101. ICHIGO 二都物語
全体的に重苦しく、生臭いのだが、それがクセになるウツ展開がすばらしい。六田登らしくてとても良い。 7点(2014-09-17 05:14:10) |
102. ハンザスカイ
《ネタバレ》 「寸止め」の競技空手というイマイチ漫画として向いていなさそうな題材を、キッチリ描き切った作者は、タダモノではない。 読んでいて痛さや辛さ、そして清々しさまでが伝わってきます。 部活に明け暮れていた高校生のころ、軸足の裏のムケまくった皮だとか、青黒く腫れまくっていた脛だとか、思い出すなぁ。や、面白かったです。 佐渡川準。今までただの「ツッコミ激しい目のギャグ漫画家」とかテキトーに評していて、すんませんした。 7点(2012-08-27 05:06:48) |
103. バチバチ
《ネタバレ》 下手をすれば「時代遅れ」と評されてもおかしくないベタな相撲漫画ではあるが、今は廃れて久しい少年漫画の野蛮なアツさがあり、非常にカッコいい。 ちょっと森下ジョージを意識したキャラ配置が難ですが、久しぶりに堂々とした「少年漫画」を読ませてもらったような気がします。 7点(2012-08-27 04:54:44) |
104. ゴロンドリーナ
今までありそうで無かった、スペインを舞台にした「闘牛」漫画。 主人公は、恋人を失い生きることに絶望したビアン少女と、イワク有り気なヘンクツ中年。とりあえず、今のところ、どのキャラクターにも感情移入できない雰囲気ですが、絵と構成力に華があり、磁力があるように思える。 7点(2012-05-19 01:00:29) |
105. 百姓貴族
《ネタバレ》 「鋼の錬金術師」や「銀の匙」の作者・荒川弘が持っている作家性の根幹にあたる「農業エッセイ漫画(?)」ですね。 北海道にも農にも馴染みのない私には、ただただ興味深い。この作品と「銀の匙」「自殺島」を読むと、無性に鹿が食べたくなる。 7点(2012-04-14 01:29:34) |
106. 高校球児ザワさん
《ネタバレ》 「女子野球部員というフェチを楽しむ!」的な謳い文句で注目された作品だが、時折見せるシリアスな回や、グラウンドの土のにおいがしてきそうな描写に、作者のタダモノじゃない気配を感じさせる。腹筋割れ萌えだけでは、決してない。 7点(2012-03-10 00:56:17) |
107. 愛気
格闘技描写の「あり得そうであり得ない」ギリギリの点を、実にうまくユラユラしながら描いている。主人公の「トンガリ過ぎたサドっぽい正義感」が面白いが…えっと…どのへんが「愛」気なの? ちょっと謎めいたタイトルである。 7点(2012-02-04 00:50:58) |
108. オールラウンダー廻
前作「EDEN」で、ソコソコ魅せていた格闘技描写ですが、まさか「総合格闘技」なんて出涸らしみたいなジャンルに移行するとは…って、アレ?よく考えれば「何でもアリの格闘技漫画」や「何でも組み合わせ異種格闘技戦漫画」は数あれど、キチンとした「総合格闘技マンガ」って言うのは、このマンガが初めてか。 とりあえず、主人公・廻の試合や男男した描写、ライバルとの乖離やヤクザなエピソードなどよりも、脇の女子ファイター同士の戦いに作者の力が入っているように見えるのは…気のせいか?いや、これはこれで…いいとおもいます。 (いや、格闘技描写も比類ないくらいにアツいんですけどね) 7点(2012-01-17 08:16:44) |
109. BUTTER!!!
《ネタバレ》 「マイナージャンルの部活漫画」というカテゴリの中でも、嫌らしい「狙った感」がない。軽くも重い高校生の内面を、見事にヤマシタトモコの軽妙なタッチが描き飛ばしたといったカンジ。「イケてる女子」と話しすぎて知恵熱を出した主人公が、異様に可笑しかった。 7点(2012-01-17 01:16:49) |
110. ねじまきカギュー
物語やキャラクターが、一瞬で沸点にまで達する演出が、実にヘンテコでカッコイイ。勢いを絵に乗せるのが、メチャクチャうまい中山敦支の真骨頂ですね。 ヤンジャンでの人気はソコソコのようですが…(掲載誌に恵まれていないのかも?) 7点(2011-09-28 00:56:35) |
111. 大正野郎
愛すべき大正かぶれな阿呆大学生主人公の、空回り気味・小さな恋のメロディ…とか書くと、何だか森見登美彦の小説みたいだなぁ。 7点(2011-04-23 02:16:26) |
112. モンキーターン
競艇というマニアックな題材を最大限にエンタメ化してますね。競艇なんぞに一切興味のなかった私ですが、かなり惹かれました。尼崎や住之江にレースを見に行ったり、舟券を買ったりまでは、ハマりませんでしたが。 レースシーンは勿論のこと、選手の生活観のリアルや、競艇を取り巻く世界観を見事に描ききっています。河合克敏の真骨頂ですね。 他にも何作かあったであろう、そしてこれから登場したであろう「競艇漫画」の鉱脈を、完全に掘り尽くした感があります。 7点(2010-10-25 03:05:41) |
113. BLACK LAGOON
《ネタバレ》 折角の濃口ガンアクションと、台詞の多さや展開の重さが背反しているような気もするが、読み応えはある。 というか読後の私は、作者の目論見どおり(?)の「ビッチ萌え」と化しました。うーん。大したモンである。 しかし、ロックが自分の勤務している商社に裏切られて、会社を辞めるのは理解できるが、それが日本での生活や家族をも捨てる動機になるのか?それらに対してロックの心情が何も語られていない、という点が、ちょっと腑に落ちなかったりする。 だが作品自体が持つの磁力は大したもので、ヘンデル・グレーテルVSバラライカの物語や、トチ狂ったメイドの拷問シーンなど、悪趣味すぎて実際チョッと退いたりするんですが、アアレヨアレヨとグイグイ引っ張られるように読まされてしまいました。 個人的にはとりあえず、巻末の魔法少女レヴィも捨てがたいのだが、シェンホアの胡散臭い目としゃべり方が大好きです。 7点(2010-10-09 06:26:42) |
114. がんばれ元気
《ネタバレ》 暗く、重く、スカッとしない。しかし、面白い。ボクシング漫画の異端児的存在。 元気の父親・シャーク堀口が遊園地で死ぬシーンは、今でも軽くトラウマです。 蛇足だが、「少年サンデーのスポーツ漫画は、連載中に主人公の父親が死ぬと名作になる」というジンクスを作った(?)漫画と、言えなくもない。 7点(2009-12-28 06:23:40) |
115. 茄子
《ネタバレ》 物語自体、どれも小技が効いていて面白いんですが、毎回「茄子」を絡めて短編連作を描こうとした、黒田硫黄の無茶な作家性が何よりも面白い。 7点(2009-10-09 01:15:59) |
116. 友達100人できるかな
個性的でありながらも、汎用性の高さを併せ持つ作者のセンスには驚かされる。今度は「友達100人」ですか。その友達カウンター、減ったりしないのかどうかが、ちょっと心配だ。大人になると、無闇に減ったりするからなぁ。友達って。 【2010.11.25追記】単行本によると、一度成立した友達カウントは減らないという設定だそうです。一安心。 7点(2009-09-17 18:16:09)(笑:1票) |
117. からん
京阪神の微妙に違う描写に、芸の細かさを感じる。柔道と京女という食い合わせの悪さを、まるで感じさせないのも、スゴイ。 蛇足ながら主将の真昼間の街頭でビールを飲ませるというセンス、今の時代には稀有だと思う。木村紺、恐るべし。 7点(2009-08-28 15:41:59) |
118. まっしろけ
「ラズレズ」や「皆殺しのマリア」(共に原作者・TKD)でパンキッシュな作品を手がけ、「月の光」(原作marjinal)では骨太な現代ファンタジーを見事に描きあげた竹谷州史。 初の原作なし作品の単行本ということで、ハードボイルドか?アウトロー物か?と、勝手に気を揉んでいた。 そんな竹谷作品の新作が、何と人情物とは。ちょっとした肩透かしでした。 ですが、やはり小学館あたりがお家芸としている「普通の人情物」では無いみたいで、どこか「そわそわ」させる展開。 天真爛漫すぎて、チョッと読んだだけでは薄っぺらな嫌味のある主人公ですが、読み進めていくと善行と偽善の狭間で揺れる主人公。二巻を読み終えた時点で思わずエールを送ってしまう気に入りようだ。 いつの間にかこの主人公の懐の大きさに取り込まれている感じ、少し悔しくもあるが、今後の展開が非常に気になる。 7点(2009-04-09 09:32:19) |
119. 無限の住人
凛(お座成り気味)をヒロインとして軸にし、蒔絵(神)、百琳(拷問上等)、目黒(罵詈)と、続々と登場する飽きさせない女子キャラが、とてもいい。(馬鹿発言) 下手をすれば本筋よりもキャラ魅力や物騒な刀剣設定で読まされているような気も。 エキゾチックと無国籍風のマッチングされた絵も面白いし、好きなんだが。 だけど復讐劇って、ある程度の予想からは外れないし、まぁ、どういうラストに落下させるのか、見物。 7点(2009-04-02 20:50:09) |
120. ギャラリーフェイク
中盤以降はマンネリかな?と思ったが、「ケータイ・ストラップ」「時計」、ときには「ブリキ玩具」や、書、香道に至るアノ手コノ手の芸術作品全般を網羅したワイドさが、飽きさせない。 フジタの偽悪的な性格とサラの寄り添い方を見て、ああこの作品、細野不二彦版「ブラックジャック」なのか、と感じた。(多分違う) 7点(2009-03-18 18:40:05) |