で結ばれている、という様を描くのはよいが、さすがに金づちで車のガラスを叩き割って盗みをするような父親では、祥太も逃げたくなるだろう。 [映画館(邦画)] 7点(2020-01-28 23:23:13)(良:1票) |
29. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 半地下で暮らす貧しい家族は「万引き家族」を彷彿とさせる。富豪の一家に取り入る過程や富豪一家のキャラクターなど、あまりに漫画チックで、このままコメディとして進んでいき、ほろ苦いハッピーエンドなんかを迎えるのだろうか、と思いきや、予想外の展開で、最後は惨劇に。まあ、面白くは見れるが、意図しているところがなかなかつかみにくい。 [映画館(字幕)] 6点(2020-01-28 23:12:21) |
30. 運び屋
《ネタバレ》 どうってこともないシンプルなお話だが、老人の悲哀や周囲の人々とのふれあい、家族との復縁を描いて、しみじみと見れる。あんなやばい仕事に手を染めていたら、いずれパクられるかトラブルに巻き込まれ、結局家族を悲しませることになるのは予想できそうなものだが… 最初のほうの受賞式のスピーチでのジョークはまだ意味がわからない。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-08-18 00:12:24) |
31. クワイエット・プレイス
《ネタバレ》 家族を守る力強い父親と、子供を産み育て家庭を守る優しい母親を中心としたホームドラマ風ホラー。出産への対策としてどんなことを計画しているのだろうと興味津々に見ていたら、数発の花火だったとは。技術者っぽい父親だから、どこかのスピーカーからメタルを流しっぱなしにするとか、より効果的な対策ができたのではなかろうか。動物の鳴き声にも反応するのだから、地球上の動物はすでにことごとくやられたのだろうか。セミとかカエルとか一匹一匹攻撃していたら、到底追っつかないだろう。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-07-13 13:20:26)(良:1票) |
32. MEG ザ・モンスター
かわいいだけじゃなく、ものすごく勇敢な女性を描くことに成功しているが、実際にいたらただのバカだろう。エサでもないものを執拗に攻撃する動物、ゴジラ並みの難敵に気合いだけでぶつかっていくヒーロー、ヒロイン、と突っ込みどころは多いが、まあ、楽しめる。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-01-26 15:56:08) |
33. 光(大森立嗣監督作品)
《ネタバレ》 純愛ものと思いきや、全くそうではなく、暗くどろどろした愛憎のドラマ。すべての登場人物が屈折している。結局誰も幸せにならない、救いようのない物語だ。俳優たちの過剰な演技が際立つ。ときどき挿入されるシュールな映像と、場違いなBGMは、よく意味がわからない。といっても物語としてはよくできている。最大のハイライトはたすくが殺される場面で、話の流れからいって殺されることは決まっているものの、もしかしたらここは殺さないのではないか、とはらはらさせられる。 [DVD(邦画)] 7点(2019-01-14 20:49:55) |
34. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 ゾンビ映像の制作をめぐるどたばたコメディ。最初に完成版の「ゾンビ映像」が流され、その後、その制作をめぐる裏話が公開される。最初の「ゾンビ映像」は学生監督がとったようなチープなもの。裏話の方はなかなか笑える。ゾンビ映像を撮っている様子を撮っているのを、さらに撮影しているという、3重構造になっている。「この不自然さはなに?」と思ったところはすべて回収される。いろいろよく辻褄を合わせたなという感じ。主人公の男女は、「裏話」のときと「ゾンビ映像」のときで雰囲気ががらりと変わるので、別人かと思った。 [DVD(邦画)] 6点(2019-01-14 15:24:15) |
35. ボヘミアン・ラプソディ
《ネタバレ》 フレディってもっと知的でストイックなイメージがあったが、この作品ではかなりワイルドでがさつ、自信過剰、自己中心的なイメージだ。どっちが本当なのか。ストーリー自体は、変わり者の若者、父親との葛藤、バンドの成功、保守的な運営との対立、バンド内の確執、バンドを離れるが結局戻ってくる、恋愛の始まりとすれ違い、別れ、などなどわりとありきたりなものの連続だが、まあ面白く見れる。(同性との恋愛はありきたりではないが・・・) 病気の経過をほとんど描かなかったのもいいかもしれない。最後のライブエイド完全再現シーンが圧巻なので、これで全部持っていかれる。 [映画館(字幕)] 7点(2018-11-25 15:35:48)(良:1票) |
36. 友罪
重く暗いテーマを扱っていて、出てくるのは屈折した人間ばかり。演技派ぞろいの役者陣のなかでも、元犯罪者でも今は更生した人なのかそれとも依然として悪人なのか、今はまともなのかまだ狂っているのか、どうにもつかみどころのない不気味な役を演じた瑛太の演技に注目。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2018-11-03 17:08:02) |
37. トレイン・ミッション
《ネタバレ》 とんでもなくありえない展開の連続だが、はらはらどきどきの連続で飽きさせない。最後は意外な真相も明らかになるし、なかなか出来のいい映画。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-11-03 17:02:42) |
38. 悪と仮面のルール
《ネタバレ》 原作の哲学的な要素をほどよく薄め、サスペンスタッチで屈折したラブロマンスに仕上げた。「邪の家系」やら謎のテロ組織やら、ところどころ残った哲学的な会話などが、一筋縄ではいかない感じを醸し出している。最後の車の中のシーン、香織が新谷弘一の正体にうすうす気づいたと思われるところは、なかなかいい余韻を残すのでは。 [DVD(邦画)] 7点(2018-09-08 16:19:14) |
39. 15時17分、パリ行き
《ネタバレ》 本人たちが演じているということは、予備知識なしでは全く気付かないだろう。 それほど演技は自然だし、3人ともルックスも悪くないので、知らなければプロとしか思えないだろう。 事件に至るまでの3人のエピソードは多く事件(において、3人が対応できた事柄)への伏線になっているので見逃せない。 友情を描いた映画であり、青春映画でもあり、旅行(?)映画でもあり、なかなかの出来。 特典映像も見逃せない。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-08-25 23:28:57) |
40. 去年の冬、きみと別れ
《ネタバレ》 原作とは若干違う方法で真相が次第に明らかにされていく。 その過程は、原作既読でも充分見応えあり。 原作では細かく設定されていた被害者すり替えのトリックが省略されているため、若干不自然になっている面もある。 サスペンスだが、せつない純愛映画としても見ることができる。 「途中からは本気だった」という山本美月のセリフはとってつけたようだが(若干それをにおわせてはいるシーンはあったが)、山本美月クラスにそう言われて無視して立ち去る男もそうはいないだろう。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2018-08-25 23:21:42) |